19 / 20
お洒落は冒険だ
しおりを挟む
「ただいまー」
「おかえりなさい、さくちゃんはもう出たわよ。あんまり待たせちゃダメよ」
咲耶に言われて少し時間を潰して帰ってきた。一緒に行かない理由は謎だが聞かない。並んで歩くのが嫌とか言われたらどうする。
「あぁ、セリナが迎えに来るんだ」
「え?………昨日良いお店を見つけたけど1人じゃ入りにくいからさくちゃんと一緒に行くのよね?」
「うん、色々相談に乗ってくれて装備も買ったんだけどさ。商売上手だから俺1人だと余計な物も買っちゃいそうだから、パーティのみんなを誘って装備の相談に行くんだ」
「………」
「とりあえず着替えとくよ」
適当な私服に着替えてから自分の部屋でぼけっと座って待った。そういえばダンジョン行くようになってからスマホ触らなくなったな。ダンジョンの中じゃ電波が届かないしスマホが無いことに慣れた。ゲームやってるよりダンジョンの事考えている方が楽しい。早くダンジョンもぐりて~よ~。
「行きましょ、咲耶ちゃん先に出ていくの見たよ」
セリナが迎えに来て一緒に駅に向かう。随分機嫌が良さそうだ。セリナはちょっとコンビニまでって感じの雑な服装だった。普段はもっとビシっと決めるタイプなのに珍しい。
「セリナは探索装備の知識あるのか?今日行く店は面白くないかもしれないぞ」
「今日調べておいた。鉄平の買った装備を見るだけだしね、下級向けの防具は樹脂製のアーマーで全身10万円までが一般的らしいよ」
それは店の人も最初に紹介してくれてたし問題ない。
そんな話をしながら駅に歩いた。朝はちょっと変な雰囲気だったけど、いつもは話しやすい良いやつだ。ニコニコと機嫌が良い様子でこっちも気分が良くなる。一緒にいて楽しいやつってのはこういう事だよ。
「あ、ちょっと電話するから先に行ってて。すぐ追い付くから!」
と思ってたら離れてしまった。人気者は忙しいのう。
駅に着いて咲耶を見つけて唖然としてしまった。
「あの、咲耶さん?なんで和服?」
「兄よ、いま来たとこだぞ」
いや家から着てきたでしょ。和服を身に着けた咲耶は時代ドラマから飛び出してきたかのようだ、姫カットで姿勢も良く着こなしもばっちり。どこぞの姫か?嫁入りでござるか?
「兄、兄も似合っているぞ」
「いや俺はいつも着てるやつじゃん」
まぁ似合ってるしいいか。今日はみんなと顔合わせだから気合入れてきたのかもな。ん?顔合わせするって言ったっけ?
「お~い鉄平、待たせたか?」
蓮が声をかけてきた。玲司といいんちょも一緒だ。これでクラン勢揃いだな。
「いや、今来たトコだよ」
「なっ!えっ!?」
「咲耶ちゃん可愛い!これ着付けとかするやつ?すっごい似合ってる~!」
「この子が鉄平の妹か。水島玲司だ」
「俺は雲野蓮、レンと呼んでくれ」
次々声をかけられて慌てたのか、珍しく目を真ん丸にして慌てている。いつも澄ましているだけにちょっと面白い。
「もう集まってたのね、遅れてごめんなさい」
セリナも追いついた。何故かにんまり笑顔だ。良いことあったのかな。
「あら、咲耶ちゃん随分気合の入った格好ね?探索用の装備を見に行くんだから動きやすい格好のほうが良かったんじゃない?。まだ1年生だからお買い物ではしゃいじゃったのかな?」
「なっ!なっ!なっ!」
にやにやと口を斜めにして煽るセリナ、目を見開き顔を真赤にして言葉の出ない咲耶。オラすっげぇ悪い予感がするぞ。
爆発寸前かと思われた咲耶は突然スンとなってみんなに挨拶をした。
「水島様、レン様、はじめまして。社咲耶と申します。松原様、ご無沙汰しております。いつも兄がお世話になりありがとうございます。これからはわたくしもクランの一員として、よろしくお願いいたします。」
「あぁ」
「そんなに丁寧じゃなくていいぜ?よろしくな」
「咲耶ちゃんはしっかりしてるわね!社くんも見習いなさい」
「くふっ!ぷくくくくくっ!」
セリナさんやめなさいよ。
咲耶は澄まし顔のまま両頬からこめかみまで続く太い青スジを見せていた。
「おかえりなさい、さくちゃんはもう出たわよ。あんまり待たせちゃダメよ」
咲耶に言われて少し時間を潰して帰ってきた。一緒に行かない理由は謎だが聞かない。並んで歩くのが嫌とか言われたらどうする。
「あぁ、セリナが迎えに来るんだ」
「え?………昨日良いお店を見つけたけど1人じゃ入りにくいからさくちゃんと一緒に行くのよね?」
「うん、色々相談に乗ってくれて装備も買ったんだけどさ。商売上手だから俺1人だと余計な物も買っちゃいそうだから、パーティのみんなを誘って装備の相談に行くんだ」
「………」
「とりあえず着替えとくよ」
適当な私服に着替えてから自分の部屋でぼけっと座って待った。そういえばダンジョン行くようになってからスマホ触らなくなったな。ダンジョンの中じゃ電波が届かないしスマホが無いことに慣れた。ゲームやってるよりダンジョンの事考えている方が楽しい。早くダンジョンもぐりて~よ~。
「行きましょ、咲耶ちゃん先に出ていくの見たよ」
セリナが迎えに来て一緒に駅に向かう。随分機嫌が良さそうだ。セリナはちょっとコンビニまでって感じの雑な服装だった。普段はもっとビシっと決めるタイプなのに珍しい。
「セリナは探索装備の知識あるのか?今日行く店は面白くないかもしれないぞ」
「今日調べておいた。鉄平の買った装備を見るだけだしね、下級向けの防具は樹脂製のアーマーで全身10万円までが一般的らしいよ」
それは店の人も最初に紹介してくれてたし問題ない。
そんな話をしながら駅に歩いた。朝はちょっと変な雰囲気だったけど、いつもは話しやすい良いやつだ。ニコニコと機嫌が良い様子でこっちも気分が良くなる。一緒にいて楽しいやつってのはこういう事だよ。
「あ、ちょっと電話するから先に行ってて。すぐ追い付くから!」
と思ってたら離れてしまった。人気者は忙しいのう。
駅に着いて咲耶を見つけて唖然としてしまった。
「あの、咲耶さん?なんで和服?」
「兄よ、いま来たとこだぞ」
いや家から着てきたでしょ。和服を身に着けた咲耶は時代ドラマから飛び出してきたかのようだ、姫カットで姿勢も良く着こなしもばっちり。どこぞの姫か?嫁入りでござるか?
「兄、兄も似合っているぞ」
「いや俺はいつも着てるやつじゃん」
まぁ似合ってるしいいか。今日はみんなと顔合わせだから気合入れてきたのかもな。ん?顔合わせするって言ったっけ?
「お~い鉄平、待たせたか?」
蓮が声をかけてきた。玲司といいんちょも一緒だ。これでクラン勢揃いだな。
「いや、今来たトコだよ」
「なっ!えっ!?」
「咲耶ちゃん可愛い!これ着付けとかするやつ?すっごい似合ってる~!」
「この子が鉄平の妹か。水島玲司だ」
「俺は雲野蓮、レンと呼んでくれ」
次々声をかけられて慌てたのか、珍しく目を真ん丸にして慌てている。いつも澄ましているだけにちょっと面白い。
「もう集まってたのね、遅れてごめんなさい」
セリナも追いついた。何故かにんまり笑顔だ。良いことあったのかな。
「あら、咲耶ちゃん随分気合の入った格好ね?探索用の装備を見に行くんだから動きやすい格好のほうが良かったんじゃない?。まだ1年生だからお買い物ではしゃいじゃったのかな?」
「なっ!なっ!なっ!」
にやにやと口を斜めにして煽るセリナ、目を見開き顔を真赤にして言葉の出ない咲耶。オラすっげぇ悪い予感がするぞ。
爆発寸前かと思われた咲耶は突然スンとなってみんなに挨拶をした。
「水島様、レン様、はじめまして。社咲耶と申します。松原様、ご無沙汰しております。いつも兄がお世話になりありがとうございます。これからはわたくしもクランの一員として、よろしくお願いいたします。」
「あぁ」
「そんなに丁寧じゃなくていいぜ?よろしくな」
「咲耶ちゃんはしっかりしてるわね!社くんも見習いなさい」
「くふっ!ぷくくくくくっ!」
セリナさんやめなさいよ。
咲耶は澄まし顔のまま両頬からこめかみまで続く太い青スジを見せていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる