【R18】稀によくある異世界召喚録 〜またまた外れスキルを与えられたけど、他の世界から持ち込んだ力があるのでモーマンタイです〜

遠野紫

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ゲーム転移とジョブ無し

21 冒険者登録

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 やあ。
 エルシーちゃんにめっちゃくちゃにされてメスにされちゃった俺だよ。
 今日はあの時やりそこねた冒険者登録をしに行こうと思う。

 と言うのも、今の俺には身分を証明する類のものが一切ないのだ。
 このままだと街を出たらもう二度と入れない。

 幸いなことに冒険者として登録すればそれが身分証明になるみたいだからね。
 ここは是非活用させてもらおうじゃないの。

 ――てなわけで、早速ギルドへとやってきた。

 ふむ、どうやらモーガンは来ていないようだ。
 あれだけ酷い目にあったんだ。昨日今日ですぐに出て来られるわけもないか。

 と言うか、何だぁこの視線は。
 ここに来るまでの道中もそうだったが、なんだか凄い視線を感じやがるぜ。


「おい、彼女らじゃないか? あのモーガンを返り討ちにしたってのは」


 ああ、そう言う事ね。
 確かにアイツここらで一番強いらしいし、そんなのを返り討ちにしたとなれば有名にもなるか。


「確かに噂通りの美人コンビだぜありゃぁ」


 あ、そっちですか。

 まあなんだ……否定はしないぜ? 
 なんせ今の俺はアルカディア。
 俺の考える最高の美少女なんだからな。


「美人コンビって言うけどなぁ。白い方はさすがにロリ過ぎるんじゃないか……? 小さすぎるだろうよ色々と」

「そうかもしれねえけどよぉ。ほら、あの顔を見て見ろ。色恋知らねえ無垢な少女とは思えねえような圧倒的な色気を放ってやがるぜ」


 と、男がそう言ったのと同時にエルシーちゃんはむふん♥と女の顔を見せた。
 かと思えば――


――むぎゅっ♥


 一切の躊躇いもなく公衆の面前で抱き着いてきた。

 おっ、なんだなんだ?
 見せつけちゃうかぁ俺たちのラブラブをよぉ。

 んじゃあ俺からもド級の抱擁、ドハグをプレゼントフォーユー。


「うおおぉぉぉっ!? あ、あの二人ぃそう言う関係だったのかぁぁ!? くそっ、俺たちには万に一つもないってことかよおぉぉ!!」

「言ってろ。元々俺たちじゃあ一生かけても手の届かない存在だぜあれは」


 どうやら俺とエルシーちゃんのイチャイチャラブパワーはあまりにも凄まじいパゥワーを発揮してしまったらしい。
 あの二人以外にもギルド内の皆が俺たちを見ては何かを諦めたような表情をしている。
 それこそ男女問わずに。
 
 いやぁ、人気者って辛いね。
 
 ……おっといけない。
 今日ここに来たのはこんなことをするためじゃあなかった。

 冒険者登録の受付は……っと、あそこか。


「ようこそ冒険者ギルドへ。お二方は初めてのご利用ですね。旅先での利用登録ですか? それとも新規の登録でしょうか?」

「新規での登録をお願いします」

「承知しました。では、こちらの石板へと手を置いてください」


 受付嬢の指示に従い、謎の石板へと手を置く。

 ……何の石板だろこれ。
 ゲーム内にはこんなのなかったはずだよな。

 となると、この世界独自のものと言ったところか。
 きっとこれ以外にもゲームとは違う部分が今後わんさか出てくるんだろうな。


「あれ……おかしいですね」

「どうかしました?」

「登録者様のジョブが確認できないんです。基本的には誰でも必ず一つは所持しているはずなんですけど……」


 おっと、イヤな予感がしてきたぜ。


「すみません、もう一度お願いします。……あれ? やっぱり表示されませんね……不具合でしょうか。何度も申し訳ないんですけど、もう一度……」


 ――その後、何度かやり直したものの結局俺のジョブとやらは判明しなかった。

 うん。もはや予定調和だね。
 これまでやたらと外れスキルを押し付けられた俺氏、とうとう何ももらえないの巻。


「えぇっと、これは……ジョブ無しですね。こうなると冒険者登録は難しいと言わざるを得ないと申しますか……」


 って、おいおい待ってくれ。
 それは非常に困ってしまうぞ。


「そこをどうにかなりませんか」

「そう言われましても、想定外のことですので私の判断ではどうにも……」


 いやぁそうですよね。
 すみませんね無理言って。
 

「なんだなんだ? ジョブ無しだって?」

「おいおい、あのモーガンを返り討ちにしたって聞いたがジョブ無しにそんなことができんのかよ」

「そういや俺聞いたぜ。モーガンをやったのは小さい白い方だってよ」

「んじゃあ赤い方はただのおまけってか? おいおいとんだ肩透かしだぜ。どんな化け物コンビなのかと思いきや片方はただの御荷物じゃねえか」


 おおん、何と言う手の平返し。
 問題児二人ただし最強、だったはずなのに気付けば問題児は俺だけってか。
 かなぴーね。


「問題ないよ巧。僕が冒険者登録して、君の分までしっかり冒険者をしてあげるからね」


 そう言いながらエルシーちゃんは冒険者登録のために石板に手を置いた。

 けど、異世界から来た俺がジョブ無しならきっとエルシーちゃんだってジョブ無しになってしまうはずだ。
 二人揃ってジョブ無し問題児なのは流石にお先真っ暗すぎるぞ。


「ありがとうエルシー。けど俺がジョブ無しなら多分エルシーもジョブ無しなんじゃ……」


――ピカァァァ


「こ、これは……!! 剣豪サムライマスター!? あの五大レジェンダリージョブの!?」

「マジかよ!? それじゃあモーガンの野郎じゃ相手にならねえわけだぜ!!」

「それこそミスリルランク……いやアダマントを飛び越えてオリハルコンランクにもなっちまうんじゃねえのか!?」


 どうして。


「やったね巧。僕のジョブ、なんか凄いみたいだよ」

「みたいだな……うん、羨ましいよ。前の世界のが引き継がれるのなら俺もせめて盾磨きにして欲しかっ……いや、やっぱいいや」


 さすがにこの世界においても盾磨きはクソザコに決まっている。
 クソザコスキルやめてください。


「ええと、それではギルド規則に基づきエルシー様はプラチナランクからの開始となります」


 マジか。
 初っ端から例外的に一気に飛び級って、どっかのロワイヤルを運営しているクエーサー社もびっくりな特別待遇だぜ。
 
 ちなみに普通はアイアンランクからのスタートでそこからブロンズ、シルバー、ゴールド、そしてプラチナに上がっていく。
 その更に上があのモーガンと同じミスリルだと考えるとまさに破格の待遇と言っていいだろう。


「へーそう言うのあるんだ」

「はい、五大レジェンダリージョブの所持者である方々にはその力を存分に人類のために使っていただきたいと我々一同考えておりますので」


 なるほど。ごもっともではある。
 なんせ魔物や魔族が蔓延る世界なんだ。
 変に腐らせるより有効活用してもらった方が絶対に良いに決まっている。


「でも僕は巧と一緒に冒険者をしたいんだけど、どうにかならないかな」

「そうおっしゃられましても……」

「うーん、別にいいんじゃないかな」


 ……え、誰?

 気付けばカウンターの向こう側に一人のエルフが立っていた。
 それもめっちゃ美人だ。なにより乳がデカい。
 まさにエルフの中のドスケベエルフ……おっと失礼、初対面の人に何を考えているのやら。


「えっ!? ギ、ギルドマスター!? どうしてここに!」

「ちょっと早めに用事が済んだからね。で、戻ってきたらびっくり。こうしてレジェンダリージョブの持ち主と出会うなんてね。それに彼女も……うん、実に面白いものを感じるよ。いいんじゃないかな、彼女も冒険者登録しちゃってさ」

「でもギルド規則的には……」

「大丈夫、私がルールだよ」

「んぇっ……は、はい。ギルドマスターがそうおっしゃられるのなら……」

 
 なるほど。
 どうやらこの人、滅茶苦茶でっけえ権利を持っているらしい。
 でっけえのは乳と太ももだけじゃないと言うわけだ。


「それではアルカディア様も新規でご登録させていただきます。アイアンランクからのスタートとなるためエルシー様のようにプラチナランク向けの依頼を受注することはできませんが、こればかりは規則ですのでどうかご理解ください」

「いえいえ、冒険者として登録してもらっただけでも充分ですから」


 いやもう本当その通りっすよ。
 登録して身分証明を手に入れられただけで儲けもんってなもんよ。


「ふふっ、そう言う事だからね。期待しているよ、未来の大英雄さん」


 そう言うとギルドマスターはどこかへと去って行ってしまった。
 なんともまあ飄々としていると言うか底が知れないと言うか、不思議な雰囲気のエルフだったな。

 へへっ、俺知ってるぜ。
 こう言う人物がのちのち結構重要な立場でメインストーリーに関わって来るんだよな。
 それこそ前作主人公と言う可能性だってある。

 ――まあメタいこと言うと前作主人公は俺なんだが。別の世界のね。


「それじゃあ巧も冒険者登録できたし、早速何か依頼を受けてみよっか?」

「お、そうだな。ノルマみたいなものは現状無いみたいだが、あれだけ期待されちゃあ何もしないってのもつまらないからな」


 おーっす未来のチャンピオンみたいなこと言われちゃあね。
 期待には応えたいじゃんね。

 あと単純にこの世界の魔物の基準を確認しておきたい。
 ミスリルランクのモーガンがあの程度となると、魔物自体が弱いのか……或いはランクごとの差が激しいのか。

 どちらにしたって俺とエルシーの敵ではないだろうが、確認しておくに越したことはないだろうからな。
 だからまずは……。


「よし、これなんか良いだろう」


 掲示板に張り出されていた依頼書を取る。
 ゲーム同様、アイアンランク御用達の依頼。ゴブリン三体の討伐だ。

 これでちょっくらテストと行こうじゃあないの。
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