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『婚約破棄』、その時会場は・・・。
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卒業パーティーの会場には当然のように卒業生もその保護者も居る。
そしてなんと壇上には既に国王陛下と王妃様も会場を見渡せる中央に設けられた椅子に座っています。国王陛下の席の隣に立つのは私のお父様です。今日は保護者ではなく宰相の立場としてこの場にいるのです。
そんな一同が揃っている場で、パーティーが開始される直前にアルフリート様は私に向かって『婚約破棄』を宣言してしまった。
会場中が私たちに注目している中、私は壇上に居る国王陛下たちに視線を移した。
国王陛下は、、、私と目が合うと気まずそうにそっと視線を逸らされた。
まぁ、そうだよねぇ。
王妃様は、、、えっ?どうして目をキラキラさせてアルフリート様を見ているの?
この状況を喜んでいるの?
なんか『ウチの子ったら大きくなって~』みたいな子どもの成長を喜ぶ目線でアルフリート様を見つめているんですけど!?
えぇ~?この騒動に対して感じる事はそれだけなの!?
まさか王妃様の中では懐かしい良い思い出みたいな感じになっているの?
会場の雰囲気を察したのか、国王陛下が隣に立つお父様に縋るような視線を向け始めているわ。
・・・お父様、スーパーアルカイックスマイルをアルフリート様に向けているわ。
絶対、国王陛下の視線にも気づいている筈なのにガン無視ね。
あ、私の視線にお父様は気づいて下さった!
お願いっ、お父様!助けて!
目でお願いすると穏やかな笑顔に戻ってゆっくりと頷いてくれた。
良かった!これでこの場は収まるわ!
と思ったのに、アルフリート様の方に顔を向けたかと思ったら、顎をクイっと動かして右手をちょっと上げてグッジョブ!のポーズ。
ぐっじょぶ?
と思った瞬間、親指を下に向ける様に手を動かした。
やれっ!?
、、、、まさか!やっちまえっ!
って事ですか!?お父様?
・・・キレてる。完っ全に切れてたわ、お父様。
た、確かにそうよね。一人娘が公衆の面前で婚約破棄をされるだなんて、、、よね?
保護者の皆さんはチラチラと壇上を見ているし。20年振りくらいの出来事よね、コレって。
あーっ、帰りたい。家に帰って湯浴みしながら今日の事を忘れてしまいたい!本当、無かった事にしたいわぁ~。
あらっ?いつの間にか学園長に理事長、そして教師の方々が私とアルフリート様たちを囲むようにして出来ている輪の最前列にいるんですけど?
もしかして私たちの言動を聞き逃さないようにする為なのっ?学年主任の先生が何かメモを取っていますもの。
もうコレ、無かった事には出来ない感じ?王子でも容赦無しって事よね?
私は俯きながら小さくため息を吐くともう一度周囲を見渡した。
男子生徒たちは私の視線がそちらに向くとさっと視線を逸らす方、我関せずの表情の方、そして何故かニヤニヤとしている方たちもいらっしゃいますわね?
面白い見せ物、とでも思っているんじゃない?
女子生徒は『気の毒に』の表情をされている方が多いわね。
それから私の友人たちは、、、何故、目を輝かせてファイティングポーズや拳を振り上げているの?嬉しそうに口をパクパクしているわ。
『や・っ・ち・ま・え』、ですか?
・・・・・・私、家族や友人たちにアルフリート様の事でそんなにストレスを抱えさせていたのかしら?
皆さんが心配するから、と愚痴は言わないように心掛けていましたのに。
アルフリート様の事は異性として愛してはいなかったけれど、それなりに情はあったのよ?幼馴染として、婚約者として13年も一緒に過ごしてきたのですもの。
けれどまさか公衆の面前でこの様な仕打ちをするとは・・・。
あ~、少しでも早くこの場を立ち去りたいのにぃ。
もう、本当に気持ちは『勘弁して頂戴!』ですけど仕方がありませんわね。私も覚悟を決めなければなりません。
私は顔を上げてこの騒動のを収めるべくアルフリート様たちにしっかりと向き直った。
それにしても、、、。
こんな古くさくて時代遅れの婚約破棄宣言を卒業パーティーで行うなんて、どうして考えついたのかしら?
そしてなんと壇上には既に国王陛下と王妃様も会場を見渡せる中央に設けられた椅子に座っています。国王陛下の席の隣に立つのは私のお父様です。今日は保護者ではなく宰相の立場としてこの場にいるのです。
そんな一同が揃っている場で、パーティーが開始される直前にアルフリート様は私に向かって『婚約破棄』を宣言してしまった。
会場中が私たちに注目している中、私は壇上に居る国王陛下たちに視線を移した。
国王陛下は、、、私と目が合うと気まずそうにそっと視線を逸らされた。
まぁ、そうだよねぇ。
王妃様は、、、えっ?どうして目をキラキラさせてアルフリート様を見ているの?
この状況を喜んでいるの?
なんか『ウチの子ったら大きくなって~』みたいな子どもの成長を喜ぶ目線でアルフリート様を見つめているんですけど!?
えぇ~?この騒動に対して感じる事はそれだけなの!?
まさか王妃様の中では懐かしい良い思い出みたいな感じになっているの?
会場の雰囲気を察したのか、国王陛下が隣に立つお父様に縋るような視線を向け始めているわ。
・・・お父様、スーパーアルカイックスマイルをアルフリート様に向けているわ。
絶対、国王陛下の視線にも気づいている筈なのにガン無視ね。
あ、私の視線にお父様は気づいて下さった!
お願いっ、お父様!助けて!
目でお願いすると穏やかな笑顔に戻ってゆっくりと頷いてくれた。
良かった!これでこの場は収まるわ!
と思ったのに、アルフリート様の方に顔を向けたかと思ったら、顎をクイっと動かして右手をちょっと上げてグッジョブ!のポーズ。
ぐっじょぶ?
と思った瞬間、親指を下に向ける様に手を動かした。
やれっ!?
、、、、まさか!やっちまえっ!
って事ですか!?お父様?
・・・キレてる。完っ全に切れてたわ、お父様。
た、確かにそうよね。一人娘が公衆の面前で婚約破棄をされるだなんて、、、よね?
保護者の皆さんはチラチラと壇上を見ているし。20年振りくらいの出来事よね、コレって。
あーっ、帰りたい。家に帰って湯浴みしながら今日の事を忘れてしまいたい!本当、無かった事にしたいわぁ~。
あらっ?いつの間にか学園長に理事長、そして教師の方々が私とアルフリート様たちを囲むようにして出来ている輪の最前列にいるんですけど?
もしかして私たちの言動を聞き逃さないようにする為なのっ?学年主任の先生が何かメモを取っていますもの。
もうコレ、無かった事には出来ない感じ?王子でも容赦無しって事よね?
私は俯きながら小さくため息を吐くともう一度周囲を見渡した。
男子生徒たちは私の視線がそちらに向くとさっと視線を逸らす方、我関せずの表情の方、そして何故かニヤニヤとしている方たちもいらっしゃいますわね?
面白い見せ物、とでも思っているんじゃない?
女子生徒は『気の毒に』の表情をされている方が多いわね。
それから私の友人たちは、、、何故、目を輝かせてファイティングポーズや拳を振り上げているの?嬉しそうに口をパクパクしているわ。
『や・っ・ち・ま・え』、ですか?
・・・・・・私、家族や友人たちにアルフリート様の事でそんなにストレスを抱えさせていたのかしら?
皆さんが心配するから、と愚痴は言わないように心掛けていましたのに。
アルフリート様の事は異性として愛してはいなかったけれど、それなりに情はあったのよ?幼馴染として、婚約者として13年も一緒に過ごしてきたのですもの。
けれどまさか公衆の面前でこの様な仕打ちをするとは・・・。
あ~、少しでも早くこの場を立ち去りたいのにぃ。
もう、本当に気持ちは『勘弁して頂戴!』ですけど仕方がありませんわね。私も覚悟を決めなければなりません。
私は顔を上げてこの騒動のを収めるべくアルフリート様たちにしっかりと向き直った。
それにしても、、、。
こんな古くさくて時代遅れの婚約破棄宣言を卒業パーティーで行うなんて、どうして考えついたのかしら?
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