魔剣士「お姫様の家出に付き合うことになった」【現在完結】

Naminagare-波流-

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第七章【氷山帝国】

7-1 北方大地

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………………………………………………
―――西方大地での死闘。
魔剣士と白姫にとって、西方大地でエルフらとの戦いは大きな成長の糧となった。
ウィッチとの別れは猛竜騎士にとっても辛いものとなったが、彼自身それは"新たな旅路"として迎え、それを見た魔剣士らもまた彼がどれだけの強さを持っているのかと改めて理解するきっかけになっただろう。

―――そして。
猛竜騎士は、次の目的地は魔法研究連合の本部がある"氷山帝国"へと決定。
いざ、グリーンポート・ノースへと乗り込むと大海を渡り、三人が乗り込んでいた船は北方大地にある"ブルーノース・ポート"へと到着した――……。
………………………………………………

魔剣士「……はぁぁ、やっと着いたかぁぁ!」
白姫「なんだか凄く長かったね…。かなり長い時間、船に乗ってた気がする……」
猛竜騎士「ずっと大地を歩いていたからな、海の上での生活は暇を持て余した部分もあるんだろう」
魔剣士「あぁ、確かにそうかもしれねぇな…」
猛竜騎士「そんなことよりも…だ」
魔剣士「おう?」

猛竜騎士「実感はないのか?もう着いたんだぞ、氷山帝国のある北方大地に……」
猛竜騎士「西方大地の時は大騒ぎしていたくせに、今回は船から降りてもずいぶんとテンションが低いじゃないか」

魔剣士「あ、あぁ……」
白姫「あ、それはそうなんですけど……」

魔剣士一行は長い船旅ののち、今この瞬間…彼らにとっては中央、西方に次ぐ第三の大地"北方大地"にあるブルーノース・ポートへと立っていた。
しかし、二人にとってはその実感はないようようだった。

魔剣士「北方大地つっても、思ってたのと大分違うんだよなぁ」
白姫「うん、なんか普通の港だよね?」

二人にとって、その名から予想していたのは豪雪であったり猛烈な悪天候だったのだが、実際に降り立った港はこれ以上ないくらいの快晴であった。
わずかな雪すらも振っている様子はなく、むしろ雲一つない空からの太陽のギラつきは西方大地を連想させるほどで、その港の方針なのか赤レンガ造りの建物が派手に目立ったものの、それ以外はよくある港と特別な違いはなく、新たな大地を踏んだという感触は全く言っていい程感じられなかった。

魔剣士「……確かに西方大地よりは少し気温も低いとは思うが、それほどじゃねぇな。違う大地っていう実感がまるで湧かねぇなぁ」
白姫「うん、凄く寒いと思ってたのにね」
猛竜騎士「ここら辺は、まだ天気が安定するんだよ。言うほど、他の人らも防寒具らしいものは持っていないだろ?」
魔剣士「あぁ確かに…」

港を歩く人々は、長袖でこそあったが決して重いような防寒具に身を包んでいる様子はない。

魔剣士「聞いてた話だとか、町の名前から物凄い寒い場所を想像してたんだが」
白姫「うんうん」
猛竜騎士「あのな、港へ降りていきなり地獄よりはましだと思え」
魔剣士「あん?」
猛竜騎士「今は天国なだけだ。北方大地で最も天候が安定しているこの場所だからこそ、"唯一"港が発達した場所なんだ」
魔剣士「なぬ?」
猛竜騎士「つまり、だ」
魔剣士「お、おう」
猛竜騎士「これから向かう、氷山帝国。そこの途中からお前らが望む展開になるよ」
魔剣士「……ほう?」
猛竜騎士「覚えているか、西方大地の港からジャングルへ入る際の門のこと」
魔剣士「あぁ、もちろん」
白姫「覚えてます!」
猛竜騎士「だから、そういうことだ」
魔剣士「あん?」
白姫「え?」

西方大地にあった、大自然と町を区切るための門。自然の大地、魔族の住処への入り口でもあったあの門。それは、全ての大地に存在している。
民の暮らしを守るために、各大地の魔族と人間を分け隔てる為に屈強な兵士が立ち塞がり、それを守る存在が世界中にあるということである。
当たり前ながら、その門はこのブルーノース・ポートにも存在していたのだが、その門は西方大地とは異なる意味も持っていた。

猛竜騎士「西方大地は、大自然の迷路やそこに多く棲む魔族から守る意味合いがあっただろ?」
魔剣士「そうだな」
猛竜騎士「この国にある門は、それに近いがそれとは少し意味が違う」
魔剣士「ふむ」

猛竜騎士「この北方大地は、この港が一番天候が安定している他に別の地域においてもそれなりに落ち着く場所は存在している」
猛竜騎士「だがその区域を除くすべてにおいて、お前らが望む"極寒"とも呼ぶべき豪雪吹雪が当然のように吹き荒れ、行く手を阻んでいるんだ」

魔剣士「おぉ……」
白姫「なるほど…」

猛竜騎士「西方大地は自然の迷路だったが、動物魔族は多く生息し生命の宝庫とも呼ぶべき場所だった」
猛竜騎士「しかし、この北方大地はそうもいかない」
猛竜騎士「前も見えぬ吹雪に、生命が維持できる環境は限られている上、倒れたら凍りつき腐ることのない身体のまま永遠とその場所に眠ることになる」
猛竜騎士「土へと返ることも許されない、極氷極寒の地。それがこの北方大地だ」

魔剣士「う…」
白姫「こ、怖い場所なんですね……」

猛竜騎士「いやしかし、それも昔の話。今は氷耐性の魔馬がいてな、高い大型馬車で各町へ一直線なんだがな!ハッハッハ!」
魔剣士「おいっ!?」
白姫「えぇっ!?」

猛竜騎士「俺が若い頃は、まだ道も安定せず切り開いていない場所もあったからそれは珍しいことじゃなかった」
猛竜騎士「だが、今はそんなこともなく馬車による道はあるから安心しろ」

魔剣士「ちっ…。なんだ、ぬるぬるルートかよ」
白姫「あはは…西方大地みたく、ずっと歩いたりするのかなーって思ってました」
猛竜騎士「バカいえ、今のお前らにこの港から歩けるほどの技量と体力はないっての」
魔剣士「あァっ!?」
猛竜騎士「いちいち声を荒げるな。みすみす死なせるような行軍はするわけないだろうが」
魔剣士「お…あ、あぁ……」
猛竜騎士「その当時、道を切り開くための兵士らが行軍にて大勢遭難して同時に亡くなっているんだぞ」
魔剣士「マジかよ…」
白姫「兵士さんたちがですか…!?」

猛竜騎士「彼らより遥かに経験の劣るお前らが、その道を抜けられるわけがない」
猛竜騎士「その犠牲のもとに作られた道と、学の発展で得た耐性馬に乗って目的地に向かうことに…文句もないだろう」

魔剣士「……分かったよ」
白姫「はいっ…」

猛竜騎士「分かったなら宜しい」
猛竜騎士「それじゃ、この港で防寒具やら揃えて…馬車の時間を確認して。必要なものは買いそろえていくぞ」

魔剣士「へいへい」
白姫「わかりました♪」
猛竜騎士「よし、ではこっちだ。馬車乗り場の近くに安い店があったはずだからな」
魔剣士「ん…」

猛竜騎士はクイっと手を捻ると、先頭をとって歩き始めた。

魔剣士「オッサン、ここの場所も詳しいのかよ?」
猛竜騎士「まぁーな。来たことはある」
魔剣士「どんだけ好奇心旺盛に冒険してんだよオッサン」
猛竜騎士「お前な…。俺はこの五大地は踏破してるんだ。よっぽどじゃない限りは地形くらい把握しているっつーの」
魔剣士「ふぅん」

白姫「……あ、そういえば猛竜騎士さん」

猛竜騎士「なんだ?」
白姫「ウィッチさんあたりから気になっていたんですけど、猛竜騎士さんは冒険者なんですよね?」
猛竜騎士「昔も"今も"な」
白姫「ですよね…。でも、出会った時にバウンティハンターって言ってませんでしたか?」
猛竜騎士「あぁ…」
白姫「どっちがどっちなんだろーってちょっと思って」
猛竜騎士「それはな……」
魔剣士「やめとけ白姫」
白姫「ぅ?」
魔剣士「オッサンは既に、ボケてしまったんだ。自分の言葉すらあやふやになるくらいに……」
白姫「そうなのっ!?」
猛竜騎士「天誅だ、魔剣士」

"ゴチンッ!"
魔剣士の脳天に、一撃が炸裂した。

魔剣士「あががががあっ!!」
白姫「魔剣士~っ!?」
魔剣士「い、いってぇぇぇ!何すんだテメェ、コラァッ!!」
猛竜騎士「あのな、俺は冒険者であり元バウンティハンターだったってことだ。人の経歴をなめるな」
魔剣士「あぁ!?」

猛竜騎士「気になるなら、その辺は馬車ん中で話をしてやってもいい」
猛竜騎士「良い機会だ、俺の昔話はそうそうしてなかったしな」

魔剣士「…んー?」
白姫「むかしばなし…ですか」

…………
……


………………………………………………
―――1時間後。
魔剣士らは、猛竜騎士の記憶通りにあった安い防寒具店を見つけてそれを購入。
また、念のためナイフなどの一部装備も新調しつつ小型の魔法ランプなども手に入れると、寒冷地区専用となるリュックサックへと全て仕舞いこんだ。

魔剣士「で、ま~た全部オレが持つのかよ」
猛竜騎士「白姫に持たせるか?」
白姫「わ、私も頑張るよ魔剣士!」
魔剣士「……俺が持つっつ~の!」
白姫「そ、そっか!」
猛竜騎士「ハハハ、あとは馬車が出発するまであと少しの時間もあるし…ベンチに座って休んでいよう」

三人は馬車の停留所にあるベンチへと腰を降ろすと、ふぅとため息をついて空を見上げた。

魔剣士「……はぁぁ、あとは氷山帝国への馬車へ乗るだけか」
猛竜騎士「時間にして10時間前後で到着するとは思うが、ちとキツいから我慢しろよ」
魔剣士「キツイ?」
猛竜騎士「相乗り式なんだ。大型馬車で仕切りもあるが、普通の馬車のように隣人がいるんだからマナーはしっかりしろっつーことだ」
魔剣士「貸きりにすりゃよかったのに」
猛竜騎士「耐性馬の貸切りは、希少種で高いんだよ」
魔剣士「キツイ馬車の旅とか勘弁してくれねーかな」
猛竜騎士「これもまた冒険の余興と思え」
魔剣士「余興ってな」
白姫「……ほら、魔剣士!」
魔剣士「あん?」
白姫「知らない人と一緒の馬車で、お友達とかもできるかもしれないよ!」
魔剣士「ら、楽観的っすね」
猛竜騎士「ククク、お前よりよっぽど姫様のほうが冒険者向きだよホントーに」
魔剣士「フン」

雑談を繰り広げる三人に、いつの間にか時間は過ぎていった。
やがて、馬車の時間が近づくにつれて辺りが混み始めていき、いよいよその時間になると耐性大型馬車は予定時刻通りに到着した。
猛竜騎士の話には出てこなかったが、氷の耐性馬は思っていたよりも遥かに巨大で、スカイブルーのような青に冷たい眼を持ち、青黒いタテガミが一流の魔族であるようなオーラを放っていた。
いや、実際には氷の耐性のためか蒼いオーラがモヤモヤと空間を唸らせていたのだが。

魔剣士「…でっけぇし、かっけぇぇぇ!?」
白姫「凄い、キレイ~!」
猛竜騎士「青色の馬なんて珍しいだろう」
魔剣士「つーかコイツ、めっちゃ強いのが分かるぞ…。こんなのを従えてきちんと走れるのかよ……」
猛竜騎士「調教というか、子どもの頃から魔馬の育成人がいてそれを育成した者しか操ることができるんだ」
白姫「ふむふむ、つまりこれを操る運転手さんは凄く腕がいいってことなんですね!」
猛竜騎士「ん…そういう考え方もあるか。そうだな、確かにそうだな」
白姫「えへへ、楽しみ~」
魔剣士「まぁいいから、ちゃっちゃと乗ろうぜ。混む前に席を確保してぇし」
猛竜騎士「そうだな、行くか」
魔剣士「んむ」
白姫「はーい♪」

混み始めた停留所に、氷山帝国へ向かう人々がどれだけ多いのかがよく分かる。大型馬車とはいえ、その数の多さから乗車できない可能性がなくはないため、三人は急いで馬車へと乗り込んだ。
すると、予想外の出来事が魔剣士と白姫を驚かせた。

魔剣士「…なんか、あったかくないか?」
白姫「言われてみれば……」

馬車の中は意外にも外よりも温度が高く、木造の枠に嵌っていた厚めの窓が結露で濡れていたことでそれがはっきりと分かった。

猛竜騎士「あぁ、それは魔馬のオーラがあっただろ?」
魔剣士「うむ」
猛竜騎士「あれはそのまま魔力でな、これから行く魔法研究連合がそれを利用して暖房効果の器具を開発したんだ」
魔剣士「うっへ、大それたことするねぇ」

猛竜騎士「魔馬は外気が下がるほど耐性力を高めるオーラを排出する」
猛竜騎士「それに比例し内部の気温も上がるわけで、お客たちは猛吹雪でも温かく快適に走れるということだ」
猛竜騎士「魔法と道具の融合、まさに"錬金術"ってことだな」

魔剣士「錬金術…魔法道具関連、錬金器具のことか」
猛竜騎士「お、知ってるのか珍しい」
魔剣士「魔法用具だって錬金術の類に当てはまる道具だろ?あの闇魔法の腕輪の勉強時にちっとばかり知ったんだよ」
猛竜騎士「なるほどな。しかし、前に来た時に比べてもちょっと暑い気はするんだが…」
魔剣士「更年期障害」
猛竜騎士「そんな歳じゃねぇよ!」
魔剣士「へっ、まぁ座ろうぜ」
猛竜騎士「お前な…。はぁ、まぁ良い…座るか……」
白姫「はいっ」

三人は空いていた席へと腰を降ろすと、出発の時間までまた雑談をして過ごした。そして、車内がいっぱいになった頃。
前方のワゴン側にいた運転手が口を開き、
「出発致しますので、ご注意ください」とお客たちに伝えると、馬車はゆっくりと動き始めた。

"グンッ…!"

馬車が動き出す一瞬、この引っ張られるような感覚は魔剣士と白姫にとってどうにも冒険をしている気になるらしく、その瞬間に見せるわずかな笑みに猛竜騎士もつい「ククッ」と笑みを零した。

―――だが、しかし。

この第三の大地の旅の始まりが、魔剣士らにとって"新たなる波乱の幕開け"となることとは予想できるわけがなかった――…。

…………
……


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