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第一章
幸せな時間
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月日が経ち、ミカエラは3歳になった。
ミカエラは肩まであるサラッとした母親譲りのプラチナブロンドの髪を風になびかせ、花が咲き乱れる庭園のガーデンベンチで母親のエマとのんびり過ごす。
「お母様、今日は、お花がとても綺麗ですね!でも、私はこのお花の名前を知りません…。お母様はご存知ですか?もうすぐお姉ちゃんになるのに私…」
少しふっくらのしたお腹を摩りながら、エマは少ししょぼんとするミカエラを見つめ、ゆっくりと微笑むと、近くにいた執事の男性に声をかける。
「ミアももうすぐ4歳になるものね。そろそろ家庭教師を探さないといけないかしら。
リチャード、カイルを呼んでくれる?」
「かしこまりました。」
執事のリチャードが軽くお辞儀をすると、スッとその場から離れる。
「奥様、そろそろ…」
「そうね。ミア、そろそろ部屋へ戻りましょうか。」
控えていたメイドが声をかけると、エマたちに部屋に戻るよう促す。エマも、スッとその場から立ち上がり、部屋に向かおうとすると、後ろから声をかけられる。
「エマ、1人で歩くと危ないよ。戻るならみんなで一緒に行こう。」
ミカエラが振り返ると、そこには漆黒の髪に綺麗なルビー色の瞳の男性が愛おしそうにエマとミカエラに微笑む。
「ルージュ父様!」
ミカエラが駆け出し、ぎゅっと抱きつくと、ルージュもミカエラを抱きしめ、頭を撫でる。
「ミア? お母様はお腹に赤ちゃんがいるから、私がエスコートをしてもいいかな?」
「うんっ! …あのね…私も…手を繋いでくれる?」
少し遠慮しがちにルージュの服の裾を持ち、尋ねると、ルージュとエマは、顔を見合わせ、微笑みながら
「「もちろん」」
と、答えてくれる。
ミカエラが、ぱぁっと顔を上げ、ルージュのエマをエスコートしている反対側の手を繋ぎ、歩き出す。
部屋に着くと、リチャードに呼ばれたであろう1人の男性が何やら書類を見て立っていた。
「カイル父様!」
呼ばれた男性は、グレーの瞳をこちらに向けて、微笑む。
「やぁ、ミア。お散歩は楽しかったか?ルージュ、エマ、おかえり。」
2人は微笑むとルージュは、エマをソファまでエスコートし、エマはゆっくりと腰を落とす。その隣にちょこんとミカエラも座る。
リチャードが、カチャカチャと、お茶の用意をし、人数分入れてくれる。エマはコクッと一口含み、話を切り出す。
「カイル、貴方を呼んだのはミアの家庭教師の件なの。ミアもそろそろ家族以外の者とも触れ合っていかなければならないわ。
それに最近のミアは、お姉ちゃんになるからって学ぶことに意欲的だものね。」
ふふっと口元に手を当て、エマはミカエラを見る。
「うんっ!私、たくさん勉強して、赤ちゃんに色々教えてあげるの。」
「しかし…」
静かに話を聞いていたルージュが顎に手を当て、考え込む。
「ミアは、まだ外部の者を知らない。些か不安だな…」
「そうね…カイル、いい考えはない?」
少し考えてカイルは、口を開く。
「ではまず、エマも安定期に入ったことだし、ミアのお披露目も兼ねてお茶会でも開いたらどうかな?数人の御子息や御令嬢も呼んで。」
「あら、素敵ね。」
エマは、スカイブルーの瞳を細め、ミカエラを見つめる。
私は初めて会う外部の子にワクワクしながら、母と父達を見て、想像を膨らませる。
こうして、私の初めてのお茶会が開かれることになった。
ミカエラは肩まであるサラッとした母親譲りのプラチナブロンドの髪を風になびかせ、花が咲き乱れる庭園のガーデンベンチで母親のエマとのんびり過ごす。
「お母様、今日は、お花がとても綺麗ですね!でも、私はこのお花の名前を知りません…。お母様はご存知ですか?もうすぐお姉ちゃんになるのに私…」
少しふっくらのしたお腹を摩りながら、エマは少ししょぼんとするミカエラを見つめ、ゆっくりと微笑むと、近くにいた執事の男性に声をかける。
「ミアももうすぐ4歳になるものね。そろそろ家庭教師を探さないといけないかしら。
リチャード、カイルを呼んでくれる?」
「かしこまりました。」
執事のリチャードが軽くお辞儀をすると、スッとその場から離れる。
「奥様、そろそろ…」
「そうね。ミア、そろそろ部屋へ戻りましょうか。」
控えていたメイドが声をかけると、エマたちに部屋に戻るよう促す。エマも、スッとその場から立ち上がり、部屋に向かおうとすると、後ろから声をかけられる。
「エマ、1人で歩くと危ないよ。戻るならみんなで一緒に行こう。」
ミカエラが振り返ると、そこには漆黒の髪に綺麗なルビー色の瞳の男性が愛おしそうにエマとミカエラに微笑む。
「ルージュ父様!」
ミカエラが駆け出し、ぎゅっと抱きつくと、ルージュもミカエラを抱きしめ、頭を撫でる。
「ミア? お母様はお腹に赤ちゃんがいるから、私がエスコートをしてもいいかな?」
「うんっ! …あのね…私も…手を繋いでくれる?」
少し遠慮しがちにルージュの服の裾を持ち、尋ねると、ルージュとエマは、顔を見合わせ、微笑みながら
「「もちろん」」
と、答えてくれる。
ミカエラが、ぱぁっと顔を上げ、ルージュのエマをエスコートしている反対側の手を繋ぎ、歩き出す。
部屋に着くと、リチャードに呼ばれたであろう1人の男性が何やら書類を見て立っていた。
「カイル父様!」
呼ばれた男性は、グレーの瞳をこちらに向けて、微笑む。
「やぁ、ミア。お散歩は楽しかったか?ルージュ、エマ、おかえり。」
2人は微笑むとルージュは、エマをソファまでエスコートし、エマはゆっくりと腰を落とす。その隣にちょこんとミカエラも座る。
リチャードが、カチャカチャと、お茶の用意をし、人数分入れてくれる。エマはコクッと一口含み、話を切り出す。
「カイル、貴方を呼んだのはミアの家庭教師の件なの。ミアもそろそろ家族以外の者とも触れ合っていかなければならないわ。
それに最近のミアは、お姉ちゃんになるからって学ぶことに意欲的だものね。」
ふふっと口元に手を当て、エマはミカエラを見る。
「うんっ!私、たくさん勉強して、赤ちゃんに色々教えてあげるの。」
「しかし…」
静かに話を聞いていたルージュが顎に手を当て、考え込む。
「ミアは、まだ外部の者を知らない。些か不安だな…」
「そうね…カイル、いい考えはない?」
少し考えてカイルは、口を開く。
「ではまず、エマも安定期に入ったことだし、ミアのお披露目も兼ねてお茶会でも開いたらどうかな?数人の御子息や御令嬢も呼んで。」
「あら、素敵ね。」
エマは、スカイブルーの瞳を細め、ミカエラを見つめる。
私は初めて会う外部の子にワクワクしながら、母と父達を見て、想像を膨らませる。
こうして、私の初めてのお茶会が開かれることになった。
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