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第二部 プロローグ
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第二部
プロローグ
四十路のおっさんでジョブが商人だった俺が、冒険者として影の貢献をしていたSランクパーティー仲間たちから追放され、新たに出会った年若い女性たちとパーティーを組んで既に半年近くが経過していた。
アホの子だと言われ仲間から追放された猫耳獣人のファーマ、有能な自分が一番大事だと言い放って仲間から追放されたエルフのカーラ、元仲間ムエルたちによって、冒険者としても女性としてもどん底に落とされ追放された魔人族アウリース、そして、父親の店を潰され商人として再起不能に近いほどのダメージを負わされ、心身ともにズタボロにされた人族のメリーといった四人が、俺が本当に心から信頼できる真の仲間として、新たにパーティーを組んだ仲間たちである。
それぞれに個性的で魅力的な女性たちであるが、彼女らはアクセルリオン神が、俺の暴走した時のための安全弁として、力を分け与えた『天啓子』という稀人であるのだ。
追放されたり、店が潰された彼女らは、俺とパーティーを組み、ダンジョンに潜るようになったことで、その秘められた『天啓子』としての才能を開花させ始めており、冒険者として実績も徐々に積み重ね、Sランク冒険者を目指して、お互いに切磋琢磨しつつ成長をしてきている。
そんな彼女らの、冒険者としてや人としての成長の手伝いをさせてもらっている俺であるが、ステータスMAXで人外の力を持つ、神様から神様候補生と直接言われた非常識な存在の男であるのだ。
中層階のラストボスであり、Sランク冒険者たちが群れで討伐して、ようやく仕留められるゴブリンキングを、タイマンで仕留める非戦闘職の商人は、世界中を探しても、きっと俺しか存在していないだろうと思われる。
ちなみに、この力は俺が生まれつき持っていた物ではない。
アクセルリオン神が神様候補生を探すために世界中にばら撒いた神器と呼ばれる物の中で、最高傑作と言われた『超越者の腕輪』が、二〇年ほど前に丁稚奉公していた店で鑑定作業をしていた俺の元にやってきて、神様候補生として認められたらしい。
らしいと言ったのは、当時の俺はステータスMAXを鑑定をミスったことで呪われたんだと思い、つい最近にアクセルリオン神から告げられるまで、神殿長ただ一人を除いて、力のことは誰にも秘密にしていたからだ。
そんな、神に等しい力を与えられていた俺であるが、勤めていた店が倒産して放り出された際、一念発起して冒険者になってからも、力を行使せずに、若い冒険者だったムエルやミラ、ローマンたちの生活指導をしながら、裏方として地味な仕事をコツコツとこなしていたのだ。
裏方仕事を頑張った結果、俺を追放したパーティーのリーダームエルは、『非戦闘職の商人のおっさんが、したり顔でリーダーきどりをしやがって』と憎み、敵対することとなり、同じく仲間だったミラとローマンをも巻き込み、様々な悪事に手を染めていくことで、Sランク冒険者資格の剥奪やパーティーの解散だけにはとどまらず、ついには犯罪組織の一員としてブラックミルズを支配しようと企むまでになっていた。
だが、俺たちがそのムエルの野望を阻止したことで、冒険者ギルドに捕縛され、生還率数%と言われる未整備ダンジョンへ終身探索奴隷として下げ渡される決定が下っていた。
元仲間として五年の歳月を過ごした彼らを年長者として、まっとうな道を歩ませられなかったことは、痛恨事であったが、真の仲間としてすべてをさらけ出した、ファーマ、カーラ、アウリース、メリーの四人に献身的に支えられたことで、何とかショックを乗り越えることができそうであった。
今回の件で、神に等しい力を持つ俺が自暴自棄なって、身体の限界を考えずに力を使えば、世界の半分は灰燼に帰せると言ったのは、アクセルリオン神の使徒で、『超越者の腕輪』の意識体でもあるお目付け役のハクの言葉である。
そう、俺には世界をぶっ壊し兼ねない力が宿っており、力の使い方を誤れば、自我が壊れ、ダンジョンの深層階に籠るダンジョン主と言われる存在になりかねないのだ。
実際に神様がダンジョン主は元神様候補生の成れの果てだと認めている。与えられた力に溺れ、際限なく使えば、俺もあいつらの仲間入りをしてしまうだろう。
そうならないためにも、自制自重は大事だが、かといって仲間の危機や知り合いの苦難を見過ごすことができるかと聞かれれば、無理だと答えるしかない。
そういった性分だからしかないと答えるしかできないが、困っている人を助けるのをためらってしまえば、俺が俺である意味が無くなってしまうと思っている。
アクセルリオン神からは、特別に何かしろと言われたわけでもなく、善き行いを重ね、人としての生を全うしてくれれば良いとだけ言われている。
なので、なるべく力は使わない方向で穏便に生活をしていくつもりであるが、人生ってのはそう簡単に上手くいくものでもないことは、四〇年生きてきて身に染みているため、悪目立ちせず地味に生きていこうと思う。
さて、今日は探索の休養日だし、ゆっくりと寝ていたいところだが……。
俺の脳内に女性っぽい悩ましい声が流れ込んでくる。
プロローグ
四十路のおっさんでジョブが商人だった俺が、冒険者として影の貢献をしていたSランクパーティー仲間たちから追放され、新たに出会った年若い女性たちとパーティーを組んで既に半年近くが経過していた。
アホの子だと言われ仲間から追放された猫耳獣人のファーマ、有能な自分が一番大事だと言い放って仲間から追放されたエルフのカーラ、元仲間ムエルたちによって、冒険者としても女性としてもどん底に落とされ追放された魔人族アウリース、そして、父親の店を潰され商人として再起不能に近いほどのダメージを負わされ、心身ともにズタボロにされた人族のメリーといった四人が、俺が本当に心から信頼できる真の仲間として、新たにパーティーを組んだ仲間たちである。
それぞれに個性的で魅力的な女性たちであるが、彼女らはアクセルリオン神が、俺の暴走した時のための安全弁として、力を分け与えた『天啓子』という稀人であるのだ。
追放されたり、店が潰された彼女らは、俺とパーティーを組み、ダンジョンに潜るようになったことで、その秘められた『天啓子』としての才能を開花させ始めており、冒険者として実績も徐々に積み重ね、Sランク冒険者を目指して、お互いに切磋琢磨しつつ成長をしてきている。
そんな彼女らの、冒険者としてや人としての成長の手伝いをさせてもらっている俺であるが、ステータスMAXで人外の力を持つ、神様から神様候補生と直接言われた非常識な存在の男であるのだ。
中層階のラストボスであり、Sランク冒険者たちが群れで討伐して、ようやく仕留められるゴブリンキングを、タイマンで仕留める非戦闘職の商人は、世界中を探しても、きっと俺しか存在していないだろうと思われる。
ちなみに、この力は俺が生まれつき持っていた物ではない。
アクセルリオン神が神様候補生を探すために世界中にばら撒いた神器と呼ばれる物の中で、最高傑作と言われた『超越者の腕輪』が、二〇年ほど前に丁稚奉公していた店で鑑定作業をしていた俺の元にやってきて、神様候補生として認められたらしい。
らしいと言ったのは、当時の俺はステータスMAXを鑑定をミスったことで呪われたんだと思い、つい最近にアクセルリオン神から告げられるまで、神殿長ただ一人を除いて、力のことは誰にも秘密にしていたからだ。
そんな、神に等しい力を与えられていた俺であるが、勤めていた店が倒産して放り出された際、一念発起して冒険者になってからも、力を行使せずに、若い冒険者だったムエルやミラ、ローマンたちの生活指導をしながら、裏方として地味な仕事をコツコツとこなしていたのだ。
裏方仕事を頑張った結果、俺を追放したパーティーのリーダームエルは、『非戦闘職の商人のおっさんが、したり顔でリーダーきどりをしやがって』と憎み、敵対することとなり、同じく仲間だったミラとローマンをも巻き込み、様々な悪事に手を染めていくことで、Sランク冒険者資格の剥奪やパーティーの解散だけにはとどまらず、ついには犯罪組織の一員としてブラックミルズを支配しようと企むまでになっていた。
だが、俺たちがそのムエルの野望を阻止したことで、冒険者ギルドに捕縛され、生還率数%と言われる未整備ダンジョンへ終身探索奴隷として下げ渡される決定が下っていた。
元仲間として五年の歳月を過ごした彼らを年長者として、まっとうな道を歩ませられなかったことは、痛恨事であったが、真の仲間としてすべてをさらけ出した、ファーマ、カーラ、アウリース、メリーの四人に献身的に支えられたことで、何とかショックを乗り越えることができそうであった。
今回の件で、神に等しい力を持つ俺が自暴自棄なって、身体の限界を考えずに力を使えば、世界の半分は灰燼に帰せると言ったのは、アクセルリオン神の使徒で、『超越者の腕輪』の意識体でもあるお目付け役のハクの言葉である。
そう、俺には世界をぶっ壊し兼ねない力が宿っており、力の使い方を誤れば、自我が壊れ、ダンジョンの深層階に籠るダンジョン主と言われる存在になりかねないのだ。
実際に神様がダンジョン主は元神様候補生の成れの果てだと認めている。与えられた力に溺れ、際限なく使えば、俺もあいつらの仲間入りをしてしまうだろう。
そうならないためにも、自制自重は大事だが、かといって仲間の危機や知り合いの苦難を見過ごすことができるかと聞かれれば、無理だと答えるしかない。
そういった性分だからしかないと答えるしかできないが、困っている人を助けるのをためらってしまえば、俺が俺である意味が無くなってしまうと思っている。
アクセルリオン神からは、特別に何かしろと言われたわけでもなく、善き行いを重ね、人としての生を全うしてくれれば良いとだけ言われている。
なので、なるべく力は使わない方向で穏便に生活をしていくつもりであるが、人生ってのはそう簡単に上手くいくものでもないことは、四〇年生きてきて身に染みているため、悪目立ちせず地味に生きていこうと思う。
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