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1章
25.王都観光 前編
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次の日の午前中。
約束通り、お昼の少し前にセラが私を呼びに家まで来た。
私は師匠と一緒に家の前の門まで出てゆく。
昨日、師匠は事情を話すと案外すんなりと承諾してくれた。
もとより休日の午後は稽古の予定を入れていたのだが、この一年間ほとんど休みの日を取ったことが無かったので丁度いいと、師匠が言ったのだ。
「——エル様! おはようございます!」
「おはよ、セラ」
幸い、今日は天気がすごくいい。
穏やかな日差し、暖かな微風。
お出掛けにはもってこいの日和だ。
「エル様、こちら私のメイドです」
可愛らしいフリフリの洋服に身を包んだセラがそう言うと、隣でかしこまっていたメイドの方が一歩前に出てお辞儀をした。
「スフィー・マキア・シルヴァーと申します」
前髪で右目を隠した、落ち着きのあるメイドさんだ。
全体的な所作も静かで品がある。
うちのコゼットとは正反対だ。
「私は小さい頃からフィーと呼んでるので、エル様も是非!」
「うん、よろしくお願いします。 フィーさん!」
私がそう言うと、フィーさんは優しく微笑んでくれる。
「それじゃ、今度は私の番だね。 こちら、私の剣術の師匠です!」
そう私が紹介すると、師匠も前に出てお辞儀をする。
「エルに剣の稽古をつけています。 ルビス・ロヴェインです」
「お、お師匠さん!?」
「よろしく、エーデルレオンのお嬢さん」
師匠は驚いているセラに視線を合わせるために片膝をつくと、普段私には見せない甘々なスマイルを零した。
しかし、それを見たセラは顔を真っ赤にして私の方へ駆け寄ると、そのまま背中に隠れてしまう。
「ょ、ょろしくお願ぃします」
セラは私の背中に顔を埋めたまま師匠の言葉に返事をする。
「あ、あれ。 嫌われた?」
「照れてるんですよ。 てか久しぶりに見ましたよ今の笑顔。 初対面のときぶりですかね」
「いやぁ、エルの初めてのお友達だし、ちゃんとしなきゃと思って」
もう一年も一緒にいるから何とも思ってなかったけど、師匠もそれなりに顔は整っている方だった......。
それに元副団長という事で、何かと貴族令嬢への接し方に慣れているのか、よそ行きの顔になるといつもと雰囲気が変わるから心臓に悪いのだ。
「いつも通り、素の状態でいてくださいよ? なんか居心地悪いですから」
「なんかそれ傷つくな」
師匠は甘々スマイルを苦笑に変え、肩を落とす。
そんな風にして王都観光の休日は始まった......。
——まず初めに私達が向かったのは、師匠の行きつけの酒場だった。
少し早いが、お昼ご飯にしようという話になったのだ。
昼間から酒場に女性一人と女の子二人を連れていくのはどうかと思ったけど。
そこは安心、酒場は昼の時間だけレストランとして営業しているとのこと。
そして、歩くこと十数分。
王都で最も活気のある東の大通りを少し脇に逸れた小道にその酒場はあった。
藤の花を加えた狼の看板。
名前を群狼の藤花亭と言うらしい。
師匠の案内で店内に入ると、私より少し年上の赤毛の少女が出迎えてくれた。
少女の名前はニアと言うらしく。
このお店の看板娘だと豪語しており、実際にその明るい性格と可愛らしい見た目から老若男女問わず好かれているのが簡単に想像できる。
そんなニアを会話に交えて、四人揃って特製オムライスを注文し、幸せなお昼時間を過ごすと、また食べに来ると約束をして店を出た。
「オムライス、私初めて食べました! 美味しかったですね! エル様!」
「そうだね、私は前に何度かコゼットが作ってくれたのを食べたことあったけど、ここのは格別に美味しかった!」
コゼットの作る料理は基本的にそこらの料理屋より美味しいのだけど、オムライスだけはこの群狼の藤花亭に軍配が上がる。
そうセラと感想を言い合っていると、前を歩く師匠が振り返った。
「お二人さん、行きたい所は決めてあるのかい?」
「まぁ、何ヶ所かは......。 けど、もし師匠のオススメとかがあれば先にそっちを見て回ってもいいですよ」
昨日セラと一緒に帰宅の道すがら行きたい場所は相談してあるのだが、折角なら師匠の提案も受け入れていきたい。
「そうですね、お師匠さんなら王都に詳しそうですし!」
私の言葉にセラも同意してくれる。
「なら、すぐそこの市場を見てみないか?」
という事で、私達の次の目的地が決まったのだった。
——小道をぬけ、出たのは東の出店通り。
舗装された石畳の上を多くの人が行き交っている。
この通りは王都を端から端まで突っ切る大通りまで続いており、ズラっと並んだ露店からは、賑やかな呼び込み声が絶えず飛び交っていた。
野菜に果物、小物や日用品、ちょっとした武器や鎧、アクセサリーなんかも売っており。
観光客や住民で賑わっている。
もちろん、あるのは露店だけじゃない。
出店通りを抜けて馬車の行き交う大通りまで出ると、カフェやお菓子屋さん、書店に服屋や鍛冶屋、その他専門店など、幅広いお店が立ち並んでいる。
流石はこの聖王国中で一番活気があると言われているだけはあるな、と私は思った。
「す、すごい活気ですね。 流石は王都です。 実家の街にも市場はありましたけど、ここまで賑わっては居ませんでした......」
隣のセラも感嘆の言葉を漏らす。
そして、前を歩く師匠がはぐれないよう注意してくれと口にすると、セラは私の腕にしがみついてきた。
ほんの少し歩きづらいが、並んだ露店にコロコロと表情を変えるセラの可愛い様子が間近で見れるし、なにより良い香りが嗅げるので私としては無問題だ。
そんな調子で師匠の背中を追いかけながらしばらく見て回っていると、私達はとあるアクセサリーの並んだ露店の前で足を止めた。
シンプルな装飾が施された髪飾りや指輪に耳飾り。 髪を結ぶための紐なんかも売っている。
「エル様! 折角ですし何か買いませんか?」
セラはそんなアクセサリー達に目を輝かせてそう言った。
「いいよ。 何か欲しいの見つけた?」
そう言って二人で一緒になってアクセサリーに目を通す。
全てに宝石が使われている訳じゃないので、私たちのお小遣いでも買える。
それでいて、どれも細工が細かく綺麗で、普段使いするのに丁度いい感じだ。
セラも私も、どれにしようか悩んでしまう。
すると、店主のお姉さんが声を掛けてきた。
「お嬢ちゃん達、お友達同士かい?」
「はい! そうです!」
「そうです」
と、二人で同時に顔を上げて答えた。
「あっはは!!」
そんな私達を見てお姉さんは大声で笑う。
「ごめんごめん。 こんなにも可愛らしい女の子が二人も私の駄作を見て悩んでくれるのが嬉しくてつい」
「駄作だなんてそんな! どれも綺麗ですし可愛いですし、素敵ですよ!」
セラはそう言って、目を輝かせた。
私も同じ事を思ったので首を縦に振ってセラの言葉に同意を示す。
「それにしては長い事悩んでたみたいだけど?」
と、お姉さんは悪戯な笑みを浮かべてセラを困らせる。
「えぁ。 それは、どれも良すぎて自分じゃ選べなかったんですよ!」
セラはそんなお姉さんに慌てて弁解をした。
「そう? なら自分に買うんじゃなくてお互いに買うってのはどう? それぞれ、相手に似合うのを選んで交換するの」
「あぁ! 良いですねそれ! 私よりエル様に似合いそうだって思ったのが沢山あるんです!」
セラはそう言うと私にキラキラと輝いた視線を向けてくる。
「うん、お姉さんの言う方法で選ぼう。私も自分よりセラに似合いそうって思ったの何個かあるし」
と、私達は目の前に並べられたアクセサリー達に視線を落とした。
そうして、お互いにすぐさまコレだ! と思ったものに手を伸ばす。
私はセラの綺麗な金髪に似合いそうな花の細工が施された金属の髪留めを。
セラはキラキラと光る薄紫の髪紐を手に取っていた。
「お、決まった?」
お姉さんの質問にお互い目を合わせると、二人同時に力強く頷いた。
「これください!」
「これください」
「まいどあり!」
そう元気よく言った私達は、代金を支払って買ったものを交換した。
「ありがとうございます、エル様。 大事にします!」
「こちらこそ!」
そうして、お互いに幸せな笑みを浮かべながら、その露店をあとにしたのだった。
約束通り、お昼の少し前にセラが私を呼びに家まで来た。
私は師匠と一緒に家の前の門まで出てゆく。
昨日、師匠は事情を話すと案外すんなりと承諾してくれた。
もとより休日の午後は稽古の予定を入れていたのだが、この一年間ほとんど休みの日を取ったことが無かったので丁度いいと、師匠が言ったのだ。
「——エル様! おはようございます!」
「おはよ、セラ」
幸い、今日は天気がすごくいい。
穏やかな日差し、暖かな微風。
お出掛けにはもってこいの日和だ。
「エル様、こちら私のメイドです」
可愛らしいフリフリの洋服に身を包んだセラがそう言うと、隣でかしこまっていたメイドの方が一歩前に出てお辞儀をした。
「スフィー・マキア・シルヴァーと申します」
前髪で右目を隠した、落ち着きのあるメイドさんだ。
全体的な所作も静かで品がある。
うちのコゼットとは正反対だ。
「私は小さい頃からフィーと呼んでるので、エル様も是非!」
「うん、よろしくお願いします。 フィーさん!」
私がそう言うと、フィーさんは優しく微笑んでくれる。
「それじゃ、今度は私の番だね。 こちら、私の剣術の師匠です!」
そう私が紹介すると、師匠も前に出てお辞儀をする。
「エルに剣の稽古をつけています。 ルビス・ロヴェインです」
「お、お師匠さん!?」
「よろしく、エーデルレオンのお嬢さん」
師匠は驚いているセラに視線を合わせるために片膝をつくと、普段私には見せない甘々なスマイルを零した。
しかし、それを見たセラは顔を真っ赤にして私の方へ駆け寄ると、そのまま背中に隠れてしまう。
「ょ、ょろしくお願ぃします」
セラは私の背中に顔を埋めたまま師匠の言葉に返事をする。
「あ、あれ。 嫌われた?」
「照れてるんですよ。 てか久しぶりに見ましたよ今の笑顔。 初対面のときぶりですかね」
「いやぁ、エルの初めてのお友達だし、ちゃんとしなきゃと思って」
もう一年も一緒にいるから何とも思ってなかったけど、師匠もそれなりに顔は整っている方だった......。
それに元副団長という事で、何かと貴族令嬢への接し方に慣れているのか、よそ行きの顔になるといつもと雰囲気が変わるから心臓に悪いのだ。
「いつも通り、素の状態でいてくださいよ? なんか居心地悪いですから」
「なんかそれ傷つくな」
師匠は甘々スマイルを苦笑に変え、肩を落とす。
そんな風にして王都観光の休日は始まった......。
——まず初めに私達が向かったのは、師匠の行きつけの酒場だった。
少し早いが、お昼ご飯にしようという話になったのだ。
昼間から酒場に女性一人と女の子二人を連れていくのはどうかと思ったけど。
そこは安心、酒場は昼の時間だけレストランとして営業しているとのこと。
そして、歩くこと十数分。
王都で最も活気のある東の大通りを少し脇に逸れた小道にその酒場はあった。
藤の花を加えた狼の看板。
名前を群狼の藤花亭と言うらしい。
師匠の案内で店内に入ると、私より少し年上の赤毛の少女が出迎えてくれた。
少女の名前はニアと言うらしく。
このお店の看板娘だと豪語しており、実際にその明るい性格と可愛らしい見た目から老若男女問わず好かれているのが簡単に想像できる。
そんなニアを会話に交えて、四人揃って特製オムライスを注文し、幸せなお昼時間を過ごすと、また食べに来ると約束をして店を出た。
「オムライス、私初めて食べました! 美味しかったですね! エル様!」
「そうだね、私は前に何度かコゼットが作ってくれたのを食べたことあったけど、ここのは格別に美味しかった!」
コゼットの作る料理は基本的にそこらの料理屋より美味しいのだけど、オムライスだけはこの群狼の藤花亭に軍配が上がる。
そうセラと感想を言い合っていると、前を歩く師匠が振り返った。
「お二人さん、行きたい所は決めてあるのかい?」
「まぁ、何ヶ所かは......。 けど、もし師匠のオススメとかがあれば先にそっちを見て回ってもいいですよ」
昨日セラと一緒に帰宅の道すがら行きたい場所は相談してあるのだが、折角なら師匠の提案も受け入れていきたい。
「そうですね、お師匠さんなら王都に詳しそうですし!」
私の言葉にセラも同意してくれる。
「なら、すぐそこの市場を見てみないか?」
という事で、私達の次の目的地が決まったのだった。
——小道をぬけ、出たのは東の出店通り。
舗装された石畳の上を多くの人が行き交っている。
この通りは王都を端から端まで突っ切る大通りまで続いており、ズラっと並んだ露店からは、賑やかな呼び込み声が絶えず飛び交っていた。
野菜に果物、小物や日用品、ちょっとした武器や鎧、アクセサリーなんかも売っており。
観光客や住民で賑わっている。
もちろん、あるのは露店だけじゃない。
出店通りを抜けて馬車の行き交う大通りまで出ると、カフェやお菓子屋さん、書店に服屋や鍛冶屋、その他専門店など、幅広いお店が立ち並んでいる。
流石はこの聖王国中で一番活気があると言われているだけはあるな、と私は思った。
「す、すごい活気ですね。 流石は王都です。 実家の街にも市場はありましたけど、ここまで賑わっては居ませんでした......」
隣のセラも感嘆の言葉を漏らす。
そして、前を歩く師匠がはぐれないよう注意してくれと口にすると、セラは私の腕にしがみついてきた。
ほんの少し歩きづらいが、並んだ露店にコロコロと表情を変えるセラの可愛い様子が間近で見れるし、なにより良い香りが嗅げるので私としては無問題だ。
そんな調子で師匠の背中を追いかけながらしばらく見て回っていると、私達はとあるアクセサリーの並んだ露店の前で足を止めた。
シンプルな装飾が施された髪飾りや指輪に耳飾り。 髪を結ぶための紐なんかも売っている。
「エル様! 折角ですし何か買いませんか?」
セラはそんなアクセサリー達に目を輝かせてそう言った。
「いいよ。 何か欲しいの見つけた?」
そう言って二人で一緒になってアクセサリーに目を通す。
全てに宝石が使われている訳じゃないので、私たちのお小遣いでも買える。
それでいて、どれも細工が細かく綺麗で、普段使いするのに丁度いい感じだ。
セラも私も、どれにしようか悩んでしまう。
すると、店主のお姉さんが声を掛けてきた。
「お嬢ちゃん達、お友達同士かい?」
「はい! そうです!」
「そうです」
と、二人で同時に顔を上げて答えた。
「あっはは!!」
そんな私達を見てお姉さんは大声で笑う。
「ごめんごめん。 こんなにも可愛らしい女の子が二人も私の駄作を見て悩んでくれるのが嬉しくてつい」
「駄作だなんてそんな! どれも綺麗ですし可愛いですし、素敵ですよ!」
セラはそう言って、目を輝かせた。
私も同じ事を思ったので首を縦に振ってセラの言葉に同意を示す。
「それにしては長い事悩んでたみたいだけど?」
と、お姉さんは悪戯な笑みを浮かべてセラを困らせる。
「えぁ。 それは、どれも良すぎて自分じゃ選べなかったんですよ!」
セラはそんなお姉さんに慌てて弁解をした。
「そう? なら自分に買うんじゃなくてお互いに買うってのはどう? それぞれ、相手に似合うのを選んで交換するの」
「あぁ! 良いですねそれ! 私よりエル様に似合いそうだって思ったのが沢山あるんです!」
セラはそう言うと私にキラキラと輝いた視線を向けてくる。
「うん、お姉さんの言う方法で選ぼう。私も自分よりセラに似合いそうって思ったの何個かあるし」
と、私達は目の前に並べられたアクセサリー達に視線を落とした。
そうして、お互いにすぐさまコレだ! と思ったものに手を伸ばす。
私はセラの綺麗な金髪に似合いそうな花の細工が施された金属の髪留めを。
セラはキラキラと光る薄紫の髪紐を手に取っていた。
「お、決まった?」
お姉さんの質問にお互い目を合わせると、二人同時に力強く頷いた。
「これください!」
「これください」
「まいどあり!」
そう元気よく言った私達は、代金を支払って買ったものを交換した。
「ありがとうございます、エル様。 大事にします!」
「こちらこそ!」
そうして、お互いに幸せな笑みを浮かべながら、その露店をあとにしたのだった。
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