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第二部 第一五章 情報収集
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※メラニア視点
街の入り口を示す木製の大きなアーチからほど近い場所に数件の店が軒を連ねている。
宿の主が荷役屋と言っていた店なのだけれど、主に食料品や荷物を馬車に積んだり人夫が担いで色々な街へ届ける仕事をしている店だとカーラさんが教えてくれた。
しかも、大きな商店では独自の輸送部門も持っているところもあるらしい。
それにしてもカーラさんはグレイズ様に負けず劣らず博識な人であった。
グレイズ様の周りには才色兼備の女性たちが大勢いて、わたくしがその輪に加わっていいものかと自問しつづけているのだけれども、年長者であるメリーさん始め、皆さんの温かさに触れるとちょっとだけわがままを言わせてもらって、彼女たちと一緒にグレイズ様のお世話をしたい気持ちが強くなっている。
アルガドとの一件でもグレイズ様や皆さんはわたくしのために本気で怒ってくれているし、王様の実姉であるという自分自身ですら衝撃の事実であったことを知っても、なんら態度を変えることなくグレイズ様を支える仲間として遇してくれているのだ。
なので、わたくしはこのアルガドが仕組んだと思われる不義密通のレッテルを自らの手で外し、グレイズ様の看板に傷をつけないようにせねばならないと決めていた。
そんなことを思いながら『健脚亭』に到着すると、朝早くから忙しそうにしている荷役屋の受付の男に話しかける。
「すみません。人を探しているのですが、この店に『マドーラさん』という方はいらっしゃいますか?」
「マドーラ? ああ、いるぜ。おい、マドーラ、お客さんだぞ」
受付の男が奥で作業していた男を呼んでいた。
マドーラと呼ばれた男はのしのしとゆっくり歩き現れた。長年荷運びをしてきたのか身体は筋骨たくましいが、その上に乗っている顔はつぶらな瞳で愛嬌を感じさせている。
「呼んだかい? オレがマドーラだが」
「実は僕たちはヴィーハイブ家の者だが、君に一つ聞きたいことがあってね」
マドーラという男はわたくしたちがヴィーハイブ家の者だと知ると、急に姿勢を正していた。
「貴族様のお使いだって!? オ、オレは何もしてないぞ」
「質問に答える。それだけでいい」
「婆の言う通りです。一つ教えて下さい。メラニア様がアルガド様に不義密通を弾劾された前の日の夜に、貴方があの宿に荷物を届けたことがあるのか確認したいのだけれども……」
「あ、あの日ですかい。マリアン様からは口止めされてるが、貴族様のお使いに対して嘘を吐くとこっちにも火の粉が飛んできそうだぜ。オレが喋ったことは内緒にしてくれ」
「承知しました。マドーラ殿が喋ったとは口外いたしませぬ」
マドーラもわたくしが口外しないと約束したことで落ち着いたようで、自分の知っていることを話し始めてくれた。
「実はあの日の夜、急にマリアン様の使いのメイドがきて、うちに運んで欲しい荷物があると言われ、屋敷に伺ったんだよ。そうしたら、マリアン様がいて傍らには顔を隠した、多分商人っぽい恰好の男がいてな。荷をアルガド様の宿泊している店に運んで欲しいと頼まれたんだわ。相手は貴族の屋敷を仕切るメイド長だし、オレも中身を聞かずに言われた通りにマリアン様と男とオレたち三人の人足で運んだのは事実だ。何を運んだのかは全然わからねぇ。大きな木箱に入っていたからな。荷を運び終わると、一緒にきた男が受け取り票にサインしてくれて、相場の十倍の金を払って口外無用と言ってきたんだ。で、相手が貴族の関係者だろ、オレも関わりたくないから今まで黙ってたんだわ」
マドーラはあの日にアルガドの屋敷から荷物を運び出したことを認めていた。
カーラさんが推理した通り、箱の中に例の男が入っていれば、わたくしが陥れられたことを証明できるはずだ。
「マドーラ、その受け取り票残してあるか? あと、この店以前あったフラマー商会の荷を運んだことある? あるなら、会頭のヴィケットのサインを見せて欲しい」
カーラさんはさらなる状況証拠を積み重ねるため、何かをきづいたようで、マドーラと受付の男に質問をぶつけていた。
「受け取り票は仕事の実績だからな。きちんと保管してある。こいつがないと途中で物が無くなったとかいちゃもんつける客もいるからな。うちら荷役屋にとっては最重要な書類だ」
マドーラがそう言って棚にしまわれていた書類入れから、当日の受け取り票を出す。
「マドーラの言う通り。受け取り票はうちらの仕事の生命線だ。それで、フラマー商会の受け取り票もみたいのか……。ええっと、ヴィケットさんのはこれだな」
二枚の受け取り票を手に取ったカーラさんが重ねて透かしていく。
サインは『ヴィケット』と『ヴィレント』と違う名が記載されているが、透かしたサインは見事に『ヴィ』と『ト』の特徴が一致していた。
「ヴィケットもグル。これが証拠。きっと死んだ男はヴィケットが調達したに違いない。流れの商人を上手いこと言いくるめてメラニアのところに通わせて周囲に印象付けして、あの日商人をアルガドの屋敷に呼び出し、薬で眠らせてあの場所に運ばせたと思う」
カーラの推理を聞いたマドーラと受付の男がギョッとした顔をしていた。
まだ、推理段階とはいえ中身が人であったことを知らされて驚いている様子であった。
「このことは口外しないで頂けると助かります。あと、この二つの受け取り票をお貸し頂けるとありがたい。この店が加担させられた証拠として」
「あ、はい。お持ちください。何卒、穏便に済ませて頂けるとありがたいです」
受付の男とマドーラが受け取り票を差し出してわたくしたちに頭を下げていた。
わたくしの事件は個人の名誉回復だけであるので、多大な影響は出ないと思われるが、それ以外の余罪で色々と周囲に余波が発生しそうなため、この方がたを守るためにも証拠を提出してくれたのはありがたかった。
「任せるがよい。ヴィーハイブ家はこの店に関しては何ら罪を問うことはしない」
カーラさんがわたくしより先に、男たちに安心するようにと伝えてくれていた。
あの日に起こったことに関する状況証拠が揃ったところで、グレイズ様の寛大な心に心服して、わたくしの名誉回復にも助力を申し出ていたヨシュアさんが殺されて間男して晒された男が、ヴィケットの闇市関係者だということを暴き出してくれていた。
こうして、アルガドを問い詰めるための状況証拠を固めることはできた。
後は公の場で彼に罪を告白させるだけだと、カーラさんが息巻いているのが聞こえてきていた。
街の入り口を示す木製の大きなアーチからほど近い場所に数件の店が軒を連ねている。
宿の主が荷役屋と言っていた店なのだけれど、主に食料品や荷物を馬車に積んだり人夫が担いで色々な街へ届ける仕事をしている店だとカーラさんが教えてくれた。
しかも、大きな商店では独自の輸送部門も持っているところもあるらしい。
それにしてもカーラさんはグレイズ様に負けず劣らず博識な人であった。
グレイズ様の周りには才色兼備の女性たちが大勢いて、わたくしがその輪に加わっていいものかと自問しつづけているのだけれども、年長者であるメリーさん始め、皆さんの温かさに触れるとちょっとだけわがままを言わせてもらって、彼女たちと一緒にグレイズ様のお世話をしたい気持ちが強くなっている。
アルガドとの一件でもグレイズ様や皆さんはわたくしのために本気で怒ってくれているし、王様の実姉であるという自分自身ですら衝撃の事実であったことを知っても、なんら態度を変えることなくグレイズ様を支える仲間として遇してくれているのだ。
なので、わたくしはこのアルガドが仕組んだと思われる不義密通のレッテルを自らの手で外し、グレイズ様の看板に傷をつけないようにせねばならないと決めていた。
そんなことを思いながら『健脚亭』に到着すると、朝早くから忙しそうにしている荷役屋の受付の男に話しかける。
「すみません。人を探しているのですが、この店に『マドーラさん』という方はいらっしゃいますか?」
「マドーラ? ああ、いるぜ。おい、マドーラ、お客さんだぞ」
受付の男が奥で作業していた男を呼んでいた。
マドーラと呼ばれた男はのしのしとゆっくり歩き現れた。長年荷運びをしてきたのか身体は筋骨たくましいが、その上に乗っている顔はつぶらな瞳で愛嬌を感じさせている。
「呼んだかい? オレがマドーラだが」
「実は僕たちはヴィーハイブ家の者だが、君に一つ聞きたいことがあってね」
マドーラという男はわたくしたちがヴィーハイブ家の者だと知ると、急に姿勢を正していた。
「貴族様のお使いだって!? オ、オレは何もしてないぞ」
「質問に答える。それだけでいい」
「婆の言う通りです。一つ教えて下さい。メラニア様がアルガド様に不義密通を弾劾された前の日の夜に、貴方があの宿に荷物を届けたことがあるのか確認したいのだけれども……」
「あ、あの日ですかい。マリアン様からは口止めされてるが、貴族様のお使いに対して嘘を吐くとこっちにも火の粉が飛んできそうだぜ。オレが喋ったことは内緒にしてくれ」
「承知しました。マドーラ殿が喋ったとは口外いたしませぬ」
マドーラもわたくしが口外しないと約束したことで落ち着いたようで、自分の知っていることを話し始めてくれた。
「実はあの日の夜、急にマリアン様の使いのメイドがきて、うちに運んで欲しい荷物があると言われ、屋敷に伺ったんだよ。そうしたら、マリアン様がいて傍らには顔を隠した、多分商人っぽい恰好の男がいてな。荷をアルガド様の宿泊している店に運んで欲しいと頼まれたんだわ。相手は貴族の屋敷を仕切るメイド長だし、オレも中身を聞かずに言われた通りにマリアン様と男とオレたち三人の人足で運んだのは事実だ。何を運んだのかは全然わからねぇ。大きな木箱に入っていたからな。荷を運び終わると、一緒にきた男が受け取り票にサインしてくれて、相場の十倍の金を払って口外無用と言ってきたんだ。で、相手が貴族の関係者だろ、オレも関わりたくないから今まで黙ってたんだわ」
マドーラはあの日にアルガドの屋敷から荷物を運び出したことを認めていた。
カーラさんが推理した通り、箱の中に例の男が入っていれば、わたくしが陥れられたことを証明できるはずだ。
「マドーラ、その受け取り票残してあるか? あと、この店以前あったフラマー商会の荷を運んだことある? あるなら、会頭のヴィケットのサインを見せて欲しい」
カーラさんはさらなる状況証拠を積み重ねるため、何かをきづいたようで、マドーラと受付の男に質問をぶつけていた。
「受け取り票は仕事の実績だからな。きちんと保管してある。こいつがないと途中で物が無くなったとかいちゃもんつける客もいるからな。うちら荷役屋にとっては最重要な書類だ」
マドーラがそう言って棚にしまわれていた書類入れから、当日の受け取り票を出す。
「マドーラの言う通り。受け取り票はうちらの仕事の生命線だ。それで、フラマー商会の受け取り票もみたいのか……。ええっと、ヴィケットさんのはこれだな」
二枚の受け取り票を手に取ったカーラさんが重ねて透かしていく。
サインは『ヴィケット』と『ヴィレント』と違う名が記載されているが、透かしたサインは見事に『ヴィ』と『ト』の特徴が一致していた。
「ヴィケットもグル。これが証拠。きっと死んだ男はヴィケットが調達したに違いない。流れの商人を上手いこと言いくるめてメラニアのところに通わせて周囲に印象付けして、あの日商人をアルガドの屋敷に呼び出し、薬で眠らせてあの場所に運ばせたと思う」
カーラの推理を聞いたマドーラと受付の男がギョッとした顔をしていた。
まだ、推理段階とはいえ中身が人であったことを知らされて驚いている様子であった。
「このことは口外しないで頂けると助かります。あと、この二つの受け取り票をお貸し頂けるとありがたい。この店が加担させられた証拠として」
「あ、はい。お持ちください。何卒、穏便に済ませて頂けるとありがたいです」
受付の男とマドーラが受け取り票を差し出してわたくしたちに頭を下げていた。
わたくしの事件は個人の名誉回復だけであるので、多大な影響は出ないと思われるが、それ以外の余罪で色々と周囲に余波が発生しそうなため、この方がたを守るためにも証拠を提出してくれたのはありがたかった。
「任せるがよい。ヴィーハイブ家はこの店に関しては何ら罪を問うことはしない」
カーラさんがわたくしより先に、男たちに安心するようにと伝えてくれていた。
あの日に起こったことに関する状況証拠が揃ったところで、グレイズ様の寛大な心に心服して、わたくしの名誉回復にも助力を申し出ていたヨシュアさんが殺されて間男して晒された男が、ヴィケットの闇市関係者だということを暴き出してくれていた。
こうして、アルガドを問い詰めるための状況証拠を固めることはできた。
後は公の場で彼に罪を告白させるだけだと、カーラさんが息巻いているのが聞こえてきていた。
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