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第四章 新たなる魔人王
episode 59 敗走
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城からの脱出を図る際に魔者と戦っていた海賊達と合流しながら急ぎ出口へ向かうと、未だに外から声がしていた。
「まだ戦ってる!?」
「こいつはまずいね。
急ぐよ!」
レディの言いたいことは体力的なことだろうと察し、魔者の群れの中に飛び込み叫んだ。
「撤退よ!
状況が変わったわ!
みんな急いで」
「あたい達が退路を確保する!
疲弊している者から早く船へ」
あたしやレディ、テティーアンが叫ぶと今まで耐えていた海賊は足早に船の方へと向かった。
「レディ!
このまま殲滅するの?」
「いや、あたいらも後退しながら行くよ。
アテナはあたいらの後ろでいい」
「分かったけど、ここまで来たら慌てて逃げることもないんじゃ--」
「違うんだよ、アテナ。
謁見の間の暗さと読んだ古文書で合点がいったんだ。
夜になるとあたい達に不利だってね」
言われて日を探すと、木々に半分ほど遮られ暫くすると日が落ちることを意味していた。
「分かったわ。
理由やもろもろは後で聞くから戻ればいいのね」
「そういうことっ!
みんな行くよ、走って!!
追いつかれたらまた相手をする」
目の前の森へと入ると魔者との戦闘も比較的楽になり、距離を取っては戦ってを繰り返す内に浜辺へと出られたがそこでも戦いは続いていた。
「レディ、どうするの!?」
「一旦は蹴散らすしかなさそうだね」
「レディ、アテナ。
あんたらは船に。
こっからは海賊のやり方でやらせてもらうから任せな」
「あいよ、任せたさテティーアン。
死ぬんじゃないよ」
あたしとレディが海賊に守られながら船への架け橋を上る。
それを見届けたテティーアンは手をあげ何やら合図をし出すと、急に船から砲撃が始まった。
「うぉぉ!!
な、なによこれ!?
大丈夫なの?」
「大丈夫なんだろ。
見た感じ当たらないような布陣を取っているからね」
「ん?
あっ!!
なるほどね」
砲撃しているのは一番離れている船で、砲撃と海賊の間に驚き奇声を放つ魔者達がいた。
所謂挟み撃ちで逃げ場は森の中しかないことを意味している。
「どうやら戦うことを辞めそうだね。
テティーアン達を乗せた後、直ちに町へと向かうと全軍に伝えよ!!」
魔者達はゆっくりと後退し、その姿が森へと消えると浜辺にいた海賊達も船に乗り込み、ゆっくりと帰路へと動き始めた。
「何とかって感じね」
「ああ。
見たところ半数以上は生きて戻って来れたようだからね。
流石は海賊ってところだよ」
「兵士じゃムリだったってこと?」
「半数以上は減っていたかもね。
指示がなきゃ臨機応変には動けないから、魔者の大群相手じゃ難しいのさ。
それを補う為に人数が多いってこと。
海賊は少数精鋭で根本が違うんだよ」
「あぁ、休んでる海賊もいたものね。
代わる代わる戦っていたってことか。
それよりも、日が落ちるとあたし達が不利だって理由はどうなの?」
「魔者そのものの行動力が増すのは知っているとは思うが、ドラキュリアは何よりも日の光が苦手らしく、その代わりに夜になると魔力が倍以上になるらしいのさ。
そして、あの謁見の間。
黒い布で覆われて日の光が入ってこないようになっていた。
それで気づいたのさ。
ドラキュリアもカルディアも自ら戦おうとはしなかったことも加えてね」
「その古文書ってのが役に立ったのね。
てことは、あのまま戦い続けたら全滅ってことも有り得たのか……。
どうするの?
これからさ」
「皆、疲弊もしてるし、カルディアが魔人王になったことも言わなきゃならないからね。
どうすべきか、悩みどころだよ」
「レディも戦えないでしょ?」
「あ……あたいは……」
相手が相手だ、戦うことが出来る筈がなかった。
船の手摺りに両腕を乗せ遠くの海を眺めるレディは真に迷っているように見え、あたしは手摺りに寄りかかり思ったことを口にする他なかった。
「カルディアが魔人になったのは町に着く前に全員知ることになるだろうしさ、その間にみんなの気持ちの整理もつくんじゃないかしらね。
その上で話し合うしかないんじゃない?
魔人になってもカルディアと一緒がいいって人なら、次の討伐に行くまでにあの島へ勝手に行くだろうし。
後はあたし達がどうするかってことよね。
この剣もあたしのだしさ、あたしはどうしよっかなぁ」
「それも踏まえてみなと皆と相談しないと……か。
悪いね、アテナ。
あんたにまで色々と考えさせちゃって」
「ん?
別にどうってことないわよ?
……ってそれじゃあ、あたしはいつも考えてないみたいじゃない」
「いや、考えて行動してるほうが少ないだろうよ」
「ぐぅっ!
そ、そうだけど、一応は考えてるのよ。
気持ちが優先なだけで」
「ほら、そうだろ?
はははっ!
そうさね、こういう時こそ考えよりも気持ちってことだね。
ありがとうね、やっぱりあたいとは違うアテナは素晴らしいよ」
笑顔を取り戻したレディ。
それに引き換え、何が素晴らしいのか今度はあたしが困り顔になってしまった。
だが、それでも前向きに考えられるなら答えはきっと出るだろうと安心すると、薄暗くなった夜空を見上げ輝く星を見つめた。
「まだ戦ってる!?」
「こいつはまずいね。
急ぐよ!」
レディの言いたいことは体力的なことだろうと察し、魔者の群れの中に飛び込み叫んだ。
「撤退よ!
状況が変わったわ!
みんな急いで」
「あたい達が退路を確保する!
疲弊している者から早く船へ」
あたしやレディ、テティーアンが叫ぶと今まで耐えていた海賊は足早に船の方へと向かった。
「レディ!
このまま殲滅するの?」
「いや、あたいらも後退しながら行くよ。
アテナはあたいらの後ろでいい」
「分かったけど、ここまで来たら慌てて逃げることもないんじゃ--」
「違うんだよ、アテナ。
謁見の間の暗さと読んだ古文書で合点がいったんだ。
夜になるとあたい達に不利だってね」
言われて日を探すと、木々に半分ほど遮られ暫くすると日が落ちることを意味していた。
「分かったわ。
理由やもろもろは後で聞くから戻ればいいのね」
「そういうことっ!
みんな行くよ、走って!!
追いつかれたらまた相手をする」
目の前の森へと入ると魔者との戦闘も比較的楽になり、距離を取っては戦ってを繰り返す内に浜辺へと出られたがそこでも戦いは続いていた。
「レディ、どうするの!?」
「一旦は蹴散らすしかなさそうだね」
「レディ、アテナ。
あんたらは船に。
こっからは海賊のやり方でやらせてもらうから任せな」
「あいよ、任せたさテティーアン。
死ぬんじゃないよ」
あたしとレディが海賊に守られながら船への架け橋を上る。
それを見届けたテティーアンは手をあげ何やら合図をし出すと、急に船から砲撃が始まった。
「うぉぉ!!
な、なによこれ!?
大丈夫なの?」
「大丈夫なんだろ。
見た感じ当たらないような布陣を取っているからね」
「ん?
あっ!!
なるほどね」
砲撃しているのは一番離れている船で、砲撃と海賊の間に驚き奇声を放つ魔者達がいた。
所謂挟み撃ちで逃げ場は森の中しかないことを意味している。
「どうやら戦うことを辞めそうだね。
テティーアン達を乗せた後、直ちに町へと向かうと全軍に伝えよ!!」
魔者達はゆっくりと後退し、その姿が森へと消えると浜辺にいた海賊達も船に乗り込み、ゆっくりと帰路へと動き始めた。
「何とかって感じね」
「ああ。
見たところ半数以上は生きて戻って来れたようだからね。
流石は海賊ってところだよ」
「兵士じゃムリだったってこと?」
「半数以上は減っていたかもね。
指示がなきゃ臨機応変には動けないから、魔者の大群相手じゃ難しいのさ。
それを補う為に人数が多いってこと。
海賊は少数精鋭で根本が違うんだよ」
「あぁ、休んでる海賊もいたものね。
代わる代わる戦っていたってことか。
それよりも、日が落ちるとあたし達が不利だって理由はどうなの?」
「魔者そのものの行動力が増すのは知っているとは思うが、ドラキュリアは何よりも日の光が苦手らしく、その代わりに夜になると魔力が倍以上になるらしいのさ。
そして、あの謁見の間。
黒い布で覆われて日の光が入ってこないようになっていた。
それで気づいたのさ。
ドラキュリアもカルディアも自ら戦おうとはしなかったことも加えてね」
「その古文書ってのが役に立ったのね。
てことは、あのまま戦い続けたら全滅ってことも有り得たのか……。
どうするの?
これからさ」
「皆、疲弊もしてるし、カルディアが魔人王になったことも言わなきゃならないからね。
どうすべきか、悩みどころだよ」
「レディも戦えないでしょ?」
「あ……あたいは……」
相手が相手だ、戦うことが出来る筈がなかった。
船の手摺りに両腕を乗せ遠くの海を眺めるレディは真に迷っているように見え、あたしは手摺りに寄りかかり思ったことを口にする他なかった。
「カルディアが魔人になったのは町に着く前に全員知ることになるだろうしさ、その間にみんなの気持ちの整理もつくんじゃないかしらね。
その上で話し合うしかないんじゃない?
魔人になってもカルディアと一緒がいいって人なら、次の討伐に行くまでにあの島へ勝手に行くだろうし。
後はあたし達がどうするかってことよね。
この剣もあたしのだしさ、あたしはどうしよっかなぁ」
「それも踏まえてみなと皆と相談しないと……か。
悪いね、アテナ。
あんたにまで色々と考えさせちゃって」
「ん?
別にどうってことないわよ?
……ってそれじゃあ、あたしはいつも考えてないみたいじゃない」
「いや、考えて行動してるほうが少ないだろうよ」
「ぐぅっ!
そ、そうだけど、一応は考えてるのよ。
気持ちが優先なだけで」
「ほら、そうだろ?
はははっ!
そうさね、こういう時こそ考えよりも気持ちってことだね。
ありがとうね、やっぱりあたいとは違うアテナは素晴らしいよ」
笑顔を取り戻したレディ。
それに引き換え、何が素晴らしいのか今度はあたしが困り顔になってしまった。
だが、それでも前向きに考えられるなら答えはきっと出るだろうと安心すると、薄暗くなった夜空を見上げ輝く星を見つめた。
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