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宮廷パーティーにて
処女妻は令嬢のまま(5)
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かなり後になって私はこの日は自分の計画を遂行するための予算獲得のためだったと知った。それで最初に人形化した自分の妻を披露してから、秘密兵器を高級軍人たちに紹介したわけだ。でも、そのときはそんなことは知らなかった。用が済めばさっさと返されてしまった。このとき知らなかったが扶桑帝国はもはや戦況を挽回できない切羽詰まった事態に陥っていた。せめて有利な和睦を狙って最後の攻勢に出ようとしていた。
パーティーの帰途についた私は悲しくなっていた。いくら約束とはいえ妻となっても一切妻らしいことはすることもされることもないのが悲しかった。これでは令嬢のまま? しかし実際はメイドとして働かされているし、令嬢といえば勉強させてもらえることだ。一体哲彦は何を考えているのだろう?
そう思っていると、突然送迎車が止まった。運転席から「エンスト! まずいぞ!」という大声が聞こえた。運転手は外に出ないでくださいという怒鳴り声が聞こえた。それで窓にかけられていたカーテンをめぐってみると恐ろしい光景があった。送迎車は民衆に取り込まれており、警備の兵士と衝突していた。いったいどうなっているの?
「申し訳ございません。急いで脱出してください! 少し先に警備車両がありますから。お守りしますから」
警備兵にそう言われ脱出した瞬間、さっきまで乗っていた車はひっくり返され炎上していた。それをしたのは民衆であったが、警備兵から容赦ない射撃が加えられていた。この国はどうなっているのよ!
パーティーの帰途についた私は悲しくなっていた。いくら約束とはいえ妻となっても一切妻らしいことはすることもされることもないのが悲しかった。これでは令嬢のまま? しかし実際はメイドとして働かされているし、令嬢といえば勉強させてもらえることだ。一体哲彦は何を考えているのだろう?
そう思っていると、突然送迎車が止まった。運転席から「エンスト! まずいぞ!」という大声が聞こえた。運転手は外に出ないでくださいという怒鳴り声が聞こえた。それで窓にかけられていたカーテンをめぐってみると恐ろしい光景があった。送迎車は民衆に取り込まれており、警備の兵士と衝突していた。いったいどうなっているの?
「申し訳ございません。急いで脱出してください! 少し先に警備車両がありますから。お守りしますから」
警備兵にそう言われ脱出した瞬間、さっきまで乗っていた車はひっくり返され炎上していた。それをしたのは民衆であったが、警備兵から容赦ない射撃が加えられていた。この国はどうなっているのよ!
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