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第八章【東方大地】
8-30闘いの終焉
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テイル「……これで、全部ねっ!!」
ヴァイク「えぇ、全て制圧しました!」
テイル「目の前で初めて見たけど、魔剣士の魔法化があれほどに驚異的だったなんて……」
ヴァイク「あれはアサシンの隠して持っていた力なんですよね…。どんなのを相手にしていたのか考えると、ゾっとしますね……」
―――朝6時。
奪還作戦から僅か2時間、魔剣士の圧倒的な魔力は他を寄せ付けず、相手に仕切れないと思った敵たちは全てを捨てて逃げだした。
流れに乗った民たちは武器を持ち、テイルへ直接的な配下として着き、さながら部隊長、副隊長の役割をしていた猛竜騎士とヴァイクは部隊への指示を行い、散った敵の殲滅や傷ついた者たちの救出、援護に専念した。
その結果、誰もが予想し得なかった驚異的な時間で全ての目標を完遂することに成功したのだった。
魔剣士「……イメージ」
戦いを終えた魔剣士は、眼を瞑り、魔法化した身体を人間へと戻す。
これから城下町に攻め込むのに少しの休息しか得られないが、魔剣士自身あまり魔法化した身体は好みでは無かったため、極力"人間"としての肉体を維持しておきたかったらしい。
魔剣士「ふぅー……」
火炎化した身体から、全身の魔法無力化のオーラを解き、人間へと戻ったところで落ち着く魔剣士。
それを見ていた白姫とテイルは、魔剣士へと近づいた。
テイル「お疲れ、魔剣士」
白姫「お疲れ様、魔剣士!」
魔剣士「おう、お疲れ」
二人はそれぞれ魔剣士の両側に立つと、その戦いを労った。
白姫「凄かったね魔剣士!魔法化って、言葉通りに全身が魔法で包まれるんだねー……」
テイル「中々やるじゃない。強いということは認めてあげる!」
魔剣士「へいへい、分かった分かった!両側からやかましいな!?」
魔剣士は少し面倒臭そうにしながら、そのまま二人を連れて馬車へと消えて行った。
すると、それを傍らで見ていたヴァイクは「ほぇー…」と情けない声を出し、猛竜騎士に話かけた。
ヴァイク「両手に花ってまさにこのことですねぇ、猛竜騎士さん」
猛竜騎士「面倒臭そうに相手はしているが、あの二人は仮にも女王と王女なんだがな……」
ヴァイク「……え?」
猛竜騎士「ん?」
ヴァイク「女王と、王女……ですか?」
猛竜騎士「……あっ」
つい口を滑らせる。この砂国の民は、教養的にはセントラルが"世界の中心"ということは知っているだろうが、辺境故に家出や賞金首であることを知らないのだ。
どのみち締結状のことを話すことになるだろうし、その真実は伝えるため最終的には知ることなのだが。
猛竜騎士「……ま、どのみち伝えることだったからな」
ヴァイク「何がです?」
すっかり奪還作戦に熱中し、説明するのを忘れていた程度で、隠すつもりはない。
丁度良い機会だと思った猛竜騎士は、締結状と自分たちの正体についてハッキリと伝えた。
ヴァイク「……ははぁー、バウンティハンターに世界戦争ですか!」
てっきり、反感を買うような反応を見せると思ったが、ヴァイクは意外にも納得したような、好奇心にも満ちた表情を見せた。
猛竜騎士「隠すようなつもりはなかった。すっかり抜けていただけなんだ…すまない」
ヴァイク「いえいえ、そんな気にしてないですよ!むしろ、あのセントラルに喧嘩を売れたってことで、これほどの強さを持ってるって分かったくらいですしね!」
猛竜騎士「そうか、そういってもらえると嬉しいよ」
ヴァイク「ハハハハッ、隠し事ってわけでもないですけど、そんなことなら人の一つや二つ当たり前ですしね!」
猛竜騎士「……フッ」
何と気持ちの良い連中なのか。巨体な肉体に清々しいまでの性格は、どこか癒される気さえする。
猛竜騎士「だが、締結状が受理されれば戦いは続くことになる。世界戦争の時、君たちにはまた犠牲が……」
ヴァイク「……見くびらないで下さいよ、センセイ」
猛竜騎士「ん……」
ヴァイク「恩を返すのは当然だ。故郷を救うために命を懸けてくれた恩人の頼みに、命を懸けない奴は砂国の民なんかじゃねぇ!」
猛竜騎士「ヴァイク……」
ヴァイク「ってなわけで、安心してくれよ猛竜騎士さん!誰一人、反対する奴なんかいねぇですよ!」
猛竜騎士「頼もしい言葉だ」
ヴァイク「へへっ…。それで、どうするんです?」
猛竜騎士「何がだ?」
ヴァイク「これからのことですよ。次の目標です」」
猛竜騎士「それは勿論……」
目標としていた村を全て奪還した今、次の目標は決まっている。
猛竜騎士「10分も休憩したら、狙うは王城だ。既に、彼らも準備万端だろうがな」
ヴァイク「……既に王城を取り巻く面子にバレているということですね」
猛竜騎士「逃げている盗賊団が、情報を伝えていないわけがない。城下町には多く敵がいるだろうし注意せねばならないだろう」
ヴァイク「しかし、砂国の王城周辺には王城の騎士部隊、兵士部隊等に勤めていた面子も多くおりますので、ご安心下さい」
猛竜騎士「テイルや君の手腕に期待しているよ」
ヴァイク「仰せのままに、部隊長…マスター」
猛竜騎士「よろしく頼む」
…………
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――同時刻、砂国の王城王室にて。
"……ドンッ!"
床を素手で強く叩く、怒りにも見える打撃音が響いた。それもそのはずで、数人の盗賊団員たちは現在の状況について緊急会議を行っていたのだ。
カンサツ「ルヴァ、どういうつもりだ!」
ルヴァ「どうしろというのだ、一体……!」
だが、実際に会話をしているのは元アサシン直属部隊で指揮を受けていたカンサツとルヴァの二人だけであった。
本当の幹部たちは猛竜騎士たちの奇襲にて倒された後で、ここにいるのは要員として集められ、発言権を持たない者たちだったため、残されたルヴァとカンサツの決定を待つばかりの人形だった。
カンサツ「アサシン様は行方不明!近辺の村も次々奪還されている!お前は何も知らないというのか!」
ルヴァ「そんなことは分かっている!魔剣士とやらと戦っていてから、アサシン様の姿がどこにも見えぬのだ……!」
カンサツ「まさか、どこぞの冒険者たちに殺られたというわけではないだろうな……」
ルヴァ「アサシン様が殺られるわけがないだろう。お前だって。アサシン様の実力は知っているはずだ」
カンサツ「そ、それは…分かっているが……」
ルヴァ「内情でモメている場合ではない。アサシン様が姿を見せないというのなら、自分たちだけでこの状況を打破しなければならん」
カンサツ「……偉そうに」
ルヴァ「何だと……?」
カンサツ「お前は所詮、アサシン様にくっ付いてきた紐だろうが……」
ルヴァ「貴様、今…何と言った……?」
彼の言い方にカチンと来たのか、立ち上がると短剣を抜いた。
カンサツ「……おいおい、すぐに武器を用いての脅しかよ」
ルヴァ「誰が紐だ…。俺はアサシン様に一番に従えてきたんだ……!いつも傍にいたというのに、その言い草があるか…?」
カンサツ「別に最初に仕えたからとか、一緒にいる時間が長かったから偉いわけじゃねえだろうが」
ルヴァ「黙れ!その口、封じても構わないんだぞ……?」
カンサツ「内情でモメてる場合じゃないって言ったのは誰だよ。矛盾だらけのクソヤローだな。そんなんだから、お前にゃ着いていけねぇんだ」
ルヴァ「何だと貴様ァ!!」
いつもならば、猛竜騎士の長年の戦いで培った勘は、ほぼ間違いなく当たってきた。
カンサツ「んだ、ヤるか…?」
ルヴァ「武器を抜け!お前のような生意気なガキがこの軍団にいることはアサシン様の恥になる!」
今回も、昨日の宿にて"ルヴァがアサシンの近くにいたことから"、彼が第三の盗賊団を率いる男になるのではないかと睨んでいた。
カンサツ「いいぜ、お前がその気ならな」
ルヴァ「その身を持って、刃向ったことを悔いるといい…!」
しかし、アサシン盗賊団は"アサシン"による影響が大きかった。
カンサツ「一撃で楽にしてやるぜ」
ルヴァ「楽に死ねると思うな……」
この場に、発言権を持つ幹部がいないことは彼らにとって災いとなり、魔剣士たちには幸いだった。
カンサツ「ククッ、いくぜッ!!俺がお前の代わりに副長になってやんよォ!」
ルヴァ「お前のような存在は、排除する必要があると身を持って知るんだなっ!!」
癖が強かったといえばいいのか。……いや、違う。彼らは、欲が強かったのだ。
自己欲、自分のために、自分がそうであるために、他人を見下すことも、他人よりも優越感であるために。
カンサツ「ぐっ……!」
ルヴァ「ふざけやがって……!」
だから、指揮すべきマスターである存在になり得ることを理解した二人は、競り合った。
カンサツ「……あァッ!!」
ルヴァ「うォォッ!!」
自らが、命尽きるまで。
…………
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――それから午前8時。
仲間を増やした魔剣士たちは、魔馬と馬車に乗って城下町へと到着したのだが、王城は既にもぬけの殻であった。
王室では血を濡らし、倒れた二つの遺体を見つけ、それが"ルヴァ"だと確認する。
その惨状から、恐らく"内部分裂"が発生したのだと分かり、猛竜騎士とヴァイクは配下となっていた仲間へ城下町本部の奪還作戦を早急に伝達。
命令を受けた民たちは、ヴァイク含め部隊員たちもいたこともあってキング直属や王城の部隊員たちを先に救出し、残党兵となっていた盗賊団を次々に打破することに成功した。
―――午前10時。
城下町の制圧まで、2時間。
盗賊団員のある者は死に、ある者は苦しみ、ある者は捕縛され、その後、彼らの行く末について知ることはないだろう。
―――午前11時。
戦いは落ち着きを見せる。
その後、再び自由を手に入れた砂国の民たちは喜びに打ちひしがれた。
恐怖の始まりとなった檀上のある広場で、互いに抱き合い、盗賊団から救われたことを心から喜んだのだった。
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―――そして、午前12時。
未だ悦びを止めぬ民たちの中、檀上へ、ついに彼女が上る。近くには魔剣士、ヴァイク、猛竜騎士、白姫が共に立っていた。
当初、檀上へ上がった彼女たちに気づく者は少なかったが、一人、また一人と"王女"である存在に気づき始める。
「あれはテイル王女じゃないか!?」
「そうだよ、あれはキング様の……!」
「そ、そういえばさっき、彼女が指揮を執っていたように見えたぞ……」
「ってことはまさか、テイル様がアサシン盗賊団を!?」
悦びを表していた熱狂は、彼女の登場によって一変する。
それはかつて、クローツとキングが立った時のように、"王"たる者への支持と熱気へと変わっていった。
「テイル様、テイル様ァーーーッ!!」
「分かりました、貴方が倒してくれたんですよね!!」
「きっと国は生き返るんじゃないかって、信じていましたァ!!」
歓喜に沸く声。
檀上からそれを見下ろすと、いつか父が見ていただろう景色何だと思え、また泣きそうになる。
テイル(……っ)
だが、テイルの目に映ったものは民の喜ぶ声だけではなかった。あちこちに残された戦いの跡、傷つきあった人々、歓喜に混ざらずに背を向けて帰る人々の姿が嫌というほどに目立ったのだ。
テイル(前は、お父様の時はこんなことはなかった)
テイル(これが……、国が死んでいるってこと…なんだ……)
人にとって、集団的な行動や負の連鎖は最も悪いように共感を覚える。
それが身近であるほど人は落胆し、生きる希望を失っていく。
今日、この時。熱気に沸く人々だけではなく、仲間を失った者、国の姿を見て落胆した者、負を感じ続けている人がいる限り、国は"死んでいる"ということだ。
魔剣士「テイル…。時間はかかるかもしんねぇけど、お前がやるっていったんだ。それとも、それを見て臆したか?」
テイル「えっ……」
魔剣士も気づいていた。
元々、セントラルにいた頃は"あちら側"の人間であったために、その気持ちもよく分かっているのだろう。
魔剣士「全員を救う、生き返らせる、国を強くするのはそう簡単なことじゃねぇぞ」
テイル「……分かってるわよ。そんなこと…」
魔剣士「お前に出来るのか?」
テイル「生意気な口きかないで。私は英雄キングの娘よ?」
魔剣士「その強気、良いじゃんか」
テイル「どういう意味よ」
魔剣士「活気づいているみんなの前で、そんな暗い表情をしていいのかなって思っただけだよ」
テイル「!」
負の連鎖を受けたせいか、テイルはあろうことか、人々の前で"哀しみ"に似た表情を浮かべていた。かつての王ならば、こんなことはなかったハズだ。
テイル「……う、うっさいわね!分かってるわよ!」
魔剣士「じゃ、ほら…いけよ!」
"ばんっ"と背中を軽く叩き、前に押し出す。
無理やり檀上の先頭に立たされたテイルは、一度魔剣士を「うー」と睨んだが、すぐに振り返り、集まった人々に語りかけた。
テイル「え、えーと……」
テイル「…」
テイル「……み、みなさん!私は、ご存知かもしれませんが、英雄キングの第一皇女、テイル・ストームランです…!!」
彼女の声を聞いた民たちは、更に熱狂し、強く地鳴りのようになって大地を震わす。
それを見たテイルは、緊張した面持ちで話を続ける。話すことを特に考えているわけではなかったのだが、言いたいことをただ言葉にした。
「何があったのかは、みなさんがご存知の通りです…。アサシンの手によって、私たちの国は一度滅ぼされかけました」
「しかし、私を含め、遥かセントラルの地より来ていただいた冒険者……魔剣士、猛竜騎士さんです」
「私は彼らに助けられ、今日まで生きることができました」
魔剣士「…」
「英雄キングの娘として恥ずかしい限りではありますが、国を取り戻したのは何を隠そう…彼らの力でした」
「彼らは勇猛果敢にアサシンへ挑み、倒し、救い、今日という復活の陽を見ることが出来たのは全て彼らのおかげです」
猛竜騎士「…」
「でも、私はキングの娘としてこの国をまた、未来を見据えて生きられるようにしたい……」
「まだまだ未熟かもしれませんが、私はこの国をまた活気に満ちて、お父様がいた頃と同じように、みんなが笑顔の国を作りたいと思っています……!」
白姫「…」
「私の言葉では、いつかのキングのような鬼気迫る、みんなの心に訴えかけるような言葉は出来ないかもしれません」
「で、ですが…ッ!」
ヴァイク「…」
「私は、この国のために全てを捧げる覚悟があります!!」
「みんなの笑顔のために、幸せのために、ゼロからのスタートとなってしまったのかもしれないけど、きっと幸せにしてみせるから!!」
「どうか、私に力を貸して欲しい!!国の未来のために、私に着いて来いと…言いたいっ!!!」
"「着いて来い」"
強く言い放った言葉は、民の心を捉えたのか、全員が腕をあげて彼女を称えた。
テイルはそれを見て嬉しそうに微笑んだ。すると、その群衆を見た魔剣士は興奮してしまい、檀上前に移動すると「うぉぉっ!」と叫び、熱狂する民と同じように片腕を高々と上げる。
魔剣士「国が生まれ変わったようなもんだろ。折角だ、壮大な花火でも上げてやるよ!」
テイル「な、何を…!?」
魔剣士はそう言うと、強力な火炎を"ボンボン!"と空高く放った。それは青々とした空でも分かるほどに赤く燃え滾った炎で、まるで王城から咲いた花のように見えた。
白姫「わぁっ、花火だね……!」
猛竜騎士「随分と意気なことをする」
テイル「ま、魔剣士……!」
魔剣士「赤色だけじゃ寂しいか?……ならッ!!」
"魔力"を自由に操れるようになった魔剣士は、実影響のないようにして打ち上げる魔力の色を変え、赤、青、緑、白、黄、紫と次々に様々なカラーの花火を打ち上げた。
国民たちはそれを見て、満面の笑みを見せる。
魔剣士「おらよっ!!!」
最後に、王城のてっぺんから咲き誇ったのは、最も巨大な"黄金色"の花を象った魔力の花だった。
テイル「魔剣士……っ」
魔剣士「この国の行く末に、幸せがあることを願ってるぜ、テイル!!」
…………
……
…
テイル「……これで、全部ねっ!!」
ヴァイク「えぇ、全て制圧しました!」
テイル「目の前で初めて見たけど、魔剣士の魔法化があれほどに驚異的だったなんて……」
ヴァイク「あれはアサシンの隠して持っていた力なんですよね…。どんなのを相手にしていたのか考えると、ゾっとしますね……」
―――朝6時。
奪還作戦から僅か2時間、魔剣士の圧倒的な魔力は他を寄せ付けず、相手に仕切れないと思った敵たちは全てを捨てて逃げだした。
流れに乗った民たちは武器を持ち、テイルへ直接的な配下として着き、さながら部隊長、副隊長の役割をしていた猛竜騎士とヴァイクは部隊への指示を行い、散った敵の殲滅や傷ついた者たちの救出、援護に専念した。
その結果、誰もが予想し得なかった驚異的な時間で全ての目標を完遂することに成功したのだった。
魔剣士「……イメージ」
戦いを終えた魔剣士は、眼を瞑り、魔法化した身体を人間へと戻す。
これから城下町に攻め込むのに少しの休息しか得られないが、魔剣士自身あまり魔法化した身体は好みでは無かったため、極力"人間"としての肉体を維持しておきたかったらしい。
魔剣士「ふぅー……」
火炎化した身体から、全身の魔法無力化のオーラを解き、人間へと戻ったところで落ち着く魔剣士。
それを見ていた白姫とテイルは、魔剣士へと近づいた。
テイル「お疲れ、魔剣士」
白姫「お疲れ様、魔剣士!」
魔剣士「おう、お疲れ」
二人はそれぞれ魔剣士の両側に立つと、その戦いを労った。
白姫「凄かったね魔剣士!魔法化って、言葉通りに全身が魔法で包まれるんだねー……」
テイル「中々やるじゃない。強いということは認めてあげる!」
魔剣士「へいへい、分かった分かった!両側からやかましいな!?」
魔剣士は少し面倒臭そうにしながら、そのまま二人を連れて馬車へと消えて行った。
すると、それを傍らで見ていたヴァイクは「ほぇー…」と情けない声を出し、猛竜騎士に話かけた。
ヴァイク「両手に花ってまさにこのことですねぇ、猛竜騎士さん」
猛竜騎士「面倒臭そうに相手はしているが、あの二人は仮にも女王と王女なんだがな……」
ヴァイク「……え?」
猛竜騎士「ん?」
ヴァイク「女王と、王女……ですか?」
猛竜騎士「……あっ」
つい口を滑らせる。この砂国の民は、教養的にはセントラルが"世界の中心"ということは知っているだろうが、辺境故に家出や賞金首であることを知らないのだ。
どのみち締結状のことを話すことになるだろうし、その真実は伝えるため最終的には知ることなのだが。
猛竜騎士「……ま、どのみち伝えることだったからな」
ヴァイク「何がです?」
すっかり奪還作戦に熱中し、説明するのを忘れていた程度で、隠すつもりはない。
丁度良い機会だと思った猛竜騎士は、締結状と自分たちの正体についてハッキリと伝えた。
ヴァイク「……ははぁー、バウンティハンターに世界戦争ですか!」
てっきり、反感を買うような反応を見せると思ったが、ヴァイクは意外にも納得したような、好奇心にも満ちた表情を見せた。
猛竜騎士「隠すようなつもりはなかった。すっかり抜けていただけなんだ…すまない」
ヴァイク「いえいえ、そんな気にしてないですよ!むしろ、あのセントラルに喧嘩を売れたってことで、これほどの強さを持ってるって分かったくらいですしね!」
猛竜騎士「そうか、そういってもらえると嬉しいよ」
ヴァイク「ハハハハッ、隠し事ってわけでもないですけど、そんなことなら人の一つや二つ当たり前ですしね!」
猛竜騎士「……フッ」
何と気持ちの良い連中なのか。巨体な肉体に清々しいまでの性格は、どこか癒される気さえする。
猛竜騎士「だが、締結状が受理されれば戦いは続くことになる。世界戦争の時、君たちにはまた犠牲が……」
ヴァイク「……見くびらないで下さいよ、センセイ」
猛竜騎士「ん……」
ヴァイク「恩を返すのは当然だ。故郷を救うために命を懸けてくれた恩人の頼みに、命を懸けない奴は砂国の民なんかじゃねぇ!」
猛竜騎士「ヴァイク……」
ヴァイク「ってなわけで、安心してくれよ猛竜騎士さん!誰一人、反対する奴なんかいねぇですよ!」
猛竜騎士「頼もしい言葉だ」
ヴァイク「へへっ…。それで、どうするんです?」
猛竜騎士「何がだ?」
ヴァイク「これからのことですよ。次の目標です」」
猛竜騎士「それは勿論……」
目標としていた村を全て奪還した今、次の目標は決まっている。
猛竜騎士「10分も休憩したら、狙うは王城だ。既に、彼らも準備万端だろうがな」
ヴァイク「……既に王城を取り巻く面子にバレているということですね」
猛竜騎士「逃げている盗賊団が、情報を伝えていないわけがない。城下町には多く敵がいるだろうし注意せねばならないだろう」
ヴァイク「しかし、砂国の王城周辺には王城の騎士部隊、兵士部隊等に勤めていた面子も多くおりますので、ご安心下さい」
猛竜騎士「テイルや君の手腕に期待しているよ」
ヴァイク「仰せのままに、部隊長…マスター」
猛竜騎士「よろしく頼む」
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―――同時刻、砂国の王城王室にて。
"……ドンッ!"
床を素手で強く叩く、怒りにも見える打撃音が響いた。それもそのはずで、数人の盗賊団員たちは現在の状況について緊急会議を行っていたのだ。
カンサツ「ルヴァ、どういうつもりだ!」
ルヴァ「どうしろというのだ、一体……!」
だが、実際に会話をしているのは元アサシン直属部隊で指揮を受けていたカンサツとルヴァの二人だけであった。
本当の幹部たちは猛竜騎士たちの奇襲にて倒された後で、ここにいるのは要員として集められ、発言権を持たない者たちだったため、残されたルヴァとカンサツの決定を待つばかりの人形だった。
カンサツ「アサシン様は行方不明!近辺の村も次々奪還されている!お前は何も知らないというのか!」
ルヴァ「そんなことは分かっている!魔剣士とやらと戦っていてから、アサシン様の姿がどこにも見えぬのだ……!」
カンサツ「まさか、どこぞの冒険者たちに殺られたというわけではないだろうな……」
ルヴァ「アサシン様が殺られるわけがないだろう。お前だって。アサシン様の実力は知っているはずだ」
カンサツ「そ、それは…分かっているが……」
ルヴァ「内情でモメている場合ではない。アサシン様が姿を見せないというのなら、自分たちだけでこの状況を打破しなければならん」
カンサツ「……偉そうに」
ルヴァ「何だと……?」
カンサツ「お前は所詮、アサシン様にくっ付いてきた紐だろうが……」
ルヴァ「貴様、今…何と言った……?」
彼の言い方にカチンと来たのか、立ち上がると短剣を抜いた。
カンサツ「……おいおい、すぐに武器を用いての脅しかよ」
ルヴァ「誰が紐だ…。俺はアサシン様に一番に従えてきたんだ……!いつも傍にいたというのに、その言い草があるか…?」
カンサツ「別に最初に仕えたからとか、一緒にいる時間が長かったから偉いわけじゃねえだろうが」
ルヴァ「黙れ!その口、封じても構わないんだぞ……?」
カンサツ「内情でモメてる場合じゃないって言ったのは誰だよ。矛盾だらけのクソヤローだな。そんなんだから、お前にゃ着いていけねぇんだ」
ルヴァ「何だと貴様ァ!!」
いつもならば、猛竜騎士の長年の戦いで培った勘は、ほぼ間違いなく当たってきた。
カンサツ「んだ、ヤるか…?」
ルヴァ「武器を抜け!お前のような生意気なガキがこの軍団にいることはアサシン様の恥になる!」
今回も、昨日の宿にて"ルヴァがアサシンの近くにいたことから"、彼が第三の盗賊団を率いる男になるのではないかと睨んでいた。
カンサツ「いいぜ、お前がその気ならな」
ルヴァ「その身を持って、刃向ったことを悔いるといい…!」
しかし、アサシン盗賊団は"アサシン"による影響が大きかった。
カンサツ「一撃で楽にしてやるぜ」
ルヴァ「楽に死ねると思うな……」
この場に、発言権を持つ幹部がいないことは彼らにとって災いとなり、魔剣士たちには幸いだった。
カンサツ「ククッ、いくぜッ!!俺がお前の代わりに副長になってやんよォ!」
ルヴァ「お前のような存在は、排除する必要があると身を持って知るんだなっ!!」
癖が強かったといえばいいのか。……いや、違う。彼らは、欲が強かったのだ。
自己欲、自分のために、自分がそうであるために、他人を見下すことも、他人よりも優越感であるために。
カンサツ「ぐっ……!」
ルヴァ「ふざけやがって……!」
だから、指揮すべきマスターである存在になり得ることを理解した二人は、競り合った。
カンサツ「……あァッ!!」
ルヴァ「うォォッ!!」
自らが、命尽きるまで。
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―――それから午前8時。
仲間を増やした魔剣士たちは、魔馬と馬車に乗って城下町へと到着したのだが、王城は既にもぬけの殻であった。
王室では血を濡らし、倒れた二つの遺体を見つけ、それが"ルヴァ"だと確認する。
その惨状から、恐らく"内部分裂"が発生したのだと分かり、猛竜騎士とヴァイクは配下となっていた仲間へ城下町本部の奪還作戦を早急に伝達。
命令を受けた民たちは、ヴァイク含め部隊員たちもいたこともあってキング直属や王城の部隊員たちを先に救出し、残党兵となっていた盗賊団を次々に打破することに成功した。
―――午前10時。
城下町の制圧まで、2時間。
盗賊団員のある者は死に、ある者は苦しみ、ある者は捕縛され、その後、彼らの行く末について知ることはないだろう。
―――午前11時。
戦いは落ち着きを見せる。
その後、再び自由を手に入れた砂国の民たちは喜びに打ちひしがれた。
恐怖の始まりとなった檀上のある広場で、互いに抱き合い、盗賊団から救われたことを心から喜んだのだった。
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―――そして、午前12時。
未だ悦びを止めぬ民たちの中、檀上へ、ついに彼女が上る。近くには魔剣士、ヴァイク、猛竜騎士、白姫が共に立っていた。
当初、檀上へ上がった彼女たちに気づく者は少なかったが、一人、また一人と"王女"である存在に気づき始める。
「あれはテイル王女じゃないか!?」
「そうだよ、あれはキング様の……!」
「そ、そういえばさっき、彼女が指揮を執っていたように見えたぞ……」
「ってことはまさか、テイル様がアサシン盗賊団を!?」
悦びを表していた熱狂は、彼女の登場によって一変する。
それはかつて、クローツとキングが立った時のように、"王"たる者への支持と熱気へと変わっていった。
「テイル様、テイル様ァーーーッ!!」
「分かりました、貴方が倒してくれたんですよね!!」
「きっと国は生き返るんじゃないかって、信じていましたァ!!」
歓喜に沸く声。
檀上からそれを見下ろすと、いつか父が見ていただろう景色何だと思え、また泣きそうになる。
テイル(……っ)
だが、テイルの目に映ったものは民の喜ぶ声だけではなかった。あちこちに残された戦いの跡、傷つきあった人々、歓喜に混ざらずに背を向けて帰る人々の姿が嫌というほどに目立ったのだ。
テイル(前は、お父様の時はこんなことはなかった)
テイル(これが……、国が死んでいるってこと…なんだ……)
人にとって、集団的な行動や負の連鎖は最も悪いように共感を覚える。
それが身近であるほど人は落胆し、生きる希望を失っていく。
今日、この時。熱気に沸く人々だけではなく、仲間を失った者、国の姿を見て落胆した者、負を感じ続けている人がいる限り、国は"死んでいる"ということだ。
魔剣士「テイル…。時間はかかるかもしんねぇけど、お前がやるっていったんだ。それとも、それを見て臆したか?」
テイル「えっ……」
魔剣士も気づいていた。
元々、セントラルにいた頃は"あちら側"の人間であったために、その気持ちもよく分かっているのだろう。
魔剣士「全員を救う、生き返らせる、国を強くするのはそう簡単なことじゃねぇぞ」
テイル「……分かってるわよ。そんなこと…」
魔剣士「お前に出来るのか?」
テイル「生意気な口きかないで。私は英雄キングの娘よ?」
魔剣士「その強気、良いじゃんか」
テイル「どういう意味よ」
魔剣士「活気づいているみんなの前で、そんな暗い表情をしていいのかなって思っただけだよ」
テイル「!」
負の連鎖を受けたせいか、テイルはあろうことか、人々の前で"哀しみ"に似た表情を浮かべていた。かつての王ならば、こんなことはなかったハズだ。
テイル「……う、うっさいわね!分かってるわよ!」
魔剣士「じゃ、ほら…いけよ!」
"ばんっ"と背中を軽く叩き、前に押し出す。
無理やり檀上の先頭に立たされたテイルは、一度魔剣士を「うー」と睨んだが、すぐに振り返り、集まった人々に語りかけた。
テイル「え、えーと……」
テイル「…」
テイル「……み、みなさん!私は、ご存知かもしれませんが、英雄キングの第一皇女、テイル・ストームランです…!!」
彼女の声を聞いた民たちは、更に熱狂し、強く地鳴りのようになって大地を震わす。
それを見たテイルは、緊張した面持ちで話を続ける。話すことを特に考えているわけではなかったのだが、言いたいことをただ言葉にした。
「何があったのかは、みなさんがご存知の通りです…。アサシンの手によって、私たちの国は一度滅ぼされかけました」
「しかし、私を含め、遥かセントラルの地より来ていただいた冒険者……魔剣士、猛竜騎士さんです」
「私は彼らに助けられ、今日まで生きることができました」
魔剣士「…」
「英雄キングの娘として恥ずかしい限りではありますが、国を取り戻したのは何を隠そう…彼らの力でした」
「彼らは勇猛果敢にアサシンへ挑み、倒し、救い、今日という復活の陽を見ることが出来たのは全て彼らのおかげです」
猛竜騎士「…」
「でも、私はキングの娘としてこの国をまた、未来を見据えて生きられるようにしたい……」
「まだまだ未熟かもしれませんが、私はこの国をまた活気に満ちて、お父様がいた頃と同じように、みんなが笑顔の国を作りたいと思っています……!」
白姫「…」
「私の言葉では、いつかのキングのような鬼気迫る、みんなの心に訴えかけるような言葉は出来ないかもしれません」
「で、ですが…ッ!」
ヴァイク「…」
「私は、この国のために全てを捧げる覚悟があります!!」
「みんなの笑顔のために、幸せのために、ゼロからのスタートとなってしまったのかもしれないけど、きっと幸せにしてみせるから!!」
「どうか、私に力を貸して欲しい!!国の未来のために、私に着いて来いと…言いたいっ!!!」
"「着いて来い」"
強く言い放った言葉は、民の心を捉えたのか、全員が腕をあげて彼女を称えた。
テイルはそれを見て嬉しそうに微笑んだ。すると、その群衆を見た魔剣士は興奮してしまい、檀上前に移動すると「うぉぉっ!」と叫び、熱狂する民と同じように片腕を高々と上げる。
魔剣士「国が生まれ変わったようなもんだろ。折角だ、壮大な花火でも上げてやるよ!」
テイル「な、何を…!?」
魔剣士はそう言うと、強力な火炎を"ボンボン!"と空高く放った。それは青々とした空でも分かるほどに赤く燃え滾った炎で、まるで王城から咲いた花のように見えた。
白姫「わぁっ、花火だね……!」
猛竜騎士「随分と意気なことをする」
テイル「ま、魔剣士……!」
魔剣士「赤色だけじゃ寂しいか?……ならッ!!」
"魔力"を自由に操れるようになった魔剣士は、実影響のないようにして打ち上げる魔力の色を変え、赤、青、緑、白、黄、紫と次々に様々なカラーの花火を打ち上げた。
国民たちはそれを見て、満面の笑みを見せる。
魔剣士「おらよっ!!!」
最後に、王城のてっぺんから咲き誇ったのは、最も巨大な"黄金色"の花を象った魔力の花だった。
テイル「魔剣士……っ」
魔剣士「この国の行く末に、幸せがあることを願ってるぜ、テイル!!」
…………
……
…
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