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3.ノリと勢いでやった
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どうもハンスです。
いま私はドラゴンガード横の川を下り、谷間に作られた山城跡地に来ています。山城と言っても、川を挟むよう両サイドに見張り台のような塔がと、塔を繋ぐ橋だけです。
原時刻は深夜2時、だいたいの生物は寝静まった頃です。
なぜこんなところに来ているのかですが、あれは酒場に着いたころに遡ります。
「オヤジ、いるかい?実は仕事を紹介してほしい奴がいるんだ」
番兵のおっちゃんに連れられて入った酒場は、私のイメージとは違い、食事のできる宿屋のような雰囲気でした。お酒を手に談笑している人に、親子でご飯を食べている人。そして料理を手に忙しそうにしている筋骨隆々の男性。
「あ゛今忙しいんだよ!仕事なら掲示板に貼ってんだろが!」
そう怒鳴られて掲示板を見に行くと
求
アルカディア渓谷旧見張り塔を根城にしている山賊の首領の盗伐
報酬 1000ゴールド 主 ドラゴンガード市長アスガルド
「いや一個しかないが」
「やります!」
「えぇ!?」
と、かなり安請け合いした感じですが出来なくはないです。
問題は山賊の根城が街から10キロほど離れていたこと、徒歩2時間かかりました。そこから襲撃しやすい場所を索敵ついでに探して夜まで待機。
あとは弓を射るだけです。
見張り塔とはいえ渓谷、横には急斜面な岩壁が有ります。が普通そんなところに人がいるとは思わないでしょう?
私は岩壁の出っ張りに体を固定して見張りに狙いを付けます。一人は塔の上から道を見る人、もう一人は塔の入り口を守る人。
一射目、距離は離れていますが上の見張りの喉を狙います。
私の放った矢は狙い通り喉、ではなく頭蓋、耳の少し上に横から刺さりました。
二射目、入り口見張り撃ち下ろしで当てやすい、胴を狙います。
矢はしゃがんだ見張りの頭上を抜けて川の方へ・・・外した!?
三射目、気が付かれたので声を出される前に速射。
当てました。よく見てないので近付いて確認します。
えっちらおっちら壁を降りて塔の入り口、首に矢が刺さった山賊の死体まで移動。小銭と鉄の矢、鉄の短剣を拾います。
それから塔の中、入り口からすぐに階段と宝箱。スルー
階段を登っていくと寝ている山賊が3人、拾った短剣で命を奪った後、最初に射貫いた見張りから弓と矢の補充。
橋を渡ってもう一方の塔に寝ている山賊の首を刈っておしまい。後は略奪です。
宝箱に鳴子が付いていましたが知らせる人間がいませんねぇ~
収穫は320ゴールド、宝石5個。誰が首領か分からないので武器防具を全部ひっぺがして持って帰ります。
『やります!』
昨日そう言って出ていってしまった少年ハンス。番兵が急いで後を追いかけるも、あっという間に夜闇に消えていってしまった。
「そうか、一人で行っちまったか」
「すみません隊長、こいつだけを叱らんでください。俺らも素通ししちまった責任がある」
「もとはと言えばあの時止めれていればこんなことには・・・」
日が昇ったとはいえ詰所の中はお通夜状態、たった1日に満たない出会いだったが知り合いが、ましてやエルフとはいえ子供が死ぬのは目覚めが悪い。
通常勤務がある彼らは何時までも悲しんでいる暇はない、いつも通り門を開き今日初めの通行人を通すと
「あの~顔わかんなかったんで鎧と兜全部持って来たんだけど、誰に見せればいいですか?」
そこには昨日知り合ったエルフの少年が、麻袋を引きずりながら現れたのだった。
いま私はドラゴンガード横の川を下り、谷間に作られた山城跡地に来ています。山城と言っても、川を挟むよう両サイドに見張り台のような塔がと、塔を繋ぐ橋だけです。
原時刻は深夜2時、だいたいの生物は寝静まった頃です。
なぜこんなところに来ているのかですが、あれは酒場に着いたころに遡ります。
「オヤジ、いるかい?実は仕事を紹介してほしい奴がいるんだ」
番兵のおっちゃんに連れられて入った酒場は、私のイメージとは違い、食事のできる宿屋のような雰囲気でした。お酒を手に談笑している人に、親子でご飯を食べている人。そして料理を手に忙しそうにしている筋骨隆々の男性。
「あ゛今忙しいんだよ!仕事なら掲示板に貼ってんだろが!」
そう怒鳴られて掲示板を見に行くと
求
アルカディア渓谷旧見張り塔を根城にしている山賊の首領の盗伐
報酬 1000ゴールド 主 ドラゴンガード市長アスガルド
「いや一個しかないが」
「やります!」
「えぇ!?」
と、かなり安請け合いした感じですが出来なくはないです。
問題は山賊の根城が街から10キロほど離れていたこと、徒歩2時間かかりました。そこから襲撃しやすい場所を索敵ついでに探して夜まで待機。
あとは弓を射るだけです。
見張り塔とはいえ渓谷、横には急斜面な岩壁が有ります。が普通そんなところに人がいるとは思わないでしょう?
私は岩壁の出っ張りに体を固定して見張りに狙いを付けます。一人は塔の上から道を見る人、もう一人は塔の入り口を守る人。
一射目、距離は離れていますが上の見張りの喉を狙います。
私の放った矢は狙い通り喉、ではなく頭蓋、耳の少し上に横から刺さりました。
二射目、入り口見張り撃ち下ろしで当てやすい、胴を狙います。
矢はしゃがんだ見張りの頭上を抜けて川の方へ・・・外した!?
三射目、気が付かれたので声を出される前に速射。
当てました。よく見てないので近付いて確認します。
えっちらおっちら壁を降りて塔の入り口、首に矢が刺さった山賊の死体まで移動。小銭と鉄の矢、鉄の短剣を拾います。
それから塔の中、入り口からすぐに階段と宝箱。スルー
階段を登っていくと寝ている山賊が3人、拾った短剣で命を奪った後、最初に射貫いた見張りから弓と矢の補充。
橋を渡ってもう一方の塔に寝ている山賊の首を刈っておしまい。後は略奪です。
宝箱に鳴子が付いていましたが知らせる人間がいませんねぇ~
収穫は320ゴールド、宝石5個。誰が首領か分からないので武器防具を全部ひっぺがして持って帰ります。
『やります!』
昨日そう言って出ていってしまった少年ハンス。番兵が急いで後を追いかけるも、あっという間に夜闇に消えていってしまった。
「そうか、一人で行っちまったか」
「すみません隊長、こいつだけを叱らんでください。俺らも素通ししちまった責任がある」
「もとはと言えばあの時止めれていればこんなことには・・・」
日が昇ったとはいえ詰所の中はお通夜状態、たった1日に満たない出会いだったが知り合いが、ましてやエルフとはいえ子供が死ぬのは目覚めが悪い。
通常勤務がある彼らは何時までも悲しんでいる暇はない、いつも通り門を開き今日初めの通行人を通すと
「あの~顔わかんなかったんで鎧と兜全部持って来たんだけど、誰に見せればいいですか?」
そこには昨日知り合ったエルフの少年が、麻袋を引きずりながら現れたのだった。
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