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襲撃2
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「ティナちゃん!! 怪我しちゃダメよ!!」
「わあぁああん!! ちなーーーーーっ! とーりゅーーーーーっ!」
「アネタちゃん後でね!!」
泣き叫ぶアネタに向かってティナは安心させるように笑顔で手を振った。
「ちぃっ!! 馬車が逃げるぞっ!!」
「逃すなっ!! 殺せっ!!」
馬車に逃げられまいと、数人の盗賊たちが追いかけようとするが、白銀に輝く短剣を両手に握ったティナが立ちはだかり、盗賊たちを攻撃していく。
「うわっ!! この女……っ?!」
「こいつっ?! 護衛だったのかっ?!」
まさかティナが護衛だと思わなかった盗賊たちが驚いている。
しかも見た目に反してその腕は確かなようで、的確に急所を狙って来るから必死に避けなければ、返り討ちに合いそうだ。
「何だってこんなに強いんだっ!! 話が違うぞっ!!」
S級冒険者として名を馳せたベルトルドと、王都本部の冒険者たちに仕込まれたティナの攻撃に、盗賊たちは次々と傷を負っていく。
反対にティナは傷を負うことなく、盗賊たちを徐々に追い詰める。
「ぎゃぁあああっ!!」
「ぐぁ……っ!! く、くそぉっ!!」
「がはっ!!」
トールの方も上手くツヴァイハンダーを使いこなしており、次々と盗賊たちを倒していった。
長身で手が長いトールが扱うツヴァイハンダーは剣にも槍にもなるので、盗賊たちは上手く対処出来ず、翻弄されっぱなしだ。
「やばいぞっ!! このままでは全滅してしまうっ!!」
「生け捕りはもういいっ!! あいつを殺すっ!! アレを使うぞっ!!」
「はいっ!!」
リーダー格の男が懐からスクロール──魔法を込めた巻物──を取り出すと、真っ二つに引き裂いた。
「っ?!」
スクロールが引き裂かれた瞬間、トールの足元に影のようなものが広がると、影から黒い鎖が飛び出し、トールの身体に巻き付いていく。
「わははははっ!! どうだっ!! 動けないだろうっ?! そらっ!! 全員でかかれっ!!」
まだ動ける盗賊たちが次々とトールに襲いかかる。どうやら盗賊たちは初めからトールを狙っていたようだ。
ティナと戦っていた盗賊たちも、リーダーらしき男の指示に従ってトールへと標的を変えてしまう。
「っ!! <ディスペル>!!」
ティナはトールに向かって咄嗟に手を伸ばすと、解呪のための魔法名を唱えた。
すると、トールを雁字搦めにしていた黒い鎖が”パキィイイイインッ”という音と共に粉々に砕け散る。
「何ぃっ?!!! 馬鹿なっ!!!」
「ティナ、有難う!!」
貴重なスクロールを使ってまで、トールを捕らえようとしたリーダー格の男であったが、一瞬で解呪されてしまい驚愕する。
もし、ここにいるのが<聖女>でなければ、彼の思惑通りに事が進んでいただろう。
「くそぉっ!! どうなってるんだっ?!」
「貴重なスクロールが……っ!!」
「あの女、ただの護衛じゃないのかっ?!」
まさか魔法が解呪されるとは思っていなかったのだろう、盗賊たちがひどく動揺しているのが伝わってくる。
「わあぁああん!! ちなーーーーーっ! とーりゅーーーーーっ!」
「アネタちゃん後でね!!」
泣き叫ぶアネタに向かってティナは安心させるように笑顔で手を振った。
「ちぃっ!! 馬車が逃げるぞっ!!」
「逃すなっ!! 殺せっ!!」
馬車に逃げられまいと、数人の盗賊たちが追いかけようとするが、白銀に輝く短剣を両手に握ったティナが立ちはだかり、盗賊たちを攻撃していく。
「うわっ!! この女……っ?!」
「こいつっ?! 護衛だったのかっ?!」
まさかティナが護衛だと思わなかった盗賊たちが驚いている。
しかも見た目に反してその腕は確かなようで、的確に急所を狙って来るから必死に避けなければ、返り討ちに合いそうだ。
「何だってこんなに強いんだっ!! 話が違うぞっ!!」
S級冒険者として名を馳せたベルトルドと、王都本部の冒険者たちに仕込まれたティナの攻撃に、盗賊たちは次々と傷を負っていく。
反対にティナは傷を負うことなく、盗賊たちを徐々に追い詰める。
「ぎゃぁあああっ!!」
「ぐぁ……っ!! く、くそぉっ!!」
「がはっ!!」
トールの方も上手くツヴァイハンダーを使いこなしており、次々と盗賊たちを倒していった。
長身で手が長いトールが扱うツヴァイハンダーは剣にも槍にもなるので、盗賊たちは上手く対処出来ず、翻弄されっぱなしだ。
「やばいぞっ!! このままでは全滅してしまうっ!!」
「生け捕りはもういいっ!! あいつを殺すっ!! アレを使うぞっ!!」
「はいっ!!」
リーダー格の男が懐からスクロール──魔法を込めた巻物──を取り出すと、真っ二つに引き裂いた。
「っ?!」
スクロールが引き裂かれた瞬間、トールの足元に影のようなものが広がると、影から黒い鎖が飛び出し、トールの身体に巻き付いていく。
「わははははっ!! どうだっ!! 動けないだろうっ?! そらっ!! 全員でかかれっ!!」
まだ動ける盗賊たちが次々とトールに襲いかかる。どうやら盗賊たちは初めからトールを狙っていたようだ。
ティナと戦っていた盗賊たちも、リーダーらしき男の指示に従ってトールへと標的を変えてしまう。
「っ!! <ディスペル>!!」
ティナはトールに向かって咄嗟に手を伸ばすと、解呪のための魔法名を唱えた。
すると、トールを雁字搦めにしていた黒い鎖が”パキィイイイインッ”という音と共に粉々に砕け散る。
「何ぃっ?!!! 馬鹿なっ!!!」
「ティナ、有難う!!」
貴重なスクロールを使ってまで、トールを捕らえようとしたリーダー格の男であったが、一瞬で解呪されてしまい驚愕する。
もし、ここにいるのが<聖女>でなければ、彼の思惑通りに事が進んでいただろう。
「くそぉっ!! どうなってるんだっ?!」
「貴重なスクロールが……っ!!」
「あの女、ただの護衛じゃないのかっ?!」
まさか魔法が解呪されるとは思っていなかったのだろう、盗賊たちがひどく動揺しているのが伝わってくる。
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