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第七章【氷山帝国】
7-12 絶対消失領域(1)
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………………………………………………
氷山帝国へ到着した一行は、馬車で出会った魔法連合本部に所属するセージと闇魔法の扱い方について指南を貰う代わりに、その経過と結果を研究対象として貰う取引を交わす。
当初は、白姫や闇魔法を知るセージに対して敵対意識を持っていたが、彼女の真剣さを見て徐々に彼女に信頼を寄せていった。
また、セージの用意した魔剣士らの宿泊するアイス・エンペラーホテルは"特級区"と呼ばれる、S指定された帝国における最高クラスの来賓を持て成す為の機密保持に優れた場所だったのだが、テイケンという良からぬ企みを持つ男に気づかぬ場所で全てを監視されていた――。
………………………………………………
魔剣士「……いってぇぇっ!」
全身を、鋭い針で貫かれたような痛みが走る。
セージ「何度言ったら分かるの!蓄積じゃない、放出をするイメージでやるのよ!」
魔剣士「クソッたれ…!イメージはしても、言う事きかねぇんだよ!」
セージ「魔力の少ない時から、以前から剣に火炎装やあらゆる魔法をしていたのに…すんなりいくと思ったんだけどねぇ……」
魔剣士「放出の理論も、イメージも分かる!なのに上手くいかねぇんだよ…!」
白姫「ま、魔剣士…大丈夫なのかな……」
猛竜騎士「アイツのことだ。自分が強くなるためには貪欲で、すぐに上手くいくようになるさ」
白姫「はいっ…」
猛竜騎士「白姫はこっちにきちんと集中しておけ」
白姫「わ、わかりましたっ!」
―――修行を初めて1週間。
魔剣士は、セージの指導のもと"放出"による自己強化を意図して発生させられるよう励んでいた。
しかし、従来から学んでいたイメージはそう簡単に変えられるものではなく、未だに自己強化について伸び悩み、その痛がる様子を見て白姫もまた集中できるものではなかった。
とはいえ、白姫はセージに用意された魔力が何に向いているかを調べられる"試験紙"によって改めて光属性の特色があることを確認し、それについての上位魔法の会得のために努力をしており……。
セージ「……白姫ちゃんは、元々魔法を学んでいなかったから、猛竜騎士に光魔法を学んだからそれに染まっちゃったのかもね」
セージ「魔力は人並みにあるみたいだし、この"魔抑力の腕輪"で、少しでもその他の属性が混じった場合は魔法自体が発生しないようにするから、純粋な光属性のみの回復魔法を覚えるまでこれを繰り返しましょう」
……とのこと。白姫はセージに従い、魔抑力の腕輪を装着し、猛竜騎士の指示のもと光魔法の繊細さに磨きをかけていた。
セージ「……白姫ちゃん、調子はどう?」
白姫「最初は全然ダメでしたけど、今はだいぶ魔法が発生するようになりました!」
セージ「そう…良かったわ。純粋な光属性のみ、つまり回復魔法のみの発生をさせられるようになるということは、回復力があるということなの」
白姫「ふむふむ……」
セージ「上級魔法となるフィールド型の回復魔法や、毒素を抜くようになったり、色々出来るようになるわよ」
白姫「へぇぇっ!そうなんですね!」
セージ「さすがに超回復級は無理だけど、短期間で実践で使えるほどには成長させてあげるから期待しといてね」
白姫「はいっ♪」
セージ「うん、素直でよろしい。猛竜騎士は、白姫ちゃんに関して何か思うところがあったら言ってね。協力はするから」
猛竜騎士「ふむ、分かった……が。早速いいか?」
セージ「本当に早速ね。何?」
猛竜騎士「期間のことなのだが、どれほどを予定しているんだ?」
セージ「……期間?」
猛竜騎士「修行期間というか、研究の期間というか」
セージ「あぁ……」
猛竜騎士「いや、俺らも今はあての無い旅に等しいわけで…機密保持がされているというのなら、それを信じてここに長期滞在するのは不満ではない」
猛竜騎士「しかし宿代のこともあるし、修行における期間について、どれほどか予定があるのかと思ってね」
セージ「あ~…その事について話をしてなかったわね……」
セージ「本来なら、私も貴方も納得する迄しっかりと対応をしたい…というのはあるんだけれどねぇ……」
猛竜騎士「物言いが気になるな。あるけれど…なんだ?」
セージ「実はまだ言ってなかったんだけど、出来るだけ間に合わせたい時間があったのよね……」
猛竜騎士「いつまでだ?」
セージ「来月頭にある、定例会議。つまり、魔法連合本部の研究における定例会議に加えて、ジェム・ランカーによる昇格判定の会議があるの」
猛竜騎士「そこで結果を出せば、昇格する可能性があるということか」
セージ「そういうこと。別に宿代とかはどうでもいいんだけど、来月の頭を逃すと次の会議は3か月後なのよ……」
猛竜騎士「とはいっても、来月頭といえば……」
"セージ「そう、来週末なの」"
猛竜騎士「時間がない気がするのだが…間に合うのか?」
セージ「正直なところ、早い段階で魔剣士クンの闇魔法について研究を進めたいのよね」
猛竜騎士「……分かった。だが、当の本人が」
セージ「そう、あれじゃあね……」
二人の目線の先に、相変わらず蓄積魔法しか扱えず、痛みに悶える魔剣士の姿があった。
魔剣士「あ、あいででででぇぇっ!!」
魔剣士「クソがぁぁぁっ!!」
魔剣士「放出のイメージとかしても、全然ダメじゃねぇかああっ!!」
ゴロゴロと転がる魔剣士。それを見た二人は大きくため息をついた。
セージ「参ったわね。闇魔法の研究は、自身の通りに扱える部分があってこそだと思ってたんだけど……」
猛竜騎士「魔剣士の魔力自体には、何か闇魔法を握る秘密はないのか?」
セージ「秘密?」
猛竜騎士「例えば、魔剣士の黄金色の魔法についてとかだ」
セージ「……黄金色は過剰魔法反応ということで、本来なら耐え切れなくなった身体が黄金の輝きに包まれて消滅するはずなの」
セージ「あれだけで闇魔法というか、人にあらざる力を持つのは分かるけど、ただゴールドカラーの魔法だけじゃ闇魔法の論文として何にもならないわよ……」
猛竜騎士「…そうなのか」
セージ「彼本人を"闇魔法の扱い手"として会議に参加させてもいいけど、解剖されかねないし」
猛竜騎士「そ、それは困るな」
セージ「そもそも闇魔法は、膨大な魔力を前提に異常な形状変化、その人が独特に所持する魔法をそう呼んだわけで」
猛竜騎士「今の魔剣士はタダの魔法使い、か」
セージ「そうねぇ…。もし自分の特性に気づいて、それを伸ばす…覚醒をしてくれれば早いんだけど」
猛竜騎士「現状、アイツは自らの魔力がどれに適しているのか、何をどうすればいいのか分からないと」
セージ「それに加えて、魔剣士クンは自らの身体に適さないことをしようとしているから性質が悪いのよ……」
猛竜騎士「通常通りの自己強化をすると、激痛が走るということか」
セージ「そういうこと。だから何度も言うけど……」
魔剣士が受けた闇魔法は、膨大な魔力と、ウィッチによる膨大な魔力の"暴走"を抑える魔力自体の蓄積である。彼の魔力が走る導線は、それを受けるほどに蓄積量が増加していなかったというわけだ。
セージ「今の彼に、膨大な魔力による純粋な強化魔法は扱えない。これは絶対なのよ」
猛竜騎士「絶対か……」
セージ「いえ、魔力を完全にコントロールできれば自分の"蓄積量"つまり、痛みが走る限界までは蓄積できると思うわよ?」
猛竜騎士「しかしそれでは、以前と変わらないということだろう」
セージ「それが運命なんじゃないかしら」
猛竜騎士「運命、か……」
セージ「彼が今やろうとしていることは分かる?」
猛竜騎士「放出型の強化といっていたが、難しいことなのか?」
セージ「……理論は簡単だけどね」
いま魔剣士が行っていたのは、身体から放出した魔力を全身にオーラのように纏わりつかせて停滞させ、全身の動作や属性抵抗を高めるというものだった。しかし、本来彼が学んだものは身体内部にて蓄積をイメージさせるもので、身体の周りにオーラを身に纏うところまではいくのだが、いざ停滞させようとすると同時に体内蓄積も発生し、激痛が走ってしまうというわけであった。
セージ「はぁ、外部の停滞と内部の蓄積が同時にしちゃうなんて時点で、あり得ないんだけど……」
セージ「…」
セージ「……って!ちょっと待って魔剣士クン!」
ふと何かを思い出すセージ。
魔剣士「んあ?」
セージ「そういえば魔剣士クン、剣に属性強化を纏わるのが得意だったわよね」
魔剣士「まぁ慣れてるしな」
セージ「じゃあ、それを純粋魔力で出来る?」
魔剣士「無属性ってことか?」
セージ「そうよ」
魔剣士「無属性では試したことがないっつーか、意味なくね?」
セージ「文句言わずにやってみてくれる?」
魔剣士「へいへい……」
セージの指示に魔剣士は剣を抜き、「はぁっ!」と気合を込めると同時に、銀色の剣に黄金の輝きが柄の上部・刃部分を回転しながらフワリと覆った。
魔剣士「おらよっ!」
セージ「……相変わらず美しい輝きね。無属性なのに黄金色なんて」
魔剣士「フン」
セージ「それじゃ、それを全身に纏わることは出来る?」
魔剣士「あ?」
セージ「その剣に纏うものを、身体に移動させて頂戴」
魔剣士「注文が多いな」
ぶつぶつと文句を言いつつも、魔剣士は剣芯部分にイメージしていた魔力を崩して全身へと拡大することでオーラのように身体が黄金色へと包まれた。
セージ「……出来た」
魔剣士「ん?」
セージ「あぁぁ…私もバカね。説明が下手というか、教える立場であるのに私も精進しないとダメねぇ…」
魔剣士「いや確かにババァはアホっぽいけどよ」
セージ「…その口を永遠に閉じてあげたいわ」
魔剣士「ハッハッハ」
セージ「笑ってんじゃないわよ!…そうじゃなくて、それをやってほしかったの!」
魔剣士「あ?」
セージ「だから、私がやってほしかったのは、それ!その無属性をオーラ状で纏うことだったの!」
魔剣士「……なぬ?」
セージ「それよ!そう、得意な放出魔法を把握しているのなら最初からそれでやればよかったんだわ……」
魔剣士「あ~、こういうイメージだったのか……」
セージ「その剣に属性を発生させる際、放出をして魔力を纏わりつかせてるでしょう」
セージ「つまり、私がやらせたかったのはそれなのよ!」
魔剣士「こういうことか…」
セージ「じゃあ、一旦魔法を停止させて」
魔剣士「おう」
魔剣士は放出を止めると、黄金の輝きはチラチラと光を残して消失した。
セージ「じゃ、次はそのイメージでもう1度。剣を仕舞って、身体にイメージだけでやってみて」
魔剣士「任せろ!はァッ!!」
再び魔力を放出し、今度は最初から全身へイメージする魔剣士だったが――…。
魔剣士「あいっ!?」
魔剣士「いっ…!あいだだだだぁぁぁっ!!?」
また、身体へと激痛が走った。
セージ「どうしてそうなるのかしら……」
魔剣士「お、俺が…聞きてぇっつうの……!いってぇぇ……!」
セージ「多分、身体へ付与するイメージと剣に魔力を付与するイメージが深層的な部分で違うのね……」
魔剣士「どうすりゃいいんだよ……」
セージ「そればかりは鍛錬で…としか。イメージはあるのに出来ないというのは、身体に染み付いているってことだからね」
セージ「もしくは、剣を構えた後に全身へオーラを移動させるとか、そういうことしかできないと思うわよ」
魔剣士「……マジで」
セージ「仕方ないでしょ。でも、第一段階はクリアってことでいいかな」
魔剣士「第一段階だ?」
セージ「まずは、魔剣士クンに全身にオーラを纏ってもらうことが私にとっても研究対象の基本段階だったのよ」
魔剣士「……第二段階はどうするっつーんだ」
セージ「本格的な属性仕様の展開よ。さっきの全身を纏った魔力のオーラに、各種属性の付与をしてもらうわ」
魔剣士「ん?」
セージ「だから、纏った無属性に属性を付与。最初は炎、次に水、雷、風といった属性を付与して頂戴」
セージ「それでどのような変化をするかを見たいわけ」
魔剣士「まぁ良いけどよ、それって俺が炎に包まれるってことじゃねぇの?」
セージ「炎に包まれて焼け死ぬんじゃない?」
魔剣士「オイッ!!?」
セージ「……冗談よ」
魔剣士「本当だろうな、オイ」
セージ「さぁ……」
魔剣士「おいコラ」
セージ「冗談って言いたいけど、言えなくもないのよ」
魔剣士「どういうことかね、貴様」
セージ「だからね、炎抵抗魔法を例にすると、それを使用しても炎の抵抗を持つだけで術者は炎に包まれたりもしないでしょ?」
セージ「だけど魔剣士クンの場合は、放出で外側に"炎自体"を纏わりつかせることに近いわけだから……」
魔剣士「どう考えても俺はこんがり焼けるじゃねぇかコラァ!」
セージ「だから、そこで賭ける部分があるっていうのよ」
魔剣士「どういう意味だ!」
セージ「魔剣士クンが炎を纏った剣は、どうなってる?」
魔剣士「そりゃ、斬ったモノに炎が爆散したりするが」
セージ「剣に干渉はしないでしょ?」
魔剣士「……どういうことだよ」
セージ「高温の炎の魔力で包まれた剣で、何を斬っても貴方の剣は折れたり曲がったりはしない」
セージ「剣が折れるのは物理要素であって、貴方の魔法によって剣自体の物理的変化はしないでしょう?」
魔剣士「あぁ、まぁ……」
確かにセージの言う通りで、魔剣士の長年愛用していた片手剣は"物理的"な傷を帯びていても、魔法による欠損は一切なかった。
セージ「だから、魔剣士クン自身に剣に付与するイメージのようにして自身に火炎装着しても大丈夫でしょう」
魔剣士「……本当に大丈夫なんだろうな。もし燃えたらテメーを焼きソーセージにしてやるからな」
セージ「あら、怖いの?」
魔剣士「誰が好き好んで自分で火ぃ点けるんだよ!?」
セージ「強くなることに、リスクを負わないつもり?」
魔剣士「あ?」
セージ「弱虫だったのね、魔剣士クン」
魔剣士「……あァ!!?」
セージ「残念だわぁ。魔剣士クンがそんな弱虫腰抜けだった…な、ん、て」
魔剣士「てめ…!やってやるよオラァァッ!!見てやがれこの野郎ォッ!」
セージ「ふふっ♪」
白姫(魔剣士を操ってる!)
猛竜騎士(扱いに慣れている…。ま、燃えた所で魔剣士なら大丈夫だろう)
その身を案じている者は誰一人としていなかった。勿論、魔剣士の方も激昂した為、剣に炎属性を着火後、即座にオーラのように自身へと付与を行ったのだが。
―――…すると。
魔剣士「……どうだコラァ!」
全員が予想した結果と違う、まさかの光景が展開した。それに思わず、全員が声を上げる。
セージ「……え!?」
猛竜騎士「な、何っ!?」
白姫「赤い…オーラ……?」
魔剣士「……んあ?」
全員が予想していたのは、成功しようと失敗しようと、魔剣士自身が"炎"に包まれるというものだっただろう。
しかし、実際に起こった現象。
それは、"真っ赤"なオーラが彼を覆ったのだった。
魔剣士「……おぉ!?」
セージ「嘘でしょ…」
魔剣士「燃えずに済んだぜ……」
セージ「いや、突っ込みどころソコじゃないから!?」
魔剣士「ん?」
白姫(セージさんが突っ込んだ!?)
猛竜騎士(ということは、俺らが驚いたの同じ…やはりイレギュラーな動きだったのか)
魔剣士「どうしたよ?」
セージ「い、いやちょっと待って頂戴。私がどうしたよ?って聞きたいんだけど」
魔剣士「何が?」
セージ「何がって、それよそれ!何で全身から赤いオーラを発してるの!」
魔剣士「同じようにイメージしたらできた」
セージ「意味わかんないから!」
魔剣士「俺だってわからねぇから!」
セージ「ち、ちょっと待って…!」
セージ「ん~…猛竜騎士、ちょっといい!?」
猛竜騎士「何だ?」
セージ「これが属性効果を持つなら、炎同士もしくは水で反応をしめすハズ。一発でかいのやっちゃって!」
魔剣士「おい待て」
猛竜騎士「……いや。俺はそんな強大な魔法は扱えないのでな」
セージ「使えないわね……。仕方ない、私がやってやるわ!」
セージは小さく"炎よ"と呟くと、掌にそれなりの大きさの炎を照らし、一瞬のうちにそれを魔剣士目掛けて放り投げた。
魔剣士「うおっ!?」
セージ「動かないで!」
セージの放った火炎魔法は、彼に触れた瞬間、爆発が起こるハズであった。だが、魔剣士のオーラと衝突すると、その火炎に飲みこまれて瞬時に消失してしまった。
魔剣士「……あら?」
セージ「冗談……」
魔剣士「ソーセージの放った火炎魔法どこいった?」
セージ「属性抵抗ってレベルじゃない……」
魔剣士「ん?」
猛竜騎士「何だ、どうした?」
セージ「まさかとは思ったけど、そういうことなの……?」
魔剣士「だからどうしたんだって」
セージ「……良い?」
セージ「よーく聞いて。私自身、信じる事が出来ないんだけど……」
魔剣士「説明する奴ってイチイチ溜めるよな。面倒くせぇ」
セージ「そのくらいのことなのよ!」
魔剣士「だから何がだよ!」
セージ「貴方のそのオーラ、消失効果を持つ絶対領域になっているのよ!」
魔剣士「……あん?」
氷山帝国へ到着した一行は、馬車で出会った魔法連合本部に所属するセージと闇魔法の扱い方について指南を貰う代わりに、その経過と結果を研究対象として貰う取引を交わす。
当初は、白姫や闇魔法を知るセージに対して敵対意識を持っていたが、彼女の真剣さを見て徐々に彼女に信頼を寄せていった。
また、セージの用意した魔剣士らの宿泊するアイス・エンペラーホテルは"特級区"と呼ばれる、S指定された帝国における最高クラスの来賓を持て成す為の機密保持に優れた場所だったのだが、テイケンという良からぬ企みを持つ男に気づかぬ場所で全てを監視されていた――。
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魔剣士「……いってぇぇっ!」
全身を、鋭い針で貫かれたような痛みが走る。
セージ「何度言ったら分かるの!蓄積じゃない、放出をするイメージでやるのよ!」
魔剣士「クソッたれ…!イメージはしても、言う事きかねぇんだよ!」
セージ「魔力の少ない時から、以前から剣に火炎装やあらゆる魔法をしていたのに…すんなりいくと思ったんだけどねぇ……」
魔剣士「放出の理論も、イメージも分かる!なのに上手くいかねぇんだよ…!」
白姫「ま、魔剣士…大丈夫なのかな……」
猛竜騎士「アイツのことだ。自分が強くなるためには貪欲で、すぐに上手くいくようになるさ」
白姫「はいっ…」
猛竜騎士「白姫はこっちにきちんと集中しておけ」
白姫「わ、わかりましたっ!」
―――修行を初めて1週間。
魔剣士は、セージの指導のもと"放出"による自己強化を意図して発生させられるよう励んでいた。
しかし、従来から学んでいたイメージはそう簡単に変えられるものではなく、未だに自己強化について伸び悩み、その痛がる様子を見て白姫もまた集中できるものではなかった。
とはいえ、白姫はセージに用意された魔力が何に向いているかを調べられる"試験紙"によって改めて光属性の特色があることを確認し、それについての上位魔法の会得のために努力をしており……。
セージ「……白姫ちゃんは、元々魔法を学んでいなかったから、猛竜騎士に光魔法を学んだからそれに染まっちゃったのかもね」
セージ「魔力は人並みにあるみたいだし、この"魔抑力の腕輪"で、少しでもその他の属性が混じった場合は魔法自体が発生しないようにするから、純粋な光属性のみの回復魔法を覚えるまでこれを繰り返しましょう」
……とのこと。白姫はセージに従い、魔抑力の腕輪を装着し、猛竜騎士の指示のもと光魔法の繊細さに磨きをかけていた。
セージ「……白姫ちゃん、調子はどう?」
白姫「最初は全然ダメでしたけど、今はだいぶ魔法が発生するようになりました!」
セージ「そう…良かったわ。純粋な光属性のみ、つまり回復魔法のみの発生をさせられるようになるということは、回復力があるということなの」
白姫「ふむふむ……」
セージ「上級魔法となるフィールド型の回復魔法や、毒素を抜くようになったり、色々出来るようになるわよ」
白姫「へぇぇっ!そうなんですね!」
セージ「さすがに超回復級は無理だけど、短期間で実践で使えるほどには成長させてあげるから期待しといてね」
白姫「はいっ♪」
セージ「うん、素直でよろしい。猛竜騎士は、白姫ちゃんに関して何か思うところがあったら言ってね。協力はするから」
猛竜騎士「ふむ、分かった……が。早速いいか?」
セージ「本当に早速ね。何?」
猛竜騎士「期間のことなのだが、どれほどを予定しているんだ?」
セージ「……期間?」
猛竜騎士「修行期間というか、研究の期間というか」
セージ「あぁ……」
猛竜騎士「いや、俺らも今はあての無い旅に等しいわけで…機密保持がされているというのなら、それを信じてここに長期滞在するのは不満ではない」
猛竜騎士「しかし宿代のこともあるし、修行における期間について、どれほどか予定があるのかと思ってね」
セージ「あ~…その事について話をしてなかったわね……」
セージ「本来なら、私も貴方も納得する迄しっかりと対応をしたい…というのはあるんだけれどねぇ……」
猛竜騎士「物言いが気になるな。あるけれど…なんだ?」
セージ「実はまだ言ってなかったんだけど、出来るだけ間に合わせたい時間があったのよね……」
猛竜騎士「いつまでだ?」
セージ「来月頭にある、定例会議。つまり、魔法連合本部の研究における定例会議に加えて、ジェム・ランカーによる昇格判定の会議があるの」
猛竜騎士「そこで結果を出せば、昇格する可能性があるということか」
セージ「そういうこと。別に宿代とかはどうでもいいんだけど、来月の頭を逃すと次の会議は3か月後なのよ……」
猛竜騎士「とはいっても、来月頭といえば……」
"セージ「そう、来週末なの」"
猛竜騎士「時間がない気がするのだが…間に合うのか?」
セージ「正直なところ、早い段階で魔剣士クンの闇魔法について研究を進めたいのよね」
猛竜騎士「……分かった。だが、当の本人が」
セージ「そう、あれじゃあね……」
二人の目線の先に、相変わらず蓄積魔法しか扱えず、痛みに悶える魔剣士の姿があった。
魔剣士「あ、あいででででぇぇっ!!」
魔剣士「クソがぁぁぁっ!!」
魔剣士「放出のイメージとかしても、全然ダメじゃねぇかああっ!!」
ゴロゴロと転がる魔剣士。それを見た二人は大きくため息をついた。
セージ「参ったわね。闇魔法の研究は、自身の通りに扱える部分があってこそだと思ってたんだけど……」
猛竜騎士「魔剣士の魔力自体には、何か闇魔法を握る秘密はないのか?」
セージ「秘密?」
猛竜騎士「例えば、魔剣士の黄金色の魔法についてとかだ」
セージ「……黄金色は過剰魔法反応ということで、本来なら耐え切れなくなった身体が黄金の輝きに包まれて消滅するはずなの」
セージ「あれだけで闇魔法というか、人にあらざる力を持つのは分かるけど、ただゴールドカラーの魔法だけじゃ闇魔法の論文として何にもならないわよ……」
猛竜騎士「…そうなのか」
セージ「彼本人を"闇魔法の扱い手"として会議に参加させてもいいけど、解剖されかねないし」
猛竜騎士「そ、それは困るな」
セージ「そもそも闇魔法は、膨大な魔力を前提に異常な形状変化、その人が独特に所持する魔法をそう呼んだわけで」
猛竜騎士「今の魔剣士はタダの魔法使い、か」
セージ「そうねぇ…。もし自分の特性に気づいて、それを伸ばす…覚醒をしてくれれば早いんだけど」
猛竜騎士「現状、アイツは自らの魔力がどれに適しているのか、何をどうすればいいのか分からないと」
セージ「それに加えて、魔剣士クンは自らの身体に適さないことをしようとしているから性質が悪いのよ……」
猛竜騎士「通常通りの自己強化をすると、激痛が走るということか」
セージ「そういうこと。だから何度も言うけど……」
魔剣士が受けた闇魔法は、膨大な魔力と、ウィッチによる膨大な魔力の"暴走"を抑える魔力自体の蓄積である。彼の魔力が走る導線は、それを受けるほどに蓄積量が増加していなかったというわけだ。
セージ「今の彼に、膨大な魔力による純粋な強化魔法は扱えない。これは絶対なのよ」
猛竜騎士「絶対か……」
セージ「いえ、魔力を完全にコントロールできれば自分の"蓄積量"つまり、痛みが走る限界までは蓄積できると思うわよ?」
猛竜騎士「しかしそれでは、以前と変わらないということだろう」
セージ「それが運命なんじゃないかしら」
猛竜騎士「運命、か……」
セージ「彼が今やろうとしていることは分かる?」
猛竜騎士「放出型の強化といっていたが、難しいことなのか?」
セージ「……理論は簡単だけどね」
いま魔剣士が行っていたのは、身体から放出した魔力を全身にオーラのように纏わりつかせて停滞させ、全身の動作や属性抵抗を高めるというものだった。しかし、本来彼が学んだものは身体内部にて蓄積をイメージさせるもので、身体の周りにオーラを身に纏うところまではいくのだが、いざ停滞させようとすると同時に体内蓄積も発生し、激痛が走ってしまうというわけであった。
セージ「はぁ、外部の停滞と内部の蓄積が同時にしちゃうなんて時点で、あり得ないんだけど……」
セージ「…」
セージ「……って!ちょっと待って魔剣士クン!」
ふと何かを思い出すセージ。
魔剣士「んあ?」
セージ「そういえば魔剣士クン、剣に属性強化を纏わるのが得意だったわよね」
魔剣士「まぁ慣れてるしな」
セージ「じゃあ、それを純粋魔力で出来る?」
魔剣士「無属性ってことか?」
セージ「そうよ」
魔剣士「無属性では試したことがないっつーか、意味なくね?」
セージ「文句言わずにやってみてくれる?」
魔剣士「へいへい……」
セージの指示に魔剣士は剣を抜き、「はぁっ!」と気合を込めると同時に、銀色の剣に黄金の輝きが柄の上部・刃部分を回転しながらフワリと覆った。
魔剣士「おらよっ!」
セージ「……相変わらず美しい輝きね。無属性なのに黄金色なんて」
魔剣士「フン」
セージ「それじゃ、それを全身に纏わることは出来る?」
魔剣士「あ?」
セージ「その剣に纏うものを、身体に移動させて頂戴」
魔剣士「注文が多いな」
ぶつぶつと文句を言いつつも、魔剣士は剣芯部分にイメージしていた魔力を崩して全身へと拡大することでオーラのように身体が黄金色へと包まれた。
セージ「……出来た」
魔剣士「ん?」
セージ「あぁぁ…私もバカね。説明が下手というか、教える立場であるのに私も精進しないとダメねぇ…」
魔剣士「いや確かにババァはアホっぽいけどよ」
セージ「…その口を永遠に閉じてあげたいわ」
魔剣士「ハッハッハ」
セージ「笑ってんじゃないわよ!…そうじゃなくて、それをやってほしかったの!」
魔剣士「あ?」
セージ「だから、私がやってほしかったのは、それ!その無属性をオーラ状で纏うことだったの!」
魔剣士「……なぬ?」
セージ「それよ!そう、得意な放出魔法を把握しているのなら最初からそれでやればよかったんだわ……」
魔剣士「あ~、こういうイメージだったのか……」
セージ「その剣に属性を発生させる際、放出をして魔力を纏わりつかせてるでしょう」
セージ「つまり、私がやらせたかったのはそれなのよ!」
魔剣士「こういうことか…」
セージ「じゃあ、一旦魔法を停止させて」
魔剣士「おう」
魔剣士は放出を止めると、黄金の輝きはチラチラと光を残して消失した。
セージ「じゃ、次はそのイメージでもう1度。剣を仕舞って、身体にイメージだけでやってみて」
魔剣士「任せろ!はァッ!!」
再び魔力を放出し、今度は最初から全身へイメージする魔剣士だったが――…。
魔剣士「あいっ!?」
魔剣士「いっ…!あいだだだだぁぁぁっ!!?」
また、身体へと激痛が走った。
セージ「どうしてそうなるのかしら……」
魔剣士「お、俺が…聞きてぇっつうの……!いってぇぇ……!」
セージ「多分、身体へ付与するイメージと剣に魔力を付与するイメージが深層的な部分で違うのね……」
魔剣士「どうすりゃいいんだよ……」
セージ「そればかりは鍛錬で…としか。イメージはあるのに出来ないというのは、身体に染み付いているってことだからね」
セージ「もしくは、剣を構えた後に全身へオーラを移動させるとか、そういうことしかできないと思うわよ」
魔剣士「……マジで」
セージ「仕方ないでしょ。でも、第一段階はクリアってことでいいかな」
魔剣士「第一段階だ?」
セージ「まずは、魔剣士クンに全身にオーラを纏ってもらうことが私にとっても研究対象の基本段階だったのよ」
魔剣士「……第二段階はどうするっつーんだ」
セージ「本格的な属性仕様の展開よ。さっきの全身を纏った魔力のオーラに、各種属性の付与をしてもらうわ」
魔剣士「ん?」
セージ「だから、纏った無属性に属性を付与。最初は炎、次に水、雷、風といった属性を付与して頂戴」
セージ「それでどのような変化をするかを見たいわけ」
魔剣士「まぁ良いけどよ、それって俺が炎に包まれるってことじゃねぇの?」
セージ「炎に包まれて焼け死ぬんじゃない?」
魔剣士「オイッ!!?」
セージ「……冗談よ」
魔剣士「本当だろうな、オイ」
セージ「さぁ……」
魔剣士「おいコラ」
セージ「冗談って言いたいけど、言えなくもないのよ」
魔剣士「どういうことかね、貴様」
セージ「だからね、炎抵抗魔法を例にすると、それを使用しても炎の抵抗を持つだけで術者は炎に包まれたりもしないでしょ?」
セージ「だけど魔剣士クンの場合は、放出で外側に"炎自体"を纏わりつかせることに近いわけだから……」
魔剣士「どう考えても俺はこんがり焼けるじゃねぇかコラァ!」
セージ「だから、そこで賭ける部分があるっていうのよ」
魔剣士「どういう意味だ!」
セージ「魔剣士クンが炎を纏った剣は、どうなってる?」
魔剣士「そりゃ、斬ったモノに炎が爆散したりするが」
セージ「剣に干渉はしないでしょ?」
魔剣士「……どういうことだよ」
セージ「高温の炎の魔力で包まれた剣で、何を斬っても貴方の剣は折れたり曲がったりはしない」
セージ「剣が折れるのは物理要素であって、貴方の魔法によって剣自体の物理的変化はしないでしょう?」
魔剣士「あぁ、まぁ……」
確かにセージの言う通りで、魔剣士の長年愛用していた片手剣は"物理的"な傷を帯びていても、魔法による欠損は一切なかった。
セージ「だから、魔剣士クン自身に剣に付与するイメージのようにして自身に火炎装着しても大丈夫でしょう」
魔剣士「……本当に大丈夫なんだろうな。もし燃えたらテメーを焼きソーセージにしてやるからな」
セージ「あら、怖いの?」
魔剣士「誰が好き好んで自分で火ぃ点けるんだよ!?」
セージ「強くなることに、リスクを負わないつもり?」
魔剣士「あ?」
セージ「弱虫だったのね、魔剣士クン」
魔剣士「……あァ!!?」
セージ「残念だわぁ。魔剣士クンがそんな弱虫腰抜けだった…な、ん、て」
魔剣士「てめ…!やってやるよオラァァッ!!見てやがれこの野郎ォッ!」
セージ「ふふっ♪」
白姫(魔剣士を操ってる!)
猛竜騎士(扱いに慣れている…。ま、燃えた所で魔剣士なら大丈夫だろう)
その身を案じている者は誰一人としていなかった。勿論、魔剣士の方も激昂した為、剣に炎属性を着火後、即座にオーラのように自身へと付与を行ったのだが。
―――…すると。
魔剣士「……どうだコラァ!」
全員が予想した結果と違う、まさかの光景が展開した。それに思わず、全員が声を上げる。
セージ「……え!?」
猛竜騎士「な、何っ!?」
白姫「赤い…オーラ……?」
魔剣士「……んあ?」
全員が予想していたのは、成功しようと失敗しようと、魔剣士自身が"炎"に包まれるというものだっただろう。
しかし、実際に起こった現象。
それは、"真っ赤"なオーラが彼を覆ったのだった。
魔剣士「……おぉ!?」
セージ「嘘でしょ…」
魔剣士「燃えずに済んだぜ……」
セージ「いや、突っ込みどころソコじゃないから!?」
魔剣士「ん?」
白姫(セージさんが突っ込んだ!?)
猛竜騎士(ということは、俺らが驚いたの同じ…やはりイレギュラーな動きだったのか)
魔剣士「どうしたよ?」
セージ「い、いやちょっと待って頂戴。私がどうしたよ?って聞きたいんだけど」
魔剣士「何が?」
セージ「何がって、それよそれ!何で全身から赤いオーラを発してるの!」
魔剣士「同じようにイメージしたらできた」
セージ「意味わかんないから!」
魔剣士「俺だってわからねぇから!」
セージ「ち、ちょっと待って…!」
セージ「ん~…猛竜騎士、ちょっといい!?」
猛竜騎士「何だ?」
セージ「これが属性効果を持つなら、炎同士もしくは水で反応をしめすハズ。一発でかいのやっちゃって!」
魔剣士「おい待て」
猛竜騎士「……いや。俺はそんな強大な魔法は扱えないのでな」
セージ「使えないわね……。仕方ない、私がやってやるわ!」
セージは小さく"炎よ"と呟くと、掌にそれなりの大きさの炎を照らし、一瞬のうちにそれを魔剣士目掛けて放り投げた。
魔剣士「うおっ!?」
セージ「動かないで!」
セージの放った火炎魔法は、彼に触れた瞬間、爆発が起こるハズであった。だが、魔剣士のオーラと衝突すると、その火炎に飲みこまれて瞬時に消失してしまった。
魔剣士「……あら?」
セージ「冗談……」
魔剣士「ソーセージの放った火炎魔法どこいった?」
セージ「属性抵抗ってレベルじゃない……」
魔剣士「ん?」
猛竜騎士「何だ、どうした?」
セージ「まさかとは思ったけど、そういうことなの……?」
魔剣士「だからどうしたんだって」
セージ「……良い?」
セージ「よーく聞いて。私自身、信じる事が出来ないんだけど……」
魔剣士「説明する奴ってイチイチ溜めるよな。面倒くせぇ」
セージ「そのくらいのことなのよ!」
魔剣士「だから何がだよ!」
セージ「貴方のそのオーラ、消失効果を持つ絶対領域になっているのよ!」
魔剣士「……あん?」
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