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第二章 全てを見渡す島
episode 19 壊滅された船
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急ぎ甲板に出ると、数名が手摺から身を乗り出す格好で海を眺めていた。
「どこだい?
見つけたって船は」
レディの問いに皆が海を指差し、一人は筒状の遠眼鏡を手渡した。
「あれかい!?
見つけたってのは。
……煙が出ているね。
誰かどういうことか分かるかい?」
「あの海賊旗はバルバレルのもんじゃねぇです。
ですが、バルバレルにやられた可能性もあるってことで呼んだんでさ」
「よし。
進路をあの船へ!!
争う意思がないことも忘れるなよ!」
レディの号令にざわついていた船上が一気に慌ただしくなると、船頭がゆっくりと黒煙の上がる船へと向き出した。
「何かありそうね、レディ」
「あぁ。
彼らには申し訳ないが、バルバレルにやられたことを願うよ。
そもそも生き残りがいるかも分からないが」
「確かにあの煙じゃ派手にやられたみたいだからね。
誰かしら居るといいんだけど」
黒煙が近づくにつれ海風に流された焼けた匂いが鼻を突く。
火の手はない様に思うが、船の機能は失われているであろうことが目に見えた。
「ここからはゆっくりと近づくんだよ!
近づいたら船を横に着けな」
舵取りが大きな声で返事をすると海賊達の雰囲気が一変、各々に武器を携え真剣な面持ちで船を見つめていた。
そして、真横で停止すると長い板を架け橋に
一人、また一人と海賊が乗り込んで行く。
「アテナとミーニャはここで待っておきな。
あたいも呼ばれるまではここを離れないからさ」
「そうさせてもらうわ。
あの板二枚じゃ海に落ちそうだもの」
冗談ではなく本気だった。
揺れてる船を行き来するのに板が一枚や二枚だと命の保証は出来ないだろうと。
「レディ!!
生き残りが何人かいる!
そっちへ渡らせるぞ!」
探索に行った海賊の一人が向こうから大声を上げると、血にまみれた海賊が数名板を渡りこちらへ辿り着いた。
「結構な傷だね。
誰か!
手当てしてやってくれ!
……あたいらは争う気はないが、助ける義理もない。
だけど、情報が欲しい。
手を貸すから力を貸してくれないかい?」
レディは座り込む筋肉質の大男に声を掛ける。
見た目から指揮をしている海賊だと踏んだのだろう。
「……ふんっ。
壊滅まで追い込まれたんだ。
オレ達にとやかく言う権利はないだろうさ。
それで、何の話だ?」
「話の分かる男で良かったよ。
あんたらをこうまでした相手を知りたいと思ってね」
「それを聞いてどうする?」
「あたいらはバルバレルって海賊を捜してる。
そいつらに聞きたいことがあってね」
「……はんっ。
そいつはどんな奴らか知らないのか?」
「聞いたことはことはある。
無尽蔵に宝を集めてるってことはね」
「その程度なら辞めといた方が身の為だ。
この有り様を見たならな」
どうやら当たりだったようで、あたしはレディと顔を見合せた。
「バルバレルにやられたんだね?
奴らはどっちに向かった?」
質問に口を開かずレディを黙って睨み返す。
「…………本気なんだな。
奴らは南へ向かった。
オレ達の宝があると言ったからな」
「そいつはどこだい?」
「ここから半日、南へ向かった先に島がある。
それが見えたら西へと向かうと小さな孤島があってな、そこを教えてやったのさ」
「よし!
あたいらもそこを目指すよ。
ちなみにだが、あんたらは魔人に対抗する剣ってのは聞いたことないかい?」
「……魔法を帯びた剣ってな話は聞くが、そいつは知らねぇな。
それから、孤島に向かうなら一つ忠告だ。
歌声に気をつけるこった」
「歌声?」
「あぁ。
その孤島に近づくと歌声が聞こえるのさ。
そいつに耳を貸すと人が変わったようになっちまう。
ヤバイと感じたオレ達は命からがら帰路に着くことが出来たんだからな。
バルバレルの奴らにも同じ目に遇わせてやろうと教えてやったのよ」
「分かった、肝に命じておくよ。
……全員の治療も終わったようだね。
あんたらは船に帰りな。
あたいらは急ぎ奴らを追う」
レディの差し伸べた手に海賊は掴まり立ち上がると、生き残った海賊らと共に自らの船へ帰っていった。
その後、すぐに出発させると航路を南へ向けバルバレルの後を追うことになった。
「どこだい?
見つけたって船は」
レディの問いに皆が海を指差し、一人は筒状の遠眼鏡を手渡した。
「あれかい!?
見つけたってのは。
……煙が出ているね。
誰かどういうことか分かるかい?」
「あの海賊旗はバルバレルのもんじゃねぇです。
ですが、バルバレルにやられた可能性もあるってことで呼んだんでさ」
「よし。
進路をあの船へ!!
争う意思がないことも忘れるなよ!」
レディの号令にざわついていた船上が一気に慌ただしくなると、船頭がゆっくりと黒煙の上がる船へと向き出した。
「何かありそうね、レディ」
「あぁ。
彼らには申し訳ないが、バルバレルにやられたことを願うよ。
そもそも生き残りがいるかも分からないが」
「確かにあの煙じゃ派手にやられたみたいだからね。
誰かしら居るといいんだけど」
黒煙が近づくにつれ海風に流された焼けた匂いが鼻を突く。
火の手はない様に思うが、船の機能は失われているであろうことが目に見えた。
「ここからはゆっくりと近づくんだよ!
近づいたら船を横に着けな」
舵取りが大きな声で返事をすると海賊達の雰囲気が一変、各々に武器を携え真剣な面持ちで船を見つめていた。
そして、真横で停止すると長い板を架け橋に
一人、また一人と海賊が乗り込んで行く。
「アテナとミーニャはここで待っておきな。
あたいも呼ばれるまではここを離れないからさ」
「そうさせてもらうわ。
あの板二枚じゃ海に落ちそうだもの」
冗談ではなく本気だった。
揺れてる船を行き来するのに板が一枚や二枚だと命の保証は出来ないだろうと。
「レディ!!
生き残りが何人かいる!
そっちへ渡らせるぞ!」
探索に行った海賊の一人が向こうから大声を上げると、血にまみれた海賊が数名板を渡りこちらへ辿り着いた。
「結構な傷だね。
誰か!
手当てしてやってくれ!
……あたいらは争う気はないが、助ける義理もない。
だけど、情報が欲しい。
手を貸すから力を貸してくれないかい?」
レディは座り込む筋肉質の大男に声を掛ける。
見た目から指揮をしている海賊だと踏んだのだろう。
「……ふんっ。
壊滅まで追い込まれたんだ。
オレ達にとやかく言う権利はないだろうさ。
それで、何の話だ?」
「話の分かる男で良かったよ。
あんたらをこうまでした相手を知りたいと思ってね」
「それを聞いてどうする?」
「あたいらはバルバレルって海賊を捜してる。
そいつらに聞きたいことがあってね」
「……はんっ。
そいつはどんな奴らか知らないのか?」
「聞いたことはことはある。
無尽蔵に宝を集めてるってことはね」
「その程度なら辞めといた方が身の為だ。
この有り様を見たならな」
どうやら当たりだったようで、あたしはレディと顔を見合せた。
「バルバレルにやられたんだね?
奴らはどっちに向かった?」
質問に口を開かずレディを黙って睨み返す。
「…………本気なんだな。
奴らは南へ向かった。
オレ達の宝があると言ったからな」
「そいつはどこだい?」
「ここから半日、南へ向かった先に島がある。
それが見えたら西へと向かうと小さな孤島があってな、そこを教えてやったのさ」
「よし!
あたいらもそこを目指すよ。
ちなみにだが、あんたらは魔人に対抗する剣ってのは聞いたことないかい?」
「……魔法を帯びた剣ってな話は聞くが、そいつは知らねぇな。
それから、孤島に向かうなら一つ忠告だ。
歌声に気をつけるこった」
「歌声?」
「あぁ。
その孤島に近づくと歌声が聞こえるのさ。
そいつに耳を貸すと人が変わったようになっちまう。
ヤバイと感じたオレ達は命からがら帰路に着くことが出来たんだからな。
バルバレルの奴らにも同じ目に遇わせてやろうと教えてやったのよ」
「分かった、肝に命じておくよ。
……全員の治療も終わったようだね。
あんたらは船に帰りな。
あたいらは急ぎ奴らを追う」
レディの差し伸べた手に海賊は掴まり立ち上がると、生き残った海賊らと共に自らの船へ帰っていった。
その後、すぐに出発させると航路を南へ向けバルバレルの後を追うことになった。
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