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3 勇者適性
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特に何かあるわけでも無く能力と勇者適性の確認は進み、数人が終わった頃。
「おお、これは……!!」
突如、国王の感嘆の声が響き渡った。
それまでの数人とは明らかに違う石板の光り方をする生徒が現れたのだ。
「なっ、なんなんすか……!?」
突然の事に驚く生徒。無理も無いだろう。前の数人とは明らかに石板の様子も国王の様子も違うのだから。
「其方、名は何と言うのじゃ」
「佐上……っすけど」
「ふむ、サガミと言うのか。其方の持つ能力はどんな剣技も使える剣術スキル……その中でも最高峰に近い『上級剣術』である。歴代の勇者の中でも特に功績を残した者が所持していたものと同じじゃ」
「それってつまり俺、めっちゃ強いってことじゃないっすか」
目に見えて調子に乗り始めた様子の佐上。そこに援護射撃をするかのように使用人が口を開く。
「佐上様の勇者適性も素晴らしいものです。特に筋力への補正値がずば抜けているため、剣術スキルと併用すればワイバーンですら容易に倒せるでしょう」
「マジで? おいおい、それじゃあもう他の奴いらないレベルじゃんよ」
バスから降りた時には恐怖と不安に飲みこまれていた彼も、これだけ持ち上げられれば調子に乗ってしまうのも無理からぬことだった。
そしてその姿を見ていた他の生徒も、自分ももしかしたら強力な能力と高い勇者適性を持っているのではないかと期待を持ち始める。
しかしその期待もむなしく、その後に出てくる能力は鑑定や限定的な能力強化などがほとんどであり、適性に関しても特段高い者は現れずにいた。
そんな中、再び国王の声が響く。
「えっ、あっ、私ですか……?」
その時に石板に触れていたのは咲の友人である桜であった。
「『超級治癒』……じゃと。これほどの治癒能力は初めて見た。今までに召喚した勇者の中にもこれほどのものはおらんかった」
「勇者適性も、もはや恐ろしい程でございます。これほどの適性であればきっとありとあらゆる回復魔法が扱えるでしょう」
「ひ、ひぇぇ……」
国王と使用人の熱い視線にただただ困惑することしか出来ない桜を見る者がもう一人。
「へー……桜、随分と凄そうだね」
咲は興味津々といった様子で桜の方を見ていた。
退屈な毎日を暮らしていた彼女にとって、今のこの非現実的な状況はドキドキワクワクせずにはいられなかったのだ。
さらには友人がとてつもない能力を手に入れたとなれば、その力を試したくなってしまう。咲はそう言う思考の持ち主であった。
とは言え今この場で事を起こす程に軽率な訳では決してなく、時と場所を弁えようとする冷静さは持ち合わせていた。
そうしてウズウズしていた時、ついに咲の番がやってくる。
「あっ……」
だがそこで咲は気付いた。
このまま石板に触れたら自分がカルノライザーであることがバレてしまうのではないかと言う事に。
石板が能力を示すのであれば、勇者召喚によって習得した能力とは別に彼女自身が持つ変身についても出てしまうのではないか。
そう考えた時には既に石板の前に立っており、もう後戻りは出来ない状況となっていた。
「……やるしかない、か」
今ここで拒否できるわけもなく、諦めて咲は石板に手を触れる。
「な、なんてことじゃ……!」
すると国王は石板が光ると同時にそう叫んだ。
石板には『変身』の文字。だがそれを国王……いや、この場の異世界人全員が良く思っていないようだった。
あまりにも突然場の空気が変わったため、結果的に彼女がカルノライザーであることがバレることは無かった。
しかしそんなことを言っている場合ではない程に、国王の表情は重いものへと変わって行く。
「『変身』……じゃと? はぁ……今回も外れが出てしまったか」
気付けばそれまでのお祭り騒ぎな空気感は奇麗さっぱり消え去り、重苦しいものが辺りを覆い始めた。
「おお、これは……!!」
突如、国王の感嘆の声が響き渡った。
それまでの数人とは明らかに違う石板の光り方をする生徒が現れたのだ。
「なっ、なんなんすか……!?」
突然の事に驚く生徒。無理も無いだろう。前の数人とは明らかに石板の様子も国王の様子も違うのだから。
「其方、名は何と言うのじゃ」
「佐上……っすけど」
「ふむ、サガミと言うのか。其方の持つ能力はどんな剣技も使える剣術スキル……その中でも最高峰に近い『上級剣術』である。歴代の勇者の中でも特に功績を残した者が所持していたものと同じじゃ」
「それってつまり俺、めっちゃ強いってことじゃないっすか」
目に見えて調子に乗り始めた様子の佐上。そこに援護射撃をするかのように使用人が口を開く。
「佐上様の勇者適性も素晴らしいものです。特に筋力への補正値がずば抜けているため、剣術スキルと併用すればワイバーンですら容易に倒せるでしょう」
「マジで? おいおい、それじゃあもう他の奴いらないレベルじゃんよ」
バスから降りた時には恐怖と不安に飲みこまれていた彼も、これだけ持ち上げられれば調子に乗ってしまうのも無理からぬことだった。
そしてその姿を見ていた他の生徒も、自分ももしかしたら強力な能力と高い勇者適性を持っているのではないかと期待を持ち始める。
しかしその期待もむなしく、その後に出てくる能力は鑑定や限定的な能力強化などがほとんどであり、適性に関しても特段高い者は現れずにいた。
そんな中、再び国王の声が響く。
「えっ、あっ、私ですか……?」
その時に石板に触れていたのは咲の友人である桜であった。
「『超級治癒』……じゃと。これほどの治癒能力は初めて見た。今までに召喚した勇者の中にもこれほどのものはおらんかった」
「勇者適性も、もはや恐ろしい程でございます。これほどの適性であればきっとありとあらゆる回復魔法が扱えるでしょう」
「ひ、ひぇぇ……」
国王と使用人の熱い視線にただただ困惑することしか出来ない桜を見る者がもう一人。
「へー……桜、随分と凄そうだね」
咲は興味津々といった様子で桜の方を見ていた。
退屈な毎日を暮らしていた彼女にとって、今のこの非現実的な状況はドキドキワクワクせずにはいられなかったのだ。
さらには友人がとてつもない能力を手に入れたとなれば、その力を試したくなってしまう。咲はそう言う思考の持ち主であった。
とは言え今この場で事を起こす程に軽率な訳では決してなく、時と場所を弁えようとする冷静さは持ち合わせていた。
そうしてウズウズしていた時、ついに咲の番がやってくる。
「あっ……」
だがそこで咲は気付いた。
このまま石板に触れたら自分がカルノライザーであることがバレてしまうのではないかと言う事に。
石板が能力を示すのであれば、勇者召喚によって習得した能力とは別に彼女自身が持つ変身についても出てしまうのではないか。
そう考えた時には既に石板の前に立っており、もう後戻りは出来ない状況となっていた。
「……やるしかない、か」
今ここで拒否できるわけもなく、諦めて咲は石板に手を触れる。
「な、なんてことじゃ……!」
すると国王は石板が光ると同時にそう叫んだ。
石板には『変身』の文字。だがそれを国王……いや、この場の異世界人全員が良く思っていないようだった。
あまりにも突然場の空気が変わったため、結果的に彼女がカルノライザーであることがバレることは無かった。
しかしそんなことを言っている場合ではない程に、国王の表情は重いものへと変わって行く。
「『変身』……じゃと? はぁ……今回も外れが出てしまったか」
気付けばそれまでのお祭り騒ぎな空気感は奇麗さっぱり消え去り、重苦しいものが辺りを覆い始めた。
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