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少女との出会い
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「っ!?」
合図と同時にものすごい早さで懐に切り掛かってきたステラをギリギリのところでかわした。
「今のを避けますか、なかなかやりますね」
「何がやりますね、よ。ほとんど不意打ちじゃない!」
「ソフィア様が合図なさったでしょ?」
「そうだけど!」
とは言え、魔術で感知速度を上げてなかったら危なかった。
「なら、これはどうです?」
ステラは激しい蓮撃を私に叩き込んでくる。
しばらくは蓮撃を捌けていたけど、そろそろ捌ききれなくなってきた。私に魔術を使わせないつもりね。
「どうしました?守ってばかりじゃ勝てませんよ?」
「簡単に言ってくれるわね」
何とか隙を見つけて距離を取らないと....
「ここまでですかね」
ステラが私を仕留めるために一瞬大振りになった。この隙を私は見逃さなかった。
「ここだ!」
「何を!?」
持っていた木の棒を投げつけた後、ステラを殴り飛ばした。
「やっぱり防ぐわよね。でも距離は取れたわ」
「まさか武器を投げてくるとは思っても見ませんでした。でも、武器は無くなりましたよ?素手で私に挑むとでも?」
「あいにく私はこっちの方が戦いやすいのよ」
距離が取れたおかげで、魔術で身体能力を上げる事ができた。
「武器を手放したこと後悔させてあげます」
ステラの蓮撃のスピードとパワーがさらに上がった。一撃がさっきまでより重すぎる。
「今までのは本気じゃなかったのね。でも!」
私は棒を持っていた時よりも正確に全ての蓮撃を捌き、攻撃も仕掛けていった。
「防御の合間に攻撃を仕掛けてきますか、武器がない方が戦いやすいのは本当のようですね....ですが、この一撃で勝負を決めさせていただきます」
さっきまでと雰囲気が違う、素人の私でもあれが直撃したらまずいことはすぐわかった。だったら私も。
私とステラは同時に動き出し技を放った。
「はい!そこまで!」
楽しそうに見ていたソフィアが突然声を上げた。
「あなた達ね、本気で殺し合いしてどうするの?手合わせって言ったでしょ!」
「ソフィア様私たちは別に殺し合いなど....」
「そうよ、ステラを殺すつもりなんてないわ」
「じゃあ自分たちの今の姿がどうなってるか見てみなさいな」
私たちはお互いを見つめ合い気づいた。
ステラは私の首を、私はステラの腹部を吹き飛ばす一歩手前まで来ていた。
「まぁ、この提案をしたのは私ですけど、まさかここまで2人が熱くなるとは思っても見ませんでしたわ。この勝負引き分けと言うことにいたしましょう」
「悔しいけど、そうみたいね。今回はソフィアが止めてくれたからよかったけど、もしいなかったら今頃2人とも死んでたわね」
「申し訳ございませんソフィア様。ラヴィ様がまさかここまでできる相手だとは思わず少々テンションが上がっておりました」
「いいのよ、それよりラヴィ?あなた武器を投げつけたわよね、何故かしら?」
投げたこと気になるんだ。
「剣を交えてる時わかったの、剣術じゃ絶対勝てないって。だから、私の得意な白戦に切り替えただけよ。それに、こっちの方が魔術乗せやすいしね」
「ステラ、それは本当なの?戦ったあなたはどう思ったのかしら?」
「武器を持ってた時のラヴィ様は私についてくるのが精一杯でしたが、手放してから動きが変わり気を抜けば私がやられていました」
「そうですか。まぁいいですわ!これでお互い信用できるようになったと言う事で!家に戻りましょう、私喉が渇きましたの」
「手合わせしろって言ったり、喉が渇いたから戻るって言ったり本当わがまま何だから」
「それが私、ソフィア・ヴァイオレットですわ!ほら行きますわよラヴィ」
ソフィアは私の手を引っ張って家に戻った。
ステラとは手合わせをしてから普通に話ができるようになり、敵意も全く感じられない。今考えればソフィアなりの気遣いだったんだろう。
家に戻りそこでやっとソフィアの髪飾りに気がついた。
「ソフィアの髪飾り、昨日言ってた色違いってそれ?」
ソフィアは私にくれた青色とは違い真っ赤な薔薇の髪飾りをしていた。
「やっと気づきましたの?遅すぎますわよ?」
「バタバタしてたから気づくわけないでしょ!」
それから3人で1時間ほど雑談をした。内容はほとんどソフィアの愚痴だったんだけどね。
「あまり留守にしてると、城のものに怪しまれるので、今日はこの辺で帰りますわ」
「気おつけてね、ステラはソフィアから離れちゃダメよ?あなたが森から出れなくなるんだから」
「私がソフィア様から離れることなど、世界が滅びない限り絶対ない!」
「ステラ、それは流石に重いですわ」
「そんなこと言わないでくださいよ!?」
「喧嘩なら戻ってからやってよね。それとステラ、時間がある時でいいし私に剣術教えてくれない?」
「別に構わないですが、一体何故です?」
「剣術は何かと便利でしょ?あなたがやった木を切る時とか」
「剣術と伐採は違うのですが....」
「いいですわねそれ!ステラ、ラヴィに教えてあげなさい。それと私も教わるわ!」
「ソフィア様も!?わかりました。そのかわり厳しき行きますけどいいですか?」
「ほどほどでいいんだけど?」
「私だってそれくらいやってみせますわ!」
こんな事を言っているソフィアだが、まさか2日目で根を上げるとは思っても見なかったわよ。
合図と同時にものすごい早さで懐に切り掛かってきたステラをギリギリのところでかわした。
「今のを避けますか、なかなかやりますね」
「何がやりますね、よ。ほとんど不意打ちじゃない!」
「ソフィア様が合図なさったでしょ?」
「そうだけど!」
とは言え、魔術で感知速度を上げてなかったら危なかった。
「なら、これはどうです?」
ステラは激しい蓮撃を私に叩き込んでくる。
しばらくは蓮撃を捌けていたけど、そろそろ捌ききれなくなってきた。私に魔術を使わせないつもりね。
「どうしました?守ってばかりじゃ勝てませんよ?」
「簡単に言ってくれるわね」
何とか隙を見つけて距離を取らないと....
「ここまでですかね」
ステラが私を仕留めるために一瞬大振りになった。この隙を私は見逃さなかった。
「ここだ!」
「何を!?」
持っていた木の棒を投げつけた後、ステラを殴り飛ばした。
「やっぱり防ぐわよね。でも距離は取れたわ」
「まさか武器を投げてくるとは思っても見ませんでした。でも、武器は無くなりましたよ?素手で私に挑むとでも?」
「あいにく私はこっちの方が戦いやすいのよ」
距離が取れたおかげで、魔術で身体能力を上げる事ができた。
「武器を手放したこと後悔させてあげます」
ステラの蓮撃のスピードとパワーがさらに上がった。一撃がさっきまでより重すぎる。
「今までのは本気じゃなかったのね。でも!」
私は棒を持っていた時よりも正確に全ての蓮撃を捌き、攻撃も仕掛けていった。
「防御の合間に攻撃を仕掛けてきますか、武器がない方が戦いやすいのは本当のようですね....ですが、この一撃で勝負を決めさせていただきます」
さっきまでと雰囲気が違う、素人の私でもあれが直撃したらまずいことはすぐわかった。だったら私も。
私とステラは同時に動き出し技を放った。
「はい!そこまで!」
楽しそうに見ていたソフィアが突然声を上げた。
「あなた達ね、本気で殺し合いしてどうするの?手合わせって言ったでしょ!」
「ソフィア様私たちは別に殺し合いなど....」
「そうよ、ステラを殺すつもりなんてないわ」
「じゃあ自分たちの今の姿がどうなってるか見てみなさいな」
私たちはお互いを見つめ合い気づいた。
ステラは私の首を、私はステラの腹部を吹き飛ばす一歩手前まで来ていた。
「まぁ、この提案をしたのは私ですけど、まさかここまで2人が熱くなるとは思っても見ませんでしたわ。この勝負引き分けと言うことにいたしましょう」
「悔しいけど、そうみたいね。今回はソフィアが止めてくれたからよかったけど、もしいなかったら今頃2人とも死んでたわね」
「申し訳ございませんソフィア様。ラヴィ様がまさかここまでできる相手だとは思わず少々テンションが上がっておりました」
「いいのよ、それよりラヴィ?あなた武器を投げつけたわよね、何故かしら?」
投げたこと気になるんだ。
「剣を交えてる時わかったの、剣術じゃ絶対勝てないって。だから、私の得意な白戦に切り替えただけよ。それに、こっちの方が魔術乗せやすいしね」
「ステラ、それは本当なの?戦ったあなたはどう思ったのかしら?」
「武器を持ってた時のラヴィ様は私についてくるのが精一杯でしたが、手放してから動きが変わり気を抜けば私がやられていました」
「そうですか。まぁいいですわ!これでお互い信用できるようになったと言う事で!家に戻りましょう、私喉が渇きましたの」
「手合わせしろって言ったり、喉が渇いたから戻るって言ったり本当わがまま何だから」
「それが私、ソフィア・ヴァイオレットですわ!ほら行きますわよラヴィ」
ソフィアは私の手を引っ張って家に戻った。
ステラとは手合わせをしてから普通に話ができるようになり、敵意も全く感じられない。今考えればソフィアなりの気遣いだったんだろう。
家に戻りそこでやっとソフィアの髪飾りに気がついた。
「ソフィアの髪飾り、昨日言ってた色違いってそれ?」
ソフィアは私にくれた青色とは違い真っ赤な薔薇の髪飾りをしていた。
「やっと気づきましたの?遅すぎますわよ?」
「バタバタしてたから気づくわけないでしょ!」
それから3人で1時間ほど雑談をした。内容はほとんどソフィアの愚痴だったんだけどね。
「あまり留守にしてると、城のものに怪しまれるので、今日はこの辺で帰りますわ」
「気おつけてね、ステラはソフィアから離れちゃダメよ?あなたが森から出れなくなるんだから」
「私がソフィア様から離れることなど、世界が滅びない限り絶対ない!」
「ステラ、それは流石に重いですわ」
「そんなこと言わないでくださいよ!?」
「喧嘩なら戻ってからやってよね。それとステラ、時間がある時でいいし私に剣術教えてくれない?」
「別に構わないですが、一体何故です?」
「剣術は何かと便利でしょ?あなたがやった木を切る時とか」
「剣術と伐採は違うのですが....」
「いいですわねそれ!ステラ、ラヴィに教えてあげなさい。それと私も教わるわ!」
「ソフィア様も!?わかりました。そのかわり厳しき行きますけどいいですか?」
「ほどほどでいいんだけど?」
「私だってそれくらいやってみせますわ!」
こんな事を言っているソフィアだが、まさか2日目で根を上げるとは思っても見なかったわよ。
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