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襲撃1
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クロンクヴィストの国境の街、へールスを出発したティナたちは、王都ブライトクロイツへと向かっていた。
ブライトクロイツはへールスから馬車で二週間ほどの距離にあり、かなり発展している都市だという。
ティナは馬車に揺られながら、流れていく風景を眺めていた。
両親と訪れたというクロンクヴィストの景色を見れば、失ってしまった記憶が戻るかもしれない、と思ったからだ。
(うーん、やっぱり思い出せないなぁ……)
しかしクロンクヴィストに入国してからしばらくは観光名所と言われる所や、宿泊する街を散策してみても、見覚えがある場所は一つも見当たらなかった。
本当に自分はこの国に来たことがあるのか、疑問に思う程だ。
(……あれ?)
一生懸命記憶を辿っていたティナはふと気がついた。
両親と他の国を巡った記憶は残っているが、クロンクヴィストで過ごした記憶だけが思い出せないのだ。
ティナの両親はクロンクヴィストからセーデルルンドへ戻る途中、盗賊団に襲われている商団を助けようとして、命を落としたと聞かされている。ちなみに未だ犯人たちは見つかっていない。
(お父さんとお母さんが殺されたショックで記憶を失くしたと思っていたけれど……もしかして、それだけじゃ無い……?)
何かに辿り着きそうなティナだったが、思い出そうとすればするほど頭に靄がかかり、何も考えられなくなる。
まるで何かが思い出すことを邪魔しているかのようだ。
(うーん、もうちょっとで思い出せそうなのになぁ……)
両親が殺されるところは思い出したくは無い、けれど、何かとても大切なことを忘れているような気がして、ティナは歯痒く思う。
(まあ、その内思い出すかもしれないし、焦ることない……よね……)
ティナはいくら悩んだところで思い出せるが訳ない、と思考を放棄することにした。
それからモルガン一行はいくつもの街を進み、順調にブライトクロイツへと馬車を走らせて行く。
しかし、間もなく首都ブライトクロイツに到着というところで、ティナたちは思いもよらない事態に陥ってしまう。それは──
「お前たち男は積荷を全て下ろせっ!! 女子供は殺されたくなければ大人しくしろっ!!」
──ブライトクロイツの途中にある森の中で、20人ほどの盗賊の一団がティナたちの行く手を阻んだのだ。
もしかすると、護衛の冒険者がいないと勘違いしたのかもしれない。
しかし森の中とはいえ、首都に近い場所で盗賊が出るのはめちゃくちゃ不自然だ。しかも盗賊にしては何となく小綺麗で、まるで盗賊の真似事をしているかのようだった。
ティナが今まで遭遇した盗賊はもっと汚らしく、飢えているからか、やたら目がギラギラしていたのだが、見たところこの盗賊たちからは飢えではなく、ただ殺気しか感じない。
トールが盗賊たちの指示に従うように、御者台から降りて来た。
ティナがトールの方へ視線を向けると、合図するようにトールが小さく頷いた、と同時にツヴァイハンダーを手にして盗賊のリーダーの男へと切り掛かる。
「うわぁっ?! こ、こいつ……っ!!」
不意を突かれたリーダーが咄嗟に剣で防御するが、トールのツヴァイハンダーに持っていた剣を弾かれる。
「っ?! くそっ!! お前らかかれっ!!」
盗賊たちの注意が一斉にトールへと向かう。
ティナはその隙にイロナとアネタを荷馬車の奥に避難させると、アネタに抱かれているアウルムに向かって「アネタちゃんたちを守ってね!」と声を掛けた。
「わふぅ! わふわふっ!!」
ティナは頼もしく吠えるアウルムをひと撫ですると、外に出て幌を閉じる。
「モルガンさんっ!! 馬車を出してっ!!」
ティナが声を掛けると、モルガンが「わかったっ!! 二人とも気をつけろよっ!!」と叫び、急いで馬車を走らせる。
モルガンとティナたちは盗賊や魔物に襲撃された時のために、予め打ち合わせておいたのだ。
ブライトクロイツはへールスから馬車で二週間ほどの距離にあり、かなり発展している都市だという。
ティナは馬車に揺られながら、流れていく風景を眺めていた。
両親と訪れたというクロンクヴィストの景色を見れば、失ってしまった記憶が戻るかもしれない、と思ったからだ。
(うーん、やっぱり思い出せないなぁ……)
しかしクロンクヴィストに入国してからしばらくは観光名所と言われる所や、宿泊する街を散策してみても、見覚えがある場所は一つも見当たらなかった。
本当に自分はこの国に来たことがあるのか、疑問に思う程だ。
(……あれ?)
一生懸命記憶を辿っていたティナはふと気がついた。
両親と他の国を巡った記憶は残っているが、クロンクヴィストで過ごした記憶だけが思い出せないのだ。
ティナの両親はクロンクヴィストからセーデルルンドへ戻る途中、盗賊団に襲われている商団を助けようとして、命を落としたと聞かされている。ちなみに未だ犯人たちは見つかっていない。
(お父さんとお母さんが殺されたショックで記憶を失くしたと思っていたけれど……もしかして、それだけじゃ無い……?)
何かに辿り着きそうなティナだったが、思い出そうとすればするほど頭に靄がかかり、何も考えられなくなる。
まるで何かが思い出すことを邪魔しているかのようだ。
(うーん、もうちょっとで思い出せそうなのになぁ……)
両親が殺されるところは思い出したくは無い、けれど、何かとても大切なことを忘れているような気がして、ティナは歯痒く思う。
(まあ、その内思い出すかもしれないし、焦ることない……よね……)
ティナはいくら悩んだところで思い出せるが訳ない、と思考を放棄することにした。
それからモルガン一行はいくつもの街を進み、順調にブライトクロイツへと馬車を走らせて行く。
しかし、間もなく首都ブライトクロイツに到着というところで、ティナたちは思いもよらない事態に陥ってしまう。それは──
「お前たち男は積荷を全て下ろせっ!! 女子供は殺されたくなければ大人しくしろっ!!」
──ブライトクロイツの途中にある森の中で、20人ほどの盗賊の一団がティナたちの行く手を阻んだのだ。
もしかすると、護衛の冒険者がいないと勘違いしたのかもしれない。
しかし森の中とはいえ、首都に近い場所で盗賊が出るのはめちゃくちゃ不自然だ。しかも盗賊にしては何となく小綺麗で、まるで盗賊の真似事をしているかのようだった。
ティナが今まで遭遇した盗賊はもっと汚らしく、飢えているからか、やたら目がギラギラしていたのだが、見たところこの盗賊たちからは飢えではなく、ただ殺気しか感じない。
トールが盗賊たちの指示に従うように、御者台から降りて来た。
ティナがトールの方へ視線を向けると、合図するようにトールが小さく頷いた、と同時にツヴァイハンダーを手にして盗賊のリーダーの男へと切り掛かる。
「うわぁっ?! こ、こいつ……っ!!」
不意を突かれたリーダーが咄嗟に剣で防御するが、トールのツヴァイハンダーに持っていた剣を弾かれる。
「っ?! くそっ!! お前らかかれっ!!」
盗賊たちの注意が一斉にトールへと向かう。
ティナはその隙にイロナとアネタを荷馬車の奥に避難させると、アネタに抱かれているアウルムに向かって「アネタちゃんたちを守ってね!」と声を掛けた。
「わふぅ! わふわふっ!!」
ティナは頼もしく吠えるアウルムをひと撫ですると、外に出て幌を閉じる。
「モルガンさんっ!! 馬車を出してっ!!」
ティナが声を掛けると、モルガンが「わかったっ!! 二人とも気をつけろよっ!!」と叫び、急いで馬車を走らせる。
モルガンとティナたちは盗賊や魔物に襲撃された時のために、予め打ち合わせておいたのだ。
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