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しおりを挟む「何か、おみやげを選ぼう。何がいい? 買ってあげるよ」
「いいですよ、別に」
水族館の出口付近に展開しているショップに、二人は来ていた。
店内は賑やかに飾り立てられ、可愛いぬいぐるみや、美味しそうなクッキーなどがひしめいている。
竜也はその中から、大きなチンアナゴの抱き枕を持ち上げた。
「これとか! どう?」
「結構です!」
では、と二人はくじを引くことにした。
透明のドーム内で、エアーに巻かれてくるくる回っている、三角くじだ。
「これだ!」
気合は充分の竜也だったが、結果は3等賞。
一番小さな、イルカのぬいぐるみだった。
適当に引いた朋は、2等賞。
竜也のものよりやや大きめの、カメのぬいぐるみだ。
「無欲の勝利か」
「困ったな。こんなに大きな子」
これでは、部屋に置いておくと目立つ。
パトロンの正吾に、何か訊かれるかもしれない。
だが捨てるわけにもいかず、朋はカメを抱いてマンションへ帰った。
ふかふかの抱き心地は、竜也がつないだ手のように温かだった。
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