2 / 13
2.放浪エルフ
しおりを挟む
突然だが私の名前はハンス・ツェ・ノーヴェ。意味はノーヴェ村・の・ハンス、となるのだが村から追放されているので、実質ハンスのみが私の名前。どうもハンスです、よろしくお願いします。金髪碧眼の男の子エルフ(実24歳、見12~13歳)です。
最近、私は衣食住の衣と住を探しています。どうもエルフ全体のコミュニティからBANされているようで、どこに行っても矢と魔法が飛んできます。傷は回復魔法でどうにかなるとはいえ、穴の開いた服は直せません、無一文ですが人里に下りましょう。
とはいえ私はエルフ、最悪人間が人間至上主義の「亜人氏ね!」な場合、問答無用で頃されそう。そうじゃなくとも捕まったら奴隷行きは勘弁したい。エルフの時間間隔は人間基準だと大変のんびりしていて、外の情報が10年単位でズレてたりするから、事前知識は当てにできない。まだ友好的な人間ならばうれしい。
ともかく安易に接触する前に一度、人間を見て置きたいのが心情です。私の対人スキルは前世のままとまっていますからね!
干し肉を咥えながら、山道、おそらく人が作った道を歩いているのですが、遠くに街が見えるもののかなり距離があるようです。馬車、欲しいですね。
干し肉を食べ終えて、街の全容が見えてきました。立地は山と川に挟まれ立派な城壁の上には多くの大砲が見えます、正面の門の交通量はまばら、大きな物資を街に運んでいきます。遠目から見た私の感想ですが、完全に城塞都市です。
何に対しての装備なのですかね、とりあえず鎧着た門番に近づいてみましょう。顔は隠さないで、エルフだと分かるように・・・
「お嬢ちゃん、どうしたんだ?」
おっと、向こうから話しかけてきました。割とフレンドリー、エルフ即殺!ではなかったようです。むしろ友好的?ですが声と表情からして驚いている様子、下心は一切感じられませんし、感情の割合からして心配しているような気がします。兵士の鏡ですね、正直権力振りかざして搾取されるとか勝手にイメージしてました。
「そんなボロボロになって何があった?」
なるほど、私の容姿。ボロボロなエルフの民族衣装と幼い体を見て事件性を感じたようです。私が彼でしたら集落が襲われ人間に助けを求めに来たエルフの子供に見えるでしょう。
・・・いやなんて答える?
馬鹿正直に追放されたと言ったら罪人だとバレ、村が襲われたと嘘をついても確認に行かれたら積む。
今の私の立場って結構危ない、やらかしの付けが後になって来てる。
「あの、私、旅をしているエルフで、襲われて、無一文で、助けてください!」
嘘は言ってない。子供ボディーと勢いでごまかした。涙ぐんだ上目遣いも忘れない。
「まあ分かった、ちょっと上に連絡するから詰所で待ってろ」
優しい!おっちゃん好き!まあ私、男なんで他意は無いです。
手を連れられ入れられたのは門番の詰所。おっちゃんやおじいちゃんの兵士ばかりですね、若い人がいません。みんな年上のような感じです。
この都市、あんまり栄えてないのでしょうか。兵士と商人らしき人はちらほら見えますが観光客や一般人があまり見えません。
「お嬢ちゃんはどこから来たんだい、名前は?」
「えー、ノーヴェから、ハンスです。あと、男です、はい」
「「「え?」」」
まあ分からなくはないです。子供の性別ってあんまりわかんないよね、特に美形の多いエルフで髪長くしてたら特に。まあまあ女顔ですし私。
それから同性と分かって距離感の狭まった兵士(おっちゃん)と下トークで盛り上がりながら時間を潰していたら、隊長っぽい人が来て事情聴取された。
この街は、ドラゴンガードというらしい。かの昔ドラゴンの襲撃が激しかった頃、ドラゴンを城壁の前まで誘導して矢で何度も仕留めたそうだ。ただ対ドラゴン用の防備は今では金食い虫となり、少ない人手で維持しているようだ。
金無し、家無し、服無しの私、出されたお茶請けを食べながらおっちゃん達と話をする。
「それで、ハンスはどうしたいんだ?」
「そうですね、しばらく働いてお金を稼ごうかと」
「仕事か…エルフだが見た目が子供だからな」
「家事洗濯料理、できます!ので雇ってください!」
隊長(仮名)は軽く眉を歪めた後、一番最初に私に話しかけたおっちゃんを呼んでこう言った。
「行きつけの酒屋、そこに連れて行ってやれ。あそこの亭主なら情報通だ、仕事の一つや二つ見繕ってくれるだろ」
どうやら私が思っていたより人間は温かいようです。
最近、私は衣食住の衣と住を探しています。どうもエルフ全体のコミュニティからBANされているようで、どこに行っても矢と魔法が飛んできます。傷は回復魔法でどうにかなるとはいえ、穴の開いた服は直せません、無一文ですが人里に下りましょう。
とはいえ私はエルフ、最悪人間が人間至上主義の「亜人氏ね!」な場合、問答無用で頃されそう。そうじゃなくとも捕まったら奴隷行きは勘弁したい。エルフの時間間隔は人間基準だと大変のんびりしていて、外の情報が10年単位でズレてたりするから、事前知識は当てにできない。まだ友好的な人間ならばうれしい。
ともかく安易に接触する前に一度、人間を見て置きたいのが心情です。私の対人スキルは前世のままとまっていますからね!
干し肉を咥えながら、山道、おそらく人が作った道を歩いているのですが、遠くに街が見えるもののかなり距離があるようです。馬車、欲しいですね。
干し肉を食べ終えて、街の全容が見えてきました。立地は山と川に挟まれ立派な城壁の上には多くの大砲が見えます、正面の門の交通量はまばら、大きな物資を街に運んでいきます。遠目から見た私の感想ですが、完全に城塞都市です。
何に対しての装備なのですかね、とりあえず鎧着た門番に近づいてみましょう。顔は隠さないで、エルフだと分かるように・・・
「お嬢ちゃん、どうしたんだ?」
おっと、向こうから話しかけてきました。割とフレンドリー、エルフ即殺!ではなかったようです。むしろ友好的?ですが声と表情からして驚いている様子、下心は一切感じられませんし、感情の割合からして心配しているような気がします。兵士の鏡ですね、正直権力振りかざして搾取されるとか勝手にイメージしてました。
「そんなボロボロになって何があった?」
なるほど、私の容姿。ボロボロなエルフの民族衣装と幼い体を見て事件性を感じたようです。私が彼でしたら集落が襲われ人間に助けを求めに来たエルフの子供に見えるでしょう。
・・・いやなんて答える?
馬鹿正直に追放されたと言ったら罪人だとバレ、村が襲われたと嘘をついても確認に行かれたら積む。
今の私の立場って結構危ない、やらかしの付けが後になって来てる。
「あの、私、旅をしているエルフで、襲われて、無一文で、助けてください!」
嘘は言ってない。子供ボディーと勢いでごまかした。涙ぐんだ上目遣いも忘れない。
「まあ分かった、ちょっと上に連絡するから詰所で待ってろ」
優しい!おっちゃん好き!まあ私、男なんで他意は無いです。
手を連れられ入れられたのは門番の詰所。おっちゃんやおじいちゃんの兵士ばかりですね、若い人がいません。みんな年上のような感じです。
この都市、あんまり栄えてないのでしょうか。兵士と商人らしき人はちらほら見えますが観光客や一般人があまり見えません。
「お嬢ちゃんはどこから来たんだい、名前は?」
「えー、ノーヴェから、ハンスです。あと、男です、はい」
「「「え?」」」
まあ分からなくはないです。子供の性別ってあんまりわかんないよね、特に美形の多いエルフで髪長くしてたら特に。まあまあ女顔ですし私。
それから同性と分かって距離感の狭まった兵士(おっちゃん)と下トークで盛り上がりながら時間を潰していたら、隊長っぽい人が来て事情聴取された。
この街は、ドラゴンガードというらしい。かの昔ドラゴンの襲撃が激しかった頃、ドラゴンを城壁の前まで誘導して矢で何度も仕留めたそうだ。ただ対ドラゴン用の防備は今では金食い虫となり、少ない人手で維持しているようだ。
金無し、家無し、服無しの私、出されたお茶請けを食べながらおっちゃん達と話をする。
「それで、ハンスはどうしたいんだ?」
「そうですね、しばらく働いてお金を稼ごうかと」
「仕事か…エルフだが見た目が子供だからな」
「家事洗濯料理、できます!ので雇ってください!」
隊長(仮名)は軽く眉を歪めた後、一番最初に私に話しかけたおっちゃんを呼んでこう言った。
「行きつけの酒屋、そこに連れて行ってやれ。あそこの亭主なら情報通だ、仕事の一つや二つ見繕ってくれるだろ」
どうやら私が思っていたより人間は温かいようです。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で
重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。
魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。
案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる