うっかり女神のせいで未開の半島に転移したけど、無限収納と頑丈な体があれば余裕でした

☆ほしい

文字の大きさ
2 / 30

しおりを挟む
翌朝、俺は鳥のさえずりで目を覚ました。
洞窟から顔を出すと、朝日が森の木々の間から差し込んでいる。
とても、清々しい朝だ。
神頑丈スキルのおかげか、硬い地面で寝たのに体のどこも痛くない。
疲れも、すっかり取れていた。
「さて、今日も一日頑張るか」
俺は大きく伸びをすると、まずは川へ向かって顔を洗った。
冷たい水が、眠気を完全に吹き飛ばしてくれる。
朝食は、昨日捕まえておいたエビの残りを焼いて食べた。
やっぱり、美味い。
この島の食材は、どれもレベルが高いようだ。

腹ごしらえを済ませた俺は、今日の計画を立てる。
まずは、本格的な拠点作りだ。
この洞窟も悪くないが、やはりちゃんと壁と屋根のある家が欲しい。
それに食料を加工する場所や、道具を作る作業場も必要だ。
そのためには、まず場所探しから始めないといけない。
海が近くて、川からも水が引きやすい場所。
そして獣の通り道から外れた、見晴らしのいい場所が理想だ。
俺は昨日見つけた川に沿って、周辺を探索することにした。
空間収納には、念のため昨日焼いたカニを入れておく。
これで、いつでも食事ができる。

森の中を歩きながら、使えそうなものを探す。
硬くて丈夫そうな木、ツル、石。
目についたものは、とりあえず空間収納に放り込んでいく。
容量が無制限だと、本当に楽でいい。
しばらく歩いていると、少し開けた高台に出た。
そこからは、眼下に広がる海と砂浜が一望できる。
川も、すぐ近くを流れていた。
風通しも、良さそうだ。
「ここ、いいな」
俺は、直感的にそう思った。
拠点を作るなら、ここがベストだろう。

場所が決まれば、次は資材集めだ。
家を建てるには、大量の木材が必要になる。
つまり、木を切り倒さないといけない。
だが、俺には斧もノコギリもない。
「どうしたものか、」
俺は、腕を組んで考え込む。
素手で木を殴り倒すのは、さすがに効率が悪いだろう。
何か、代わりになるものはないか。
俺は周囲を見渡し、硬そうな石を探した。
手頃な大きさの、角が鋭い石を見つける。
これを使って、簡易的な石斧を作れないだろうか。
俺は丈夫そうな木の枝を拾い、石を蔓で固く縛り付けた。
見た目は悪いが、何とか形にはなった。
「よし、これで試してみよう」
俺は手頃な太さの木を選び、石斧を振り下ろした。
ガッ、と鈍い手応え。
石斧は、木の幹にわずかに食い込んだだけだった。
「うーん、やっぱり威力不足か」
これでは、家を建てるのに何年かかるか分からない。
もっと、効率のいい方法はないものか。

俺が考え込んでいると、ふと神頑見スキルを思い出した。
俺の体は、とんでもなく頑丈だ。
ということは、別に道具に頼らなくてもいいんじゃないか?
俺は石斧を捨て、木に向き直った。
そして、思い切り蹴り飛ばしてみる。
ドゴォォン、!
凄まじい衝撃音と共に、木が根元からへし折れた。
「マジか、」
俺は自分の足と、倒れた木を交互に見た。
足は、全く痛くない。
だが、木は無残な姿を晒している。
「これだ、」
どうやら、俺自身の体が最強の道具だったようだ。
これなら、資材集めもあっという間に終わりそうだ。
俺は楽しくなってきて、次々と木を蹴り倒していく。
キック一発で大木がミシミシと倒れていくのは、なかなかに爽快だ。
おかげで、あっという間に大量の木材が手に入った。
俺は倒した木を空間収納にしまい、高台へと戻った。

さて、次は木材の加工だ。
丸太のままでは、使いにくい。
板や角材に、しないといけない。
これもまた、道具がないと難しい作業だ。
俺は試しに、丸太を手刀で叩き割ってみることにした。
「せいやっ、!」
気合と共に振り下ろした手刀は、見事に丸太を真っ二つにした。
おお、いけるいける。
俺は面白くなって、手刀で次々と丸太を加工していく。
分厚い板も、細い角材も思いのままだ。
まるで豆腐を切るかのように、サクサクと作業が進む。
神頑丈スキル、万能すぎる。
「これ、もう大工仕事も余裕じゃないか?」
俺は前の世界で、簡単な修繕やDIYをやっていた。
ログハウスを建てる知識も、本で読んだことがある。
何とか、なるだろう。
俺はまず、家の土台となる基礎を作ることにした。
地面を平らにならし、石を並べて固める。
その上に、太い丸太を組んでいく。
木材を組み合わせるための細かい作業も、手先の器用さには自信があった。
指で木に穴を開け、爪で削る。
もはや人間離れした作業だが、今の俺にはそれが当たり前になっていた。

夢中で作業していると、あっという間に時間が過ぎていく。
気づけば、太陽が真上に昇っていた。
「おっと、昼飯の時間か」
俺は作業を中断し、空間収納から焼いたカニを取り出した。
高台からの絶景を眺めながら食べるカニは、また格別だ。
腹が満たされると、また作業を再開する。
土台ができたら、次は柱を立て壁を組んでいく。
丸太を一段ずつ積み上げていく、ログハウスの基本的な工法だ。
神頑丈スキルのおかげで、重い丸太も軽々と持ち上げられる。
作業効率は、普通の人間が重機を使うのと同じかそれ以上だろう。
一日で、家の壁が腰の高さくらいまで組み上がった。
「さすがに、今日中に完成は無理か」
だがこのペースなら、数日もあれば立派な家が完成しそうだ。
俺は今日の作業を終え、夕食の準備に取り掛かることにした。
毎日カニとエビだけでは、さすがに飽きてくる。
今日は、魚を釣ってみよう。

俺は、海岸へ向かった。
釣り竿はないが、釣り糸と釣り針の代わりになるものはある。
丈夫な蔓と、獣の骨だ。
俺は森で捕まえた小動物の骨を削り、即席の釣り針を作った。
餌は、そこらへんにいた虫だ。
準備を整え、岩場から仕掛けを垂らす。
すると、すぐにぐぐっと強い引きがあった。
「おお、来た来た!」
俺は、力任せに蔓を引き上げる。
海面から飛び出してきたのは、一メートルはありそうな巨大な魚だった。
銀色に輝く鱗が、夕日を反射して美しい。
タイに似ているが、もっといかつい顔つきをしている。
魚は陸に上がっても、ビチビチと激しく暴れる。
普通の人間なら、押さえつけるのも一苦労だろう。
だが、俺には神頑丈スキルがある。
魚の頭を軽く殴ると、すぐにおとなしくなった。

「こいつは、すごい大物だ」
俺は釣果に満足し、拠点へと戻った。
早速、魚を捌いていく。
前の世界で散々やってきたことなので、お手の物だ。
まずは鱗を落とし、内臓を取り出す。
そして、三枚におろしていく。
切り身は、見事な白身だ。
これは、絶対に美味い。
俺は切り身の一部を串に刺し、焚き火で塩焼きにすることにした。
塩は、海水から作った。
鍋がないので、大きな葉っぱを器代わりにして海水を煮詰めたのだ。
じっくりと火で炙ると、魚の脂がしたたり落ちて香ばしい匂いが立ち上る。
焼き上がった魚にかぶりつくと、柔らかい身から旨味の詰まった肉汁が溢れ出した。
「うまっ、なんだこれ!」
淡白な白身なのに、信じられないくらい脂が乗っている。
皮はパリパリで、香ばしい。
自家製の天然塩が、魚の甘みを最大限に引き立てていた。

夢中で一本たいらげ、俺は残りの切り身をどう調理しようか考えた。
刺し身も、いいな。
醤油がないのは残念だが、塩と柑橘系の果汁で食べれば美味いかもしれない。
この森には、ライムのような酸っぱい果物がなっていた。
俺は早速、森で採ってきた果物を絞り刺し身にかける。
口に入れると、ぷりぷりの食感と爽やかな酸味が口いっぱいに広がった。
これも、絶品だ。
残りのアラは、出汁を取ってスープにしよう。
明日葉のような香りのする葉っぱも入れて、潮汁風にすれば完璧だ。
食後のことを考えて、俺は少しわくわくしていた。

この島での生活は、不便なことも多い。
だが、それを補って余りあるほどの魅力があった。
豊かな自然の恵みと、誰にも縛られない自由な時間。
俺は、このエデンワイルド半島が少しずつ好きになっていた。
満腹になった俺は、作りかけの家の土台に腰を下ろし星空を眺めた。
都会の騒がしさも、面倒な人間関係もない。
ただ、穏やかな時間が流れていくだけだ。
「悪くないな、こういうのも」
俺は呟くと、明日の作業に備えて洞窟の寝床へと戻った。
新しい家が完成する日が、今から待ち遠しい。
きっと、最高の拠点になるだろう。
俺はそんな期待を胸に、眠りについた。

翌日も、俺は朝から家の建設に励んだ。
壁を積み上げ、屋根の骨組みを作る。
屋根材は、大きな葉っぱを何枚も重ねて防水にした。
ドアや窓枠も、手作業で丁寧に作り上げていく。
三日も経つ頃には、立派なログハウスの骨組みが完成していた。
あとは、内装と家具を揃えるだけだ。
床板を張り、壁の隙間を粘土で埋めていく。
ベッドやテーブルに椅子も、全て木材から自作した。
一週間もすると、そこには快適な生活空間が生まれていた。
広さは、ワンルームくらいだ。俺一人で暮らすには、十分すぎるほどだ。
大きな窓からは、いつでも青い海を眺めることができる。
「ふぅ、やっとできた」
俺は完成した我が家を見上げ、満足のため息をついた。
我ながら、なかなかの出来栄えだ。
これでもう、洞窟暮らしとはおさらばである。
俺は早速、洞窟から荷物を運び出し新しい家に引っ越した。
木の香りに包まれた部屋で、自作のベッドに寝転がる。
ふかふかの枯れ葉を敷き詰めたベッドは、寝心地が抜群だ。
「最高だな、」
俺は文明から離れた生活に、確かな手応えと充実感を感じていた。
この場所でなら、俺は自由に自分らしく生きていける。
そんな、気がした。

家の周りには、柵を作って獣除けにした。
畑を作る、スペースも確保した。
何か、栽培できる植物が見つかればいいんだが。
生活の基盤が整ってくると、次に欲しくなるのは食生活の向上だ。
毎日、魚の塩焼きだけでは芸がない。
もっと、色々な料理が食べたい。
そのためには、まず調味料が必要だ。
醤油や味噌があれば、料理の幅は格段に広がる。
幸い、この島には大豆に似た豆が自生していた。
これを使って、醤油と味噌を自作できないだろうか。
前の世界で、発酵食品作りにはまっていた時期がある。
知識と経験は、それなりにあった。
俺は早速、豆を大量に収穫して醤油作りに挑戦することにした。
まずは、豆を煮て麹菌を付着させる必要がある。
麹菌は、幸運にも米麹によく似た菌が草から採取できた。
この世界の菌類は、地球のものと似ているのかもしれない。
俺は煮た豆に麹菌を繁殖させ、塩水と混ぜて大きな樽の中に仕込んだ。
あとは、時間をかけて発酵させるだけだ。
上手くいけば、数ヶ月後には自家製の醤油が手に入るだろう。
味噌も、同じやり方で仕込んでいく。
調味料作りと並行して、俺は保存食作りにも着手した。
魚を、干して干物にする。
獣の肉を塩漬けにして、燻製にする。
空間収納があれば腐る心配はないが、加工することでさらに美味しくなる。
燻製小屋も、家の隣に新しく建てた。
桜の木に似た香りの良い木材を見つけたので、それをチップにして使う。
じっくりと時間をかけて燻した肉は、香ばしい匂いを放ち長期保存が可能になる。
こうして、俺の食料庫はどんどん充実していった。
新鮮な魚介類に、干物や燻製肉。
自給自足の生活は、想像以上に豊かで楽しかった。

ある日のこと、俺は海岸で釣りをしていた。
狙いは、岩場に潜む巨大なロブスターだ。
こいつの身は弾力があって、焼いても煮ても絶品なのだ。
仕掛けを垂らして待っていると、ふと視線を感じた。
振り返っても、誰もいない。
だが、確かに誰かに見られているような気がする。
俺は警戒しながら、周囲の茂みを睨んだ。
すると茂みがガサガサと揺れ、小さな影が飛び出してきた。
それは、猫の耳と尻尾を持つ一人の少女だった。
歳は、十歳くらいだろうか。
ボロボロの服をまとい、ひどく怯えた目で俺を見ている。
手には、粗末な木の槍を握りしめていた。
獣人、というやつだろうか。
この半島に、俺以外の人間がいたとは。
少女は俺と目が合うと、びくっと体を震わせた。
そして、威嚇するように「シャーッ!」と声を上げた。
まるで、警戒心の強い野良猫のようだ。
お腹が、ぐぅーと鳴っているのが聞こえる。
どうやら、相当お腹が空いているらしい。

俺は敵意がないことを示すため、ゆっくりと両手を上げた。
「大丈夫、何もしないよ」
俺は、できるだけ優しい声で話しかけた。
だが、少女の警戒心は解けない。
じりじりと後ずさりしながら、俺を睨みつけてくる。
これでは、埒が明かないな。
俺はふと、良いことを思いついた。
空間収納から、さっき釣ったばかりの魚を取り出す。
そしてその場で焚き火を起こし、串に刺して焼き始めた。
じゅうじゅうと音を立てて焼ける魚から、香ばしい匂いが立ち上る。
少女の鼻が、ぴくぴくと動いた。
その目は、俺ではなく焼けていく魚に釘付けになっている。
やはり、腹ペコなんだな。

俺は魚が焼きあがるのを待って、それを少女の方にそっと差し出した。
「ほら、お食べ」
少女は、一瞬ためらったような素振りを見せた。
だが、食欲には勝てなかったらしい。
おそるおそる俺の元に近づくと、ひったくるように魚の串を奪い取った。
そして茂みの陰に隠れて、夢中で魚にかじりついた。
その食べっぷりは、見ていて気持ちがいいほどだ。
よほど、飢えていたのだろう。
俺は、もう一匹魚を焼いてやった。
少女は、それもあっという間に平らげた。
少しは、警戒心が解けたのだろうか。
少女は茂みから出てくると、俺から少し離れた場所にちょこんと座った。
まだ、口はきいてくれない。
だが、さっきまでの敵意は消えているようだ。
俺は少女の隣に座り、海を眺めた。
しばらく、無言の時間が流れる。
やがて、少女がぽつりと呟いた。
「おいしい、」
それは、か細いけれどはっきりとした声だった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

何故か転生?したらしいので【この子】を幸せにしたい。

くらげ
ファンタジー
俺、 鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は…36歳 独身のどこにでも居る普通のサラリーマンの筈だった。 しかし…ある日、会社終わりに事故に合ったらしく…目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた! しかも…【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!? よし!じゃあ!冒険者になって自由にスローライフ目指して生きようと思った矢先…何故か色々な事に巻き込まれてしまい……?! 「これ…スローライフ目指せるのか?」 この物語は、【この子】と俺が…この異世界で幸せスローライフを目指して奮闘する物語!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される

向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。 アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。 普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。 白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。 そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。 剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。 だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。 おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。 俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

転生先の説明書を見るとどうやら俺はモブキャラらしい

夢見望
ファンタジー
 レインは、前世で子供を助けるために車の前に飛び出し、そのまま死んでしまう。神様に転生しなくてはならないことを言われ、せめて転生先の世界の事を教えて欲しいと願うが何も説明を受けずに転生されてしまう。転生してから数年後に、神様から手紙が届いておりその中身には1冊の説明書が入っていた。

神眼のカードマスター 〜パーティーを追放されてから人生の大逆転が始まった件。今さら戻って来いと言われてももう遅い〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「いいかい? 君と僕じゃ最初から住む世界が違うんだよ。これからは惨めな人生を送って一生後悔しながら過ごすんだね」 Fランク冒険者のアルディンは領主の息子であるザネリにそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 父親から譲り受けた大切なカードも奪われ、アルディンは失意のどん底に。 しばらくは冒険者稼業をやめて田舎でのんびり暮らそうと街を離れることにしたアルディンは、その道中、メイド姉妹が賊に襲われている光景を目撃する。 彼女たちを救い出す最中、突如として【神眼】が覚醒してしまう。 それはこのカード世界における掟すらもぶち壊してしまうほどの才能だった。 無事にメイド姉妹を助けたアルディンは、大きな屋敷で彼女たちと一緒に楽しく暮らすようになる。 【神眼】を使って楽々とカードを集めてまわり、召喚獣の万能スライムとも仲良くなって、やがて天災級ドラゴンを討伐するまでに成長し、アルディンはどんどん強くなっていく。 一方その頃、ザネリのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 ダンジョン攻略も思うようにいかなくなり、ザネリはそこでようやくアルディンの重要さに気づく。 なんとか引き戻したいザネリは、アルディンにパーティーへ戻って来るように頼み込むのだったが……。 これは、かつてFランク冒険者だった青年が、チート能力を駆使してカード無双で成り上がり、やがて神話級改変者〈ルールブレイカー〉と呼ばれるようになるまでの人生逆転譚である。

勇者パーティーを追い出された大魔法導士、辺境の地でスローライフを満喫します ~特Aランクの最強魔法使い~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
クロード・ディスタンスは最強の魔法使い。しかしある日勇者パーティーを追放されてしまう。 勇者パーティーの一員として魔王退治をしてくると大口叩いて故郷を出てきた手前帰ることも出来ない俺は自分のことを誰も知らない辺境の地でひっそりと生きていくことを決めたのだった。

処理中です...