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第1章
#2.夢を見る
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近所の少しばかり古ぼけた喫茶店へと彼の袖を引く。
つい先日、学校帰りに見つけたばかりの穴場だ。マスターと奥さんの二人で経営しているらしく、メニューも表に立てられた看板も、何もかもが手作りだった。
「よくこんな所知ってたな」
「いいでしょう、ここ。全部おすすめなんだけど、ホットサンドが特に美味しいの」
「ついでに晩飯済まそうか」
そう言って彼はカツサンドとサラダのセットにブレンドコーヒーを注文した。わたしは続いて、ホットサンドとカフェラテ、デザートにフルーツたっぷりのパンケーキを注文した。
目の端にくすくすと笑う彼が見える。
「相変わらず、食い意地張ってるな」
恥ずかしい一面を指摘され、怒ったふりでごまかした。
悪かったよ、なんて言いながら目を反らした彼と、ガラス越しに再び視線がぶつかり合う。ふっと微笑む彼に吊られて笑いかけるわたし。こんな毎日がこれから先何年も続けばいいと、夢心地に思うばかりだった。
そうこうしている間に先ほど注文した品が次々と運ばれてくる。匂いにつられ、ぐうっと腹の虫が鳴く。いただきます、という彼に続いてわたしも合掌の後、ホットサンドに噛り付いた。
「お前、変わったよな」
ブレンドコーヒーを付属のティースプーンでくるくると掻きまわしながら、彼は呟くように言った。
「そうかな」
「前はもっと、あいつに似て……あ、いや、何でもない」
そう言ってごまかすようにコーヒーを口に含む。
「あいつって……琴ちゃんのこと?」
彼は無言のまま視線を下げた。
柊木琴子。
彼の幼馴染で、わたしのいとこにあたる女性だ。
彼女は以前、わたしの現在通う高校に所属していた。彼女は、同級生で幼馴染である彼、矢坂馬志乃と恋人同士だった。
二人の関係は高校一年生から二年生の夏までの間、約一年続いたそうだ。そして彼女は五年前の今日、この世を去っている。
近所の少しばかり古ぼけた喫茶店へと彼の袖を引く。
つい先日、学校帰りに見つけたばかりの穴場だ。マスターと奥さんの二人で経営しているらしく、メニューも表に立てられた看板も、何もかもが手作りだった。
「よくこんな所知ってたな」
「いいでしょう、ここ。全部おすすめなんだけど、ホットサンドが特に美味しいの」
「ついでに晩飯済まそうか」
そう言って彼はカツサンドとサラダのセットにブレンドコーヒーを注文した。わたしは続いて、ホットサンドとカフェラテ、デザートにフルーツたっぷりのパンケーキを注文した。
目の端にくすくすと笑う彼が見える。
「相変わらず、食い意地張ってるな」
恥ずかしい一面を指摘され、怒ったふりでごまかした。
悪かったよ、なんて言いながら目を反らした彼と、ガラス越しに再び視線がぶつかり合う。ふっと微笑む彼に吊られて笑いかけるわたし。こんな毎日がこれから先何年も続けばいいと、夢心地に思うばかりだった。
そうこうしている間に先ほど注文した品が次々と運ばれてくる。匂いにつられ、ぐうっと腹の虫が鳴く。いただきます、という彼に続いてわたしも合掌の後、ホットサンドに噛り付いた。
「お前、変わったよな」
ブレンドコーヒーを付属のティースプーンでくるくると掻きまわしながら、彼は呟くように言った。
「そうかな」
「前はもっと、あいつに似て……あ、いや、何でもない」
そう言ってごまかすようにコーヒーを口に含む。
「あいつって……琴ちゃんのこと?」
彼は無言のまま視線を下げた。
柊木琴子。
彼の幼馴染で、わたしのいとこにあたる女性だ。
彼女は以前、わたしの現在通う高校に所属していた。彼女は、同級生で幼馴染である彼、矢坂馬志乃と恋人同士だった。
二人の関係は高校一年生から二年生の夏までの間、約一年続いたそうだ。そして彼女は五年前の今日、この世を去っている。
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