200 / 363
後日談 黛家の新婚さん2
(78)撮影のあと
しおりを挟む
(77)話の後の、おまけみたいな話です。短いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
掃き出し窓の前で二人の写真を撮った後、龍一と玲子も一緒に並んで家族四人の記念写真も撮影した。玲子が日本を離れる前に龍一と龍之介の予定を合わせる事が難しかったため、江島家の家族とはこれから日程を再調整して別途スタジオで撮影する予定になっている。
その後は場所を変え、吹き抜けとなっている階段や二階にある真っ白な部屋の明るい窓の前で指輪を交換する写真を撮影した。龍一も暫く付き合ったが、どうしても外せない用事があるらしく途中でその場を抜けて帰って行った。黛も病院から呼び出しが掛かり抜け出さなければならないかもしれない……と少しハラハラしていたので、何とか最後の写真を撮り終えた時思わず七海の口からホーッと溜息が漏れた。
妻の腰に手を当てたまま、黛は胸を抑える彼女の顔を覗き込んだ。
「どうした?緊張したか?」
「ううん、最後まで撮影できるか心配で。呼び出し無くてよかったね」
「ああ、そっか。まあ今日は大丈夫だと思ってたけど」
「うん、黛君はそう言ってたけどね。せっかく綺麗にして貰ったし、黛君がそう言う格好するの珍しいから最後まで撮影したかったの」
「……」
見上げると、黛がニンマリ笑って七海を見下ろしていた。
あっと思う間に、額にチュッと口付けられた。
「なっ……何するの」
焦った七海は吸い付かれた額に咄嗟に手を伸ばした。
「いやー可愛い事言うから、つい」
「人前では止めてって言ってるでしょ……!」
頬を染めてやや涙目になり、七海はグイグイ黛の体を押して離れようとした。それなのに黛はニヤニヤしたまま腰にまわした腕の力を弱めようとしない。
そこで救世主が現れて、パチンと我儘息子の頭を叩いてくれた。
「はい、時間無いから撤収よ!イチャつき終了!」
「そうだ、時間!黛君、ほら場所あけて着替えないと!」
「……」
黛が渋々と言った様子で腕を緩めたので、七海はパッと体を素早く反転し「じゃあ後で!」と言って介添えスタッフの導く方向へ向かったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お読みいただき、有難うございました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
掃き出し窓の前で二人の写真を撮った後、龍一と玲子も一緒に並んで家族四人の記念写真も撮影した。玲子が日本を離れる前に龍一と龍之介の予定を合わせる事が難しかったため、江島家の家族とはこれから日程を再調整して別途スタジオで撮影する予定になっている。
その後は場所を変え、吹き抜けとなっている階段や二階にある真っ白な部屋の明るい窓の前で指輪を交換する写真を撮影した。龍一も暫く付き合ったが、どうしても外せない用事があるらしく途中でその場を抜けて帰って行った。黛も病院から呼び出しが掛かり抜け出さなければならないかもしれない……と少しハラハラしていたので、何とか最後の写真を撮り終えた時思わず七海の口からホーッと溜息が漏れた。
妻の腰に手を当てたまま、黛は胸を抑える彼女の顔を覗き込んだ。
「どうした?緊張したか?」
「ううん、最後まで撮影できるか心配で。呼び出し無くてよかったね」
「ああ、そっか。まあ今日は大丈夫だと思ってたけど」
「うん、黛君はそう言ってたけどね。せっかく綺麗にして貰ったし、黛君がそう言う格好するの珍しいから最後まで撮影したかったの」
「……」
見上げると、黛がニンマリ笑って七海を見下ろしていた。
あっと思う間に、額にチュッと口付けられた。
「なっ……何するの」
焦った七海は吸い付かれた額に咄嗟に手を伸ばした。
「いやー可愛い事言うから、つい」
「人前では止めてって言ってるでしょ……!」
頬を染めてやや涙目になり、七海はグイグイ黛の体を押して離れようとした。それなのに黛はニヤニヤしたまま腰にまわした腕の力を弱めようとしない。
そこで救世主が現れて、パチンと我儘息子の頭を叩いてくれた。
「はい、時間無いから撤収よ!イチャつき終了!」
「そうだ、時間!黛君、ほら場所あけて着替えないと!」
「……」
黛が渋々と言った様子で腕を緩めたので、七海はパッと体を素早く反転し「じゃあ後で!」と言って介添えスタッフの導く方向へ向かったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お読みいただき、有難うございました。
40
あなたにおすすめの小説
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。
BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。
父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した!
メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!
【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる