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 ベッドの上では、稀一も素肌を晒した。
 ぴったりと抱き合い、肌を擦り合わせた。
「蒼生は、とても温かいな」
「これが人肌だよ。稀一さん」

 とても素敵だ、と稀一は子どものようにはしゃいで、蒼生の後ろに手を回した。
 悪戯っ子のように、指を忍ばせた。

「熱い……」
 蒼生の後膣は、稀一の指を飲み込んだ。
 その熱い体温を、伝えて来た。
「指、初めて入れてくれたね」
「とても新鮮だよ」

 ローションを絡め、指の本数を増やしてゆく。
 その都度、蒼生の表情や声色が変化していく。
「これは……興奮する」
 前戯の悦びを、稀一は初めて味わっていた。

「あっ、あッ、稀一、さん。稀一さん……ッ!」
 稀一はひたすら、獣のように腰を穿っていた。
 技巧も凝らさず、ストレートに愛を伝えていた。

「蒼生、痛くないか?」
 それでも、相手を気遣う余裕だけは保った。
 大事な大事な、俺の蒼生。
 傷でもつけたら、大変だ。

「う、ううんッ。大丈、夫。あ、あぁ、もうダメぇえ!」
 勃ちあがった蒼生から精が飛び、稀一の腹にかかった。
 以前なら、阻喪として叱っていたところだ。
「元気いいな。ここまで飛んだよ」
「もぅ……意地悪……ッ!」
「俺も出したい。一度抜いて、スキンを着けるよ」
 もう蒼生に、妊娠の心配はさせたくない。
 稀一に生まれた、彼への気遣いだ。
 しかし蒼生は、首を横に振った。
「稀一さんの、いっぱい中に出してぇえ!」
 蒼生の言葉が、脳天を貫いた。
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