やっと出来た彼氏がゼンタイフェチだったので私もゼンタイフェチになることにした。

ジャン・幸田

文字の大きさ
16 / 57
3.フェチなるものとは

15.月曜日.1

しおりを挟む
 ゼンタイフェチになろうと決心したものの、その週末は彰に用事があって会う事は叶わず、月曜になってしまった。週末になれば彰とデート出来ると思うと気分は晴れやかだけど、まだ五日も働かないといけないと思うと気が重くなってしまう私だった。

 私が働いているのは派遣会社に紹介してもらった通信販売会社の発送業務を行う部署だった。ここは客からの注文から送り状や商品の確認などを行い、全国に発送するところだった。だから、注文が殺到している場合には地獄のように忙しくなるところであった。

 ただ繁忙期と閑散期の差が激しいので、今の時期は極通常の仕事量しかなかった。だから、その日などは昼食を食堂に置かれたテレビをゆっくり見る事が出来た。

 私は一人で前の日にスーパーで半額で買ってきた割引弁当を食べていた。本当なら安い食材をかき集めて弁当を作るところだけど、ゼンタイについての情報を集めようとして、間に合わなくなったので、弁当を買ってきたのだ。

 「あら、安倉さん。珍しいわねいつもの可愛らしい弁当箱じゃないわね」

 私に近づいてきたのは、同僚の梅津ミチルで私よりも花のなさそうな雰囲気なのに何故かいつも昼になると寄ってくる女だった。

 まあ、昼は暇だしたまに飴玉などを貰えるからいいけど、正直なところどちらでもいいような女だった。

 「そうなのよ、手を抜いたわ今日は」

 「へえ。まあ、わたしもよ!」

 そういってミチルは私よりかは幾分値が張る(半額の)スーパーの弁当を出してきた。それにしても、彼女の良い点は綺麗な黒く長い髪ぐらいだった。ショートカットの私からすれば、それだけぐらいだった私よりよさそうなのは。

 テレビでは昼のワイドショーが流れていたが、何気なく聞いていたら「フェチ」という言葉が流れてきたので私はドッキとした。それは女物の靴ばかり盗んでいた泥棒が検挙されたという話題で、画面を見ると警察署のどこかに並べられた女物の靴が映っていた。

 その泥棒は女の足の匂いを嗅ぐのがたまらなく好きだという性癖を持っていて、自分で”靴フェチ”などとのたまわっていたということだった。
 その時、コメンテイターの一人が発していたのが「フェチ」だった。その人が次のような発言をしていた。

 「フェチも一人で楽しんだり、仲間で楽しんだりする分には問題ないですが、こんなふうに人のモノを盗むまでエスカレートするんなら、別のフェチでもなればいいじゃないか」

 そのコメンテイターの言葉に対し他の出演者が反論し始めたが、その中の一人が何故か「ゼンタイフェチ」という言葉を発したのだ。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

処理中です...