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プロローグ 2
3 世界情勢
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あたしの話に口も出さず黙って聞いていたルキとアスナだったが、ここにきてその口を開いた。
「その剣だな?
それがあれば魔力を断ち切れる」
「そう、ね。
でもね、あの場所になかったのよ?
簡単に見つかると思う?」
「なにがなんでも探し出すさ。
それで他に手掛かりはないのか?」
「……あるわよ。
だって、まだ話は終わってないもの」
若干にやけながら話したのがいけなかったのか、ルキに代わってアスナが口を挟みだした。
「はぁぁぁ?
まだ終わってないですって!?
長いのよ、長いの!
私はともかくルキは一刻を争うのよ!
無駄話をしてる暇なんてないのっ」
「まぁまぁ、落ちつけってアスナ。
大陸に渡って色々見聞きしてきたが、そのドラキュリアとやらは今も島にいて大陸に渡ろうとしている魔人王のことか?」
「そうよ、今も人々の脅威として君臨している魔人王よ」
「ではその剣は見つからず、ということか」
「ん?
そんなこと誰が言ったの?」
「あんたが見つけてればとっくに倒してるって話をしてるのよ、ルキは!」
「誰が『あんた』なのよ!
アテナだ、って何回言えば分かるのよ!!」
ことあるごとに突っかかってくるアスナをどうにも好きにはなれない。
馬が合わないというかなんというか、どうにも話が上手く噛み合わない。
「待て待て待て、二人とも。
見つけたとしても倒せなかったこともあるだろうし、見つけられなかったっても不思議じゃあない。
甦った魔人王に持ち去られた剣。
中々興味深とは思わないかい?
今後のオレ達にも役に立つ話があるかも知れないし、ここは続きを聞いてみようじゃないか」
ルキの言葉にアスナは苦虫を噛み潰したような顔であたしを見返すと、顔をアスナに向け二度三度と軽く頷いて見せた。
「だったら話すわね。
その前にもう少し今の世界のことを教えようかしら?」
「そうだな、オレ達も地理的に詳しくないところもある。
そうして貰えると話も飲み込みやすくなる」
「良いわ。
知っての通り、今、世界は大きく分けて二つの軍勢に分かれて争っているわね。
人間と亜人の勢力と、人間と魔者の勢力にね。
その二つによって世界の国々はバラバラになり、地域によっては激しい戦闘も起きているってとこまでは大丈夫よね?」
「ああ、オレ達の島でも起きていることだからな」
「なら話は早いわ。
ここまで来るのに魔軍に与する国もあったでしょうからね。
この島から大陸に渡り北西へ行ったところに小さな国々が集まる場所があるのよ。
そこは世界で唯一激しい紛争地域だと言われ、半数の国は魔の軍勢に攻め落とされつつも反旗を翻すべく今もまだ抵抗し続けているの。
その中の一つ、海沿いにあるルマリア公国から海へと出た小さな島に魔人王ドラキュリアが存在し、その軍勢の進行を海軍が食い止めているっていうのが現状ね」
「なるほどな。
ともすれば、そちらの方に向かうとなれば危険は元より命の保証は出来ないということか」
ルキの理解にあたしは両腕を軽く開きその通りだと示した。
「ま、そうなるわよね。
それでも探さなきゃならない理由があるなら止めはしないし、あたしのせいにはしないで欲しいってことよね」
「ああ、オレには助けたい人が、愛する人がいるからな。
このままではいられないんだ」
「愛する人……か。
だったら止めることは出来ないわよね。
あたしもその為にこうしているんだもの。
……にしても、女の子連れて愛する人を助けるなんて良く言えたもんよ」
「はぁ?
ルキはそういう軽い男じゃないのよ!
あっちこっちに手を出しそうなあんたと違ってね!!」
「言わせておけばっ!
えぇ、そうね。
子供を相手にする大人なんてたかが知れてるものね。
あたしみたいな美貌があれば男なんて勝手に寄ってくるもの、あんたみたいなガキとは違うのよ!」
売り言葉に買い言葉。
そんな喧嘩にルキは呆れたのか、おもいっきり頭を抱え出した。
「その剣だな?
それがあれば魔力を断ち切れる」
「そう、ね。
でもね、あの場所になかったのよ?
簡単に見つかると思う?」
「なにがなんでも探し出すさ。
それで他に手掛かりはないのか?」
「……あるわよ。
だって、まだ話は終わってないもの」
若干にやけながら話したのがいけなかったのか、ルキに代わってアスナが口を挟みだした。
「はぁぁぁ?
まだ終わってないですって!?
長いのよ、長いの!
私はともかくルキは一刻を争うのよ!
無駄話をしてる暇なんてないのっ」
「まぁまぁ、落ちつけってアスナ。
大陸に渡って色々見聞きしてきたが、そのドラキュリアとやらは今も島にいて大陸に渡ろうとしている魔人王のことか?」
「そうよ、今も人々の脅威として君臨している魔人王よ」
「ではその剣は見つからず、ということか」
「ん?
そんなこと誰が言ったの?」
「あんたが見つけてればとっくに倒してるって話をしてるのよ、ルキは!」
「誰が『あんた』なのよ!
アテナだ、って何回言えば分かるのよ!!」
ことあるごとに突っかかってくるアスナをどうにも好きにはなれない。
馬が合わないというかなんというか、どうにも話が上手く噛み合わない。
「待て待て待て、二人とも。
見つけたとしても倒せなかったこともあるだろうし、見つけられなかったっても不思議じゃあない。
甦った魔人王に持ち去られた剣。
中々興味深とは思わないかい?
今後のオレ達にも役に立つ話があるかも知れないし、ここは続きを聞いてみようじゃないか」
ルキの言葉にアスナは苦虫を噛み潰したような顔であたしを見返すと、顔をアスナに向け二度三度と軽く頷いて見せた。
「だったら話すわね。
その前にもう少し今の世界のことを教えようかしら?」
「そうだな、オレ達も地理的に詳しくないところもある。
そうして貰えると話も飲み込みやすくなる」
「良いわ。
知っての通り、今、世界は大きく分けて二つの軍勢に分かれて争っているわね。
人間と亜人の勢力と、人間と魔者の勢力にね。
その二つによって世界の国々はバラバラになり、地域によっては激しい戦闘も起きているってとこまでは大丈夫よね?」
「ああ、オレ達の島でも起きていることだからな」
「なら話は早いわ。
ここまで来るのに魔軍に与する国もあったでしょうからね。
この島から大陸に渡り北西へ行ったところに小さな国々が集まる場所があるのよ。
そこは世界で唯一激しい紛争地域だと言われ、半数の国は魔の軍勢に攻め落とされつつも反旗を翻すべく今もまだ抵抗し続けているの。
その中の一つ、海沿いにあるルマリア公国から海へと出た小さな島に魔人王ドラキュリアが存在し、その軍勢の進行を海軍が食い止めているっていうのが現状ね」
「なるほどな。
ともすれば、そちらの方に向かうとなれば危険は元より命の保証は出来ないということか」
ルキの理解にあたしは両腕を軽く開きその通りだと示した。
「ま、そうなるわよね。
それでも探さなきゃならない理由があるなら止めはしないし、あたしのせいにはしないで欲しいってことよね」
「ああ、オレには助けたい人が、愛する人がいるからな。
このままではいられないんだ」
「愛する人……か。
だったら止めることは出来ないわよね。
あたしもその為にこうしているんだもの。
……にしても、女の子連れて愛する人を助けるなんて良く言えたもんよ」
「はぁ?
ルキはそういう軽い男じゃないのよ!
あっちこっちに手を出しそうなあんたと違ってね!!」
「言わせておけばっ!
えぇ、そうね。
子供を相手にする大人なんてたかが知れてるものね。
あたしみたいな美貌があれば男なんて勝手に寄ってくるもの、あんたみたいなガキとは違うのよ!」
売り言葉に買い言葉。
そんな喧嘩にルキは呆れたのか、おもいっきり頭を抱え出した。
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