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そして迎えた当日。私は良太に見送られ、少し緊張しながらも、晴れやかな気持ちで水戸藩の江戸藩邸へと向かった。立派な門構え、そして厳重な警備。その全てが、これから私が足を踏み入れる場所の格式の高さを物語っている。
案内されたのは、広大な庭園に面した、それは見事な客間だった。そして、その上座には、柔和な笑みを浮かべた、品の良い老人が座っていた。この方こそが、私の料理を所望された、水戸藩のご家老様だという。
「ようこそおいでくださった、おし乃殿。長旅、さぞお疲れであったろう」
「いえ、とんでもないことでございます。この度は、このような晴れがましい席にお招きいただき、身に余る光栄に存じます」
「はっはっは、そう固くならずとも良い。今日は、そなたの料理を存分に楽しませてもらいに来たのだからのう」
ご家老様の気さくな物言いに、私の緊張も少しほぐれた。
厨房をお借りし、私は持参した食材と、水戸藩で用意してくださった地元の食材を使い、心を込めて料理を作り始めた。一品一品、丁寧に、そして大胆に。やわらぎ亭で培ってきた私の全てを、この一食に注ぎ込むつもりだった。
前菜には、地元で獲れた新鮮な白魚を使ったお造りと、春野菜のおひたし。椀物には、蛤の真薯。焼き物には、常陸牛の炭火焼き。そして、煮物には、水戸名産の干し芋と、地元で採れた根菜を炊き合わせたもの。最後に、ご飯は土鍋で炊いた白米に、水戸の梅を使った自家製の梅びしおを添えて。
料理が一品ずつ運ばれるたび、ご家老様は目を細め、じっくりと味わってくださった。そして、その度に「うまい、うまい」と、心からの称賛の言葉をかけてくださる。その言葉が、私にとって何よりの喜びだった。
全ての料理を出し終え、私がご家老様の前にご挨拶に伺うと、ご家老様は満面の笑みで私を迎えてくださった。
「おし乃殿、実に見事な料理であった。儂は長年、様々な料理を食してきたが、これほどまでに心に沁みる味わいは、初めてかもしれん」
「もったいないお言葉、恐れ入ります」
「いや、決して大げさではない。そなたの料理には、食材への愛情と、食べる者への真心が込められておる。それが、儂の心に深く響いたのじゃ。特に、あの干し芋と根菜の煮物…あれは絶品であった。素朴な食材ながら、それぞれの持ち味が実によく引き出されており、懐かしくも新しい、実に奥深い味わいであったわ」
「ありがとうございます。干し芋は、水戸の豊かな風土が育んだ、素晴らしい食材でございます。その持ち味を損なわぬよう、丁寧に出汁を含ませました」
「うむ。そして、締めのご飯と梅びしお。あの梅びしおは、そなたの手作りか?」
「はい。水戸の梅を使い、私なりに工夫して調製いたしました」
「あの塩梅、そして梅の風味…。実にご飯が進んだわ。あれだけでも、十分に一品料理として通用するであろう」
ご家老様の尽きない称賛の言葉に、私はただただ恐縮するばかりだった。しかし、それと同時に、大きな達成感と喜びが胸いっぱいに広がっていくのを感じていた。
「おし乃殿、そなたに頼みがある」
ご家老様は、改まった口調でそう言った。
「はい、何なりと」
「これからも、折に触れて、この藩邸へ来て、儂らにそなたの料理を振る舞ってはくれまいか。もちろん、無理強いはせぬ。そなたの都合の良い時で構わん。だが、儂は、そして恐らくは藩の者たちも、そなたの料理を心待ちにするようになるであろう」
「…はい、喜んで。私でお役に立てることがございましたら、いつでも馳せ参じます」
その言葉に、ご家老様は満足そうに頷いた。
「それは嬉しい言葉じゃ。では、また近いうちに使いを出すとしよう。今日は、本当にご苦労であった。そして、素晴らしい料理を、ありがとう」
深々と頭を下げるご家老様に送られ、私は水戸藩邸を後にした。空はすっかり夕闇に包まれていたが、私の心は、達成感と新たな目標への期待で、明るく照らされているようだった。
やわらぎ亭に戻ると、良太が心配そうに私を待っていた。
「おし乃さん、お帰りなさい!どうでしたか…?」
「ええ、大丈夫よ、良太。とても、喜んでいただけたわ」
私は、水戸藩での出来事を良太に語って聞かせた。良太は、目を輝かせながら私の話に聞き入り、そして、自分のことのように喜んでくれた。
「やっぱり、おし乃さんはすごいです!俺、おし乃さんの弟子で、本当に良かった!」
「ふふ、ありがとう、良太。でも、これは私一人の力じゃないわ。いつも支えてくれる良太、そして、やわらぎ亭を愛してくださるお客様たちのおかげよ」
「おし乃さん…」
その夜、私は久しぶりに、父の夢を見た。夢の中の父は、何も言わず、ただ優しく微笑んでいた。その笑顔が、まるで私の新たな門出を祝福してくれているかのようで、私は温かい気持ちで目を覚ました。
水戸藩への出仕は、その後も定期的に続くことになった。初めは緊張していた私も、次第に藩邸の雰囲気にも慣れ、ご家老様をはじめとする藩の方々とも、料理を通じて心を通わせることができるようになっていった。
ある時など、ご家老様から「おし乃殿の料理は、まるで母の味のようだ」と、涙ながらに感謝されたこともあった。その言葉は、私の胸に深く刻まれ、料理人としての喜びを改めて感じさせてくれた。
もちろん、やわらぎ亭の仕事も、これまで通り手を抜くことはない。日中は藩邸で腕を振るい、夜はやわらぎ亭の暖簾を守る。忙しい日々ではあったが、充実感に満ちていた。
良太も、私が藩邸へ行っている間、一人で店を切り盛りし、ますます腕を上げていった。時には、常連客から「良太の奴、おし乃姐さんに負けず劣らずの腕前になったじゃねえか」と冷やかされることもあったが、それは彼にとって何よりの励みになっているようだった。
そんなある日、やわらぎ亭に、一人の意外な客が訪れた。それは、以前、私に蕪の菊花煮を絶賛してくれた、あの鋭い眼光の武士だった。
「おし乃殿、久しいな。相変わらず、繁盛しているようで何よりだ」
「これはこれは…先日は、過分なお褒めの言葉と、お代までいただき、誠にありがとうございました」
「ふん、礼には及ばん。それより、今日はそなたに紹介したい者がいてな。一緒に入っても構わんか?」
武士がそう言うと、彼の後ろから、一人の若者が姿を現した。年の頃は二十歳前後だろうか。まだどこか幼さの残る顔立ちだが、その瞳には強い意志の光が宿っている。そして何よりも、その若者が身にまとっているのは、水戸藩の家紋が入った羽織だった。
「こちらは、我が藩の若様だ。訳あって、しばし江戸で暮らすことになってな。どこか、心落ち着ける場所で、美味いものを食わせてやりたいと思って、そなたの店を思い出したのだ」
水戸藩の若様…。私は驚きを隠せなかった。まさか、このような高貴な方が、この小さな飯屋を訪れるとは。
「おし乃殿、この若様のことを、よろしく頼む。色々と、難しい立場におられる方なのだ。そなたの料理で、少しでも心を癒してやってほしい」
武士の言葉には、若様を案じる深い思いが込められていた。私は、その若様の顔を改めて見つめた。どこか影のある表情だが、その奥には、純粋で真っ直ぐな心が隠れているように感じられた。
「かしこまりました。私にできますことがございましたら、精一杯、おもてなしさせていただきます」
私は深々と頭を下げた。この若様とやわらぎ亭との出会いが、また新たな物語を生み出すことになるのかもしれない。そんな予感を胸に、私は静かに、若様を店の奥へと案内した。
案内されたのは、広大な庭園に面した、それは見事な客間だった。そして、その上座には、柔和な笑みを浮かべた、品の良い老人が座っていた。この方こそが、私の料理を所望された、水戸藩のご家老様だという。
「ようこそおいでくださった、おし乃殿。長旅、さぞお疲れであったろう」
「いえ、とんでもないことでございます。この度は、このような晴れがましい席にお招きいただき、身に余る光栄に存じます」
「はっはっは、そう固くならずとも良い。今日は、そなたの料理を存分に楽しませてもらいに来たのだからのう」
ご家老様の気さくな物言いに、私の緊張も少しほぐれた。
厨房をお借りし、私は持参した食材と、水戸藩で用意してくださった地元の食材を使い、心を込めて料理を作り始めた。一品一品、丁寧に、そして大胆に。やわらぎ亭で培ってきた私の全てを、この一食に注ぎ込むつもりだった。
前菜には、地元で獲れた新鮮な白魚を使ったお造りと、春野菜のおひたし。椀物には、蛤の真薯。焼き物には、常陸牛の炭火焼き。そして、煮物には、水戸名産の干し芋と、地元で採れた根菜を炊き合わせたもの。最後に、ご飯は土鍋で炊いた白米に、水戸の梅を使った自家製の梅びしおを添えて。
料理が一品ずつ運ばれるたび、ご家老様は目を細め、じっくりと味わってくださった。そして、その度に「うまい、うまい」と、心からの称賛の言葉をかけてくださる。その言葉が、私にとって何よりの喜びだった。
全ての料理を出し終え、私がご家老様の前にご挨拶に伺うと、ご家老様は満面の笑みで私を迎えてくださった。
「おし乃殿、実に見事な料理であった。儂は長年、様々な料理を食してきたが、これほどまでに心に沁みる味わいは、初めてかもしれん」
「もったいないお言葉、恐れ入ります」
「いや、決して大げさではない。そなたの料理には、食材への愛情と、食べる者への真心が込められておる。それが、儂の心に深く響いたのじゃ。特に、あの干し芋と根菜の煮物…あれは絶品であった。素朴な食材ながら、それぞれの持ち味が実によく引き出されており、懐かしくも新しい、実に奥深い味わいであったわ」
「ありがとうございます。干し芋は、水戸の豊かな風土が育んだ、素晴らしい食材でございます。その持ち味を損なわぬよう、丁寧に出汁を含ませました」
「うむ。そして、締めのご飯と梅びしお。あの梅びしおは、そなたの手作りか?」
「はい。水戸の梅を使い、私なりに工夫して調製いたしました」
「あの塩梅、そして梅の風味…。実にご飯が進んだわ。あれだけでも、十分に一品料理として通用するであろう」
ご家老様の尽きない称賛の言葉に、私はただただ恐縮するばかりだった。しかし、それと同時に、大きな達成感と喜びが胸いっぱいに広がっていくのを感じていた。
「おし乃殿、そなたに頼みがある」
ご家老様は、改まった口調でそう言った。
「はい、何なりと」
「これからも、折に触れて、この藩邸へ来て、儂らにそなたの料理を振る舞ってはくれまいか。もちろん、無理強いはせぬ。そなたの都合の良い時で構わん。だが、儂は、そして恐らくは藩の者たちも、そなたの料理を心待ちにするようになるであろう」
「…はい、喜んで。私でお役に立てることがございましたら、いつでも馳せ参じます」
その言葉に、ご家老様は満足そうに頷いた。
「それは嬉しい言葉じゃ。では、また近いうちに使いを出すとしよう。今日は、本当にご苦労であった。そして、素晴らしい料理を、ありがとう」
深々と頭を下げるご家老様に送られ、私は水戸藩邸を後にした。空はすっかり夕闇に包まれていたが、私の心は、達成感と新たな目標への期待で、明るく照らされているようだった。
やわらぎ亭に戻ると、良太が心配そうに私を待っていた。
「おし乃さん、お帰りなさい!どうでしたか…?」
「ええ、大丈夫よ、良太。とても、喜んでいただけたわ」
私は、水戸藩での出来事を良太に語って聞かせた。良太は、目を輝かせながら私の話に聞き入り、そして、自分のことのように喜んでくれた。
「やっぱり、おし乃さんはすごいです!俺、おし乃さんの弟子で、本当に良かった!」
「ふふ、ありがとう、良太。でも、これは私一人の力じゃないわ。いつも支えてくれる良太、そして、やわらぎ亭を愛してくださるお客様たちのおかげよ」
「おし乃さん…」
その夜、私は久しぶりに、父の夢を見た。夢の中の父は、何も言わず、ただ優しく微笑んでいた。その笑顔が、まるで私の新たな門出を祝福してくれているかのようで、私は温かい気持ちで目を覚ました。
水戸藩への出仕は、その後も定期的に続くことになった。初めは緊張していた私も、次第に藩邸の雰囲気にも慣れ、ご家老様をはじめとする藩の方々とも、料理を通じて心を通わせることができるようになっていった。
ある時など、ご家老様から「おし乃殿の料理は、まるで母の味のようだ」と、涙ながらに感謝されたこともあった。その言葉は、私の胸に深く刻まれ、料理人としての喜びを改めて感じさせてくれた。
もちろん、やわらぎ亭の仕事も、これまで通り手を抜くことはない。日中は藩邸で腕を振るい、夜はやわらぎ亭の暖簾を守る。忙しい日々ではあったが、充実感に満ちていた。
良太も、私が藩邸へ行っている間、一人で店を切り盛りし、ますます腕を上げていった。時には、常連客から「良太の奴、おし乃姐さんに負けず劣らずの腕前になったじゃねえか」と冷やかされることもあったが、それは彼にとって何よりの励みになっているようだった。
そんなある日、やわらぎ亭に、一人の意外な客が訪れた。それは、以前、私に蕪の菊花煮を絶賛してくれた、あの鋭い眼光の武士だった。
「おし乃殿、久しいな。相変わらず、繁盛しているようで何よりだ」
「これはこれは…先日は、過分なお褒めの言葉と、お代までいただき、誠にありがとうございました」
「ふん、礼には及ばん。それより、今日はそなたに紹介したい者がいてな。一緒に入っても構わんか?」
武士がそう言うと、彼の後ろから、一人の若者が姿を現した。年の頃は二十歳前後だろうか。まだどこか幼さの残る顔立ちだが、その瞳には強い意志の光が宿っている。そして何よりも、その若者が身にまとっているのは、水戸藩の家紋が入った羽織だった。
「こちらは、我が藩の若様だ。訳あって、しばし江戸で暮らすことになってな。どこか、心落ち着ける場所で、美味いものを食わせてやりたいと思って、そなたの店を思い出したのだ」
水戸藩の若様…。私は驚きを隠せなかった。まさか、このような高貴な方が、この小さな飯屋を訪れるとは。
「おし乃殿、この若様のことを、よろしく頼む。色々と、難しい立場におられる方なのだ。そなたの料理で、少しでも心を癒してやってほしい」
武士の言葉には、若様を案じる深い思いが込められていた。私は、その若様の顔を改めて見つめた。どこか影のある表情だが、その奥には、純粋で真っ直ぐな心が隠れているように感じられた。
「かしこまりました。私にできますことがございましたら、精一杯、おもてなしさせていただきます」
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