いい加減こっち見ろよ!〜見た目だけだとフラれ続ける私は、どうやら幼馴染の執着愛に気づいていなかったようです。〜

こころ ゆい

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敵ということで宜しいですか?

2. 最悪な出会い②

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『はは、やっぱりチビだ...』

『.....くっ』

 その言葉を聞いて、更に頭に血がのぼった私は奥歯を噛み締める。じわっと涙が滲んだけれど、ほとんど反射的に泣くのを堪えた。こんなことで泣くなんて悔しい。絶対泣くものか。

 そして、身体も。頭で考えるより反射的に動いた。

 もう一度、しゅっと身を屈めて。さっきよりもっと。自分が出来うる限り、一番低い位置で構える。

『へ?』

 片手におさまっていた私の手が消えて、男の子の間の抜けた声がこだました。

 私は目にも止まらぬ速さで肘を後ろに引いて、握り拳にもう一度力を込めた。

(....リベンジよ!)

 今度はもっと威力を上げるため、パンチを前に出すと同時に身体を伸ばし、軽くジャンプした。バネの要領で私の体重分の重みが増したパンチは、狂いなくーー彼の顎にクリーンヒット。

 ゴスッ!!!

『うっ.....』

『....よっし!』

(...ノックアウト!!)

 鈍い音がして、数秒のち。男の子の茶色い瞳はくるりと天を向き....バタン!と後ろに倒れた。

 ....ランドセルがクッション代わりに彼の頭と身体を受け止めている。

 カンカン、とボクシングの試合終了の鐘がどこかで聞こえた気がしたーー。


『....き、ゃあーー!』

 満足の鼻息を鳴らし、パンパンと両手を叩いて払いながら、背中で母の悲鳴を受け止める。

 『やっ...ちまったぁ~』と力ない声と一緒にパタリと父が倒れる音も聞いた。

 だが、そんなの知らない。
 チビだと馬鹿にされたのだ。これくらい当然の報いだ。

『.....ふんっ』

 腕を組んでから、目を回して横たわる男の子を横目で見る。

 悲鳴をあげて慌てふためく母に、白目をむいて倒れる父。ガキ大将のように立つ娘に、目を回す男の子。

 そこはまさに修羅場だった。
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