83 / 176
第八章【東方大地】
8-14 戦いの臭い
しおりを挟む
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――ワイバーンの戦いから数時間後。
無事に"奈落の谷アイアン"を抜けた一行は、いよいよ砂国への道サンドロックへと突入していた。
アイアン付近は岩場が続く崖道となっていたのに対し、今度の風景はその名"サンドロック"の通り、見渡す限りの砂漠ばかりとなっていた。
白姫「でも、凄く遠くには岩壁が見えるね」
白姫の言う通り、遥か遠くではあったがアイアンと同じ石質で出来た岩壁がグルリと囲うように立ち、現在いる場所がどのような形状になっているか想像もつかなかった。……が、テイルは「聞きなさい!」という上から目線でそれを説明した。
テイル「ここは、東方大地のカルデラ跡なのよ」
白姫「カルデラ跡?」
テイル「だから、今いる場所は元々"火口"なの。周囲の岩壁は、火口の穴部分を覆う部分のそれよ」
白姫「火口って…火山!?」
テイル「そう。この巨大な火山が東方大地を荒廃にした原因って言われてるわ」
白姫「えぇ……!」
テイル「さっきのアイアンの谷は、その溶岩が流れた道なの」
テイル「周りに壁のように立つグランドロック、そこから溢れ出た溶岩がアイアンという谷を形成し、そこに長年に蓄積された砂の足場がここ…サンドロックなのよ」
白姫「へぇー…!」
魔剣士「なるほどな。……だけど、それってちょっとおかしくね?」
テイル「何が?」
魔剣士「どうして、このサンドロックにはオアシスが多いんだ?死火山で砂で埋まったっつーことは、カルデラが枯渇して出来た場所なんだろ?」
テイル「ここに蓄積された砂は特殊で、粒子が細かいのとゴツゴツしたので出来てるのよ」
魔剣士「それで?」
テイル「だから、地下に潜っていた湖の水が、ろ過されて地上へ湧き出てるわけ」
魔剣士「あぁ…」
テイル「それでまぁ、話は戻るけど…この巨大な火山が東方大地の形状を変えて、全てを荒廃させてしまったのよ」
魔剣士「…じゃあ、最初はもっと緑に溢れてたのか」
テイル「いつのことかは分からないけどね」
魔剣士「ほーん……」
この大地に住む人々は、最初から苦しい暮らしをしていたわけではないらしい。元々は緑に溢れていた大地だったようだが、突然の大変動により生活は一変。逃げる者も多くはいただろうが、慣れ親しんだ土地から離れることのなかった前任者たちによって今日という未来が生まれた。
だから、今の東方大地に住む人々にも平和を重んじている人間は少なからず存在する。いつの日かまた幸せな大地となることを信じ、この瞬間を生きているのだ。
テイル「その平和を重んじる代表。その国こそ、砂国だったのに……!」
魔剣士「…」
テイル「どうして本当に……」
魔剣士「……おい、何度もそうやって落ち込むのはいらねぇーから。どうせ、お前の手に戻ってくるんだろ?」
テイル「魔剣士……」
魔剣士「それとも、何度も俺の手で揉まれたいからわざとやってるのか!?」
テイル「……だ、誰が!それに落ち込んでなんかないしっ!」
魔剣士「じゃ、今は俺らのことも信じてくれてるってことでいいかね」
"ポン"とテイルの頭に手を乗せる。
テイル「うっ……!」
魔剣士「もう国も目の前なんだろ?」
テイル「……あと1日もあれば着くと…思うけど」
魔剣士「おっしゃ、国は絶対に取り戻したるぜ。そうじゃねぇと世界が危ないからな」
テイル「……締結状のことね」
魔剣士「国を救った暁には、北方大地の氷山帝国と共同戦線!いいだろ?」
テイル「その前に、魔剣士は変態罪で死刑だけどね」
魔剣士「待てコラ」
テイル「フンッ」
魔剣士「口の絶えない女だなお前は……!」
テイル「っていうかいつまで頭に手を乗せてるのよ!偉そうに!」
腕を払い、ツンとするテイル。
魔剣士「うぎっ…!」
テイル「バカッ!」
白姫(あっ、またっ……!)
猛竜騎士(ん……)
また喧嘩かと、白姫、猛竜騎士は反応したが、実際のところ"本気で嫌がっていないこと"を魔剣士本人が理解した。
魔剣士(……随分と優しい払い方だな。痛くもねぇし、触ったあとに毛嫌いする様子もねぇ)
魔剣士は思わずクククと笑い、テイルを見つめた。
テイル「……何よ」
魔剣士「いや、何でもねぇよ」
テイル「にやにやして…、気持ち悪いんだけど」
魔剣士「どの口が言ってるのか」
テイル「……ちょっとその言い方、私のこと馬鹿にしてるでしょ」
魔剣士「さぁーな」
テイル「こ、この……!」
魔剣士「ハハッ…!」
テイル「わ、笑うなぁっ!!」
この時、テイルは魔剣士たちと出会ったばかりとはいえ、その戦いぶりを見て白姫の彼を信じる心に共感を覚え、本気で嫌いな気持ちはなくなっていた。
テイル「…っ!」
いや、むしろここまで自分に意見をしてきた相手が"あの兄"以外にいただろうか。
魔剣士が少なくとも努力をしてきたことは嘘じゃないだろうし、いつの日か見た兄のように、知らず知らずに兄の面影を見ていたのかもしれない。
……生意気で。
だけど優しい。
どこか、懐かしい。
そんな、感覚。
魔剣士「…」
テイル「…」
今の彼女にとって、魔剣士はバカで生意気で変態だが、信用出来る男。不器用な男。優しい人。かもしれない、だけど。
テイル「……そんな感じかな?」
魔剣士「んあ?」
テイル「何でもない、バカ」
魔剣士「口を開けば悪口しか言わないのな、お前は!」
テイル「ふふっ、仕方ないでしょ」
魔剣士「……バーカ」
テイル「ふんっ」
魔剣士「ククッ……」
白姫は二人の様子を見て「むむむ」と唸っていたが、馬車の中は随分と雰囲気が柔らかくなったと思う。
猛竜騎士もその気をようやく察知したか、「そういうことか」と呟いた。
テイル(うーん、なんか変な感じっていうか、変な空気になった…かな。ま、嫌いじゃないけどね?)
白姫(うー…、魔剣士とテイルさん随分と喧嘩してても仲が良さそうに見えるよー……。悪い雰囲気じゃないのはいいことだけど…っ!)
魔剣士(ふむ、なんか面白くなってきたなって感じがするぜ!)
猛竜騎士(姫たる故か、女性が故か。魔剣士の本心を汲むのも早かったか。良い事だな)
砂国を目の前に、本当の仲間意識が芽生え始めていた。
……
…
―――だが、事態は突如、急展開を迎える。
…
……
猛竜騎士「……ぐっ!?」
それにいち早く感づいたのは、察知を伸ばしていた猛竜騎士だった。
魔剣士「……うぉっ!?」
次点で、魔剣士。
テイル「……えっ!?」
白姫「ど、どうしたの!?」
突然の声をあげた三人に驚く白姫とテイル。
猛竜騎士「――…魔剣士ッ!!」
魔剣士「分かってる!!」
素早く剣を抜き、馬車の小窓から前方を覗く。片腕に炎の魔力を宿し、臨戦態勢をとった。
白姫「な、何!?」
魔剣士「静かにしてろ!姿勢を低くして、動くな!」
白姫「えっ、えっ…!?」
魔剣士「なんだこの感覚…は……!」
ワゴン側にいた猛竜騎士も、咄嗟に槍を構え、その先を見つめていた。
魔剣士「何て…気持ちの悪い…殺気だ……!」
白姫「殺気…って……」
猛竜騎士と魔剣士が感じたそれは、今までと全く異なるまでの凶悪な"殺気"だった。しかも、ただの"殺す気配"ではない。
……純粋たる"殺戮の気"である。
余りにも強烈過ぎたその気配は、"超危険種の魔族が存在する"と認識に陥った程だ。
魔剣士「砂国はクッソ危険な魔族を飼育してんのか…!?」
テイル「そんなわけないでしょ!」
魔剣士「じゃあ何だよこの気配は!」
テイル「わ、分かるわけないでしょ私に!」
魔剣士「……今までとは違う。何もかも欲する、命を…欲する…気……!」
テイル「欲する…?」
魔剣士「殺しを殺しと問わないような、そんな…感覚だよ……!」
テイル「そんな感覚って……」
テイル「……まさか、アサシン…?」
魔剣士「何っ!?」
白姫「アサシンって……!」
テイル「この辺にいるそこまでの相手って言ったら、アサシンか何かしか…いない……」
魔剣士「マジかよ…、こんなのが…相手なのか……!」
テイル「たぶん…それしか考えられないから……」
魔剣士「だ、だけどよ!砂国までまだ1日の距離があるのに、そんな離れた距離からこの殺気か!?」
テイル「アサシンなら、このくらいの気は……って、あっ…!」
魔剣士「何か分かるのか!?」
何かを思い出すテイル。
テイル「もしかしてだけど、この道をまっすぐ行くと"荒地村"っていう小さい村があるんだけど……」
魔剣士「おう、それがどうした!」
テイル「そこにアサシンが…いるとか……」
魔剣士「!」
白姫「!」
猛竜騎士「…!」
テイル「い、いや分からないけど!だけど、相当離れた砂国からそんな気を感じるなんて難しいし、だとしたらそれしか…!」
猛竜騎士「テイル、村までの距離は?」
テイル「半日もかからないと思う……けど……」
猛竜騎士「……位置的には、このペースでそれくらいに感じている。俺の察知が間違いなければだがな」
魔剣士「じゃあ、まさか……」
猛竜騎士「その村にアサシンがいる可能性が高いということだ……」
魔剣士「……ハハ、マジかよ」
猛竜騎士「砂国で相対するものと思っていたが、いきなり過ぎて気をやられた。まずは落ち着くことが先決だな」
猛竜騎士は「ふぅ……」と息を吐き、構えていた武器を下ろし、目を閉じた。
魔剣士「……まだ慌てるような時間じゃないってか」
猛竜騎士「いきなりのことで驚いたが、まだ相手は遠い。だが、いきなりの大ボスの相手となるとは思わなかったぞ」
魔剣士「勝てるのか」
猛竜騎士「お前が聞くことか?」
魔剣士「勝つに決まってる」
猛竜騎士「そうだな。それしか道はない」
魔剣士「……当然だろうが。テイル、白姫、覚悟はいいな」
白姫「うん、もちろんだよ…!」
テイル「当たり前でしょ!こんな早く会えると思ってなかったんだから、相討ちにしても絶対に……」
魔剣士「…相打ちになったら困るだろうが。白姫にも、テイルにも生きててもらわんとな」
テイル「……ふーん、私のこと心配してくれるんだ?」
少し、表情が和らぐテイル。
魔剣士「あのな、締結状のことがあるだろが」
テイル「……あぁ、そうね」
魔剣士「ま、それを抜きにしても目の前で"仲間の女子"を殺されることは見て見ぬ振りはしねぇよ」
テイル「!」
魔剣士「誰がどうでも、守る。お前だって大事な仲間なんだから、守るに決まってるだろ」
テイル「……っ!」
魔剣士「…どうした?」
テイル「恥ずかしいことを惜しげもなく言ったり、不器用にしか優しさを表現できなかったり、ホントに意味が分からないよね、魔剣士って」
魔剣士「にゃにっ!?」
テイル「……だから、信じられるんだけど」
魔剣士「お、おうっ?」
テイル「分かったわよ、任せるからね?」
魔剣士「……任せろよ」
拳をテイルの前に突き出す。
テイル「任せたっ」
ゴツンと拳を突き合わせ、二人は笑った。
白姫「……ま、魔剣士!私も!」
白姫も真似をして魔剣士の前に拳を突き出すが、その時、馬車がグラリと揺れて腹部へと強烈なグーパンチが炸裂した
魔剣士「ほごぅおっ…!?」
白姫「あっ…!」
魔剣士「ぬ…ぉ……!」
白姫「あ、あう…!ご、ごめんなさいいっ!」
魔剣士「い…良いパンチだ…!それをアサシンに食らわして…やれ……」
白姫「あぅぅ……!」
テイル(何やってんだか…。決戦の前かもしれないのに、笑わせてくれるじゃないの……)
猛竜騎士(この二人は…。やれやれ……)
非情な殺戮の気の前だというのに、白姫と魔剣士のやり取りで馬車は再び落ち着いた雰囲気に戻ったのだった。
…………
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――数時間後、「荒地村」
陽が傾き、星空が見えてきた頃。"荒地村"に明かりが灯った。
村人たちの姿はあったが、それはただ賊に支配された中、彼らへの食糧と悦びを与える為だけに存在させられているようなものだった。
そして、その村の一番中心にある元村長の家屋。
そこには、黒ずくめの男たちが数人集まっているようで、酒を飲み楽しんでいるように見える。そんな最中、村長の家の扉が"ギィ…"と開かれた時、監視役だった"ミハリ"は、宴の中心に座る男に対し「アサシン様」と確かにその名を呼んだ。
アサシン「…」
魔剣士と猛竜騎士の察知は正確だった。
この村でアサシンは、クローツへ伝えなかった"監視役のミハリとカンサツ"より情報を聞き、その時を待っていたのだ。
ミハリ「例の馬車ですが、時刻的には本日の夕刻過ぎ……間もなくかと」
アサシン「そろそろ到着するか」
ミハリ「昨日以前にお話しをしましたが、"アサシン様の飼っていたワイバーン"を倒す程の相手ではありますので…万が一ということも。ご注意ください」
アサシン「俺に忠告か」
ミハリ「は……、い、いえ!その……!」
アサシン「何もする気はない。それは俺を思ってのことだろう?」
ミハリ「は、はい……!そ、そうです!」
アサシン「本隊であるお前の言葉、しかと受け止めた。その時が来るまで、ここで休んでおけ」
ミハリ「あ、ありがとうございます!」
宴の輪に加わったミハリは、アサシンの言葉に悦び、奴隷同然の村人が作った野菜と料理を口いっぱいに頬張った。
すると、その隣にいた副長ルヴァは「はしたないぞ」と口を開く。
ルヴァ「アサシン様の前で、みっともないことは止せ」
ミハリ「うっ…、す、すいません……」
アサシン「……気にするな。好きに生きる、欲を強く出せる者は嫌いではない」
ミハリ「アサシン様……」
アサシン「己を隠すほうがよっぽど恥じであると知れ。ここに囲むみなが、俺の命を、俺の立場を狙ったとしても文句は言わん」
その言葉に、宴に参加する団員たちからは"おぉ"と歓声があがる。
アサシン「好きに生きろ。欲に素直な生き方をしないことは、死んでいるそれと一緒だ」
ミハリ「……はいっ!しかと受け止めておきます!」
ルヴァ「折角、アサシン盗賊団の夜明けとなった国取りです。一つの問題も排除し、いつかのように花を咲かせましょう」
アサシン「全ては俺が生きるために。"この世は俺の好きに生きるためにあればいい"」
ミハリ(……うぇ!?そ、そんな台詞聞いたことねぇよ…!)
ルヴァ(しかし、この人はそれを本気で言っている。もちろん、命を狙ってこいというのも本気だろう)
ミハリ(そうだ。だからこそ、この人はいつも本気で生きているから、俺たちも……)
ルヴァ(この人に着いて来たんだよ……!)
傍から見れば殺戮集団、最低の賊ではあったが、そこに生きる以上、その生き方にも各々の信念があるらしい。
アサシン「…」
―――やがて、陽は完全に落ちる。
予定の時刻を僅かに過ぎた20時頃、宴は未だ続いていたが、ここでアサシンが立ち上がり、「……来たか」とボソリと呟いた。
…………
……
…
―――ワイバーンの戦いから数時間後。
無事に"奈落の谷アイアン"を抜けた一行は、いよいよ砂国への道サンドロックへと突入していた。
アイアン付近は岩場が続く崖道となっていたのに対し、今度の風景はその名"サンドロック"の通り、見渡す限りの砂漠ばかりとなっていた。
白姫「でも、凄く遠くには岩壁が見えるね」
白姫の言う通り、遥か遠くではあったがアイアンと同じ石質で出来た岩壁がグルリと囲うように立ち、現在いる場所がどのような形状になっているか想像もつかなかった。……が、テイルは「聞きなさい!」という上から目線でそれを説明した。
テイル「ここは、東方大地のカルデラ跡なのよ」
白姫「カルデラ跡?」
テイル「だから、今いる場所は元々"火口"なの。周囲の岩壁は、火口の穴部分を覆う部分のそれよ」
白姫「火口って…火山!?」
テイル「そう。この巨大な火山が東方大地を荒廃にした原因って言われてるわ」
白姫「えぇ……!」
テイル「さっきのアイアンの谷は、その溶岩が流れた道なの」
テイル「周りに壁のように立つグランドロック、そこから溢れ出た溶岩がアイアンという谷を形成し、そこに長年に蓄積された砂の足場がここ…サンドロックなのよ」
白姫「へぇー…!」
魔剣士「なるほどな。……だけど、それってちょっとおかしくね?」
テイル「何が?」
魔剣士「どうして、このサンドロックにはオアシスが多いんだ?死火山で砂で埋まったっつーことは、カルデラが枯渇して出来た場所なんだろ?」
テイル「ここに蓄積された砂は特殊で、粒子が細かいのとゴツゴツしたので出来てるのよ」
魔剣士「それで?」
テイル「だから、地下に潜っていた湖の水が、ろ過されて地上へ湧き出てるわけ」
魔剣士「あぁ…」
テイル「それでまぁ、話は戻るけど…この巨大な火山が東方大地の形状を変えて、全てを荒廃させてしまったのよ」
魔剣士「…じゃあ、最初はもっと緑に溢れてたのか」
テイル「いつのことかは分からないけどね」
魔剣士「ほーん……」
この大地に住む人々は、最初から苦しい暮らしをしていたわけではないらしい。元々は緑に溢れていた大地だったようだが、突然の大変動により生活は一変。逃げる者も多くはいただろうが、慣れ親しんだ土地から離れることのなかった前任者たちによって今日という未来が生まれた。
だから、今の東方大地に住む人々にも平和を重んじている人間は少なからず存在する。いつの日かまた幸せな大地となることを信じ、この瞬間を生きているのだ。
テイル「その平和を重んじる代表。その国こそ、砂国だったのに……!」
魔剣士「…」
テイル「どうして本当に……」
魔剣士「……おい、何度もそうやって落ち込むのはいらねぇーから。どうせ、お前の手に戻ってくるんだろ?」
テイル「魔剣士……」
魔剣士「それとも、何度も俺の手で揉まれたいからわざとやってるのか!?」
テイル「……だ、誰が!それに落ち込んでなんかないしっ!」
魔剣士「じゃ、今は俺らのことも信じてくれてるってことでいいかね」
"ポン"とテイルの頭に手を乗せる。
テイル「うっ……!」
魔剣士「もう国も目の前なんだろ?」
テイル「……あと1日もあれば着くと…思うけど」
魔剣士「おっしゃ、国は絶対に取り戻したるぜ。そうじゃねぇと世界が危ないからな」
テイル「……締結状のことね」
魔剣士「国を救った暁には、北方大地の氷山帝国と共同戦線!いいだろ?」
テイル「その前に、魔剣士は変態罪で死刑だけどね」
魔剣士「待てコラ」
テイル「フンッ」
魔剣士「口の絶えない女だなお前は……!」
テイル「っていうかいつまで頭に手を乗せてるのよ!偉そうに!」
腕を払い、ツンとするテイル。
魔剣士「うぎっ…!」
テイル「バカッ!」
白姫(あっ、またっ……!)
猛竜騎士(ん……)
また喧嘩かと、白姫、猛竜騎士は反応したが、実際のところ"本気で嫌がっていないこと"を魔剣士本人が理解した。
魔剣士(……随分と優しい払い方だな。痛くもねぇし、触ったあとに毛嫌いする様子もねぇ)
魔剣士は思わずクククと笑い、テイルを見つめた。
テイル「……何よ」
魔剣士「いや、何でもねぇよ」
テイル「にやにやして…、気持ち悪いんだけど」
魔剣士「どの口が言ってるのか」
テイル「……ちょっとその言い方、私のこと馬鹿にしてるでしょ」
魔剣士「さぁーな」
テイル「こ、この……!」
魔剣士「ハハッ…!」
テイル「わ、笑うなぁっ!!」
この時、テイルは魔剣士たちと出会ったばかりとはいえ、その戦いぶりを見て白姫の彼を信じる心に共感を覚え、本気で嫌いな気持ちはなくなっていた。
テイル「…っ!」
いや、むしろここまで自分に意見をしてきた相手が"あの兄"以外にいただろうか。
魔剣士が少なくとも努力をしてきたことは嘘じゃないだろうし、いつの日か見た兄のように、知らず知らずに兄の面影を見ていたのかもしれない。
……生意気で。
だけど優しい。
どこか、懐かしい。
そんな、感覚。
魔剣士「…」
テイル「…」
今の彼女にとって、魔剣士はバカで生意気で変態だが、信用出来る男。不器用な男。優しい人。かもしれない、だけど。
テイル「……そんな感じかな?」
魔剣士「んあ?」
テイル「何でもない、バカ」
魔剣士「口を開けば悪口しか言わないのな、お前は!」
テイル「ふふっ、仕方ないでしょ」
魔剣士「……バーカ」
テイル「ふんっ」
魔剣士「ククッ……」
白姫は二人の様子を見て「むむむ」と唸っていたが、馬車の中は随分と雰囲気が柔らかくなったと思う。
猛竜騎士もその気をようやく察知したか、「そういうことか」と呟いた。
テイル(うーん、なんか変な感じっていうか、変な空気になった…かな。ま、嫌いじゃないけどね?)
白姫(うー…、魔剣士とテイルさん随分と喧嘩してても仲が良さそうに見えるよー……。悪い雰囲気じゃないのはいいことだけど…っ!)
魔剣士(ふむ、なんか面白くなってきたなって感じがするぜ!)
猛竜騎士(姫たる故か、女性が故か。魔剣士の本心を汲むのも早かったか。良い事だな)
砂国を目の前に、本当の仲間意識が芽生え始めていた。
……
…
―――だが、事態は突如、急展開を迎える。
…
……
猛竜騎士「……ぐっ!?」
それにいち早く感づいたのは、察知を伸ばしていた猛竜騎士だった。
魔剣士「……うぉっ!?」
次点で、魔剣士。
テイル「……えっ!?」
白姫「ど、どうしたの!?」
突然の声をあげた三人に驚く白姫とテイル。
猛竜騎士「――…魔剣士ッ!!」
魔剣士「分かってる!!」
素早く剣を抜き、馬車の小窓から前方を覗く。片腕に炎の魔力を宿し、臨戦態勢をとった。
白姫「な、何!?」
魔剣士「静かにしてろ!姿勢を低くして、動くな!」
白姫「えっ、えっ…!?」
魔剣士「なんだこの感覚…は……!」
ワゴン側にいた猛竜騎士も、咄嗟に槍を構え、その先を見つめていた。
魔剣士「何て…気持ちの悪い…殺気だ……!」
白姫「殺気…って……」
猛竜騎士と魔剣士が感じたそれは、今までと全く異なるまでの凶悪な"殺気"だった。しかも、ただの"殺す気配"ではない。
……純粋たる"殺戮の気"である。
余りにも強烈過ぎたその気配は、"超危険種の魔族が存在する"と認識に陥った程だ。
魔剣士「砂国はクッソ危険な魔族を飼育してんのか…!?」
テイル「そんなわけないでしょ!」
魔剣士「じゃあ何だよこの気配は!」
テイル「わ、分かるわけないでしょ私に!」
魔剣士「……今までとは違う。何もかも欲する、命を…欲する…気……!」
テイル「欲する…?」
魔剣士「殺しを殺しと問わないような、そんな…感覚だよ……!」
テイル「そんな感覚って……」
テイル「……まさか、アサシン…?」
魔剣士「何っ!?」
白姫「アサシンって……!」
テイル「この辺にいるそこまでの相手って言ったら、アサシンか何かしか…いない……」
魔剣士「マジかよ…、こんなのが…相手なのか……!」
テイル「たぶん…それしか考えられないから……」
魔剣士「だ、だけどよ!砂国までまだ1日の距離があるのに、そんな離れた距離からこの殺気か!?」
テイル「アサシンなら、このくらいの気は……って、あっ…!」
魔剣士「何か分かるのか!?」
何かを思い出すテイル。
テイル「もしかしてだけど、この道をまっすぐ行くと"荒地村"っていう小さい村があるんだけど……」
魔剣士「おう、それがどうした!」
テイル「そこにアサシンが…いるとか……」
魔剣士「!」
白姫「!」
猛竜騎士「…!」
テイル「い、いや分からないけど!だけど、相当離れた砂国からそんな気を感じるなんて難しいし、だとしたらそれしか…!」
猛竜騎士「テイル、村までの距離は?」
テイル「半日もかからないと思う……けど……」
猛竜騎士「……位置的には、このペースでそれくらいに感じている。俺の察知が間違いなければだがな」
魔剣士「じゃあ、まさか……」
猛竜騎士「その村にアサシンがいる可能性が高いということだ……」
魔剣士「……ハハ、マジかよ」
猛竜騎士「砂国で相対するものと思っていたが、いきなり過ぎて気をやられた。まずは落ち着くことが先決だな」
猛竜騎士は「ふぅ……」と息を吐き、構えていた武器を下ろし、目を閉じた。
魔剣士「……まだ慌てるような時間じゃないってか」
猛竜騎士「いきなりのことで驚いたが、まだ相手は遠い。だが、いきなりの大ボスの相手となるとは思わなかったぞ」
魔剣士「勝てるのか」
猛竜騎士「お前が聞くことか?」
魔剣士「勝つに決まってる」
猛竜騎士「そうだな。それしか道はない」
魔剣士「……当然だろうが。テイル、白姫、覚悟はいいな」
白姫「うん、もちろんだよ…!」
テイル「当たり前でしょ!こんな早く会えると思ってなかったんだから、相討ちにしても絶対に……」
魔剣士「…相打ちになったら困るだろうが。白姫にも、テイルにも生きててもらわんとな」
テイル「……ふーん、私のこと心配してくれるんだ?」
少し、表情が和らぐテイル。
魔剣士「あのな、締結状のことがあるだろが」
テイル「……あぁ、そうね」
魔剣士「ま、それを抜きにしても目の前で"仲間の女子"を殺されることは見て見ぬ振りはしねぇよ」
テイル「!」
魔剣士「誰がどうでも、守る。お前だって大事な仲間なんだから、守るに決まってるだろ」
テイル「……っ!」
魔剣士「…どうした?」
テイル「恥ずかしいことを惜しげもなく言ったり、不器用にしか優しさを表現できなかったり、ホントに意味が分からないよね、魔剣士って」
魔剣士「にゃにっ!?」
テイル「……だから、信じられるんだけど」
魔剣士「お、おうっ?」
テイル「分かったわよ、任せるからね?」
魔剣士「……任せろよ」
拳をテイルの前に突き出す。
テイル「任せたっ」
ゴツンと拳を突き合わせ、二人は笑った。
白姫「……ま、魔剣士!私も!」
白姫も真似をして魔剣士の前に拳を突き出すが、その時、馬車がグラリと揺れて腹部へと強烈なグーパンチが炸裂した
魔剣士「ほごぅおっ…!?」
白姫「あっ…!」
魔剣士「ぬ…ぉ……!」
白姫「あ、あう…!ご、ごめんなさいいっ!」
魔剣士「い…良いパンチだ…!それをアサシンに食らわして…やれ……」
白姫「あぅぅ……!」
テイル(何やってんだか…。決戦の前かもしれないのに、笑わせてくれるじゃないの……)
猛竜騎士(この二人は…。やれやれ……)
非情な殺戮の気の前だというのに、白姫と魔剣士のやり取りで馬車は再び落ち着いた雰囲気に戻ったのだった。
…………
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――数時間後、「荒地村」
陽が傾き、星空が見えてきた頃。"荒地村"に明かりが灯った。
村人たちの姿はあったが、それはただ賊に支配された中、彼らへの食糧と悦びを与える為だけに存在させられているようなものだった。
そして、その村の一番中心にある元村長の家屋。
そこには、黒ずくめの男たちが数人集まっているようで、酒を飲み楽しんでいるように見える。そんな最中、村長の家の扉が"ギィ…"と開かれた時、監視役だった"ミハリ"は、宴の中心に座る男に対し「アサシン様」と確かにその名を呼んだ。
アサシン「…」
魔剣士と猛竜騎士の察知は正確だった。
この村でアサシンは、クローツへ伝えなかった"監視役のミハリとカンサツ"より情報を聞き、その時を待っていたのだ。
ミハリ「例の馬車ですが、時刻的には本日の夕刻過ぎ……間もなくかと」
アサシン「そろそろ到着するか」
ミハリ「昨日以前にお話しをしましたが、"アサシン様の飼っていたワイバーン"を倒す程の相手ではありますので…万が一ということも。ご注意ください」
アサシン「俺に忠告か」
ミハリ「は……、い、いえ!その……!」
アサシン「何もする気はない。それは俺を思ってのことだろう?」
ミハリ「は、はい……!そ、そうです!」
アサシン「本隊であるお前の言葉、しかと受け止めた。その時が来るまで、ここで休んでおけ」
ミハリ「あ、ありがとうございます!」
宴の輪に加わったミハリは、アサシンの言葉に悦び、奴隷同然の村人が作った野菜と料理を口いっぱいに頬張った。
すると、その隣にいた副長ルヴァは「はしたないぞ」と口を開く。
ルヴァ「アサシン様の前で、みっともないことは止せ」
ミハリ「うっ…、す、すいません……」
アサシン「……気にするな。好きに生きる、欲を強く出せる者は嫌いではない」
ミハリ「アサシン様……」
アサシン「己を隠すほうがよっぽど恥じであると知れ。ここに囲むみなが、俺の命を、俺の立場を狙ったとしても文句は言わん」
その言葉に、宴に参加する団員たちからは"おぉ"と歓声があがる。
アサシン「好きに生きろ。欲に素直な生き方をしないことは、死んでいるそれと一緒だ」
ミハリ「……はいっ!しかと受け止めておきます!」
ルヴァ「折角、アサシン盗賊団の夜明けとなった国取りです。一つの問題も排除し、いつかのように花を咲かせましょう」
アサシン「全ては俺が生きるために。"この世は俺の好きに生きるためにあればいい"」
ミハリ(……うぇ!?そ、そんな台詞聞いたことねぇよ…!)
ルヴァ(しかし、この人はそれを本気で言っている。もちろん、命を狙ってこいというのも本気だろう)
ミハリ(そうだ。だからこそ、この人はいつも本気で生きているから、俺たちも……)
ルヴァ(この人に着いて来たんだよ……!)
傍から見れば殺戮集団、最低の賊ではあったが、そこに生きる以上、その生き方にも各々の信念があるらしい。
アサシン「…」
―――やがて、陽は完全に落ちる。
予定の時刻を僅かに過ぎた20時頃、宴は未だ続いていたが、ここでアサシンが立ち上がり、「……来たか」とボソリと呟いた。
…………
……
…
0
あなたにおすすめの小説
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています
木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。
少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが……
陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。
どちらからお読み頂いても話は通じます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる