セカンドパートナー*夫婦交換*

フジキフジコ

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高梨弘樹

【2】ラブホテル

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どんな洒落た高級ホテルに連れていかれるのかとハラハラしていると、江梨子は適当な感じで街中の安っぽいラブホテルを選んだ。

江梨子には似合ないと意外に感じたが、これくらいなら払えると安心した。
こんな状況でも金の心配をしている自分が卑しいが、オレにはもっと心配しなければいけないことが、あった。

狭い部屋に、ほぼ部屋いっぱいの大きなキングサイズのベッドが置かれていた。
ガラスで仕切られたバスルームはそこから丸見えだ。
毒々しい真っ赤なベッドカバーや、赤い照明、ベッドの脇に堂々と置かれたコンドーム。
ヤルことだけを目的とした部屋だ。
そういえば美沙都とは、こういうところに来たことは一度もなかったなと思う。

オレは、ベッドに浅く腰掛けた。
「弘樹、先にシャワー浴びる?それとも、一緒に入る?」
弾んだ声で言う江梨子を見上げて、オレは言った。
「江梨子、オレにはやっぱり、出来ない」
江梨子は首を傾げる。「なぜ?」というように。

こんなところまで来て、嘘をつくことは出来なかった。
情けないと思いながら、オレは言った。
「オレは、肉食なんかじゃ、ないんだ。自信が、ないんだ。…その、セックスに」
江梨子は目を見開いた。
「なにを言ってるの?嘘でしょう、そんなこと。あなた、すごくモテてたじゃない」

オレは、外見で誤解を受けやすい。
高校時代から確かに彼女が途切れたことはなかった。
あの頃は、オレも自分にそれなりに自信があった。
そう、までは。

オレは江梨子から目を反らして、オレンジ色の絨毯を見ながら重い口を開いた。

「……大学生の頃、付き合っていた彼女が浮気したんだ。相手の男は以前オレに女を盗られたとか言って、オレのことを恨んでいた。それで、彼女とヤッてる動画を、オレに送ってきた」

オレは、それを見た。
最初から最後まで、見た。
そして衝撃を受けた。
彼女は、オレとしているときとは別人のようだった。
獣のような声をあげて、大胆に、淫らに、セックスを愉しんでいた。

浮気を問いつめると、彼女は泣いた。
泣きながら言った。
「弘樹とのセックスでは感じない」と。

以来、オレは恋人を作らなかった。いや、作れなかった。
女を信用出来なかったし、自信も失っていた。
半ば、結婚なんて諦めていた。

そんなとき、美沙都と再会した。
何度か会ってるうちに、オレは思った。
美沙都なら、浮気なんかしない。
美沙都なら、セックスが下手だと言って、不満に思ったりしない。
美紗都なら、オレを受け入れてくれる。

思った通り、美沙都は23歳のそのとき、処女だった。


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