BLゲームのモブに転生したので陰ながら暗躍せてもらおうと思う

及川証 (アカシ)

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プロローグ

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「愛しています」

「私のものになれ」

 寒い言葉だがイケメンが言うと様になる。受けだったら赤面するところだろうが、俺は―――

「逃げ――っ?!」

 袖を掴まれ逃げることができなくなる。その掴んだ彼はこの世界で受けキャラなのに―――

「どうして逃げるの?」

 その目は獲物を捕食しようとする獣のようで俺は小さく悲鳴を上げた。

 どうしてこうなったのか。話せば長い。

 ―――

 男子高校生、早乙女秋真しゅうまは上機嫌でコンビニへと向かっていた。

 理由は健全。

 今沼ってる18禁BLゲーム「魔法学園」の課金カードを買うため。

 どこが健全かって?

 エロに興味ないやつなんていないだろ?

 いたとしたら絶滅危惧種だ、そんなもん。

「五千円……いや、バイト代入るから一万くらい貢ぐか」

 浮かれていると耳に突き刺さるようなクラクション音が聞こえた。

 右側の横断歩道のど真ん中で5歳くらいの子供が立ち止まっている。

 そして迫りくる大型トラック。

 考えるよりも先に身体が動く。

 子供を突き飛ばした瞬間―――「グシャ」と嫌な音と激痛。

(あ、これは確実に死ぬ……)

 指一本として動かせず周りが騒ぐ音がした。

 秋真の目には青空と曲がった電柱。

(せめて、見るなら推しカップルのポスターとかがよかった……)

 最期になんて馬鹿な事を考えているのだろうと呼吸もままならないかすれた声で笑っていると先ほど突き飛ばした少年がのぞくようにこちらを見ていた。

 それは心配している。というより観察しているようで―――

「リスタートしますか?」

 怖いはずなのに、不思議と何も感じない。

(まあ、普通に死ぬよりかいいだろな……)

 子供の言う事に馬鹿馬鹿しいが俺はうなずいた。

 それが始まり。なんて誰が思う?

 まさか“モブ”として推しカップルの運命をぶち壊す側になるなんて―――


 

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