ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)

文字の大きさ
58 / 90

第58話 鉄の怪物と買収された大地

しおりを挟む
王都の朝は、今日も私の機嫌を取るかのように美しく晴れ渡っていた。
執務室の巨大な窓ガラス越しに、眼下に広がる街並みを見下ろす。そこには、まるで蟻の行列のように忙しなく動き回る人々が映っていた。彼らの動き一つ一つが、巡り巡って私の懐を潤す金貨の音色に変わる。そう考えると、ただの雑踏も心地よいBGMのように感じられた。

「リリア様。お車の用意が整いました」

背後から、セバスチャンの落ち着いた声がかかる。振り返ると、彼は今日も非の打ち所がない完璧な姿勢で控えていた。その手には、今日行われる重要な式典の進行表が握られている。

私は、最高級の革で作られた椅子から立ち上がり、銀色の髪を手櫛で払った。
今日という日は、この世界のアークライト暦における歴史的な転換点となるだろう。物流という概念が、根底から覆る日だ。

「ええ。鉄道敷設の第一歩となる起工式。王都の民衆も、まだ見ぬ『鉄の道』という新しい概念に、期待と不安を入り混じらせて興奮しているようね」

「不安なんて不要よ。彼らはただ、私が用意したレールの上を走る文明の恩恵を受け取ればいいだけなのだから」

私は不敵に笑い、足元でじゃれ合っている二匹の相棒に視線を落とした。
フェンとノクス。最強の聖獣と、魔力を秘めた黒猫。彼らもまた、主人の高揚を感じ取っているのか、楽しげに喉を鳴らしている。

「わんっ! きょうは、おまつりですか?」
「にゃあ。なんだか、大きな力が動く予感がするわ」

「ええ、お祭りよ。世界が縮まる、最初のお祭り。けれど、今日ですぐに美味しいお米や新鮮なウナギが届くわけではないわ。これから始まるのは、大地との長く厳しい戦いよ」

私は二匹を引き連れ、屋敷の廊下をカツカツとヒールを鳴らして歩いた。使用人たちが、私が通るたびに壁際に寄って深々と頭を下げる。その敬意の表し方は、もはや一介の貴族に対するものではなく、王族へのそれに近かった。

屋敷の外に出ると、そこには黄金の装飾が施された豪奢な馬車が鎮座していた。アークライト商会の紋章である「天秤と双龍」が、朝日に輝いている。これは単なる移動手段ではない。私の権威と財力を、王都の民衆に見せつけるための走る玉座だ。

馬車に乗り込み、王都の東門付近に設定された建設予定地へと向かう。
車窓から見える景色は、近づくにつれて熱気を帯びていった。現場には、すでに数千人規模の労働者と、それを一目見ようと集まった数万の野次馬がひしめき合っている。警備に当たっている私兵たちが、必死に人垣を整理していた。

「リリア様のお出ましだぞ! 道を開けろ! 未来の覇者がお通りだ!」

現場監督の男が、声を張り上げて群衆を割る。その瞬間、地鳴りのような歓声が巻き起こった。

「リリア様、万歳! アークライト商会こそが、我らの希望だ!」
「鉄道ができれば、仕事が増える! 食い扶持に困らなくなるぞ!」
「あの方が、この国を豊かにしてくださる女神様だ!」

民衆の熱狂的な声が、馬車の壁を震わせるほどに響いてくる。私は窓のカーテンを少しだけ開け、冷ややかな視線で外を観察した。彼らの熱狂は、純粋な期待から来るものだ。だが、その熱気の中に、私の利益を阻害しようとする不純物が混じっているのを、私の目は見逃さない。

(……来ているわね。時代の変化を恐れる、古臭い連中が)

馬車が止まり、セバスチャンが扉を開ける。
そこには、純金で作られた儀礼用のスコップが置かれていた。それを手に取り、高らかに宣言しようとした、その時だ。

「待たれよ! アークライト嬢! このふざけた工事、即刻中止してもらおうか!」

野太い怒声と共に、人混みを強引にかき分けて一団の男たちが現れた。
先頭に立つのは、樽のように肥え太った、顔の赤い初老の男だ。身につけている服は上等だが、その着こなしには品がない。
バーストン公爵。王都周辺の街道と宿場町を支配し、馬車輸送の利権を独占している保守派の筆頭だ。鉄道という新しい輸送手段は、彼らにとって既得権益を脅かす死神に他ならない。だからこそ、こうして恥も外聞もなく、着工の初日に乗り込んできたというわけだ。

「あら、バーストン公爵ではありませんか。本日はお日柄もよく、散歩のついでに私の邪魔をしにいらしたのかしら?」

私はスコップを杖のように突き、公爵を見下ろして冷たく微笑んだ。公爵は顔を真っ赤にして、唾を飛ばしながら怒鳴り散らす。

「邪魔だと!? ふざけるな! この鉄の道とやらの計画図を見たぞ! あろうことか、我らバーストン家の領地を横断するではないか! 神聖な我々の土地に、得体の知れない鉄の塊を走らせるなど、言語道断だ!」

彼の取り巻きたちも、口々に同意を叫ぶ。
「そうだ! 馬車こそが伝統ある輸送手段!」
「土地の所有者の許可なく、工事など認めんぞ!」

なるほど。所有権を盾にして、工事を止めさせるつもりか。いかにも、頭の固い老人たちが考えそうな浅知恵だ。私の背後で、護衛のレオン様が剣の柄に手をかけた。殺気を感じたのか、公爵たちが一瞬ひるむ。

「レオン様、手をお放しになって。野蛮な真似は必要ありませんわ」

私は手でレオン様を制し、一歩前に進み出た。四歳の少女の小さな体が、公爵の巨体の前に立ちはだかる。しかし、その場を支配している威圧感は、明らかに私の方が上だった。

「公爵。時代は常に、効率と利便性を求めて流れているのです。あなたののろまな馬車では、私の野望の速度に追いつけませんわ」

「なんだと! たかが四歳の小娘が、公爵たる私に説教をする気か! 法律は絶対だ! 私が『ノー』と言えば、貴様は枕木一本、釘一本打つことはできんのだぞ!」

公爵は勝ち誇ったように鼻を鳴らした。法律。権利。確かに、それらは強力な武器だ。普通の商人なら、ここで泣き寝入りするか、法外な通行料を支払うことになるだろう。
だが、相手が悪かった。

「土地の所有権、ですか。……それなら、もう『解決済み』ですわ」

私は懐から、一冊の分厚いファイルを放り投げた。ファイルは公爵の足元に落ち、中から数十枚の羊皮紙がばら撒かれる。

「な、なんだこれは……」

公爵は不審げな顔でファイルを受け取り、中身を確認し始める。ページをめくる手が、次第に震え始めた。彼の顔色が、赤から青へ、そして土気色へと、カメレオンのように変化していく。

「バーストン公爵。あなたの領地にある、鉄道建設予定地の周辺の土地。その全ての権利書が、そこに綴じてありますわ」

「な、なに……!? 馬鹿な! これは、私の領民たちの土地だぞ! いつの間に、こんな……!」

「いつの間に? 先週からですわ。あなたが、不作に苦しむ領民たちから、容赦なく税を取り立てている間にね」

私は、公爵の耳元に顔を寄せて、悪魔のように囁いた。

「彼らは泣いて喜んでいましたよ。私が、相場の三倍の値段で土地を買い上げ、さらにあなたへの未払い税金まで肩代わりしてあげると言ったら、我先にと契約書にサインをしてくれましたわ」

資金なら、腐るほどある。シオン王国から巻き上げた賠償金と、美食家ギルドから没収した隠し資産。それらを使えば、公爵の領地の主要部分を買い占めることなど、駄菓子屋で飴を買うよりも容易いことだ。

「そ、そんな……! 私の足元を、切り崩したというのか……!」

「ええ。今や、あなたの屋敷の周りも、全て私の所有地です。これからは、屋敷から一歩外に出るたびに、私に通行料を支払っていただきますわ。もちろん、あなたの馬車一台につき、金貨一枚ほど頂戴しますけれど?」

「ぐ、ぐぬぬ……! お、おのれぇぇぇ! 悪魔め!」

公爵は言葉を失い、膝から崩れ落ちた。書類の束が、バサバサと地面に散らばる。周囲の民衆からは、公爵の無様な姿を嘲笑う声が上がった。彼らは知っているのだ。誰が自分たちを豊かにし、誰が自分たちから搾取していたのかを。

「連れてお行きなさい。工事の邪魔です」

私が冷たく言い放つと、私の私兵たちが公爵の両脇を抱え、ゴミのように引きずり出していった。
障害物は、完全に排除された。私は再び金のスコップを握り直し、高らかに宣言した。

「これより、王都アークライト鉄道の建設を開始します! ですが、皆さん、心してかかりなさい! これは、明日明後日で終わるような生ぬるい遊びではありません!」

私の声が、会場に響き渡る。

「山を削り、谷を埋め、鉄の道を敷く。この事業は、数ヶ月、いや半年以上にも及ぶ、国を挙げた大プロジェクトになるでしょう。雨の日も風の日も、私たちは土と鉄と戦い続けなければなりません。しかし、その長い戦いの果てにこそ、黄金の未来が待っているのです!」

ドッッッ!!
地面にスコップを突き立てた瞬間、空砲のような祝砲が鳴り響いた。労働者たちが歓声を上げ、巨大な魔導重機が一斉に動き出す。槌の音が、長い戦いの始まりを告げるファンファーレのように高らかに響き渡った。

(掃除は終わり。ここからが、本当の創造であり、忍耐の時間ね)

私は熱狂する会場を後にし、建設予定地の奥に設置された、厳重な警備の敷かれた区画へと向かった。
天幕の中に入ると、そこにはむっとするような熱気と、油の匂いが充満していた。中央には、見上げるような巨大な金属の塊が鎮座している。無数のパイプと歯車が複雑に絡み合い、その中心には赤く脈動する巨大な魔石が埋め込まれていた。

「進捗はどうかしら、ガラム。私の計算通りの出力は出ている?」

私は、顔中を煤だらけにした初老の技師長に声をかけた。彼は私を見ると、少年のように目を輝かせて駆け寄ってきたが、その表情には同時に深い疲労の色も滲んでいた。

「リリア様! 見てください! あなた様の設計された『圧縮魔力循環式蒸気機関』……通称『魔導エンジン』! ついに、安定稼働に成功いたしました!」

ガラムは興奮を抑えきれない様子で、巨大なレバーを両手で引き下ろした。

ゴゥン……ゴゥン……ドクンッ!!

エンジンの深部から、心臓の鼓動のような重低音が響き渡る。魔石の輝きが増し、パイプの中を圧縮された高密度の魔力が駆け巡る。ピストンが凄まじい勢いで上下運動を始め、周囲の空気が振動でビリビリと震えた。

「素晴らしいわ。この振動、この力強さ……。これこそが、時代を牽引する心臓ね」

私は、その鉄の塊に手を触れた。熱い。膨大なエネルギーが、鉄の皮膜を通して伝わってくる。これまでの馬車とは次元が違う。馬数百頭分の力を、この一つのエンジンが生み出すのだ。

「しかし、リリア様。エンジンは完成しましたが、問題は『道』です」

ガラムが、顔の煤を拭いながら真剣な表情で図面を広げた。

「この大陸の地形は複雑です。山を越え、川を渡り、水平なレールを敷き続けるには、膨大な時間と労力が必要です。魔導重機をフル稼働させても、王都から南の港町ポルトゥスまで繋ぐだけで、早くて半年……いや、一年近くはかかるかもしれません」

「ええ、分かっているわ。魔法ですべてが一瞬で解決するほど、土木工事は甘くないもの」

私は図面の上を指でなぞった。一本の線を引くのは簡単だが、それを現実に刻むのは気の遠くなる作業だ。

「ですが、その時間をかける価値はあるわ。半年後、一年後にこの鉄道が開通すれば、東の国のスパイスも、北の国の氷も、南の国の果物も、全てが朝採れの鮮度のまま王都に届く。それは、食文化の革命であり、経済の爆発よ」

私の脳内で、黄金の路線図が広がっていく。
鉄道が通る場所には街が生まれ、人が集まり、金が落ちる。駅周辺の土地は、すでに私が買い占めている。地価の高騰だけで、建設費用の何倍もの利益が出るだろう。運賃収入、貨物輸送の独占、広告費、駅ナカビジネス。利益の源泉は、尽きることがない。

「長期戦は覚悟の上よ、ガラム。焦らず、しかし休まず進めなさい。完成の暁には、あなたたち技術者全員に、一生遊んで暮らせるだけのボーナスと、一番列車の特等席を用意してあげるわ」

「承知いたしました! リリア様の理想、必ずや形にしてみせます! 我々の技術者魂にかけて!」

彼らに提示した報酬は、破格だ。技術者としての名誉と、莫大な金。私のために働くことが、世界で一番の幸福だと、彼らは骨の髄まで理解している。

私は満足して工房を出た。外はすでに夕暮れ時だ。空が茜色に染まり、建設中のレールが黒いシルエットとなって浮かび上がっている。完成まで、数ヶ月から一年。その長い月日を耐え抜いた先に、私の望む世界が待っている。

「さて。仕事の後は、頭への栄養補給が必要ね」

私は迎えの馬車に乗り込み、ふかふかのシートに身を預けた。鉄道が開通したら、まず何を食べようか。頭の中に、未来の美食リストが次々と浮かんでくる。

「フェン、ノクス。鉄道ができたら、まずは南の港町ポルトゥスまで行って、獲れたてのマグロでお寿司を食べましょう。王都で食べる冷凍ものとは、脂の甘みが違うはずよ」

「わんっ! おすし! まぐろ、たべたいです!」

フェンが、尻尾をちぎれんばかりに振って同意した。ノクスも、私の膝の上で喉を鳴らす。

「にゃあ。私は、新鮮なアジのなめろうがいいわね。でも、それまで随分と待たされるのね」

「ふふ、待つのも調味料のうちよ。それに、待っている間にもやることは山積みだわ」

美味しいものを食べる。その単純で強烈な動機こそが、私を突き動かす最大の原動力だ。そのためなら、一年や二年、山を切り崩し続けることなど、造作もないことだ。

馬車が動き出し、心地よい揺れが伝わってくる。私は目を閉じ、遥か未来の晩餐に思いを馳せていた。
しかし、その静寂を破るように、車内の影がゆらりと動いた。

「リリア。浮かれているところ悪いが、仕事だ」

影の中から、ゼロ兄様が音もなく姿を現した。いつものことだが、心臓に悪い登場の仕方だ。だが、彼の表情が険しいということは、ただ事ではない。

「あら、兄様。せっかくお寿司の夢を見ていたのに。……それで? 今度はどこのどいつが、私の長期計画を邪魔しようとしているの?」

私は目を開け、瞬時に冷徹な経営者の顔に戻った。

「南の港の方で、きな臭い動きがある。シオン王国の残党と、例のバーストン公爵の親族が結託して、物流の『通行証』を偽造しているようだ」

「偽造通行証……?」

「ああ。鉄道工事には大量の資材が必要になる。奴らは偽造した通行証をばら撒いて検問所を混乱させ、資材搬入を遅らせるつもりらしい。工期をさらに引き延ばし、お前の商会の資金をショートさせる気だ」

「……へえ。随分と可愛らしい妨害工作ね」

私の口元に、氷のような冷たい笑みが浮かんだ。
ただでさえ長い工期を、さらに遅らせようとするなど。私の大切な鉄道計画を、ひいては私が美味しいお寿司を食べる日を遠ざけようとする罪は、万死に値する。

「許さないわ。私の食卓への道を塞ぐ者は、誰であろうと排除する」

私は、座席の下から新しい帳簿を取り出した。そして、鋭いペン先で文字を走らせる。

「兄様。その偽造グループのアジト、および関与している商人のリスト。明日の朝までに全て特定して頂戴」

「言われるまでもない。もう八割方は割れている」

ゼロ兄様が、ニヤリと凶悪な笑みを浮かべた。さすがは兄様、仕事が速い。

「素晴らしいわ。……全員、捕縛なさい。そして、彼らの全財産を没収し、鉄道建設の追加費用に充てましょう。彼らの身柄は、強制労働施設へ。私が敷くレールの枕木を、半年でも一年でもかけて、一本一本手作業で埋めてもらうわ」

「ククッ……。敵に回すと、本当に恐ろしい奴だ」

「当然よ。私からお金と時間を奪おうとする代償は、人生そのもので払ってもらう。それがアークライト商会の流儀なのだから」

私は帳簿をパタンと閉じ、窓の外を流れる王都の夜景を見つめた。
鉄道完成までの長い道のり。それは同時に、私の邪魔をする者たちを一人残らず排除し、踏み固めていくための道でもあるのだ。

馬車は、私の飽くなき野望を乗せて、夜の闇を切り裂くように走り去っていった。
しおりを挟む
感想 70

あなたにおすすめの小説

公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました

歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と 罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、 エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」 辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。 商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。 元夫が「戻ってこい」と泣きつくが—— 「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」

「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。

しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。

「『お前の取り柄は計算だけだ』と笑った公爵家が、私を追い出した翌月に財政破綻した件」

歩人
ファンタジー
公爵家に嫁いだ伯爵令嬢フリーダは、10年間「帳簿係」として蔑まれ続けた。 夫は愛人に夢中、義母は「地味な嫁」と見下す。しかし前世で公認会計士だった フリーダは、密かに公爵家の財政を立て直し、資産を3倍にしていた。離縁を 突きつけられたフリーダは、一言も抗わず去る。——翌月、公爵家は財政破綻した。 「戻ってきてくれ」と跪く元夫に、王家財務顧問となったフリーダは微笑む。 「申し訳ございません。もう私は、公爵家の帳簿係ではありませんので」

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。 再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。 妻を一途に想い続ける夫と、 その想いを一ミリも知らない妻。 ――攻防戦の幕が、いま上がる。

最安もふもふ三匹に名前をつける変な冒険者ですが、この子たちの力を引き出せるのは私だけです ~精霊偏愛録~

Lihito
ファンタジー
精霊に名前をつける冒険者は、たぶん私だけだ。 うさぎのノル、狐のルゥ、モモンガのピノ。三匹とも最安の契約で、手のひらに乗るサイズ。周りからは「手乗り精霊で何ができる」と笑われている。 でも、この子たちへの聞き方を変えるだけで、返ってくる答えはまるで違う。三匹の情報を重ねれば、上位の精霊一体では見えないものが見える。 上位パーティが三度失敗した大型討伐。私は戦わない。ノルに地中を、ピノに上空を、ルゥに地上を調べさせて、答えを組み上げる。 ——この世界の精霊の使い方、みんな間違ってませんか?

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

姉の忘れ形見を育てたいだけなのに、公爵閣下の執着が重いんですが!?~まっすぐ突き進み系令嬢の公爵家再建計画

及川えり
ファンタジー
突然届いた双子の姉からの手紙。 【これをあなたが読んでいるころにはわたしはもう死んでいることでしょう。わたしのことは探さないでね。双子を引き取ってもらえないかしら?】 姉の遺言通り双子を育てようと姉の嫁ぎ先へと突入する。 双子を顧みなかったという元夫のウィルバート公爵に何とか双子を引き取れるよう掛け合うが、話の流れからそのまま公爵家に滞在して双子を育てる羽目に。 だが、この公爵家、何かおかしい? 異常に気付いたハンナは公爵家に巣くう膿をとりのぞくべく、奮闘しはじめる。 一方ハンナを最初は適当にあしらっていたウィルバートだったが、ハンナの魅力に気付き始め……。 ハンナ・キャロライン・バーディナ 22歳      バーディナ伯爵家令嬢         ✖️ ウィルバート・アドルファス・キングスフォード 26歳      キングスフォード公爵 ブックマーク登録、いいね❤️たくさんいただきありがとうございます。 感想もいただけたら嬉しいです。

処理中です...