籠の中の令嬢

ワゾースキー

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第二章

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「ミア。 今逃げようとしたの? 私から…離れようとしたのか? 優しくしてやろうと思ったのに…お仕置きが必要だね。」

 言い終わるとどこからか手錠を出し、ミカエラの手を後ろで繋ぎ止める。

「ひっ…。 や…やめて下さい! これ以上はっ…!」

「ん? 冷静さを取り戻したみたいだね。 媚薬の効果もこの程度か。 まだまだ改善が必要だな。」

び…やく…?

 うつ伏せにされ、手錠をつけられ萎縮する中、恐ろしい言葉が聞こえる。自分の身体があんなに疼いたのは薬のせいだった。自分の意思ではなかった事実に少しの安堵と、それ以上の恐怖が襲いかかる。

「お…お兄様…。今…媚薬…と…?」

「あぁ。 話をする前に私の入れたお茶を飲んだろう? 
 あれに媚薬が入っていたんだよ。 君は聡い。 冷静であれば、私と兄妹という固定概念から自ら私が欲しいとねだったり、身体を自ら開くことはなかっただろう?」

 何も言えなかった。ここまでして兄は自分に執着している事実に目を背けたかった。私の意思とは関係なく、本能で求める様に仕向けた兄に震えが止まらない。

 そして現在の体制。お尻を突き出した体勢に羞恥で涙が止まらない。

「あぁ…とても可愛い…愛しいミア。 ほら。さっきずっと求めていたお兄様だよ。」

 腰に手を当て、思いっきり一気に奥へ突き上げる。

「きゃぁぁぁぁああ!」

 余りの刺激に悲鳴をあげる。目の前がチカチカとする。

 先程まで媚薬で兄ではなく男性を本能で求め、朦朧としていた意識ははっきりしている。心の底から兄と身体が一つになっている現実に絶望し、逃れようと足掻こうとするが、手も拘束され、上半身で兄の激情を受け止めるしかなかった。

 その後、悲鳴の様な喘ぎ声が朝方まで部屋中に響いていた。



 気づけば朝だった。フレッドは既に部屋におらず、身綺麗にされた自分だけがベットで寝ている。手錠はなくなっているが足枷は相変わらずついたままだ。

「昨日と…なんか似てる…。まさか…今日も…」

 ミカエラは青褪め、身体を起こすと足を折り曲げ抱え込む。

私が何をしたというの…?
何故こんなことになったの…?

 啜り泣きながら、昨日のことを思い出し、眩暈がする。

何も…考えたくない…

 腰が怠く感じ、少し横になる。2日連続で永遠と行為を行われ、ミカエラは体力の限界だった。その日は、瞼をすっと閉じると、深い、深い眠りにつき、夕方まで起きる事はなく、眠り続けた。 

 

 起きると、誰かがソファに座って本を読んでいた。目を擦り、上体を起こす。

「ルイズ…様…?」

 パタンと本を閉じると、優しく微笑みながらこちらを見つめる。

「ミア嬢、起きましたか? 長くお昼寝していた様ですね。 身体は大丈夫ですか?」

 優しく身体を気遣われる。彼も行為を行う為に来たのかもしれない。ただ、少しの労りが嬉しく感じ、涙が溢れ出る。

「…っ…。 大丈夫…です…。 ぅ…うぅ…。」

 涙が止まらず、手で顔を隠す様に泣き続ける。
ルイズがこちらに歩み寄り、ベットへ腰掛けると、ミカエラを抱きしめ、頭を撫でてくれる。

 ミカエラは少し声を押し殺しながら、ルイズの胸を借り、ひたすら泣き続けた。
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