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しおりを挟む「加賀さん!」
「引っ越し祝いに来た」
巴はスリッパに履き替えると、手にした寿司桶を掲げて見せた。
「引っ越しは、お蕎麦じゃないんですか?」
「そうとも言う」
だが、広げられた握りの数々に、蓮は目を輝かせた。
「すごい! お寿司、きれい!」
「気に入ってくれたか」
蓮はキッチンで湯を沸かし、お茶の準備をしながら巴に頭を下げた。
「マンション、ありがとうございます。それから、服も」
「気づいてくれたのか」
「こんなに良くしていただいて。僕なんかに……」
それはいけない、と巴は手を振った。
「君の、良くない癖だ。もう『僕なんか』と言うのは止した方がいい」
「でも」
「篠原くん」
そこで巴は、熱い視線を蓮に送って来た。
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