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聖女を追放した国の物語
第27話 打倒できる化け物 A
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ゾポンドート領の南方にある、守備の要ニアレット砦。
そのニアレット砦に、常駐していた守備隊が百人。
そこに俺が送った五百を足して、六百がこちらの戦力。
対して敵軍は、三千と報告されている。
敵の数は五倍だが、防衛戦である。
戦えないことは無い。
要塞を攻略するのに必要な数は、敵の三倍だったか十倍だったか――
書物や記事によって数字は変わるので、正確には判らないが……五倍の敵を相手にした防衛戦は、無謀な戦いというわけではないだろう。
敵味方のどちらにとっても、勝ち目のある戦いになる。
敵は遠征軍だ。
故郷を離れてここまで来ている。
遠慮容赦なく暴れ回る危険がある一方で、劣勢になれば士気の崩壊は早いだろう。
懸念材料はあと一つ。
敵兵の装備からピレンゾルの軍隊だということは分かっている。
ピレンゾルといえば、聖女ローゼリアを追放した国だ。
聖女とダルフォルネが、手を組んだのか――?
だとすると、あの中に聖女がいる可能性が高い。
俺には、この世界の元ネタ小説に関する知識がほぼない。
そのため聖女というのが敵軍にいた場合、どの程度の脅威になるのかが解らない。
まだいるかいないか分からない聖女だが、いる前提で戦った方がいいだろう。
まずは敵の能力――
何が出来るのかを把握する必要がある。
少なくとも、敵方に聖女がいると知れたら、味方の士気は低下してしまいそうだ。
まあそれも、戦ってみなければ分からない。
敵軍が隊列を組んで、向かってくる。
こちらは迫りくる敵を迎え撃つために、迎撃態勢を整える。
戦闘開始、初日。
聖女の軍勢というのはどれほどのものか、まずは観察しよう。
敵軍約三千は砦から一キロほど距離を置いたところに陣を構えている。
そこで部隊を大きく三つに分ける。
そのうちの一つ、千人規模の部隊が何の工夫もなく、ただひたすらに砦に向かって進軍し、砦に張り付いてきた。
大掛かりな攻城兵器などは、特に用意していない。
弓兵が矢を放ち、けん制をしてくるくらいだ。
梯子を立てかけたり、鉤爪の付いたロープを放り投げたりして、砦の壁に取りつきよじ登ってくる。
こちらは弓や投石で応戦し、まれに城壁を登りきった敵兵との白兵戦があったが、危なげなく普通に撃退に成功した。
昼には敵の先陣は撤退して、後詰めの千の部隊が交代で砦に攻勢をかける。
そのタイミングで傷つき倒れ込んでいた敵の兵士たちが、突然光り出した。
光が収まった時には、傷だらけで戦闘不能状態だった敵兵の傷が、完全に治っていた。傷の治った敵兵は、次々に起き上がる。
「――ゾンビかよ」
俺は思わず、突っ込みを入れる。
戦闘不能から回復した敵兵だけではなく、軽症の奴の傷も治っているようだ。
エリアヒールという奴か……。
替わりに現れた後詰の部隊が、攻城戦を仕掛けてくる。
そのニアレット砦に、常駐していた守備隊が百人。
そこに俺が送った五百を足して、六百がこちらの戦力。
対して敵軍は、三千と報告されている。
敵の数は五倍だが、防衛戦である。
戦えないことは無い。
要塞を攻略するのに必要な数は、敵の三倍だったか十倍だったか――
書物や記事によって数字は変わるので、正確には判らないが……五倍の敵を相手にした防衛戦は、無謀な戦いというわけではないだろう。
敵味方のどちらにとっても、勝ち目のある戦いになる。
敵は遠征軍だ。
故郷を離れてここまで来ている。
遠慮容赦なく暴れ回る危険がある一方で、劣勢になれば士気の崩壊は早いだろう。
懸念材料はあと一つ。
敵兵の装備からピレンゾルの軍隊だということは分かっている。
ピレンゾルといえば、聖女ローゼリアを追放した国だ。
聖女とダルフォルネが、手を組んだのか――?
だとすると、あの中に聖女がいる可能性が高い。
俺には、この世界の元ネタ小説に関する知識がほぼない。
そのため聖女というのが敵軍にいた場合、どの程度の脅威になるのかが解らない。
まだいるかいないか分からない聖女だが、いる前提で戦った方がいいだろう。
まずは敵の能力――
何が出来るのかを把握する必要がある。
少なくとも、敵方に聖女がいると知れたら、味方の士気は低下してしまいそうだ。
まあそれも、戦ってみなければ分からない。
敵軍が隊列を組んで、向かってくる。
こちらは迫りくる敵を迎え撃つために、迎撃態勢を整える。
戦闘開始、初日。
聖女の軍勢というのはどれほどのものか、まずは観察しよう。
敵軍約三千は砦から一キロほど距離を置いたところに陣を構えている。
そこで部隊を大きく三つに分ける。
そのうちの一つ、千人規模の部隊が何の工夫もなく、ただひたすらに砦に向かって進軍し、砦に張り付いてきた。
大掛かりな攻城兵器などは、特に用意していない。
弓兵が矢を放ち、けん制をしてくるくらいだ。
梯子を立てかけたり、鉤爪の付いたロープを放り投げたりして、砦の壁に取りつきよじ登ってくる。
こちらは弓や投石で応戦し、まれに城壁を登りきった敵兵との白兵戦があったが、危なげなく普通に撃退に成功した。
昼には敵の先陣は撤退して、後詰めの千の部隊が交代で砦に攻勢をかける。
そのタイミングで傷つき倒れ込んでいた敵の兵士たちが、突然光り出した。
光が収まった時には、傷だらけで戦闘不能状態だった敵兵の傷が、完全に治っていた。傷の治った敵兵は、次々に起き上がる。
「――ゾンビかよ」
俺は思わず、突っ込みを入れる。
戦闘不能から回復した敵兵だけではなく、軽症の奴の傷も治っているようだ。
エリアヒールという奴か……。
替わりに現れた後詰の部隊が、攻城戦を仕掛けてくる。
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