39 / 56
39 方向性の違い
しおりを挟む
「もう限界だ! 代表を出せ!」
「なんだ!? と、止まれ! この先には通さん!」
一人の獣人が厳重に守られた部屋へと押し入ろうとしていた。その表情と行動から、彼が怒りの感情を持っているのは明らかだ。
「これ以上妙なことをするのであれば、我々も手段は選ばんぞ!」
「まあ良い。少し中で話をしようじゃないか」
「だ、代表!?」
外での騒ぎに気付いたのか、部屋の中から現れた獣人はそう言った。部屋の警備を行っていた者の反応からも、この人物が暴れていた獣人の言っていた「代表」であることは間違いない。
「良いのですか!?」
「構わん。どうせ、いつかはこうなるだろうと思っていた。来なさい。ここで話せる内容では無いのだろう?」
代表と呼ばれた獣人はもう一人の獣人を連れて部屋に入っていった。部屋の中は殺風景であり、最低限の生活を送るための物しか無いといった印象だ。その光景に、獣人は驚いていた。
「驚いたな。まさかこんな部屋でずっと暮らしているのか?」
「ははは、そのまさかだよ。野望を果たすまで我々に安息は訪れない。それを忘れないために、私は日々ここで生活している。あの頃のような……虐げられた日々を忘れないようにね」
遠い過去に向けたような目をして、代表はそう語った。
「そうだったのか。その点では、俺は少し代表のことを勘違いをしていたのかもしれないな。……だが」
獣人の怒りは依然変わりない様子だった。
「関係ない人にまで危害を加えるという代表の戦い方には、俺は賛同できない」
「ほう」
「天空都市を襲った時も温泉都市での生物実験の時も、多くの民間人を犠牲にした。こんなやり方、間違っている!」
「間違っている……か」
代表は少し困ったような表情で獣人の方を見た。
「君をボロ雑巾のように扱っていたのは誰だ? 人間だろう?」
「ええそうですよ。でも、それはあくまで一部の人間に過ぎない。人間の中にはまともな奴だって大勢いる」
「ふむ、確かにそうかもしれない。しかしだね。彼らが人間であることに変わりはないだろう。そうである以上、潜在意識の中に本能的な差別意識があってもおかしくは無い。それに……」
代表は獣人の言葉を聞き入れながらも、自分の考えを語り続けた。
「戦が起こった時に前線で戦う者は戦士だろう。当然戦士で有れば戦で死ぬこともある。戦いとはそういうものだ」
「……急に何を?」
「ではその前線で戦う者に対して補給を行う者はどうだろうか。それもまた戦士と言えるだろう。前線へと赴き、物資を届けるのは命がけの作業だ」
獣人の疑問に答えることなく、代表は話し続ける。
「ではその物資を作る者たちはどうだ。戦うための剣や鎧を作る者たちは? 戦士たちが食べる食料を作る者たちは? 戦士たちが住む建物を作る者たちは?」
「一体何が言いたいんだ!」
「無垢なる民間人というものは存在しないということだ。一見関係ないようなものであっても、最終的に我々の壁となり得る。であれば彼らもまた戦士なのだ。命を落としたとしても致し方のない犠牲だとは思わないかね」
「な、何を言っているんだ……?」
代表の言葉に、獣人は一瞬理解が追いつかなかった。しかしそれも当然である。彼は自分は迫害されている獣人の権利を守るために戦っているのだと信じていた。だが代表の言うことが真実ならば、異常な行動をしているのは自分たちの方なのだ。
「それに、君は何か勘違いをしている」
「なに……?」
そんな獣人に追撃を与えるかのように、代表は続ける。
「我々は一部の権力者や差別主義者と戦っているのではない。これは権利を求める獣人とその他種族との戦争なんだ。故に、我々は奴らを壊滅させなければ勝利とは言えない。奴らを少しでも残せば、またいつか我々が差別される日が来る。そうならないために、例え民間人であっても我々の敵なのだ」
「そんなの、獣人以外を迫害するのと同じだ……!」
「迫害する側で無ければ迫害される。君も良く分かっているはずだ」
「くっ……だがそれでも、俺は代表のやり方は見過ごせない!」
獣人は懐からナイフを抜き、代表へと飛び込んだ。
――――――
「ショータさん、ギルド長さんが探してましたよ」
「そうか、こんなところまでありがとうな」
久々に極水龍との戦いも終わってこれから家に戻ろうってところで、リーシャが伝えに来た。国の中でもかなり辺境の場所で戦っていたもんだから、リーシャにはちょっと申し訳ないことをしたな。クライムとのこともあってここまで一人で来るのは怖かっただろうに。それにしてもわざわざ伝えに来たってことはかなりの急用ってことだろうか。
「それと、水龍様も一緒に来て欲しいとのことです」
「む、俺もか? ……となると龍種洗脳の件か」
「俺もそう思う。とにかく急いだほうが良さそうだ。リーシャ、家まで送っていくから俺に……」
「いえ、私は大丈夫ですのでお二方は急いで向かってください。なんだかその、嫌な予感がするんです」
「……そうか。わかった」
マナツカミとの戦いで魔力強化が出来ない時の問題点が浮き彫りになったからな。シンプルな能力強化のためにもう少し時間をかけて極水龍と調整しておきたかったが、また別のところに向かわないといけないかもしれねえな。
ギルドに向かうと、俺と極水龍の二人はすぐさま奥の部屋に通された。
「急なことで申し訳ない。だがあまり悠長にも出来なさそうだったのでな。早速本題になるのだが、組織の幹部と思われる者がついさっきこの国に訪れたのだ」
「何だって!?」
組織の幹部が直接この国に来ただって? だがそんな気配はしなかったし、あれから妙なことも起こってはいない。一体何が目的で……。
「何やら大怪我を負っているようでな。今は城で様子を見ているが、これが罠である可能性もある。一応国王様の尋問魔法を使った限りでは問題は無さそうだが、本人の意思とは関係ないものが動いているかもしれないのでな。念のために注意しておくのは大事だろう」
「そうですね。念のため俺も一度会っておきたいと思います。その者の所に向かうことは可能でしょうか」
「うむ、元よりそのつもりで呼んだのだ。後で伝えるよりも直接聞いた方が速いだろうからの」
ギルド長に連れられてその組織の幹部と言う者がいると言う部屋へと向かった。にしても組織の幹部か。一体どれだけ悪逆非道な奴なんだ。事と次第によっては手が出ちまうかもしれねえぜ。
「ここだ。……入るぞ」
ギルド長が部屋の扉を開けた。すると中からは薬の匂いと血の匂いが混ざった空気が溢れ出て来た。大怪我を負っていたと言っていたが、その言葉の通り部屋の中には包帯でグルグル巻きになった一人の獣人が座っていた。
「……アンタがショータか。話には聞いている。組織の中でも有名だぜ。……主に悪い方で、だがな」
「そうか。まあそんなことは良いんだ。アンタが幹部ってのは間違いないんだな?」
「ああ。と言っても、元幹部……だがな」
元幹部? ってことは今はそうじゃねえってことか?
「さて、どこから話したもんか。まずは俺がこうなった理由から話すとするか。俺はここからずっと遠くの村で生まれたんだが……」
「ちょっと待て、どこから話す気だ?」
コイツ、さては生まれてから組織に入った経緯までを全部話す気じゃねえだろうな。
「冗談はそれくらいにしておくか。俺がこうなったのは、組織の代表を殺そうとしたからだ」
「……代表を?」
幹部ともあろう者が何故代表を殺そうとした? 考えられるとしたら、幹部からさらに上へと成り上がろうとして……とか良くあるアレか?
「驚いているようだな。まあ無理は無い。どうせならもっと驚かせてやろう」
何だ、何をする気だ?
「頼む、ショータ。代表を……組織を潰してくれ」
「……は?」
「なんだ!? と、止まれ! この先には通さん!」
一人の獣人が厳重に守られた部屋へと押し入ろうとしていた。その表情と行動から、彼が怒りの感情を持っているのは明らかだ。
「これ以上妙なことをするのであれば、我々も手段は選ばんぞ!」
「まあ良い。少し中で話をしようじゃないか」
「だ、代表!?」
外での騒ぎに気付いたのか、部屋の中から現れた獣人はそう言った。部屋の警備を行っていた者の反応からも、この人物が暴れていた獣人の言っていた「代表」であることは間違いない。
「良いのですか!?」
「構わん。どうせ、いつかはこうなるだろうと思っていた。来なさい。ここで話せる内容では無いのだろう?」
代表と呼ばれた獣人はもう一人の獣人を連れて部屋に入っていった。部屋の中は殺風景であり、最低限の生活を送るための物しか無いといった印象だ。その光景に、獣人は驚いていた。
「驚いたな。まさかこんな部屋でずっと暮らしているのか?」
「ははは、そのまさかだよ。野望を果たすまで我々に安息は訪れない。それを忘れないために、私は日々ここで生活している。あの頃のような……虐げられた日々を忘れないようにね」
遠い過去に向けたような目をして、代表はそう語った。
「そうだったのか。その点では、俺は少し代表のことを勘違いをしていたのかもしれないな。……だが」
獣人の怒りは依然変わりない様子だった。
「関係ない人にまで危害を加えるという代表の戦い方には、俺は賛同できない」
「ほう」
「天空都市を襲った時も温泉都市での生物実験の時も、多くの民間人を犠牲にした。こんなやり方、間違っている!」
「間違っている……か」
代表は少し困ったような表情で獣人の方を見た。
「君をボロ雑巾のように扱っていたのは誰だ? 人間だろう?」
「ええそうですよ。でも、それはあくまで一部の人間に過ぎない。人間の中にはまともな奴だって大勢いる」
「ふむ、確かにそうかもしれない。しかしだね。彼らが人間であることに変わりはないだろう。そうである以上、潜在意識の中に本能的な差別意識があってもおかしくは無い。それに……」
代表は獣人の言葉を聞き入れながらも、自分の考えを語り続けた。
「戦が起こった時に前線で戦う者は戦士だろう。当然戦士で有れば戦で死ぬこともある。戦いとはそういうものだ」
「……急に何を?」
「ではその前線で戦う者に対して補給を行う者はどうだろうか。それもまた戦士と言えるだろう。前線へと赴き、物資を届けるのは命がけの作業だ」
獣人の疑問に答えることなく、代表は話し続ける。
「ではその物資を作る者たちはどうだ。戦うための剣や鎧を作る者たちは? 戦士たちが食べる食料を作る者たちは? 戦士たちが住む建物を作る者たちは?」
「一体何が言いたいんだ!」
「無垢なる民間人というものは存在しないということだ。一見関係ないようなものであっても、最終的に我々の壁となり得る。であれば彼らもまた戦士なのだ。命を落としたとしても致し方のない犠牲だとは思わないかね」
「な、何を言っているんだ……?」
代表の言葉に、獣人は一瞬理解が追いつかなかった。しかしそれも当然である。彼は自分は迫害されている獣人の権利を守るために戦っているのだと信じていた。だが代表の言うことが真実ならば、異常な行動をしているのは自分たちの方なのだ。
「それに、君は何か勘違いをしている」
「なに……?」
そんな獣人に追撃を与えるかのように、代表は続ける。
「我々は一部の権力者や差別主義者と戦っているのではない。これは権利を求める獣人とその他種族との戦争なんだ。故に、我々は奴らを壊滅させなければ勝利とは言えない。奴らを少しでも残せば、またいつか我々が差別される日が来る。そうならないために、例え民間人であっても我々の敵なのだ」
「そんなの、獣人以外を迫害するのと同じだ……!」
「迫害する側で無ければ迫害される。君も良く分かっているはずだ」
「くっ……だがそれでも、俺は代表のやり方は見過ごせない!」
獣人は懐からナイフを抜き、代表へと飛び込んだ。
――――――
「ショータさん、ギルド長さんが探してましたよ」
「そうか、こんなところまでありがとうな」
久々に極水龍との戦いも終わってこれから家に戻ろうってところで、リーシャが伝えに来た。国の中でもかなり辺境の場所で戦っていたもんだから、リーシャにはちょっと申し訳ないことをしたな。クライムとのこともあってここまで一人で来るのは怖かっただろうに。それにしてもわざわざ伝えに来たってことはかなりの急用ってことだろうか。
「それと、水龍様も一緒に来て欲しいとのことです」
「む、俺もか? ……となると龍種洗脳の件か」
「俺もそう思う。とにかく急いだほうが良さそうだ。リーシャ、家まで送っていくから俺に……」
「いえ、私は大丈夫ですのでお二方は急いで向かってください。なんだかその、嫌な予感がするんです」
「……そうか。わかった」
マナツカミとの戦いで魔力強化が出来ない時の問題点が浮き彫りになったからな。シンプルな能力強化のためにもう少し時間をかけて極水龍と調整しておきたかったが、また別のところに向かわないといけないかもしれねえな。
ギルドに向かうと、俺と極水龍の二人はすぐさま奥の部屋に通された。
「急なことで申し訳ない。だがあまり悠長にも出来なさそうだったのでな。早速本題になるのだが、組織の幹部と思われる者がついさっきこの国に訪れたのだ」
「何だって!?」
組織の幹部が直接この国に来ただって? だがそんな気配はしなかったし、あれから妙なことも起こってはいない。一体何が目的で……。
「何やら大怪我を負っているようでな。今は城で様子を見ているが、これが罠である可能性もある。一応国王様の尋問魔法を使った限りでは問題は無さそうだが、本人の意思とは関係ないものが動いているかもしれないのでな。念のために注意しておくのは大事だろう」
「そうですね。念のため俺も一度会っておきたいと思います。その者の所に向かうことは可能でしょうか」
「うむ、元よりそのつもりで呼んだのだ。後で伝えるよりも直接聞いた方が速いだろうからの」
ギルド長に連れられてその組織の幹部と言う者がいると言う部屋へと向かった。にしても組織の幹部か。一体どれだけ悪逆非道な奴なんだ。事と次第によっては手が出ちまうかもしれねえぜ。
「ここだ。……入るぞ」
ギルド長が部屋の扉を開けた。すると中からは薬の匂いと血の匂いが混ざった空気が溢れ出て来た。大怪我を負っていたと言っていたが、その言葉の通り部屋の中には包帯でグルグル巻きになった一人の獣人が座っていた。
「……アンタがショータか。話には聞いている。組織の中でも有名だぜ。……主に悪い方で、だがな」
「そうか。まあそんなことは良いんだ。アンタが幹部ってのは間違いないんだな?」
「ああ。と言っても、元幹部……だがな」
元幹部? ってことは今はそうじゃねえってことか?
「さて、どこから話したもんか。まずは俺がこうなった理由から話すとするか。俺はここからずっと遠くの村で生まれたんだが……」
「ちょっと待て、どこから話す気だ?」
コイツ、さては生まれてから組織に入った経緯までを全部話す気じゃねえだろうな。
「冗談はそれくらいにしておくか。俺がこうなったのは、組織の代表を殺そうとしたからだ」
「……代表を?」
幹部ともあろう者が何故代表を殺そうとした? 考えられるとしたら、幹部からさらに上へと成り上がろうとして……とか良くあるアレか?
「驚いているようだな。まあ無理は無い。どうせならもっと驚かせてやろう」
何だ、何をする気だ?
「頼む、ショータ。代表を……組織を潰してくれ」
「……は?」
0
あなたにおすすめの小説
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる