ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)

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第55話 地脈の番人と最強の執行役員

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地面の底から、腹に響くような重低音が轟いた。
それは単なる地鳴りではない。山そのものが怒り、唸り声を上げているかのような、圧倒的な質量の振動だ。
足元の岩盤が小刻みに震え、簡易テーブルの上に置かれた鉄鍋の中身がちゃぷちゃぷと揺れる。先ほどまで坑道を満たしていた醤油と砂糖が焦げる芳醇な香りが、一瞬にして土埃と硫黄の匂いにかき消された。

私は、霜降りの牛肉を掴んでいた菜箸を、あきらめたようにゆっくりと置いた。

「……何かしら。この揺れ方は、ただの地震ではないわね」

私の不機嫌な声は、周囲の喧騒にかき消されそうになる。
アークライト家の私兵たちも、捕縛したばかりのヴァロワ家の残党たちも、顔色を失って右往左往していた。落石の音が坑道内に反響し、閉ざされた空間での恐怖を倍増させている。

「じ、地震だ! 坑道が崩れるぞ!」
「逃げろ! 生き埋めになっちまう!」

情けない悲鳴を上げて地面に這いつくばる男たちを、私は冷ややかな目で見下ろした。
これだから、数字の管理もできない無能な連中は困る。リスク管理の基本は、まず状況を正確に把握することだというのに。パニックは利益を生まないどころか、損失を拡大させるだけの悪手だ。

「リリア、下がれ。……ただ事ではないぞ」

頭上から、黒い影が舞い降りた。
ゼロ兄様だ。音もなく私の前に着地した彼の両手には、すでに愛用の短剣が握られている。その背中は、いつになく張り詰めていた。兄様の「勘」は、王都の天気予報よりも正確だ。彼がこれほど警戒するということは、来るべき「客」は相当な大物ということになる。

「グルルルルッ……!」

私の足元で、フェンが喉を鳴らした。愛らしい銀色の毛が、針金のように逆立っている。ノクスもまた、私の肩の上で爪を立て、闇の奥を睨み据えていた。
聖獣と、魔力を帯びた黒猫。この二匹が同時に敵意を向ける存在など、この大陸にそうはいない。

ズズズズズ……ドォォォォンッ!

鼓膜を破るような爆音と共に、鉱山の入り口を塞いでいた巨大な岩盤が、内側から弾け飛んだ。大小さまざまな岩の塊が、砲弾のように降り注ぐ。

「リリア様をお守りしろ! 盾を構えろ!」

レオン様の裂帛の気合いが響く。彼は瞬時に私の前に躍り出て、巨大なタワーシールドを地面に突き立てた。ガギィィィン! 飛来した岩が鋼鉄の盾に激突し、火花を散らして砕け散る。舞い上がる砂煙が視界を白く塗りつぶし、誰もが咳き込みながら目を覆った。

やがて、煙の向こうから現れたのは、絶望的なまでに巨大な影だった。
鋼鉄よりも硬い鱗に覆われた皮膚。丸太のように太い四肢。そして、暗闇の中で溶岩のように赤く燃え盛る、二つの巨大な瞳。

「ア、アース・ドラゴン……! 馬鹿な、伝説上の存在だぞ……!」

レオン様が、信じられないものを見る目で呻いた。その声は、恐怖でかすれている。
アース・ドラゴン。地脈の魔力が集まる場所に住み着き、その強大な力で鉱脈を守護すると言われる、大地の王者。
なるほど、この鉱山がこれほど良質な鉄や銀を産出するのは、この土地の魔力が異常に高いからだったのか。つまり、この子はここの「主」というわけだ。

ドラゴンが大きく息を吸い込み、鼻から熱い蒸気を噴き出した。
プシュゥゥゥゥ――ッ!
その風圧だけで、武装した兵士たちが木の葉のように吹き飛ばされる。高温の蒸気が肌を焼き、周囲の岩が赤熱し始めた。

「ひぃぃっ! 助けてくれぇ!」
「化け物だ! こんなの勝てるわけがねえ!」

ヴァロワ家の残党たちは、恐怖のあまり失禁し、我先にと出口へ向かって這いずり回る。
レオン様もまた、脂汗を流しながら剣を構え直した。

「リリア様、逃げてください! こいつは騎士団が束になっても敵う相手ではありません! 私が時間を稼ぎます!」
「馬鹿野郎、剣など通じる相手か! リリア、俺が囮になる。その隙に走れ!」

ゼロ兄様も、死を覚悟した目でドラゴンの死角へ回り込もうとする。
二人とも、優秀な護衛だ。主人のために命を捨てる覚悟ができている。けれど、経営者としては失格ね。貴重な人材を、こんな無益な戦いで消耗させるわけにはいかない。

「待ちなさい、二人とも。剣を収めて」

私は、慌てふためく二人を手で制し、優雅に一歩前へ進み出た。四歳の少女の小さな体が、巨大なドラゴンの前に晒される。

「リ、リリア様!?」
「おい、正気か!?」

二人の悲鳴のような制止を無視して、私はドラゴンの赤い瞳を真っ直ぐに見つめ返した。
暴れているように見えるが、殺気がない。この子の視線は、私を見ていない。もっと別の、魅力的で、抗いがたい「何か」に釘付けになっている。

私は口元を歪め、ニヤリと笑った。

「レオン様、兄様。よく観察なさい。この子は怒っているわけではありませんわ」
「な、何を仰るのですか! 現にこうして暴れ回っているではありませんか!」
「ええ。暴れている理由は、単純ですわ。この子はただ――『お腹が空いている』だけよ」

私は、簡易コンロの火力を最大に上げた。
鉄鍋の中で、割り下が激しく沸騰する。甘辛い醤油の香りが、熱気と共に立ち昇り、ドラゴンの鼻先へと流れていった。

ドラゴンの巨大な鼻先が、ぴくりと動く。
金色の虹彩を持つ瞳が、鍋の中身に吸い寄せられていた。地脈の魔力を喰らう伝説の生物といえど、美味しい匂いには抗えないらしい。あるいは、長い眠りから覚めて、とてつもない空腹を感じているのか。どちらにせよ、交渉の余地は十分にある。

ドラゴンは、ゆっくりと首を下げてきた。巨大な顎が、私の目の前数センチまで迫る。熱い吐息が、私の銀髪を揺らした。兵士たちが、絶望の悲鳴を上げる。

「ああ、終わった! リリア様が食われるぞ!」

しかし、次の瞬間に起きた光景は、彼らの常識を粉々に打ち砕いた。
ドラゴンは私を食べるどころか、鍋の匂いをくんくんと愛おしそうに嗅いだのだ。そして、喉の奥から雷鳴のような音を響かせた。

グルルルルル……。

それは威嚇ではない。甘えるような、あるいは食事を前にした犬のような、喜びの音だ。

「お腹が空いていたのね。可哀想に。さあ、遠慮なく召し上がれ。アークライト家特製、最高級リブロースの牛鍋よ」

私は、ドラゴンに向かって慈愛に満ちた声で語りかけた。
ドラゴンは私の許可を得た途端、巨大な舌をペロリと出した。そして、鉄鍋の中身を汁ごと一瞬で舐め取ってしまった。

「グォォォォン……♪」

満足そうな声が、坑道内に朗々と響き渡る。ドラゴンの瞳から、先ほどまでの凶暴な光が完全に消え失せた。今はただ、極上の餌をもらって尻尾を振る子犬のような目だ。いや、サイズ的には子犬どころではないけれど。

「し、信じられん……。あの地脈の番人を、牛鍋一つで手懐けるとは……」

レオン様が、腰から砕け落ちるように座り込んだ。その顔は、アース・ドラゴンの出現時よりも衝撃を受けているように見える。ゼロ兄様も、呆れたように天を仰いで短剣を収めた。

「お前は……本当に、食べ物のことになると底知れないな。魔獣使いの才能まであったとは」
「あら。交渉の基本は、相手のニーズを的確に把握し、それを満たしてあげることですわ。相手が人間だろうとドラゴンだろうと、本質は変わりません」

私は、満足げにドラゴンの硬い顎の下を撫でてあげた。岩のようにゴツゴツとした感触だが、血管を流れる熱い命の鼓動が伝わってくる。
ドラゴンは目を細め、私の小さな手に巨大な頭を擦り付けてきた。ゴリゴリという音と共に、凄まじい重量がのしかかる。私はよろけながらも、その巨体を受け止める。

フェンが、主人の浮気に抗議するように「ワンッ!」と鋭く吠えた。どうやら、新しいペット……いえ、部下に嫉妬しているらしい。

「大丈夫よ、フェン。あなたが一番の相棒なのは変わりないわ。この子は、あくまで『ビジネスパートナー』よ」

私はフェンの頭も丁寧に撫でて、機嫌を取る。
さて、ここからが本番だ。ただ餌付けして終わりでは、経費の無駄遣いになる。この圧倒的な戦力と、地脈を感知する能力。これを最大限に活用しない手はない。

このドラゴンがいれば、鉱山の警備コストはゼロになる。盗賊どころか、正規軍が攻めてきても追い払ってくれるだろう。それに、この子は鉱脈の正確な位置を本能で知っているはずだ。無駄な採掘を行わずに、ピンポイントで鉱石を掘り出せる。採掘効率は飛躍的に向上し、利益率は天井知らずに跳ね上がる。私の脳内そろばんが、高速で弾かれ、美しい音色を奏でた。

「聞きなさい、アース・ドラゴン。いえ、ポチと呼びましょうか」

ドラゴンが、不満そうに鼻を鳴らした。どうやら、ネーミングセンスには不服らしい。

「冗談よ。……あなたは、この鉱山の守り神。今日から、あなたをこの鉱山事業の『最高執行責任者』、CEOとして雇います」

私の宣言に、レオン様が素っ頓狂な声を上げた。

「は……? CEO……ですか? ドラゴンが?」
「ええ。契約内容はシンプルよ。鉱山の警備と、新規鉱脈の探査。その労働の対価として、福利厚生で毎日美味しいお肉と、特製のタレを支給するわ。どうかしら?」

私が問いかけると、ドラゴンは理解したように大きく頷いた。ドスンッ! その頷きだけで、地面が揺れ、再び砂煙が舞い上がる。
契約成立だ。

「レオン様、決まりましたわ。カシアンに伝えて、ドラゴンの食費を経費計上できるように書類を作成させて」

カシアンの名を出した瞬間、私の脳裏にあの若き官僚の顔が浮かんだ。
財務大臣の不正を暴く際に私の手足となった彼は、今やアークライト商会になくてはならない存在だ。私がこうして前線に出ている間も、王都の屋敷で完璧に帳簿を守り、複雑な法的手続きを処理してくれているはずだ。
彼ならば、前例のない「ドラゴンの雇用契約」という法的難問も、王国の労働法と動物愛護法の隙間を縫って、完璧な契約書に仕上げてくるだろう。
私が彼を信頼するのは、その「数字への異常なまでの執着」と「潔癖なまでの忠誠心」があるからだ。彼にとって、帳簿の数字が合わないことは死に値する罪であり、私への報告に嘘を混ぜることは魂の自殺に等しい。そういう種類の人間だ。

「は、はい……。もはや、何も言いますまい……」

レオン様は、完全に思考を放棄した顔で頷いた。
一方、その光景を見ていたヴァロワ家の残党たちは、完全に戦意を喪失していた。武器を取り落とし、ガタガタと震えながら地面に頭を擦り付けている。

「あんな化け物を味方にする子供に、勝てるわけがない……」
「逆らえば、餌にされる……! 降伏だ! 何でも言うことを聞くから助けてくれ!」

彼らは自ら縄を手に取り、お互いを縛り上げ始めた。
恐怖による支配は趣味ではないけれど、効率的であることは否定できない。無駄な血を一滴も流さず、最強の労働力と、最強の番人を同時に手に入れたのだから。この景色すべてが、今や私の庭だ。

「さて、いい運動をしたからお腹が空いたわね。セバスチャンに、お代わりの牛鍋を作ってもらいましょう。今度は、ドラゴンの分も合わせて特大サイズでね」

私はドレスの裾を翻し、軽やかな足取りで馬車へと戻った。背後では、ドラゴンの巨体が忠犬のように大人しくついてくる。その非現実的な光景は、遠くから見れば神話の一ページのようだっただろう。しかし私にとっては、単なる『資産運用』の成功例の一つに過ぎない。

馬車に乗り込むと、ノクスが膝の上で丸くなった。「にゃあ」とお疲れ様、と言ってくれているような気がする。私はその背中を撫でながら、シートに深く身を沈めた。

「ええ。でも、これでアークライト領の財政はさらに盤石になるわね」

私は窓の外を流れる夜の景色を眺めた。暗闇の向こう側に、黄金に輝く未来が見える。
鉄道の建設も始まれば、物流の速度は劇的に向上するだろう。工期には半年から一年はかかるかもしれないが、その間にこの鉱山から産出される鉄と銀が、線路となり、資金となる。すべては計算通り、歯車が噛み合っている。

私は目を閉じ、次の事業計画について思考を巡らせようとした。
その時だった。

「リリア様! 王都から、緊急の早馬が届いております!」

御者が、馬車の小窓を激しく叩いて叫んだ。せっかくの勝利の余韻が台無しだ。私は不機嫌そうに窓を開け、差し出された封筒をひったくった。
そこには、王宮財務省の厳重な封蝋が施されている。ただ事ではない。

私は封を切り、中身に目を通した。
美しい筆記体で書かれたその報告書は、間違いなくカシアンの字だった。彼からの報告書には、常に感情を排した事実と数字だけが並んでいる。だからこそ、その行間に滲む緊急性が、私には手に取るように分かった。

『至急報告。アークライト銀行本店口座に対し、出所不明の巨額資金の流入を確認。金額は金貨三万枚。送金元は東方、シオン王国方面のダミー商会と推測される。資金洗浄(マネーロンダリング)の疑いが濃厚』

読み進めるうちに、私の眉がぴくりと跳ねる。
カシアンの分析は完璧だ。彼は単に数字の異常を報告するだけでなく、その背後にある送金ルートまで一次調査を済ませている。私が不在の間、彼がどれほど神経をすり減らして銀行の信用を守ろうとしていたかが伝わってくる。
私の作った神聖な金融システムを、犯罪の道具に使おうとする愚か者がいるようだ。それも、あの手口……東の国の匂いがする。

「……ほう。私の銀行に、他国から不審な資金流入があるですって?」

面白いじゃない。私に喧嘩を売るとはどういうことか、たっぷりと教えてあげる必要があるわね。
カシアンがここまで詳細なデータを揃えてくれたのだ。私は戻って、仕上げの号令をかけるだけでいい。

「レオン様、行き先を変更よ」

私は、窓の外で並走する護衛の騎士に向かって、氷のような声で命じた。

「王都へ、最大速度で戻りましょう。悪いネズミが、私の金庫に紛れ込んだみたい」
「はっ! 承知いたしました! 全軍、反転! 王都へ急げ!」

車輪が石畳を削り、夜の街道を弾丸のように駆け抜けた。
私の怒りは、先ほどのドラゴンの炎よりも熱く、そして静かに燃え上がっている。私のお金を汚す者は、地の果てまで追い詰め、その骨の髄まで搾り取ってあげる。
頼れる部下が待つ王都へ。アークライト商会の反撃が、ここから始まるのだ。
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