悪役令息に転生したから断罪ルート回避しようとした結果、王太子殿下を溺愛してる

琥月ルル

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30.とろとろのキス♡

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「んっ、ふぁっ……♡はっ、あ、んぅっ……♡」

ぴったり重ね合わせた唇に吸いつき、薄く開いた隙間から舌を忍び込ませて歯列をなぞる。反射で奥に引っ込もうとする舌を優しく捕らえ、濡れた水音を立てながらねっとりと絡めた。
エドワードは俺の首に腕を回して小さく体を跳ねさせながら、キスに懸命に応えようとしてくれている。ぎこちなく控えめに動き回る舌先が、どうしようもないほど愛しい。

「あ、んんっ♡んっ、ふぁっ……♡」

エドワードは上顎をくすぐるみたいに舐められるのに弱いので、そうしてやると途端に体から力が抜けていく。
くったりしてしまった体を支えるように強く抱きしめ、顎に指先を添えて少し上を向かせる。俺は目を開けてじっとエドワードを見つめながら、口内にゆっくりと唾液を流し込んだ。

「んっ、んっ……♡ふ、んぅっ……♡」

とろりと混ざり合った二人分の唾液を、彼は目を閉じたまま、小さく喉を鳴らして飲み込む。その様子に劣情を煽られ、下半身に熱が集まっていくのを感じた。

「あ、んんっ♡あっ、はぁっ……♡」

銀の糸を引いて唇が離れる頃には、エドワードは息が上がってしまっていた。
閉じられていた目蓋が開き、アイスブルーの瞳と視線がぶつかる。彼は体に力が入らないようで、蕩けるように微笑みながら俺にもたれかかった。

「ふふ。大好きだよ、俺の可愛いエディ」

桃色に上気したなめらかな頬を撫で、星を散りばめたような美しい髪をそっと指先で梳く。さっきまで体の芯から蕩けていくような甘いキスをしていたので、エドワードの体はくったりしていて温かい。

「ん、私も好き、リアム……」

エドワードは眠くなってきてしまったらしく、俺の腕の中にすっぽり収まり、うとうとし始めた。入眠を促すように優しくふんわり抱きしめていると、小さな寝息が聞こえてくる。
エドワードの寝顔を眺めていたら、いくら言葉にしても足りないほどの愛しさに胸が締めつけられた。
目の下の隈が彼の苦労を物語っていて、どうか今夜からはセシリアに邪魔されることなくよく眠れますように、と心の中で祈る。
その日は王宮から馬車が迎えにくる時間までサロンで静かに過ごし、安眠のおまじない、と言って額にキスをしてバイバイした。

結局、セシリアは俺の言葉を曲解しつつも、夜にエドワードの私室に突撃訪問するのはやめたらしい。
その代わり、学園で俺を見かけた途端に近付いてきて、上目遣いしながら胸を押し付けたり勝手に腕を組んだりして、こっちの都合なんて全部無視して喋りかけてくるようになった。
この前なんていかに自分がイザベラに酷く虐められているかという話を嘘くさい涙目で切々と訴えかけられ、俺の妹がそんな下劣なことをするわけないだろう!って叫びかけちゃったよね。あとで探りを入れてみたけど、やっぱりセシリアの話は虚言にすぎないようだ。
そんなこんなで、俺が完全にメインターゲットとしてセシリアにロックオンされたわけだが、別にこれくらいどうってことない。
彼女のはた迷惑なアプローチから解放され、エドワードは寝不足も体調不良もなくなった。彼の健やかで生き生きとした姿が見られるだけで、俺の心は満たされる。あのとき、セシリアに向かって啖呵をきった甲斐があった。
エドワードは、いつもふわふわしてて優しい俺が彼のためにセシリアに強く注意したのがとても嬉しかったそうで、ことある事に「カッコよかったよ。こんなに惚れているのにまた惚れ直した」と伝えてくれる。ちょっと照れるけど嬉しい。

やがて一ヶ月ほど続いた豊穣祭も終わり、セシリアは再び王宮から神殿に移った。
これでやっと普段の生活が戻ってきたような気がして、俺たちは『お疲れさま会』という名目で、サロンでお茶会を開いて心ゆくまでふたりきりの時間を楽しんだ。
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