あの夏自称遊星からの侵略者と出会いました

ジャン・幸田

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あの夏の日へ

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 タクシーは駅前を出発した。駅の周囲は比較的高層の建物があったが、十五分もはしると段々暗くなっていき住宅地を縫うように走った。そして三十分もすると暗い山道をクネクネ走るようになっていた。

 「お客さん、あと一時間ぐらいかかります。途中でトイレや買い物をされるのでしたら次の道の駅のコンビニしかありませんよ」

 運転手に勧められた道の駅に停車した。でも、運転手は急いでトイレに駆け込んでいったので、本当は自分の方が行きたかったようだ。千佳と智子は道の駅の片隅にあるコンビニに入った。そのコンビニは日本各地にどこにでも出店しているようなところであったが、千佳には違う国のように思えた。それにしても、なぜ夜遅くなるのにこんな山の中に連れて来たのか不思議であった。すると智子は話し出した。

 「ねえ、千佳ちゃん。あなたと旅にでるのも初めてだね。しかも、こんな遠くにびっくりさせたわね」

 千佳はなんて答えればいいのか困惑した。なにが言いたいのか見当もつかなかったから。でも、解決しなくてはいけないと考えた千佳はこう切り返した。

 「ねえ、ママ。これから行くところに何があるというのよ? 教えてよ!」

 智子は一瞬ニヤリとした。

 「これから行くところ? わたしの過去とあなたとの未来があるのよ。もう、寂しい思いもしないで幸せになれるわよ!」

 それは何を意味するのか、その時の千佳にはわからなかった。

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