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プロローグ 2
4 現在と過去
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あたしとアスナの口論はルキの一言で終わりを迎えた。
「今の現状は理解したが、当時とは変わっているんだろ?
その時の地理も教えてくれないか?」
「え?
あ、そうね。
情勢は今とは違うから若干分かりづらいわよね。
いいわ、教えてあげる」
当時のことを思い出し、頭の中で整理しながら口を開いた。
「当時にも魔者は居たけど、それは魔法大戦の折の生き残りが繁殖した、あるいは何らかの形で魔界との扉が開き人界に入ってきたかで、統率された魔軍ってのは存在しなかった。
だから争いは多々あっても、人対人の領土支配の戦争が専らだったのね。
国々は復興を諦めた腐街を抱えていたり、進軍をする為の準備をしていたり草花で街を彩ったりと、小さな争いはあるにしても大軍を動かすほどのことはしていなかったのよ。
その中でルマリア公国は大戦の折りに四つに分断された地方を纏めようと復興に力を注いでいたの。
それがあの辺りの情勢ね。
ちなみに、亜人の存在もほとんど知られることなく隠れ住んでいたりしたのよ」
「それだと、当時は旅をするには苦労しなかったってことか」
「まあ、今よりはって感じよね。
見た目が怪しくない限りはあまり国境で止められることもないし、ある程度の国々はすんなり往来することが出来る状況ではあったわ」
「そういうことか。
これで話にもついていけそうだな。
それで、洞窟を出た後はどうしたんだ?」
言われてどこまで話したのか一瞬戸惑ったが、思い出すと人差し指を突き立て二度ほど頷くと相槌を打った。
「そうそう。
洞窟を無事に出た後に布に書かれていた内容を話してそのまま船に戻ることにしたんだけど、その前に世界には色んな場所や物が有ることは分かるわよね?」
「ああ、それとなく分かっている。
オレの国にも予言者の塔なるものが造られたしな」
「別名『ラプラスの塔』ね。
他にも嘆きの谷や天空の橋、失意の湿原みたいな場所もあるの。
その中の一つ、絶海の孤塔と呼ばれる簡単には近づけない場所があるのよ」
「名前からしても近づけなさそうだもんな。
海の孤島みたいな所なんだな?」
「そうよ。
けど、その場所自体は教えることは出来ないからこれからの話をよく聞くことね。
貴方達に有益な情報になるかもだから」
そう片目を瞑りながら話すとアスナは深い溜め息をついた。
「はぁ。
なんで素直に話してくんないのかしら?
教えられないけど話を聞けだの、剣もあるんだか無いんだかさ、何一つとしてハッキリしないんだもの」
「いいのよ、別に聞かなくっても。
聞きたい人には話すし、聞かないなら話さない。
今のあたしに出来ることはそれだけだからね」
「待った待った!
しっかり聞くから話してくれないか、アテナ。
アスナも頼むから聞いてくれ」
「ふんっ!
別に私はただ本音を言ったまでよ」
「だったらルキには話すから黙ってて頂戴ね。
ええっと、船に戻ることにして先ず海を目指して歩いたの。
道中、剣の行方に関して色々と模索したけど何も答えは出ずに無事に船へと辿り着いたわ。
船に残っていた海賊達に簡単に事情を説明した上で、あたし達は街へと戻ることになったのよ」
「まあ、そこまでは何事もなくってことか」
「そうね。
けど、それからが大変だったのよ。
何せ海賊達の長がいないんだから、街に残っていた海賊にどう説明するかってね」
あたしは天井を見上げ記憶の片隅まで詳しく思い出すと、一息ついて続きを話し始めた。
「今の現状は理解したが、当時とは変わっているんだろ?
その時の地理も教えてくれないか?」
「え?
あ、そうね。
情勢は今とは違うから若干分かりづらいわよね。
いいわ、教えてあげる」
当時のことを思い出し、頭の中で整理しながら口を開いた。
「当時にも魔者は居たけど、それは魔法大戦の折の生き残りが繁殖した、あるいは何らかの形で魔界との扉が開き人界に入ってきたかで、統率された魔軍ってのは存在しなかった。
だから争いは多々あっても、人対人の領土支配の戦争が専らだったのね。
国々は復興を諦めた腐街を抱えていたり、進軍をする為の準備をしていたり草花で街を彩ったりと、小さな争いはあるにしても大軍を動かすほどのことはしていなかったのよ。
その中でルマリア公国は大戦の折りに四つに分断された地方を纏めようと復興に力を注いでいたの。
それがあの辺りの情勢ね。
ちなみに、亜人の存在もほとんど知られることなく隠れ住んでいたりしたのよ」
「それだと、当時は旅をするには苦労しなかったってことか」
「まあ、今よりはって感じよね。
見た目が怪しくない限りはあまり国境で止められることもないし、ある程度の国々はすんなり往来することが出来る状況ではあったわ」
「そういうことか。
これで話にもついていけそうだな。
それで、洞窟を出た後はどうしたんだ?」
言われてどこまで話したのか一瞬戸惑ったが、思い出すと人差し指を突き立て二度ほど頷くと相槌を打った。
「そうそう。
洞窟を無事に出た後に布に書かれていた内容を話してそのまま船に戻ることにしたんだけど、その前に世界には色んな場所や物が有ることは分かるわよね?」
「ああ、それとなく分かっている。
オレの国にも予言者の塔なるものが造られたしな」
「別名『ラプラスの塔』ね。
他にも嘆きの谷や天空の橋、失意の湿原みたいな場所もあるの。
その中の一つ、絶海の孤塔と呼ばれる簡単には近づけない場所があるのよ」
「名前からしても近づけなさそうだもんな。
海の孤島みたいな所なんだな?」
「そうよ。
けど、その場所自体は教えることは出来ないからこれからの話をよく聞くことね。
貴方達に有益な情報になるかもだから」
そう片目を瞑りながら話すとアスナは深い溜め息をついた。
「はぁ。
なんで素直に話してくんないのかしら?
教えられないけど話を聞けだの、剣もあるんだか無いんだかさ、何一つとしてハッキリしないんだもの」
「いいのよ、別に聞かなくっても。
聞きたい人には話すし、聞かないなら話さない。
今のあたしに出来ることはそれだけだからね」
「待った待った!
しっかり聞くから話してくれないか、アテナ。
アスナも頼むから聞いてくれ」
「ふんっ!
別に私はただ本音を言ったまでよ」
「だったらルキには話すから黙ってて頂戴ね。
ええっと、船に戻ることにして先ず海を目指して歩いたの。
道中、剣の行方に関して色々と模索したけど何も答えは出ずに無事に船へと辿り着いたわ。
船に残っていた海賊達に簡単に事情を説明した上で、あたし達は街へと戻ることになったのよ」
「まあ、そこまでは何事もなくってことか」
「そうね。
けど、それからが大変だったのよ。
何せ海賊達の長がいないんだから、街に残っていた海賊にどう説明するかってね」
あたしは天井を見上げ記憶の片隅まで詳しく思い出すと、一息ついて続きを話し始めた。
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