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プロローグ 1
2 記憶の糸
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ルキとアスナはお互い顔を見合わせると何やら耳打ちをし、何度か頷くとあたしに向き直った。
「その話ってのは本当の話、真実でいいんだよな?
噂や想像の類いじゃないんだよな?」
「当たり前でしょ。
そりゃあ噂だとかそんな話でなら幾つか知ってるけど、それがあんた達に必要なモノなのかはあたしにも分からないもの。
でも、これから話そうとしてるのはあたしが体験した、あたしの話なんだから真実も嘘もへったくれもないわ。
どう?
聞くの、聞かないの?」
「それなら良いわ。
また数日、宛のない旅をするよりマシだもの。
……その話、数日もかからないわよね?」
「かかるかっ!
変な古文書じゃないのよ、あたしは。
ったく。
人を何だと思ってるのよ」
とは言ったものの、今は肉体のない人と呼べるかも怪しい存在であることをあたしは認識していた。
「悪かったわね。
だったら、その話聞かせてもらうわ。
それで、もちろん何か代償やら報酬ってのがあるのよね?」
「ないわよ、そんなの。
あるとしたら、あんた達の驚く顔が見たいってことかしらね」
「驚く、顔?」
二人は不思議そうにあたしの顔を見つめるが、望んでいるのはそんな表情ではなかった。
「そうよ!
こんなところでずっと過ごしてるんだもの。
少しくらい話し相手だって欲しいし、何か楽しめることが欲しいのよ」
「いや、それは分かるが、その『力のある場所』が驚くべき所なのか?」
「それは聞いてみてからのお楽しみってやつよ。
そうじゃなきゃ、あたしだって楽しくないもの」
「言わばそれが報酬の代わりってことか」
「そういうことよ。
あたしは宝とかそういった物には興味がないの。
興味があるのは者の方。
この世界には色んな人がいて、色んな事があるわ。
だから物なんかには興味がないのよ」
あたしの演説に二人は黙って耳を傾けている。
霊体である以上、物に釣られることはないと分かっていても、人と接する事が楽しいとは思ってもいないようだった。
「なるほどな。
この世界が好きでいるってことか。
しかし、だとすると……いや、止めておこう。
厄介事は御免だしな。
なら話してくれないか?
その、あんたの物語ってやつを」
「あんたじゃない!
アテナよ、アテナ!!」
察しがいいのか、これ以上深く関わるのを止めたルキは話を纏め、あたしも記憶の糸を辿っていく。
「そうね、先ずはあたしには旅の仲間がいてね。
一人はあたしの大切な一番の親友でもあるミーニャ。
とてつもなく可愛くて、妹みたいな存在でもある娘。
もう一人は、ある事で知り合った最も信頼のおける女剣士のレイディ。
あたしの姉のような存在で、あらゆる面においてそこらの人より抜きん出てる強い人。
あたし達はレディって呼んでるわ。
この三人で、ある目的の為に暫く旅をしていた時の話よ」
一通り人物紹介を済ませ、あたしは本筋に入ろうかと煌神刃を知るきっかけとなった始まりの旅を思い返していた。
「あれは……そう、マグノリア王国から南東へ向かい、神々の大戦時の遺跡が残る港町へ行った頃の話。
あたし達はある手掛かり経て、寂れた村へと向かったのよ」
そこからの旅があたしにとっても鍵になる物語
「その話ってのは本当の話、真実でいいんだよな?
噂や想像の類いじゃないんだよな?」
「当たり前でしょ。
そりゃあ噂だとかそんな話でなら幾つか知ってるけど、それがあんた達に必要なモノなのかはあたしにも分からないもの。
でも、これから話そうとしてるのはあたしが体験した、あたしの話なんだから真実も嘘もへったくれもないわ。
どう?
聞くの、聞かないの?」
「それなら良いわ。
また数日、宛のない旅をするよりマシだもの。
……その話、数日もかからないわよね?」
「かかるかっ!
変な古文書じゃないのよ、あたしは。
ったく。
人を何だと思ってるのよ」
とは言ったものの、今は肉体のない人と呼べるかも怪しい存在であることをあたしは認識していた。
「悪かったわね。
だったら、その話聞かせてもらうわ。
それで、もちろん何か代償やら報酬ってのがあるのよね?」
「ないわよ、そんなの。
あるとしたら、あんた達の驚く顔が見たいってことかしらね」
「驚く、顔?」
二人は不思議そうにあたしの顔を見つめるが、望んでいるのはそんな表情ではなかった。
「そうよ!
こんなところでずっと過ごしてるんだもの。
少しくらい話し相手だって欲しいし、何か楽しめることが欲しいのよ」
「いや、それは分かるが、その『力のある場所』が驚くべき所なのか?」
「それは聞いてみてからのお楽しみってやつよ。
そうじゃなきゃ、あたしだって楽しくないもの」
「言わばそれが報酬の代わりってことか」
「そういうことよ。
あたしは宝とかそういった物には興味がないの。
興味があるのは者の方。
この世界には色んな人がいて、色んな事があるわ。
だから物なんかには興味がないのよ」
あたしの演説に二人は黙って耳を傾けている。
霊体である以上、物に釣られることはないと分かっていても、人と接する事が楽しいとは思ってもいないようだった。
「なるほどな。
この世界が好きでいるってことか。
しかし、だとすると……いや、止めておこう。
厄介事は御免だしな。
なら話してくれないか?
その、あんたの物語ってやつを」
「あんたじゃない!
アテナよ、アテナ!!」
察しがいいのか、これ以上深く関わるのを止めたルキは話を纏め、あたしも記憶の糸を辿っていく。
「そうね、先ずはあたしには旅の仲間がいてね。
一人はあたしの大切な一番の親友でもあるミーニャ。
とてつもなく可愛くて、妹みたいな存在でもある娘。
もう一人は、ある事で知り合った最も信頼のおける女剣士のレイディ。
あたしの姉のような存在で、あらゆる面においてそこらの人より抜きん出てる強い人。
あたし達はレディって呼んでるわ。
この三人で、ある目的の為に暫く旅をしていた時の話よ」
一通り人物紹介を済ませ、あたしは本筋に入ろうかと煌神刃を知るきっかけとなった始まりの旅を思い返していた。
「あれは……そう、マグノリア王国から南東へ向かい、神々の大戦時の遺跡が残る港町へ行った頃の話。
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