【R18】稀によくある異世界召喚録 〜またまた外れスキルを与えられたけど、他の世界から持ち込んだ力があるのでモーマンタイです〜

遠野紫

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ゲーム転移とジョブ無し

32 浴場にて欲情①

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 やあ。
 今後の目標も決まって、早速素材集めに励んでいた俺だよ。

 でもって、今日の成果はどちかと言えば上々。
 それなりに品質の良い鉱石素材がたくさん手に入った。

 ツェッペリンの錬成に必要な金属素材はその種類や品質によって完成品の耐久力だとかが変わるからな。
 できるだけ高品質なものを集めたいんだよ。

 その点で言うと今日集めた金属はダンジョンの奥に生息するグレートアイアンゴーレムからドロップした高品質なものばかりだ。 
 初日としては充分すぎる成果なわけだな。

 と言う事で、満足感と共に夜を迎えた俺は今、聖堂教会内の大浴場へと来ている。
 一日お疲れ様と言う事でゆっくりと癒されようと言うわけですよ。

 いやぁ流石は聖堂教会だね。
 風呂は広いし、装飾も豪華だ。

 いやはや、こんな好待遇なんて久しぶりだよ。
 勇者バンザイ!
 勇者最高!

 オマエも勇者最高と叫びなさ――


――ぺたっ、ぺたっ


 ……うん?
 足音?

 いやでも、この時間は俺たち用に貸し切りにしてあるって言っていたはずなんだけどな……?
 となれば他の三人の誰かだけど、こんな時間だしもう皆入ってるはず。


「巧くん、ご一緒させてもらってもいいかしら」


 ……え?
 柊さん?
 嘘でしょ?


「柊さん……? もうてっきり入ったものかと……」

「ふふっ、せっかくだもの。巧くんと一緒にお風呂に入ろうと思って待っていたのよ」

「そ、そうなんだ……。えっと、俺は構わないけど……柊さんはいいの?」

「もちろん。だって今は女の子同士でしょう?」

「いや、それはあくまで体だけの話だよ……? 中身は普通に男で……」

「確かにそうね。それなら言い方を変えましょうか。巧くんになら、見られても構わないもの」


 ……うん?
 はい?
 えっ、つまりそれって、そう言うことですよね?


「それじゃあ隣、失礼するわね」


――ちゃぽんっ


 僅かな水音と共に水面が揺れる。
 そのすぐ後、柊さんは俺の隣に座った。

 感じる。
 彼女の存在を、すぐ真横に。
 少し動けば触れてしまいそうなほどの距離に裸の柊さんがいるのが分かる。


「ふぅ……ここのお風呂、とてもいいお湯よね」

「そうだね」

「聖女として召喚された時は何が何だかわからなくて、毎日お風呂で考え込んだりもしたの」

「そうなんだ」

「それにね? 巧くんとエルシーちゃんのこともずっと心配していたのよ? 無事に帰って来れたのかなって。私自身が別の世界に召喚されてるのに、ずぅっと二人のことを考えちゃうの。ふふっ、笑っちゃうわよね」

「それは大変だったね」

「……ねえ、巧くん。適当に返事してないかしら」

「そうだね」

「……巧くん?」


――むぎゅっ


 うわっ、柔らかい。
 これは紛れもなく柊さんの豊満なおっぱ……って、違う違う。

 ふぅ、落ち着けよ俺。決めただろ?
 俺はエルシーちゃん一筋なんだから、柊さんのことは諦めないとって……。 


「柊さん……ごめんなさい。俺、エルシーちゃんを裏切れないから……柊さんとは、その……」

「やっとこっち見てくれた。ねえ、私……本気で巧くんのことが好きなのよ?」

「……」

 
 一瞬、思考が吹き飛んだ気がした。
 ド直球に告白されたんだ。
 そうもなる。

 けど、駄目だよ柊さん。
 ここまで来て否定しきれない俺もよくないんだろうけど、それでも俺にはエルシーちゃんがいるから……。


「ねえ、私じゃ駄目……かしら」


――むぎゅぎゅっ♥


 うぐぅっ、抱き着かれたことでより密着して……柊さんのとても大きなおっぱいの柔らかな感触が、俺の腕を優しく包み込んでいる……!

 武器を!
 己の武器を!
 しっかりと理解していらっしゃる……!
 
 しかし、こっこんな単純かつシンプルな誘惑に、屈するわけには……!


「巧くん……私ね。君のためなら、どんなことだってできるわ。例えばこんな……」

「柊さん!? ちょっ、これ以上は不味いんじゃないかな……!? だから一旦離れて……」


 ああ駄目だ。顔がどんどん近づいてくる。
 塗れた黒髪。きめ細かな肌。長いまつ毛。紅く染まった頬。
 こんな距離で見たことなんてないから、新鮮で、つい見入ってしまう。

 そうして目を奪われ、気付けば既に目と鼻の先。
 こうなればもう数秒と経たずに唇が触れあって……。


――ザバァンッ


「巧の危機を察知!」

「えっ……?」


 エルシーちゃん……!?
 ど、どうしてここに……!?


「えっと……エルシーちゃん? 何故にここに……?」

「巧が襲われているような気がして……転移したらここだったんだよね。それより……」


 エルシーちゃんの視線が柊さんへと向く。
 不味い、こんな状態を見られたら言い逃れなんてできそうにないぞ。

 いや言い逃れなんてするなよ。
 誠実に謝罪するべきだろ。


「すまないエルシー。これは、ひとえに俺が弱かったからだ。断れなかった俺の弱さだ。だから柊さんは何も……」

「やっぱり、アオイも巧のこと好きだったんだ。それなら、第二夫人とかどうかな?」

「……え?」


 マジにござるか?


「い、いやでもさ……その、いいのか? エルシーちゃん的にはさ」

「巧の一番は僕に決まってるし、巧もアオイのこと好きだもんね? ま、僕ほどじゃないけど」

「エルシーちゃん……」


 なんという懐の深さだろう。
 同時に、ありあまる自信も凄い。

 確かに俺にとってエルシーちゃんは一番だ。
 何よりも優先すべきなのはエルシーちゃんただ一人。
 それは変わらない。

 でも、柊さんへのこの気持ちだって決して嘘じゃあないし、今更なかったことになんてできない。
 それなら……いいのかも、しれないな。


「大体の異世界は一夫多妻でしょ。一人や二人増えようが、正妻が僕なら他には何も問題ないよね☆ どんどんたくさんお嫁さんを増やして、レッツ大家族!」


 ちょっと待って、それはそれで違う気がしてくるんだけど。


「本当に……いいの? 第二夫人とは言っても、巧くんの愛は確実に貴方と私で分散されてしまうわよ?」

「あはは、言うね~。それならそれでいいよ。その時は僕の巧だってことを、思い知らせてあげるからさ」


 なんだか物騒な話になってきたな?
 やめて、俺のために争わないで……!

 いや、と言うかさ……もっとこう、根本的な問題として……。


「元の世界に戻ったら、そうもいかなくない……?」


 いくら異世界では一夫多妻が許されても、日本でそう言うわけにはいかない。
 いつかは戻らないといけない以上、どう足掻いても不幸が生まれるだけな気はするんだけど……。


「その時はその時だね。どちらが巧にふさわしいかを決めるだけだよ。ま、僕が勝つに決まってるけどさ」

「そうね。私では貴方には絶対に勝てない。でもそれなら……私は私なりの戦い方をするだけ」


――たゆんっ♥


 柊さんは自らの胸を両手で持ち上げてみせた。
 ずっしりと重量感のあるおっぱいがこれでもかと強調されている。

 なるほど、自分の武器を理解しているだけはある。
 これは確かにエルシーちゃんにはないものだ。

 ほら、エルシーちゃんはさ。スレンダーだから。
 ないわけじゃないよ?
 スレンダーなだけだからね。


「巧、目がいやらしい」

「えっ? あ、いやこれは違っ」

「ふふっ、早速効果があったみたいね。それならもっともっと努力して、巧くんを落とせるようにならないと♥」

「むぅ……。僕だって、成長すればきっと……数万年、いや数百万年後くらいにはダイナマイトボディになってるから! だから巧、僕を捨てないで……」

「いやいや、最初からそんなつもりはないからね!? 捨てたりとかしないし、そもそも今のエルシーちゃんも大好きだから! 控えめなのが逆にジャスティスだから!」

「そう? ……そうだよね。巧、僕のこと大好きだもんね♥」


 うん。そう言うチョロい……じゃなくて、純粋なところも可愛いなぁエルシーちゃんは。
 柊さんには悪いけど、今のところは圧倒的にエルシーちゃん優勢かな。

 いやしかし、柊さんも侮れないな。
 なんせ柊さんのポテンシャルは凄まじいんだ。
 特に、乳と尻がね。

 これほどまでにむっちむちばいんばいんのドスケベボディをしていながら、しっかりと細身なシルエットを維持しているのは他に見たことがないレベルだよ。

 これはもう、まさに絶世の美少女と言わざるを得ない。
 エルシーちゃんがいなければ間違いなく学校一の美少女は彼女で決まりだった。
 それくらいのポテンシャルが柊さんにはあるんだ。

 これは……思っている以上に、苛烈な戦いになるかもしれないな。

 哀れ、未来の俺。
 この二人から選ぶなんて、あまりにも難しすぎる。
 ビアンカとフローラのような、究極の選択を未来の俺は迫られることになるだろう。

 グッドラック。
 健闘を祈るぜ。


「じゃ、いがみ合うのはこれくらいにして……今は巧とイチャラブしよっか」

「そうね。将来の敵同士とは言え、この世界では私も巧のものになれるんだもの。今は争う必要はないわよね」

「……え?」

 
 あれ?
 いつの間にかサツバツとした空気は吹っ飛んで、代わりにとてつもない淫の気が……?

 ちょ、待ってくれ。
 なんで二人ともそんな餌を見つけた肉食獣みたいな目を……。


「覚悟してね、巧。僕たち、もう我慢できそうにないからさ♥」

「ごめんなさい、巧くん。私ももう抑えられそうにないの♥ それに私、実は女の子もいけるタイプで……今までにも何人かだめにしちゃってるのよね。だから、その体になってから初めての感覚かもしれないけれど……耐えてね?」

「ひぇっ。ふ、二人とも……とりあえず、落ち着こう? なっ? ほら、まずは話し合いを……」


――にじりにじり(可哀そうな子ウサギちゃんを捕らえるべく、二人の獣がゆっくりと近づく音)


 あ、駄目だ。
 もうこれ止まらないわ。

 と言うか、さっき柊さん……なんかとんでもないこと暴露してなかったか?
 だめにされるって、一体何をされちゃうんだ俺は……!?


「巧、覚悟♥」

「巧くん、頑張ってね♥」


 ひぃっ!?
 ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい!
 待って!助けて!待って下さい!お願いします!


「お、俺のそばに近寄るなああーッ!!」


 ――こうして、俺の長い夜が始まってしまったのだった。
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