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幕間 経験値が美味しい最終決戦という名のゴリラガンターたちの無双話
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イベントクエスト【黄昏の大侵攻軍】。
クリア後、このイベントをリプレイするもの達は多かった。
経験値が美味しかったからだ。
その中にシャーロットの姿もあった。
途中途中で休憩を挟みつつ、シャーロットもクエストのリプレイを続けていたのだ。
ある程度経験値を稼いでおいて、今のレベルの上限まで上げておき、上限にまでいったら、それ以降の経験値は貯めておけると聞いたからだ。
貯めた経験値は、転職後やレベルの上限解放後に消費されまた一気にレベルを上げることができるらしい。
いわば、レベルの貯金だった。
「やったー!!探偵のレベル60までの分たまった!!」
経験値はステータス画面で確認できる。
また各種職業のレベルに必要な経験値も攻略サイトで確認できる。
シャーロットはこれらを確認した上で、経験値をためていたのだ。
「剣士の方も、上限まで行った!」
「お、よかったな、おめでと」
そう言ってきたのは、おっさん声の幼女――ウォーレンだ。
「じゃあ、転職してくるか?」
確認するように聞いてきたのは、黒髪美少女アバターを使っている漆黒の堕天使――クロである。
「そうだなぁ」
シャーロットは貯まっている経験値を見た。
そして、計算する。
剣士から神官に転職した後、神官のレベルがどこまで一気に上がるのか確認する。
「んー、もうちょっと経験値ためたいなぁ。
一気に60まではいかないみたいだし。
いまのままだと、転職するとレベル15くらいまでは行くけど」
「充分じゃん」
ウォーレンが返し、続けた。
「神官系のクエストはホラー系も多いから、それらを受けてのんびり上げていけばいい」
「うぅ、あの最初に見つけたクエストまではまだまだ遠いなぁ」
シャーロットがこのゲームを続けている理由の一つ。
一番初めに見つけた、イースターエッグ。
それをプレイする条件を満たすには、まだ時間がかかるようだ。
そんな会話を聞いていた、ガンターの一人が声を掛けてきた。
「シャーロットって、ホラー系好きなんだ?」
「え、あ、はい」
「……時々、あんたの実況掲示板見てたんだけど、古典文学も好きだったよな?」
「そうですね」
とくに嘘をつく理由も誤魔化す理由もないので、シャーロットは素直に頷いた。
「なら雨月物語とか好きだったりするか?」
「!!!!」
シャーロットの顔色が変わった。
まさかこんなところで、【雨月物語】のタイトルを聞くことになるとは思ってなかったのだ。
「あとは、小泉八雲の作品とか」
「好きです!!」
間髪入れず、シャーロットは返した。
「お、おぅ、そうか。
食いつきスゲェな……。
神官に転職したら、それらをモチーフにしたクエスト受けられるぞ。
それこそ、わりと低いレベルから受けられるから、のんびり進めるには丁度いいと思う」
そんな話を聞いては、じっとしていられないではないか。
「転職してくる!!」
シャーロットの決断は早かった。
早速、通常フィールドに戻ろうとしたのだが、ここで事態が急変した。
女神がまた現れたのだ。
そして、
「魔王軍が攻めてきます!!」
焦った声でガンター達にそう告げたのである。
続いて、運営からメッセージが届いた。
【この度は黄昏の大侵攻軍をプレイいただきありがとうございました。
さて、これがイベント最後のクエストとなります。
皆さんで力を合わせ、魔王軍を撃退してください】
そして、続いた説明にガンター達の目の色が変わったのである。
経験値十倍のボーナスクエストであること。
魔王軍から指定の場所を守りきれば、さらに二十倍の経験値が別で付与されることが記載してあった。
完全に狩る者の目となったガンター達は、暴れ狂うゴリラと化しその戦場へと降り立ったのである。
指定された場所は、クラン対抗戦の会場であるコロシアムがあるフィールドだった。
そしてどっちが魔族だかわからない乱戦が幕を開けたのであった。
クリア後、このイベントをリプレイするもの達は多かった。
経験値が美味しかったからだ。
その中にシャーロットの姿もあった。
途中途中で休憩を挟みつつ、シャーロットもクエストのリプレイを続けていたのだ。
ある程度経験値を稼いでおいて、今のレベルの上限まで上げておき、上限にまでいったら、それ以降の経験値は貯めておけると聞いたからだ。
貯めた経験値は、転職後やレベルの上限解放後に消費されまた一気にレベルを上げることができるらしい。
いわば、レベルの貯金だった。
「やったー!!探偵のレベル60までの分たまった!!」
経験値はステータス画面で確認できる。
また各種職業のレベルに必要な経験値も攻略サイトで確認できる。
シャーロットはこれらを確認した上で、経験値をためていたのだ。
「剣士の方も、上限まで行った!」
「お、よかったな、おめでと」
そう言ってきたのは、おっさん声の幼女――ウォーレンだ。
「じゃあ、転職してくるか?」
確認するように聞いてきたのは、黒髪美少女アバターを使っている漆黒の堕天使――クロである。
「そうだなぁ」
シャーロットは貯まっている経験値を見た。
そして、計算する。
剣士から神官に転職した後、神官のレベルがどこまで一気に上がるのか確認する。
「んー、もうちょっと経験値ためたいなぁ。
一気に60まではいかないみたいだし。
いまのままだと、転職するとレベル15くらいまでは行くけど」
「充分じゃん」
ウォーレンが返し、続けた。
「神官系のクエストはホラー系も多いから、それらを受けてのんびり上げていけばいい」
「うぅ、あの最初に見つけたクエストまではまだまだ遠いなぁ」
シャーロットがこのゲームを続けている理由の一つ。
一番初めに見つけた、イースターエッグ。
それをプレイする条件を満たすには、まだ時間がかかるようだ。
そんな会話を聞いていた、ガンターの一人が声を掛けてきた。
「シャーロットって、ホラー系好きなんだ?」
「え、あ、はい」
「……時々、あんたの実況掲示板見てたんだけど、古典文学も好きだったよな?」
「そうですね」
とくに嘘をつく理由も誤魔化す理由もないので、シャーロットは素直に頷いた。
「なら雨月物語とか好きだったりするか?」
「!!!!」
シャーロットの顔色が変わった。
まさかこんなところで、【雨月物語】のタイトルを聞くことになるとは思ってなかったのだ。
「あとは、小泉八雲の作品とか」
「好きです!!」
間髪入れず、シャーロットは返した。
「お、おぅ、そうか。
食いつきスゲェな……。
神官に転職したら、それらをモチーフにしたクエスト受けられるぞ。
それこそ、わりと低いレベルから受けられるから、のんびり進めるには丁度いいと思う」
そんな話を聞いては、じっとしていられないではないか。
「転職してくる!!」
シャーロットの決断は早かった。
早速、通常フィールドに戻ろうとしたのだが、ここで事態が急変した。
女神がまた現れたのだ。
そして、
「魔王軍が攻めてきます!!」
焦った声でガンター達にそう告げたのである。
続いて、運営からメッセージが届いた。
【この度は黄昏の大侵攻軍をプレイいただきありがとうございました。
さて、これがイベント最後のクエストとなります。
皆さんで力を合わせ、魔王軍を撃退してください】
そして、続いた説明にガンター達の目の色が変わったのである。
経験値十倍のボーナスクエストであること。
魔王軍から指定の場所を守りきれば、さらに二十倍の経験値が別で付与されることが記載してあった。
完全に狩る者の目となったガンター達は、暴れ狂うゴリラと化しその戦場へと降り立ったのである。
指定された場所は、クラン対抗戦の会場であるコロシアムがあるフィールドだった。
そしてどっちが魔族だかわからない乱戦が幕を開けたのであった。
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