異世界帰りの勇者さま

ノリ君

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1章 帰ってきた勇者さま

2話 ダレる勇者さま

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 神(しん)は、自宅の玄関で感動に打ち震えていた。

 おお、久しぶりに家に帰って来るって、実家に帰ってきた‼って感じになるんだなあ。
 さてと、さっさと家に上がらないと、母ちゃん達に不審がられるな、ん…2階の自室に行くか、リビングに行くか、どうしようか?


 「お母さ〜ん、お兄ちゃん帰ってきたみたいだよ〜」

 「あら、そうなの」

 ありゃ、妹に気付かれたか

 神(しん)が、2階の自室に行くかリビングに行くかで迷っている間に、妹の巫女(みこ)が、兄の帰宅に気付き、母親の手伝いでいた台所から玄関に向かい走ってきた。
 そして、神(しん)にロケットの如く飛びつき、妹の頭が、お見事と言わんばかりに、神(しん)の股間部にぶつかった。

 おふぅ…マイシスターよ。せめて胸元に向かって飛び付いてくれ•••••••••

 股間をクリーンヒットされた神(しん)は、踏ん張りきれずに後ろへ倒れ、不意な痛みで股間を押さえてうずくまった。

 さすがに、異世界で鍛えた俺の身体でも、愛するマイシスターの飛びつきが嬉しくて、呆けて気を抜いていたから、耐えきれなかったぜ
 カッコつけて言ってるけど、兄ちゃんとしては、かっこよく妹を抱きとめる兄を見せたかったが、股間への不意な一撃はさすがに•••••••••••うぅぅふぅ

 気付いた方がいるとは思うが、神(しん)は、シスコンである。
 妹は、3つ下の小学6年生で、中学入学が控えた女子であるが、見た目は小学低学年に見えるロリっ子で、神(しん)との身長差と妹の身体能力から、兄に飛び付いた場合、ちょうど妹の頭が神(しん)の股間の高さになるため、当然の結果と言えた。
 しかし、神(しん)にとっては、久しぶりのため、妹の飛びつきが股間へまっしぐらだというのを忘れて、気が抜けてしまったため、股間にダメージを食らったのあった。
 

 飛び付いた妹の巫女は、兄が股間を押さえて廊下で悶絶しているのを見て、顔を両手で覆い、顔を真っ赤にしながらも、指の間から兄の様子を見ていた。


 「あらあら、しんちゃん。廊下でうずくまって何してるの?ゲームを買ってきた嬉しさを体現してるの?」

 台所から、20代前半に見える女性が、うるさい廊下の様子を伺うように顔を出して見て聞いてきた。
 この20代前半に見える女性は、御年35歳になる神(しん)の母親であるが、美麗な婦人として、近所でも有名な顔をしており、どうやら、神(しん)は母親似であるようだ。

 神(しん)は、回復魔法で微かに光る痛みが引いた股間を押さえながら、立ち上がり、母親に対して説明するように言った。
「ちげーよ。巫女の頭が、ココに当たったの、で、悶絶する痛みだったの!」

 巫女は兄が、微かに光る股間をさすりなが、母親に説明する姿から、色んな想像をしてしまい悶えるのだった。

 それを聞いた母親は、心配で思わず神(しん)の股間を擦ろうと手を伸ばして近付き
 「本当に大丈夫なの?孫がいないのは母さん嫌だよ?変に光ってるし」
と聞いていた。
 神(しん)は、回復魔法がバレないように、母親の手から必死に逃げていた。


 傍から見たら、カオスだな

 相変わらず母ちゃん、天然かよ。
 さすがに、母ちゃんに股間を擦られたら、別の意味で、やばくなるから、触らせねーよ。と心の中でツッコミながら、逃げたよ。
 母ちゃんがバテるまで!
 巫女は顔を隠しながら、笑ってるし、母ちゃんはマジ顔で迫ってくるし、うちの家族ってこんな感じだっけか?
 久しぶりだから、感覚が変わったのかな?慣れって怖えな!?

 母親の手から無事、逃れて一段落した俺は、リビングに目を向けると、俺の視界に至宝のあるものが入った。
 そう!それは、K•O•T•A•T•U
 コタツだあ。
 大事なことだから、2度言ったけど、異世界の20年間でコタツの存在を忘れてたぜ。
 なんで、俺は、コタツの存在を忘れてたんだろう?
 冬には、やっぱりコタツだよなぁ。
 異世界では、冬の寒さも魔法で快適な温度にしてたから、コタツの存在を思い出してないから、作ってなかったよ。
 しまった、冬の異世界改革での偉業を逃してしまったな。
 まあ、こっちでの生活が落ち着いたら、嫁たちに気付かれないように戻って普及させよう。
 うん、そうしよう。(*^^*)
  では、、久しぶりの おコタに入りますかねえ

 うほお…さすが冬の至宝だ。癒される····クタぁ

 神(しん)は、久しぶりのコタツに、まるでスライムのようにタレていくのであった。

 「お兄ちゃん帰ってすぐにコタツに入るなんて、そんなに外は寒かったの?」


 マイシスターよ。外が寒かったから、ではなく、久しぶりだからだよ

とは、言えないので
「そうだよお。兄ちゃん寒かったんだよお。」
と答えた。
 すると巫女は、トコトコと俺の背後にまわり込み、俺の背中に抱きついてきた。
「エヘへ、お兄ちゃん、暖かい?」


ウヒョー、マイシスターが恥ずかしそうに、上目遣いで聞いてきた。

「おう、暖かいぞ。兄ちゃん、巫女の暖かさで骨抜きにされたぞ」

「そう?エヘへ(#^^#)」

 やっぱ、巫女は可愛いなあ。おっと、暴走するなよ俺!かっこいい兄ちゃんでいるんだ。

 心の中では暴走する俺を抑えれてたが、体は別行動をとっており、すでに巫女を抱っこして、頬ずりしながら、巫女の頭を撫でていた。

 ありゃ、いつの間にか抱っこしてた。
 まあ、巫女も嬉しそうだから、良っか。

 新(しん)は、コタツの中でダレながら、妹成分を急速充魔するのであった。
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