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10 訓練開始
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翌朝、朝食の場にて。
「そう言えば今朝、部屋の扉を開けたら佐上が気絶してたんだけど……どういうこと?」
「俺が知るかよ。と言うか皆昨日は疲れてたのかすぐに寝ちまっただろ。誰も知らないんじゃないか?」
佐上が部屋の前でくたばっていたことは当然のことながら皆に知られており、咲は嫌な汗を流しながら朝食をとるはめになったのだった。
「でも佐上君の能力って相当強いんじゃなかった? もしそれ以上に強い何かに襲われたんだとしたら……」
「縁起でもないこと言わないでよ。ただでさえ昨日の時点で半数以上死んだって言うのに……うぅ、んぶっ」
そう言っていた生徒は最後まで言い終わる前に、昨日の魔龍王によってクラスメイトが殺される光景が蘇ってしまったのか吐き出してしまう。
本来なら他の生徒もそうなってもおかしくない状況ではあるのだが、どうやら勇者適性による能力の上昇によって精神面も強化されているらしく、一際精神面への能力上昇が少ないその生徒のみがそうなるのみだった。
また元の世界への執着も同時に薄れているようで、ほぼ全ての生徒の元の世界に帰りたいと言う気持とは徐々に薄れつつあった。
「そ、そうよね。それにこの王城は警備もしっかりしてるって言ってたじゃない……! きっとトイレにでも行こうとしてずっこけたか何かよ」
「ああ……そ、そうだよな。それにアイツ、魔龍王だかに襲われた時は情けなく逃げ周るだけだったし、もしかしたら暗い廊下にビビって腰ぬかしちまったのかもしれないぜ」
当の佐上がこの場にいないからか皆言いたい放題ではあるが、彼が周りからあまり良く思われていないのは事実だった。
元々浮いていた人物ではあったのだが、召喚時の高慢な態度と性奴隷発言がとどめを刺したようだ。
そんな感じに朝食の時間は終わり、騎士団の修練場へと生徒達は集められた。
「私はアルタリア騎士団団長のガルドだ。今日から貴様らには本格的に勇者としての修練を行ってもらう。とは言え最初の内は修練場内での素振りや模擬戦がほとんどだからな。まずは武器に慣れるところから始めてくれ」
騎士団長ガルドはそう言うと、それぞれの生徒に合わせた武器を配った。
魔法系の能力を持つ者には杖を、戦士系の能力を持つ者には剣や槍を。中には弓や籠手を配られる者もいたが、そういった者の数は少なかった。
「昨日は散々な目に遭ったようだな。せめて、冥福を祈っておこう……」
ガルドは残った十数人に対してそう言いつつ、昨日の魔龍王襲来により不運にも命を落とした勇者の卵たちに黙とうを奉げた。
「だが、あれだけのことがあってなおこれだけの人数が残ったのは僥倖だ。勇者は勇者同士で行動を共にした方が成長速度が速いうえに、その人数が多い程その速度はさらに速くなるらしいからな。よし、話はこれくらいにして早速武器の扱いについて教えよう」
ガルドがそう言い終わるのと同時に、それぞれの武器の扱いに長けた兵士が生徒たちに武器の扱いを教え始める。
剣や槍であればその握り方や振り方を、杖ならば魔力の込め方などを、そう言った基礎的なものを一から教えて行く。
この世界でも数少ない大国の騎士団と言う事もあり、兵士たちの教え方は上手かった。
また勇者適性による補正も馬鹿にならないものであり、日が暮れる頃には全員最低限武器を扱える程にはなっていた。
それもあって一週間が経つ頃には魔物を相手にした実戦訓練が始まるのだった。
「今日から実際に魔物との戦闘を行っていく。我々も近くで待機はしているが、基本的には全て君たちのみで対処するように」
「とうとう魔物と戦うのか……けど、不思議と怖くはない……」
「お前もか? 実は俺もなんだ……なんかそれが逆に怖い」
精神面への強化は魔物への極端な恐怖も緩和しており、つい一週間前まで日本で暮らしていたとは思えない精神性になっていた。
その数か月前まではドラゴラゴンの脅威もあったのだが、カルノライザーの活躍によってドラゴラゴンの残党もその数を減らし、普通に生活していればほとんど出会うことは無かったのだ。
故に、魔物と戦うことに対して恐怖を感じていないことの方に違和感を覚える生徒がほとんどであった。
「そう言えば今朝、部屋の扉を開けたら佐上が気絶してたんだけど……どういうこと?」
「俺が知るかよ。と言うか皆昨日は疲れてたのかすぐに寝ちまっただろ。誰も知らないんじゃないか?」
佐上が部屋の前でくたばっていたことは当然のことながら皆に知られており、咲は嫌な汗を流しながら朝食をとるはめになったのだった。
「でも佐上君の能力って相当強いんじゃなかった? もしそれ以上に強い何かに襲われたんだとしたら……」
「縁起でもないこと言わないでよ。ただでさえ昨日の時点で半数以上死んだって言うのに……うぅ、んぶっ」
そう言っていた生徒は最後まで言い終わる前に、昨日の魔龍王によってクラスメイトが殺される光景が蘇ってしまったのか吐き出してしまう。
本来なら他の生徒もそうなってもおかしくない状況ではあるのだが、どうやら勇者適性による能力の上昇によって精神面も強化されているらしく、一際精神面への能力上昇が少ないその生徒のみがそうなるのみだった。
また元の世界への執着も同時に薄れているようで、ほぼ全ての生徒の元の世界に帰りたいと言う気持とは徐々に薄れつつあった。
「そ、そうよね。それにこの王城は警備もしっかりしてるって言ってたじゃない……! きっとトイレにでも行こうとしてずっこけたか何かよ」
「ああ……そ、そうだよな。それにアイツ、魔龍王だかに襲われた時は情けなく逃げ周るだけだったし、もしかしたら暗い廊下にビビって腰ぬかしちまったのかもしれないぜ」
当の佐上がこの場にいないからか皆言いたい放題ではあるが、彼が周りからあまり良く思われていないのは事実だった。
元々浮いていた人物ではあったのだが、召喚時の高慢な態度と性奴隷発言がとどめを刺したようだ。
そんな感じに朝食の時間は終わり、騎士団の修練場へと生徒達は集められた。
「私はアルタリア騎士団団長のガルドだ。今日から貴様らには本格的に勇者としての修練を行ってもらう。とは言え最初の内は修練場内での素振りや模擬戦がほとんどだからな。まずは武器に慣れるところから始めてくれ」
騎士団長ガルドはそう言うと、それぞれの生徒に合わせた武器を配った。
魔法系の能力を持つ者には杖を、戦士系の能力を持つ者には剣や槍を。中には弓や籠手を配られる者もいたが、そういった者の数は少なかった。
「昨日は散々な目に遭ったようだな。せめて、冥福を祈っておこう……」
ガルドは残った十数人に対してそう言いつつ、昨日の魔龍王襲来により不運にも命を落とした勇者の卵たちに黙とうを奉げた。
「だが、あれだけのことがあってなおこれだけの人数が残ったのは僥倖だ。勇者は勇者同士で行動を共にした方が成長速度が速いうえに、その人数が多い程その速度はさらに速くなるらしいからな。よし、話はこれくらいにして早速武器の扱いについて教えよう」
ガルドがそう言い終わるのと同時に、それぞれの武器の扱いに長けた兵士が生徒たちに武器の扱いを教え始める。
剣や槍であればその握り方や振り方を、杖ならば魔力の込め方などを、そう言った基礎的なものを一から教えて行く。
この世界でも数少ない大国の騎士団と言う事もあり、兵士たちの教え方は上手かった。
また勇者適性による補正も馬鹿にならないものであり、日が暮れる頃には全員最低限武器を扱える程にはなっていた。
それもあって一週間が経つ頃には魔物を相手にした実戦訓練が始まるのだった。
「今日から実際に魔物との戦闘を行っていく。我々も近くで待機はしているが、基本的には全て君たちのみで対処するように」
「とうとう魔物と戦うのか……けど、不思議と怖くはない……」
「お前もか? 実は俺もなんだ……なんかそれが逆に怖い」
精神面への強化は魔物への極端な恐怖も緩和しており、つい一週間前まで日本で暮らしていたとは思えない精神性になっていた。
その数か月前まではドラゴラゴンの脅威もあったのだが、カルノライザーの活躍によってドラゴラゴンの残党もその数を減らし、普通に生活していればほとんど出会うことは無かったのだ。
故に、魔物と戦うことに対して恐怖を感じていないことの方に違和感を覚える生徒がほとんどであった。
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