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 すぐに、逞しい腕が露希を支えた。
 あったかい、腕。
 広い、胸。
 僕を抱きかかえてくれる、優しい人。
「ほら、まだふらふらしてる」
「ごめんなさい」
 誠は大切に露希をベッドに横たえると、歯ブラシなど一式持って来てくれた。
「汚れた水は、このボウルに吐いていいから」
「ありがとう」
 淡々と歯磨きをし、おとなしく横になった。
 何だか、体から力が抜けてる。
 それに、眠い。
「誠さん、僕が寝るまで傍に居てくれる?」
「いいよ」
 露希は、掛布から誠に向けて腕を伸ばした。
 すぐに、その手を握ってくれる、大きな手のひら。
 露希は、瞼を閉じた。
 早く治して、遊園地に行くんだ。
 誠さんと一緒に、行くんだ。

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