やっと出来た彼氏がゼンタイフェチだったので私もゼンタイフェチになることにした。

ジャン・幸田

文字の大きさ
45 / 57
6.金色夜会

ふたりで圧縮されて

しおりを挟む
 バキュームベットについて簡単に説明してくれた。なんと布団圧縮袋を改造したものだという事だった。本当は圧縮袋はゴムのように強い素材を使ったりするものがあるということだけど、それでは手軽に持ち運び出来ないので簡易版として作ったそうだ。

 私と一緒にはいるのはもちろんアチャさんだった! 彼はもうスタンバイしていたけど、一緒に男の人と入るなんて普段の私なら絶対出来そうもなかったけど、半分寝ぼけていたのか引き受けてしまった。

 アチャさんと抱き合った姿勢で入った私は何となく相手の鼓動と呼吸音が伝わってきた。そのシグナルは目の前の唐草模様の人の形をした何かの内臓が確かに人間であるのを証明していた。

 圧縮用のポンプ、実は掃除機を改造したものによって圧縮袋のなかの空気が抜かれ始めた。空気が抜けていくたびに身体に圧縮袋が張り付いてゆき、ついに空気が抜けてしまった!

 ポンプが止められると残った僅かな空気を二人で吸っていたので、私は少しずつ苦しくなっていったけど、その分アチャさんの身体から伝わる何かに私の心の中で何かが訴えているようだった。このままずっといたいというような。

 だんだん苦しくなってきたのを察知したのか、圧縮袋が解放され私たちは外に飛び出した。ほんの数分の出来事だったけど、こんなふうに二人同じ狭い空間にいられて嬉しかった気がした。

 それから、その圧縮袋はいろんな人たちが試していったので、いろんな人が圧縮されていった。その中には私たちのように様々なコスプレをしたカップルも何組かがいて、その人たちを圧縮する手伝いをしたり見学したりしていた。

 そんなこんなをしていたら、次第に人が少なくなっていくのに気付いた。ステージの出し物のプログラムが終わりに近づいて、帰宅し始めたのだ。どうやら始発電車が動き始めたのに合わせてのようだった。そう夜明けが近づいていたのだ。

 さすがにこの時間になるとイビキをかいて眠っている人もいたけど、着ぐるみ美少女の姿のまま眠っている人もいた。この魔法をかけられた世界ももうすぐ終わろうとしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...