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第八章【東方大地】
八章エピローグ
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【八章エピローグ】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――二日後。
やや予定より遅れてしまったものの、魔剣士一行は無事にイエロー・ノースポートへと到着する。
丁度、船が出船する時間であったことを知った一同は急いで、船に乗り込み、甲板からヴァイクへ別れの挨拶を交わした。
ヴァイク「みなさま、どうかまた会える日まで!」
猛竜騎士「必ず」
白姫「テイルさんによろしくお願いします!」
魔剣士「あぁ、またな!」
"ボォォォッ!"
船の汽笛が吹き上がり、出船を告げる。
ゆっくりと動き出した船は、港を離れていき、いつまでも笑顔で手を振るヴァイクを遠くに、いつの間にか沖へと辿り着いていた。
魔剣士「……はぁ、終わっちまったか」
白姫「凄く長かったけど、あっという間だったね」
魔剣士「お前、毎回それ言ってないか?」
白姫「そうかな?」
猛竜騎士「旅も、人生も、長いようであっという間だ。同じことを口にすることは仕方ないことだろう」
魔剣士「……まぁな」
考えてみれば、白姫と旅をしてもうどれくらいになるのだろう。
セントラルで彼女を誘拐し、共に家出し、中央大地から西方、北方、東方、随分と遠くまで、長い道のりだった気がする。
魔剣士(って考えるのも、いい加減毎回だしアホらしくなってくるがな)
小さく苦笑し、ため息を漏らす。
猛竜騎士「……何を笑っている」
魔剣士「思い出し笑いだよ」
猛竜騎士「フフッ、そうか。しかし、お前も落ち着いてみれば……」
魔剣士「あん?」
猛竜騎士「お前は本当に強くなった。不本意な部分も大半だろうが、ずっとずっと強くなったと思うぞ」
魔剣士「不本意だらけだよ。ってか、狙ってやったことなんかほとんどねぇし」
猛竜騎士「偶然だろうが、そうなる運命だったんだ。お前は今日も生きていられることが何よりの証拠だ」
魔剣士「神様でも望んだ結果なのかねェ」
猛竜騎士「フッ、本当にそうかもしれんな」
甲板で風を仰ぎ、物思いにふける三人。
海はただ静かに揺れるばかりで、これから戦争になるのかとは思えないし、命を懸けて戦ったことが遠くにすら感じるような気がした。
魔剣士「……あっ、そういや…」
何かを思い出し、ポケットから何かを取り出す。
白姫「なぁに、それ?」
魔剣士「アサシンを倒したあとに、落ちてたやつなんだよな」
猛竜騎士「銀の…ペンダントか……?」
魔剣士「でも、アイツは身に着けてなかったよな?」
猛竜騎士「確かに、そうは見えなかったな」
魔剣士「んー…、まぁふと持ってきちまったけどいらないモンだし……」
猛竜騎士「……ふむ」
それを壮大な海に向けて、肩をブンブンと回す。
猛竜騎士「捨てるのか?」
魔剣士「アサシンの物を持ってるってのは、ちょっとばかし気に入らん」
猛竜騎士「お前が引き継いだものだ。お前の好きにするといい」
魔剣士「おうよ!それじゃーー……!」
意気込み、激しく肩を回転させると、
「とぉうっ!!」
魔剣士は全力でペンダントを投げ、それはキレイな弧を描きながら遠く彼方の海へと消えていった。
魔剣士「……どやァーっ!!」
白姫「凄い飛んだねー……」
猛竜騎士「まぁ、いつまでも負の遺産とも呼べるアレを持っている必要はあるまい」
魔剣士「海の底でゆっくりとサビついていけばいいんだよ、あんな時代錯誤なモンはよ」
猛竜騎士「その通りだ。俺たちは未来を見据えねばな」
魔剣士「分かってるっつーの!俺は明日しか見てねぇんだからな!!」
白姫「うんっ!」
眩いばかりに輝く太陽を見つめ、未来を見つめる。
薄々と本人らに感づいていることではあっただろうが、今…この時。
"世界の未来は彼らが担っている"と言っても過言ではない。
世界を駆け、未来のために戦い抜く。全ては世界のために。
そして、その決着はもうすぐ傍まで来ているのだ。
―――しかし、それはつまり。
"この旅に終焉が近づいている"ということだろう……。
…………
……
…
次回 -九章-
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――戦いは佳境へ向かう。
ブレイダー「久しぶりだね、魔剣士君……」
魔剣士「てめェは!?」
ブレイダー「だけど、僕もセントラルのおかげで新しい力を手に入れたんだ……」
魔剣士「……まさか、その魔力は…!」
―――刺客となりて。
魔剣士「俺が、騎士団のテストを受ける…だ?」
猛竜騎士「最善とも思えないのだが……」
―――敵か味方か。
ブリレイ「初めまして、魔剣士さん。猛竜騎士さん、そして……白姫さん」
魔剣士「どうして俺らのことを!?」
白姫「あなたは一体……?」
―――決着の時は来る。
猛竜騎士「やれやれ、逃げてばかりの生活もここまでか」
白姫「もう、逃げられない。私には逃げません!!貴方から逃げることはありません!!」
魔剣士「決着の時は来た、って感じかね……?」
―――最後の時間。
魔剣士「俺は違う世界に旅立つ」
白姫「魔剣士、嫌っ…!だめ、待って!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
近日より再開予定。
よろしくお願いいたします。
※八章外伝 Assassin short episode へ続く
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―――二日後。
やや予定より遅れてしまったものの、魔剣士一行は無事にイエロー・ノースポートへと到着する。
丁度、船が出船する時間であったことを知った一同は急いで、船に乗り込み、甲板からヴァイクへ別れの挨拶を交わした。
ヴァイク「みなさま、どうかまた会える日まで!」
猛竜騎士「必ず」
白姫「テイルさんによろしくお願いします!」
魔剣士「あぁ、またな!」
"ボォォォッ!"
船の汽笛が吹き上がり、出船を告げる。
ゆっくりと動き出した船は、港を離れていき、いつまでも笑顔で手を振るヴァイクを遠くに、いつの間にか沖へと辿り着いていた。
魔剣士「……はぁ、終わっちまったか」
白姫「凄く長かったけど、あっという間だったね」
魔剣士「お前、毎回それ言ってないか?」
白姫「そうかな?」
猛竜騎士「旅も、人生も、長いようであっという間だ。同じことを口にすることは仕方ないことだろう」
魔剣士「……まぁな」
考えてみれば、白姫と旅をしてもうどれくらいになるのだろう。
セントラルで彼女を誘拐し、共に家出し、中央大地から西方、北方、東方、随分と遠くまで、長い道のりだった気がする。
魔剣士(って考えるのも、いい加減毎回だしアホらしくなってくるがな)
小さく苦笑し、ため息を漏らす。
猛竜騎士「……何を笑っている」
魔剣士「思い出し笑いだよ」
猛竜騎士「フフッ、そうか。しかし、お前も落ち着いてみれば……」
魔剣士「あん?」
猛竜騎士「お前は本当に強くなった。不本意な部分も大半だろうが、ずっとずっと強くなったと思うぞ」
魔剣士「不本意だらけだよ。ってか、狙ってやったことなんかほとんどねぇし」
猛竜騎士「偶然だろうが、そうなる運命だったんだ。お前は今日も生きていられることが何よりの証拠だ」
魔剣士「神様でも望んだ結果なのかねェ」
猛竜騎士「フッ、本当にそうかもしれんな」
甲板で風を仰ぎ、物思いにふける三人。
海はただ静かに揺れるばかりで、これから戦争になるのかとは思えないし、命を懸けて戦ったことが遠くにすら感じるような気がした。
魔剣士「……あっ、そういや…」
何かを思い出し、ポケットから何かを取り出す。
白姫「なぁに、それ?」
魔剣士「アサシンを倒したあとに、落ちてたやつなんだよな」
猛竜騎士「銀の…ペンダントか……?」
魔剣士「でも、アイツは身に着けてなかったよな?」
猛竜騎士「確かに、そうは見えなかったな」
魔剣士「んー…、まぁふと持ってきちまったけどいらないモンだし……」
猛竜騎士「……ふむ」
それを壮大な海に向けて、肩をブンブンと回す。
猛竜騎士「捨てるのか?」
魔剣士「アサシンの物を持ってるってのは、ちょっとばかし気に入らん」
猛竜騎士「お前が引き継いだものだ。お前の好きにするといい」
魔剣士「おうよ!それじゃーー……!」
意気込み、激しく肩を回転させると、
「とぉうっ!!」
魔剣士は全力でペンダントを投げ、それはキレイな弧を描きながら遠く彼方の海へと消えていった。
魔剣士「……どやァーっ!!」
白姫「凄い飛んだねー……」
猛竜騎士「まぁ、いつまでも負の遺産とも呼べるアレを持っている必要はあるまい」
魔剣士「海の底でゆっくりとサビついていけばいいんだよ、あんな時代錯誤なモンはよ」
猛竜騎士「その通りだ。俺たちは未来を見据えねばな」
魔剣士「分かってるっつーの!俺は明日しか見てねぇんだからな!!」
白姫「うんっ!」
眩いばかりに輝く太陽を見つめ、未来を見つめる。
薄々と本人らに感づいていることではあっただろうが、今…この時。
"世界の未来は彼らが担っている"と言っても過言ではない。
世界を駆け、未来のために戦い抜く。全ては世界のために。
そして、その決着はもうすぐ傍まで来ているのだ。
―――しかし、それはつまり。
"この旅に終焉が近づいている"ということだろう……。
…………
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次回 -九章-
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―――戦いは佳境へ向かう。
ブレイダー「久しぶりだね、魔剣士君……」
魔剣士「てめェは!?」
ブレイダー「だけど、僕もセントラルのおかげで新しい力を手に入れたんだ……」
魔剣士「……まさか、その魔力は…!」
―――刺客となりて。
魔剣士「俺が、騎士団のテストを受ける…だ?」
猛竜騎士「最善とも思えないのだが……」
―――敵か味方か。
ブリレイ「初めまして、魔剣士さん。猛竜騎士さん、そして……白姫さん」
魔剣士「どうして俺らのことを!?」
白姫「あなたは一体……?」
―――決着の時は来る。
猛竜騎士「やれやれ、逃げてばかりの生活もここまでか」
白姫「もう、逃げられない。私には逃げません!!貴方から逃げることはありません!!」
魔剣士「決着の時は来た、って感じかね……?」
―――最後の時間。
魔剣士「俺は違う世界に旅立つ」
白姫「魔剣士、嫌っ…!だめ、待って!!」
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近日より再開予定。
よろしくお願いいたします。
※八章外伝 Assassin short episode へ続く
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