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第一王子アルフリート
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第一王子アルフリート様との婚約が成立したのは私たちが5歳になった頃の事です。
アルフリート様は第一子ではありましたが、王妃様は男爵家のご出身でした。
そして第二妃レティシア様は公爵家の出で本来なら王妃になられる筈のお方でした。
レティシア様には陛下との間に第二子であり3歳になるディーン様がいらっしゃいました。齢3歳で神童、との呼び声が高く、加えてレティシア様自らが教師の選定及び王子教育のカリキュラムを組んでいたそうです。
対して、王妃様の方針で割と自由に育てられたアルフリート様は、王妃様似の可愛いらしい容姿で天真爛漫を絵に描いたようなお方で、王子教育はまだ始まっていなかったそうです。
対照的なお2人のご様子に『次期国王に相応しいのはディーン様だ。』『有力な後ろ盾もあり何より才もある。』などという声が宮廷内で囁かれるようになったそうです。
そこで焦った王妃様が国王様に強請って王命で婚約者となったのが私でした。そしてシルフィード公爵家がアルフリート様の後ろ盾になった、という経緯があったのです。
当時5歳だったアルフリート様は顎のラインで髪を切り揃え女の子の様に可愛らしい顔立ちでした。
最初は女の子だと勘違いしていたほどで、私の婚約者と紹介されても可愛いらしい妹が出来た気分になってお姉さん風を吹かしてお世話をせっせとしていたものです。
婚約してからは王子妃教育で王宮に登城する傍ら、アルフリート様やギルバート様たちと遊ぶ事が日課の様になっていました。
アルフリート様にも王子教育がありましたが、アルフリート様を溺愛する王妃様と国王様は王子教育を無理強いする事なく本人の意思に任せる、といった割と放任主義的なところがありました。
そうなると、、、、ねっ?分かりますでしょう?
容姿は金髪碧眼の完璧な王子様でしたが、勉学も王族としての立ち居振る舞いも、、、、ねぇ。
ぶっちゃけ、残念王子が出来上がったのですわ!
それでも良い所もありましたのよ?
明るく朗らかで両親に溺愛されて育ったからか、誰を妬む事もなく人を疑う事もなく下々の者にも気さくに話しかけられて一緒に行動し、、、、そりゃあもう、幾つになっても天真爛漫なお方なのです。
まぁ、そういうお方ですからね。・・・人の話も簡単に鵜呑みにしてしまわれるのです。その人の言葉通りに話を受け取るのです。なんの疑いも持たずに。
アルフリート様の良い面も悪い面も幼馴染としては許容範囲だったと思う。
『もうっ、アルフリートったらもう少しよく考えて行動しなよ。』
『そうか?これでもよく考えたんだぞ。』
なぁんて、ただの幼馴染ならそんな風にお互い軽口を叩きながら言い合える、そんな関係だった事でしょう。
しかし、現実は私たちは婚約者同士です。将来はこの国の国王と王妃、という立場に立って民を導いていかなければいけない存在だったのです。
甘い言葉ばかりを吐く訳にもいきません。王子教育が滞っているのならば、同じく王子妃教育に励んでいる者としてキツく言葉を掛ける事もありました。
昨年から始まった王子としての執務も一緒に手伝いながら間違っている事は指摘し、仕事を疎かにしようとしたならば苦言も呈しました。
そうして気がつけば、私はすっかりアルフリート様から嫌われてしまったようでした。彼は執務もすっぽかして私に任せっきりにもなりました。
ちゃんと飴と鞭を使い分けていたつもりなんだけどなぁ。
褒める時は大袈裟と思えるほどだったし指摘や苦言もそれはそれは何重にもオブラートに包んで言っていたのになぁ。
まさか、卒業パーティーで『婚約破棄』を宣言しちゃうほどのお馬鹿さんだったなんて。
・・・・・親の遺伝子強すぎるっ!
アルフリート様は第一子ではありましたが、王妃様は男爵家のご出身でした。
そして第二妃レティシア様は公爵家の出で本来なら王妃になられる筈のお方でした。
レティシア様には陛下との間に第二子であり3歳になるディーン様がいらっしゃいました。齢3歳で神童、との呼び声が高く、加えてレティシア様自らが教師の選定及び王子教育のカリキュラムを組んでいたそうです。
対して、王妃様の方針で割と自由に育てられたアルフリート様は、王妃様似の可愛いらしい容姿で天真爛漫を絵に描いたようなお方で、王子教育はまだ始まっていなかったそうです。
対照的なお2人のご様子に『次期国王に相応しいのはディーン様だ。』『有力な後ろ盾もあり何より才もある。』などという声が宮廷内で囁かれるようになったそうです。
そこで焦った王妃様が国王様に強請って王命で婚約者となったのが私でした。そしてシルフィード公爵家がアルフリート様の後ろ盾になった、という経緯があったのです。
当時5歳だったアルフリート様は顎のラインで髪を切り揃え女の子の様に可愛らしい顔立ちでした。
最初は女の子だと勘違いしていたほどで、私の婚約者と紹介されても可愛いらしい妹が出来た気分になってお姉さん風を吹かしてお世話をせっせとしていたものです。
婚約してからは王子妃教育で王宮に登城する傍ら、アルフリート様やギルバート様たちと遊ぶ事が日課の様になっていました。
アルフリート様にも王子教育がありましたが、アルフリート様を溺愛する王妃様と国王様は王子教育を無理強いする事なく本人の意思に任せる、といった割と放任主義的なところがありました。
そうなると、、、、ねっ?分かりますでしょう?
容姿は金髪碧眼の完璧な王子様でしたが、勉学も王族としての立ち居振る舞いも、、、、ねぇ。
ぶっちゃけ、残念王子が出来上がったのですわ!
それでも良い所もありましたのよ?
明るく朗らかで両親に溺愛されて育ったからか、誰を妬む事もなく人を疑う事もなく下々の者にも気さくに話しかけられて一緒に行動し、、、、そりゃあもう、幾つになっても天真爛漫なお方なのです。
まぁ、そういうお方ですからね。・・・人の話も簡単に鵜呑みにしてしまわれるのです。その人の言葉通りに話を受け取るのです。なんの疑いも持たずに。
アルフリート様の良い面も悪い面も幼馴染としては許容範囲だったと思う。
『もうっ、アルフリートったらもう少しよく考えて行動しなよ。』
『そうか?これでもよく考えたんだぞ。』
なぁんて、ただの幼馴染ならそんな風にお互い軽口を叩きながら言い合える、そんな関係だった事でしょう。
しかし、現実は私たちは婚約者同士です。将来はこの国の国王と王妃、という立場に立って民を導いていかなければいけない存在だったのです。
甘い言葉ばかりを吐く訳にもいきません。王子教育が滞っているのならば、同じく王子妃教育に励んでいる者としてキツく言葉を掛ける事もありました。
昨年から始まった王子としての執務も一緒に手伝いながら間違っている事は指摘し、仕事を疎かにしようとしたならば苦言も呈しました。
そうして気がつけば、私はすっかりアルフリート様から嫌われてしまったようでした。彼は執務もすっぽかして私に任せっきりにもなりました。
ちゃんと飴と鞭を使い分けていたつもりなんだけどなぁ。
褒める時は大袈裟と思えるほどだったし指摘や苦言もそれはそれは何重にもオブラートに包んで言っていたのになぁ。
まさか、卒業パーティーで『婚約破棄』を宣言しちゃうほどのお馬鹿さんだったなんて。
・・・・・親の遺伝子強すぎるっ!
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