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8章 神と巫女
直接会いたい政治家とだいたい同じ理由
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樹神さんが頬を搔く。
「何が危ないんや? そのホワイトリスト方式ってのやれば済む話やないの?」
ポンポコリンが首を振る。
「身元がちゃんとわからないとホワイトリスト方式は難しいのです。チケットという形でお客さんを入れたとして、そのお客さんでホワイトリストを作ります。でもそのお客さんがチケットを買った人だって確認が取れたとしても、それが危なくない人かどうかまではわからないんですぅ」
「んならブラックリスト方式ってのはムズいんか?」
「この里に侵入された実績があるので、力を隠すことで入り込めるのは実証済みだから難しいと思いますぅ」
「あー面倒やなぁ」
俺はポンポコリンに訊いた。
「ならそもそも観客を入れないで配信のみという形じゃ駄目なのか? 信仰を集めるって目的ならそれでも問題はないはずだろう」
「一応集められはするけど純度が落ちるかなぁ」
「純度ってなんだ」
「専門家じゃないなら信仰の多さって覚えていてくれればいいかなぁ。距離とか遠かったり、何かを介すと信仰が届くまでに目減りするんですぅ。神社とかにお参りすると神様に信仰を届けられるけど信仰は届くまでに目減りするイメージかなぁ。その分遠くまで信仰を集められる利点はあるのですがぁ」
「あーつまり配信だと直接顔を突き合わせない分、効率が落ちるってことか」
そう言ってから疑問を持つ。
「そもそも電脳世界で顔を突き合わせたとしてもそれは素顔じゃないから今更じゃないか?」
「えーっとですねぇ、電脳世界での距離感については研究が進んでいないので正直手探りな部分ばかりなんですがぁ、妹さんの体が現実にないことから同じ空間にいることが距離が近いと認識してると思われますぅ」
「推論だろう?」
「一応、証拠もありますぅ!」
そういって自身の携帯を机に置き、動画を再生した。
その動画はブルースフィアで妹と汐見がコラボした際のものであった。エネミーが現れたというアナウンスが流れ、街中がログアウトできないと騒ぎ出した時のこと。俺が街の外に出ようとした時、妹に腕を掴まれ、俺と妹が揉めていることに気付いたアンチが妹と同調して俺を責め立てる。
そこでポンポコリンは動画を止めた。
「ここなんですがぁ、コラボで集めた信仰を無意識のうちに使ってるみたいに見えますぅ」
たしかにあの時の怒号の嵐は酷いなんてものではなかった。いくら集団心理が働いたといえど、アクセルの踏み込み具合が異常であったといえる。
それを妹の才能だと感じていたが、無意識のうちに信仰を行使したと考えれば納得がいく。才能の塊だとしても、人心を掴む術を知り尽くした汐見に比べれば実力的に劣る妹ができるものではない。
「……信仰を集めるって話とずれちゃうんですがぁ、気になる点が一つだけあるんですぅ」
ポンポコリンはアンジェラが現れたところで動画を止め、妹が俺の腕を掴んだところまで戻す。
「……この力って、本当に電脳世界の神様になるための力なんですか?」
この時の妹が成したのは人心を同調させ、煽るもの。
それは控えめに言って扇動という表現が正しいものであった。
「何が危ないんや? そのホワイトリスト方式ってのやれば済む話やないの?」
ポンポコリンが首を振る。
「身元がちゃんとわからないとホワイトリスト方式は難しいのです。チケットという形でお客さんを入れたとして、そのお客さんでホワイトリストを作ります。でもそのお客さんがチケットを買った人だって確認が取れたとしても、それが危なくない人かどうかまではわからないんですぅ」
「んならブラックリスト方式ってのはムズいんか?」
「この里に侵入された実績があるので、力を隠すことで入り込めるのは実証済みだから難しいと思いますぅ」
「あー面倒やなぁ」
俺はポンポコリンに訊いた。
「ならそもそも観客を入れないで配信のみという形じゃ駄目なのか? 信仰を集めるって目的ならそれでも問題はないはずだろう」
「一応集められはするけど純度が落ちるかなぁ」
「純度ってなんだ」
「専門家じゃないなら信仰の多さって覚えていてくれればいいかなぁ。距離とか遠かったり、何かを介すと信仰が届くまでに目減りするんですぅ。神社とかにお参りすると神様に信仰を届けられるけど信仰は届くまでに目減りするイメージかなぁ。その分遠くまで信仰を集められる利点はあるのですがぁ」
「あーつまり配信だと直接顔を突き合わせない分、効率が落ちるってことか」
そう言ってから疑問を持つ。
「そもそも電脳世界で顔を突き合わせたとしてもそれは素顔じゃないから今更じゃないか?」
「えーっとですねぇ、電脳世界での距離感については研究が進んでいないので正直手探りな部分ばかりなんですがぁ、妹さんの体が現実にないことから同じ空間にいることが距離が近いと認識してると思われますぅ」
「推論だろう?」
「一応、証拠もありますぅ!」
そういって自身の携帯を机に置き、動画を再生した。
その動画はブルースフィアで妹と汐見がコラボした際のものであった。エネミーが現れたというアナウンスが流れ、街中がログアウトできないと騒ぎ出した時のこと。俺が街の外に出ようとした時、妹に腕を掴まれ、俺と妹が揉めていることに気付いたアンチが妹と同調して俺を責め立てる。
そこでポンポコリンは動画を止めた。
「ここなんですがぁ、コラボで集めた信仰を無意識のうちに使ってるみたいに見えますぅ」
たしかにあの時の怒号の嵐は酷いなんてものではなかった。いくら集団心理が働いたといえど、アクセルの踏み込み具合が異常であったといえる。
それを妹の才能だと感じていたが、無意識のうちに信仰を行使したと考えれば納得がいく。才能の塊だとしても、人心を掴む術を知り尽くした汐見に比べれば実力的に劣る妹ができるものではない。
「……信仰を集めるって話とずれちゃうんですがぁ、気になる点が一つだけあるんですぅ」
ポンポコリンはアンジェラが現れたところで動画を止め、妹が俺の腕を掴んだところまで戻す。
「……この力って、本当に電脳世界の神様になるための力なんですか?」
この時の妹が成したのは人心を同調させ、煽るもの。
それは控えめに言って扇動という表現が正しいものであった。
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